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2階建ての天井の高さの平均は?天井高の魅力と条件を分かりやすく解説!

 2022/07/19 新築
 

念願のマイホームを建てると決まったら、希望は大きく膨らみますよね。

できる限り「広くてゆったりとしたくつろげる家にしたい」と誰もがイメージするのではないでしょうか。

この記事では、その希望を叶える手段の一つとして、天井の高さに着目しました。

一生に一度の高価な買い物だからこそ、満足のいく家を実現させましょう。

 

天井の高さの平均は何メートル?

近年、戸建てとマンションの天井の高さは2m40㎝が平均です。

一昔前までは畳や座敷が多く、生活内の目線が低かったこともあり、天井の高さは2m20㎝と低めでした。

最近では和室の家も少なく、リビングやダイニングでもソファや椅子を活用している人が多くなり、目線が以前より高くなったことで天井の高さも変化しています。

ただ天井の高さは、好みによって自由に変えられるのではなく、建築基準法に基づいて決まりがあるのです。

その決まりというのが、『部屋の天井の高さを2m10㎝以上とする』こと。

この決まりに基づき、天井を高めに設計することは可能になり、開放感のある部屋づくりが叶います。

また、この決まりは『部屋』をキーワードとしているので、廊下や玄関などのスペースは基準以下の高さでも問題はありません。

最近の傾向として、天井を低くし細かく区切って沢山の部屋を作るというより、天井を高くし一部屋を大きくゆったりとした住まいづくりが人気です。

輸入住宅となると、更に天井は高く3mに及ぶものもありますが、海外の方よりも比較的低い日本人の身長を考慮すると2m40㎝の平均値は納得できる数値ですね。

既存宅では、人気の天井高へとリフォームやリノベーションをして作り替える方法もあります。

通常、天井には、屋根との間に配管や電線を通すための空間があり、その空間を取り除くことで、天井高の部屋を作ることが可能です。

 

 

家の高さを示す専門用語を分かりやすく解説

注文住宅を建てるとき、天井の高さに関する基礎知識があると便利です。

専門家との話し合いの際に、最低限度の知識があることでスムーズに希望を伝えられ、その都度調べる手間が省けられますよ。

ここでは、天井の高さについてよく使用される専門用語を分かりやすく解説いたします!

 

軒高(のきだか)って何?

軒高(のきだか)とは、建物の地盤から屋根を支える柱の上端部分までの高さを指します。

建築基準法では『軒の高さ』と規定され、高さを示す指標の一つ。

例えば、地盤から1階の床までが50㎝、1階の天井の高さが2m40㎝

1階の天井から2階の床までが50㎝、2階の天井の高さが2m40㎝

この場合、軒高は5m80㎝となるのです。

もし、希望した土地が第1種住居地域といった高さに制限がある用途地域の場合、軒高が制限内の高さなのかを事前に確認する必要があります。

設計時は、個人の住みやすさだけでなく、建築基準の決まりに従った中で、快適な空間づくりをする必要があるということですね。

 

階高(かいだか)って何?

階高(かいだか)とは、1階の床面から2階の床面までの高さを指します。

ここで注意したいのが、天井高との違い。

天井高は床面から天井までの高さを指します。

階高は設計図でしか確認できない為、勘違いされやすい数値ですね。

通常、床下には約50㎝の空間があり、そこには耐震対策の柱や断熱材、排水管などがあることで快適な空間を支えています。

希望の天井高を決めて、軒高を決めるイメージです。

また、外観から見たバランスを考慮する必要もあり、希望を伝え設計士にアドバイスをもらいながら決めていくことをオススメします。

 

天井が高い3つのメリット

近年、人気の天井高ですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

詳しく見ていきましょう。

 

開放感がある

開放感については、1番の魅力といっても過言ではありません!

例えば、天井が高いと背の高い家具を置いても圧迫感がなく、広々と感じられるでしょう。

エントランスや廊下の天井を低めに設定し、部屋の天井を高くすると、入った時の広々とした印象はさらに増し、ゆったりとした居室を演出することができます。

 

部屋が明るい

天井が高い部屋は、低い部屋よりも明るい印象です。

その理由は2つあり、1つ目は高い位置に窓を設けることで陽光を部屋に取り入れることができ、明るくなるということ。

2つ目は、壁面が高くなることで、家具の圧迫感が減り、部屋全体が明るくなるということです。

 

インテリアの幅が広がる

天井の高い部屋では、照明家具にこだわることが可能

例えば、シャンデリアや天井から吊るすタイプのペンダントライトなどデザイン性の高い照明器具は、高い天井でなければ設置しづらいです。

仮に、低い天井に設置してしまうと家具と照明の幅が狭くなり圧迫感のある空間となってしまいます。

その他にも、大きな本棚やスタンドライト、壁に飾るインテリアなどを設置しても天井の高い部屋なら圧迫感を感じません

インテリアの幅が広がることで、家づくりはより一層楽しいものとなるでしょう。

 

天井が高い3つのデメリット

メリットもあれば、もちろんデメリットもあります。

ここでは、包み隠さずデメリットについてもしっかりとお伝えしますね!

 

メンテナンスが大変

天井が高いと掃除の難易度が格段にあがります

見えにくいため気がつきづらいのですが、壁は埃が溜まりやすい箇所。定期的な掃除をしなければ、固まった埃が上から降ってくることもあります。

長いモップやクイックルワイパーで掃除をするのですが、シャンデリアなどの細かな照明器具は細部まで掃除をするのは難しいですね。

また、高めに設置された窓を掃除することは容易ではなく、業者に依頼する必要がでてくるため、別途費用がかかるでしょう。

掃除一つでもかなりの手間がかかってしまうのは、デメリットだといえますね。

 

コストがかかる

壁面が広いことで、建築や設置のコストも上がります。

例えば、開放感のある部屋ですが、裏を返せば空間が広すぎて冷暖房が効きにくいです。

一部屋にエアコンを1台設置しても、部屋が適温になるまでに時間がかかります。

冷房の場合は、温度設定を低めにし、扇風機などを上手く活用しながら、部屋全体の空気を循環させる対策が必要です。

暖房の場合は、温度設定を高めにし、床暖房などを活用しながら、底冷えを防ぐ対策が必要となります。

また、高い位置にエアコンを取り付けることで、別途足場を組む必要があり、通常とは違いオプション対応となる可能性も。

気密性の高い家にしようと、壁に断熱材を入れる場合も、壁の面積がある分基礎工事も増えコストも増加傾向。

天井の高い部屋は、エアコンだけでなく床暖房や断熱材を設置するなど構造に一工夫が必要となります。

 

音が響きやすい

例えば、天井高の開放感を生かすため、リビングを吹き抜けにした場合、リビングでしている会話の声が2階まで響いてしまうといった問題。

他にも、在宅で仕事をしているのに、テレビゲームの音が響いてきて集中できないといった問題がでてくることも。

音が聞こえることで、どこに誰がいるか分かりやすい反面、聞きたくない音や聞かれたくない音も筒抜けになってしまうのは、デメリットですね。

必要に応じてカーテンやブラインドを上手く活用し、音が響きづらくなる対策を検討してみましょう。

 

部屋ごとの最適な天井高は?

部分的に天井の高さのメリハリをつけることで、印象や用途の使い分けができます。

各部屋の最適な天井高を見てみましょう。

 

リビングの場合

家族やゲストなど人が集まるリビングには、高い天井がオススメ。

メリットである開放感や明るさを演出することで、家族みんながゆったりとリラックスして過ごせる空間作りが出来ます。

平均値である2m40㎝以上は欲しいところ。

その他にも、傾斜をつけた天井(勾配天井)や吹き抜け天井にすることで、メリハリのあるゆったりとした空間が演出できるでしょう。

 

キッチンの場合

キッチンの天井高は、2m40㎝がオススメ。

一般的に、作業台の高さは85㎝。吊戸棚やレンジフードの長さは約50㎝~80㎝が平均値です。

手元の作業スペースを考慮すると、2m40㎝が最適な天井高といえるでしょう。

高さによって非常に使いづらくなってしまうのが吊戸棚。

棚が自然に目に入り、手が届きやすい高さに設定することが重要です。

収納を有効活用するために、天井の高さと設置家具のバランスを専門家と相談しながら決めましょう。

 

玄関の場合

玄関の天井を吹き抜けにし大きく見せる家もありますが、それよりもリビングを天井高にし、広く見せることをオススメします。

長居することがない玄関は、ドアの高さを考慮して約2m40㎝にすることが一般的

デメリットでもお伝えしたコスト面やメンテナンス面を考えると、玄関の天井を高くするメリットは少ないのではないでしょうか。

好みにもよりますが、玄関の場合、天井を高くするよりも収納や広さをメインに設計する方が使い勝手がよいでしょう。

 

2階建ての家づくりで注意すべき斜線規制とは

土地によって街の住環境を守るための決まりがあるのをご存じですか?

都市計画によって定められた用途地域のうち、住居専用地域では建物の高さに関する制限がいくつかあります。

天井高にすることで、住宅全体が背の高い家になることも。

ここでは新築を建てる場合の制限について詳しく見てみましょう。

 

道路斜線制限とは?

 

道路斜線制限とは、敷地に接している道路の幅によって、建物の高さを制限する決まりです。

例えば、敷地に接する道路の反対側の境界線から1mにつき1.25mあがる勾配の内側に建物が収まるように建てなければいけません

家の高さが道路斜線制限にかかってしまう場合は、敷地内に庭や駐車場などを作ることで道路と建物の距離をあけられるため改善しますが、その分土地が多く必要となってしまいます。

 

隣地斜線制限とは?

隣地斜線制限とは、隣に建つ建物の日当たりや風通りなどを考慮して決められる、生活を良好に保つための建物の高さ制限のこと。

標準の高さと勾配によって建築可能なエリアが決まります。

例えば、第1種・第2種低層住居専用地域を除く住居系地域では、隣地の境界線上20mの高さから、1mにつき1.25mあがる斜線の内側に建築が可能

数値の差は用途地域によって差があり、第1種・第2種低層住居専用地域と田園住居地域では隣地制限に関わらず、建物の高さが10mもしくは12m以内(都市計画によって変わる)と決められています。

和田
どのような土地で施工するかによって、建物の高さ制限に幅があるので、事前に不動産会社や役場に確認してみましょう。

 

北側斜線制限とは?

北側斜線制限とは、建物の北側に関連する高さ制限のこと。

建物の北側に面する隣地に十分な日照時間を確保するため、一定の基準に則り高さを制限します。

建物同士が隣接した一戸建てにしてしまうと、一方が日中ずっと日影になってしまう恐れがあり良好な住環境とはいえませんよね。

この北側斜線制限は、低層・中高層住居専用地域と田園住居地域に規制されていて、住人の住みやすさを考慮した決まり。

隣接した敷地から標準の高さで低層なら5m、中高層なら10mに定められていますよ。

 

3階建てを建てたい場合に注意すべきこと

3階建てを建てる場合、前述したように高さ制限を考慮する必要があります。

近隣に与える影響や土地の広さを考慮して設計することがオススメ。

制限の内容は、地域の条件によっても変わるので、事前に確認しましょう。

規制以外にも、建物の採光や風通しを考えることも重要。

吹き抜けの部屋を設ける場合、窓の位置を計算して設置することで、1階まで光が差し込む明るい空間作りが叶いますよ。

天井の高さにメリハリをつけて、間取りを考える必要があるでしょう。

 

3階建ての間取り事例

3階建ては2階建てに比べて一部屋あたりの面積が狭くなりがち。

十分な陽光や吹き抜ける風通しの良い家にするには、工夫が必要です。

例えば、日が届きにくい1階は車庫や物置をメインとし、人が集まる2階にLDKやトイレを配置。

3階には寝室を配置することで、外からの視線も気になりにくいでしょう。

ワンフロアが狭くなりがちな3階建では、ベランダを無くし屋上庭園やテラスを設けることも可能。

そうすることで、人目を気にせず洗濯物を干したり、バーベキューをしたりするなど、家族の憩いの場としても活用できます。

階段が多い3階建ては、壁面や階段下に収納を設置することで、デッドスペースの有効活用も可能でしょう。

 

和田
もし、水場を上段に持ってくると、水圧が弱くなってしまう可能性があります。その場合は対応策として、増圧ユニットの設置をオススメします。

 

 

高さも関係する税制優遇とは?

戸建ての階数があがることで、建物にかかる固定資産税が変わります。

例えば、同じ延べ床面積かつ、同じ仕様という条件下で平屋と2階建てを比べると、平屋の方が固定資産税は割高

屋根や壁など多くの資材を使用する平屋は、建物自体の資産価値が高くなるだけでなく、まとまった土地を必要とするため、税金が高くなります。

また、2階建てと3階建てでは、固定資産税の優遇期間も変わります。

2階建ては3年間、3階建ては、5年間で50%軽減され、税金面を考えると高さのある住宅は魅力的といえるでしょう。

 

まとめ

2階建ての天井高さに関する魅力と条件について詳しく解説いたしました。

一般的な天井高は、2m40㎝。

天井が高いことで、開放感や部屋の明るさ、インテリアの幅が広がるという反面、メンテナンスやコスト面では心配事もあるという内容についてもまとめました。

また、各部屋ごとに天井の高さのメリハリをつけることで、より開放感を感じられるような工夫もできます。

ただ、住宅を建てたい土地が用途地域の場合は、制限がある可能性も。

事前に自分の土地に、高さ制限があるかどうかを知っておく必要がありますね。

設計時に不動産会社や役場へ確認することがオススメです。

その他、税金面では階数が高いほど固定資産税の軽減年数が増加します。

税金面を考慮すると、同じ広さの場合は平屋より2階、2階より3階が魅力的でしょう。

畳に座ることがメインだった昔に比べ、今は洋風な家が大半を占めます。

椅子に座る人が増えた今の暮らしを考慮すると、天井の高い家は今の時代に合っているのではないでしょうか。

メリットデメリットはありますが、情報を多く仕入れ、工夫をすることで理想の家づくりは叶います。

天井高の魅力を知っていただき、家づくりの参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

この記事の監修:嵯峨根 拓未
所有資格:二級建築士、宅地建物取引士

 

 

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和田光代

和田光代

建築マニアなライター。
一眼レフ片手に旅行するのが趣味。

世代を超えて愛され続ける家とは?をテーマに
建築について勉強中です。

一戸建て、マンション、アパート、団地などへの7回の引っ越し経験から、
居心地の良い家づくりを提案します♪

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