吹き抜けのメリット・デメリットと後悔しないために押さえておくポイントをご紹介!

皆さんは『吹き抜け』と聞いてどのようなイメージがわきますか?

「開放感がありおしゃれ」「家に光が行きわたり明るくなる」など、魅力的な印象があるのではないでしょうか。

一方で、「音が生活に影響しないか心配」「冬は寒いのではないか」といった不安もあるかもしれません。

今回は、吹き抜けのメリット・デメリットを詳しく紹介します。

 

吹き抜けとは

まずは吹き抜けの構造について紹介します。

吹き抜けとは、階層をまたがる天井や床を取り払い、ひとつの空間につなげる設計のこと。

空間を縦に大きくとることができるという特徴があり、多くは玄関や階段、リビングにも見られます。

 

階段を吹き抜けにすることで、広々とした空間に

吹き抜けは、階層をつなぐ役割のある階段との相性がとても良いです。

階段を吹き抜けにすることで、より空間に高さが生まれ、広々とした開放的なスペースを作り出すことが可能です。

 

吹き抜けは建築費用が高くなる?安くなる?

吹き抜けは2階の床を取り払うため、費用が安くなると思われているかもしれません

しかし、吹き抜けを作るにあたって、足場を作ったり手すりを設けたりする手間が必要になるため、その分建築費用がかかります

材料費だけでみると安く抑えられても、建築費用は変わらないという場合もあります。

建築面積や設計によって費用が異なりますので、事前にハウスメーカーによく確認をしましょう。

 

 

吹き抜けがある家のメリット

では、吹き抜けを設けるメリットはどのような事でしょうか。

詳しくご紹介します。

 

広くない土地でも開放感を作れる

一番の特徴は、やはり『開放的な空間を作れる』ということです。

天井が高く視界が縦に広がるため、 のびのびと暮らせる空間を演出できるでしょう。

面積が限られている土地でも、吹き抜けを取り入れることで広く見せることができるため都市部など高い建物に囲まれている地域の住宅にもおすすめです。

 

採光、風通しが良い

吹き抜けの上部に窓を設けることで、太陽の光が1階や室内の奥まで明るく照らしてくれます

「家同士の距離が近く光が入りにくい」といったケースでも、明るい空間を作り出すことが可能です。

また、縦に抜けた空間であるため、暖かい空気が上部へ抜けていきやすく、自然に換気がしやすいというメリットもあります。

暖かい空気は自然に上がる性質があるため、無風状態でも空気が流れていき涼しさを感じられます。

このような長所を存分に活かすには、吹き抜けの上部に窓を設置すると良いことが分かりますね。

 

床を作ると部屋にリノベーションもできる

ライフスタイルの変化により、「一人部屋が欲しい」「収納を増やしたい」などの希望が出てくることがあるかもしれません。

そのような時、吹き抜けに床を張ることで部屋を作ることが可能です。

ただし、増築による費用や申請が必要になるケースがありますので、検討する場合はハウスメーカーや工務店に相談しましょう。

 

家族の気配を常に感じられる

吹き抜けのある家は1階と2階の隔たりがないため、常に家族の気配を感じることができ、コミュニケーションが取りやすくなります

例えば、リビング階段に吹き抜けを採用すると、家族が移動する際に必ずリビングを通るという動線ができるため、自然と顔を合わせることに。

「家族との時間を大切にしたい」「子どもがいるので常に見守りたい」という方は、吹き抜けがとてもおすすめです。

 

デザイン性が高くおしゃれになる

吹き抜けは部屋の高低差を活かし、従来では見られなかった北米の住宅のようなおしゃれな空間を演出できます。

リビングと吹き抜けを合わせて開放的な空間を作ったり、玄関に吹き抜けを作って明るい印象にしたりなど、理想の家づくりに合わせて空間デザインを楽しめるでしょう。

 

 

吹き抜けがある家のデメリット

このようなメリットのある吹き抜けですが、注意すべきポイントもあります。

次項では、吹き抜けのデメリットについて見てみましょう。

 

外気の影響を受けやすく、エアコンが効きづらい

ここまでご紹介したように、吹き抜けは縦に空間が広がり、光が差し込んで空気が循環しやすいという特徴があります。

そのため、冬場は暖かい空気が上ってしまい部屋が暖まりにくく、夏場は光が差し込んで暑くなるなど、外気の影響を受けやすいという傾向が。

空間が広く上下で室温に差があるために、エアコンをつけても快適な温度に保ちにくいため、家の断熱性や気密性を高めることが大切です。

寒さへの対策は、後ほど詳しくご紹介します。

 

音や匂い、煙などが伝わりやすい

吹き抜けは、風通しもよく家族とのコミュニケーションを取りやすいというメリットがありますが、一方で話し声が伝わりやすいというデメリットにもなってしまいます。

同様に、キッチンからの料理の匂いや煙が上がりやすいともいえます。

これらは家の防音性を高める、吹き抜けに換気扇を設けるなどの対策が有効でしょう。

 

高所の掃除やメンテナンスがしづらい

吹き抜けは手の届かない高い場所に窓や照明を設ける場合が多いため、掃除がしにくいというデメリットがあります。

電球が切れてしまった照明の取り換えも、通常の照明より手間がかかります。

場合によっては専門業者に掃除やメンテナンスを依頼する必要が出てくるかもしれません。

高所の掃除は、柄の長い高所掃除専用のグッズを使用し、汚れがたまってしまう前に定期的な清掃を心がけましょう。

 

耐震性が落ちる可能性がある

2階の床を取り払うということは、横方向の揺れに対して弱くなってしまうという事になります。

吹き抜けを設けると揺れに対してバランスが取りづらく、建物が変形しやすくなると言えるでしょう。

耐震強度をあげるため、耐力壁を設置するなどの対策を検討する場合は、家の構造や設計に 関わりますので、ハウスメーカーや工務店へ事前にしっかりと相談しましょう。

 

吹き抜けで後悔しないためのポイント

「せっかく吹き抜けのある憧れの家を作ったのに失敗してしまった…」と後悔したくないですよね。

吹き抜けで失敗しないためにはどのようなことに配慮が必要でしょうか。

次項では抑えておきたいポイントを、5つご紹介します。

 

吹き抜けの大きさをしっかりと検討する

吹き抜けを作っても、思うように光が行き渡らなければ住みづらい家になってしまいますよね。

吹き抜けの採光性を最大限に活かすには、吹き抜けの大きさが重要になります。

幅、奥行きの広さによって光の取り入れられる範囲は異なってきます。

最低限、1階に光を取り入れられる奥行の範囲として、1畳分程度の長さを目安にするとよいでしょう。

また開放感を出したいのであれば、ゆとりのある大きさが欲しいところです。

費用面なども踏まえて、吹き抜けの大きさはしっかりと検討しましょう。

 

掃除や電球の取り替えを考えた照明を選ぶ

前述したように、吹き抜けは高所に照明をつける場合が多いため、やはり電球の取り替えや掃除が面倒になりがちです。

照明は寿命の長いLEDライトを使用する、電動昇降タイプの照明を設けるといった工夫をすると、掃除も電球の取り替えも楽に行えるでしょう。

デザイン性も保ちつつ安全に取り替えが行いたい場合は、シーリングライトやペンダントライトの電動昇降タイプをおすすめします。

 

吹抜けの窓は適した位置に設置

吹き抜けの窓の位置は、部屋の明るさや暖かさに関わる重要なポイントです。

基本的には、光が取り込みやすい南側の高所に設けると、明るく暖かい空間が作り出せるでしょう。

また、窓の高さを揃えることで統一感を出し、見た目を整える事も可能です。

 

「吹き抜けがあって寒い!」とならないために

ご紹介したように、吹き抜けは暖かい空気が上る性質と、広い空間があるためにエアコンが効きにくいという懸念があります。

対策の1つとしておすすめなのが、吹き抜けの窓に断熱性カーテンを設けること。

窓の内側に取り付ければ、夜になって寒いときや冬の外気を感じるときだけでなく、夏の日差しが暑いときなどにも調整が可能です。

カーテンはチェーンなどで引いて操作する手動タイプ、リモコンなどで開閉できる電動タイプがありますので、窓の数や費用などを考慮して検討しましょう。

また、床暖房を導入したり、上に溜まった暖かい空気を部屋全体に行きわたらせるため、シーリングファンやサーキュレーターを取り付けたりする事も有効でしょう。

 

吹き抜けとリビングの関係性を考えよう

吹き抜けというと、リビングと組み合わされる事の多い設計です。

リビングに吹き抜けを組み合わせた場合、明るく、風通りもよく広々とした空間を作り出すことができます。

一方で、広い間取りが却って今までご紹介してきたデメリットとなりうる可能性もあります。

家族と団らんをしたりくつろいだりと長い時間を過ごすリビングは、住みごこちよくしたいですよね。

吹き抜けをリビングに設ける場合のデメリットもありますが、これまでご紹介してきた対策で対応することが可能です。

ぜひ理想の空間づくりに役立ててください。

 

まとめ

今回は、吹き抜けについてメリット・デメリットを紹介しました。

部屋全体が光で満たされ、広々とした吹き抜けのある住宅はとても魅力的です。

吹き抜けを検討している場合、注意すべきポイントを抑えて住みごこちの良い空間を叶えましょう。

 

くれぐれも、マイホーム作りは慎重に…

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