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建坪とは?建坪を深堀し延床面積・坪単価・建築面積などの知識を広げよう!

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注文住宅を建てるとき「建坪は〇〇坪です」と言われてもどの程度か理解しがたいですよね。

「どのくらいの広さなのか」「何を指しているのか」わからないのが本音ではないでしょうか。

建築業界では、建坪のほかにも業界用語をはじめとした難しい用語がたくさん使われています。

そこで、この記事では「建坪」をはじめ、家づくりで間違えやすい関連用語について宅建士がまとめて解説します。

用語の意味を知れば、物件情報を正しく読み取れるようになりますよ!

「建坪」とは?

「建坪(たてつぼ)」とは、建物を上から見たときの大きさのことです。

「土地面積50坪で、建坪は20坪の家です」など、会話のなかで建物のおおよその大きさを説明するときに使うのが一般的。

 

しかし「建坪」という用語は建築基準法にはなく、明確なルールもありません。

そこで、建坪をあらわすときには以下の2つのうち、どちらかを坪単位に計算しなおしています。

  • 建築面積(㎡)
  • 一階床面積(㎡)

一般的な住宅であれば面積にそれほど大きな違いはありません。

ただし、どちらをもとにした建坪かはハウスメーカー・建築会社によって異なるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

 

「建築面積」と「一階床面積」の違い

「建築面積」と「一階床面積」の大きな違いは、建築面積の方が広くなるケースが多いところです。

 

「建築面積」とは、建築物を真上から見たときの面積(水平投影面積)のこと。

「建ぺい率」(=敷地面積に対する建物の大きさ)を求めるときにも、この建築面積をもとにして計算することになります。

そのため、建築基準法によって厳密なルールが決められています。

たとえば『3方向を壁に囲まれた玄関ポーチ』は、建築面積に算入しなければなりません。

 

一方「一階床面積」は、一階部分の床面積のことです。

床面積も建築基準法によるルールが決まっているものの、先述した『3方向を壁に囲まれた玄関ポーチ』は”通路”とみなされ、床面積には含みません。

建築面積と一階床面積の違い

このように同じ家であっても、一階床面積の方が小さくなるケースがあるのです。

 

よって、正確な建物の大きさを知りたいときは建坪や一階床面積ではなく、建築面積をチェックすれば間違いありません。

 

物件によって「坪単価」は異なる

建坪と合わせて、「坪単価」という言葉もよく耳にしますよね。

「坪単価」とは、新築するときの1坪(約3.3㎡)あたりの建築費のことです。

坪単価の計算式

建築費÷床面積=坪単価

家づくりをするときによく目にすることになりますが、坪単価の基準は建築基準法でとくに定められていません。

ここが落とし穴で、同じ建坪であっても物件やハウスメーカーによって坪単価は大きく異なります。

 

まず建築費ですが、チラシに【家本体価格〇〇万円!】となっていても『どこまでの工事が建築費用に含まれているのか』『設備グレードはどのくらいか』という部分は、ハウスメーカーによって違います。

そのため実際は、表示価格から数百万円単位で金額が上がってしまうことも多いです。

 

また、坪単価の計算に使う床面積には次の2パターンがあります。

・≪延床面積≫…一階・二階の合計床面積
 (建物面積・延べ面積・延べ床面積ともいう)

・≪施工床面積≫…延床面積+小屋裏収納・ロフト・ウッドデッキなども含めた床面積

延床面積と施工床面積の違い

どちらを使っても問題ないことから、坪単価に違いが出てくることはご理解いただけるでしょう。

坪単価に関してもあくまで目安として考えておくとよいです。

 

ここまで説明した建築用語とそれぞれの関係をまとめると、以下のようになります。

建築用語まとめ

大まかにでもイメージできるようにしておくと、ハウスメーカーとの打ち合わせや物件情報をチェックするときに混乱することがなくなりますよ。

 

 

建坪=建築面積に含まれるものとは?

建坪=建築面積であるとお伝えしましたが、では建築面積には何が含まれるのでしょうか?

建築基準法によると、建築面積に含まれるのは以下の部分です。

  • ≪屋根+壁≫がある
  • ≪屋根+柱≫がある

どちらかに当てはまると、建築面積に算入されます。

建築面積が増えれば建ぺい率も増えてしまいますので、狭小住宅地ではとくに「わずかな面積もムダにできない」と、建築面積に敏感になる人も多いことでしょう。

理想の家を建てるために、どんなものが建築面積に含まれるのか知っておくことが大切です。

 

ひさし・バルコニー

『1m以上突き出た』ひさしやバルコニーは、その先端から1m後退させた部分までを建築面積に含めます。

1.5m突き出したひさし・バルコニーの建築面積算入方法

一般的なバルコニー商品は、建ぺい率に算入されないようにと奥行きが90cmほどになっています。

設備を選ぶときにもぜひチェックしてみてくださいね。

 

バルコニーの奥行きが1m以内でも両側に壁を設けてしまったり、玄関ポーチが柱や壁に囲まれていたりすると、すべての部分が建築面積に含まれることになります。

壁や柱に囲まれているひさし・バルコニーの建築面積算入方法

 

ひさし・バルコニーの飛び出した部分が『1m以内』かつ『柱や壁がない』状態であれば、建築面積には含まれません。

90cm突き出した、柱と壁のないひさし・バルコニーの建築面積算入方法

 

出窓

出窓は、基本的に建築面積に含みません。

建築面積に含まれない出窓の条件は、以下の3つです。

  • 下端の床面からの高さが30cm以上ある
  • 周囲の外壁から50cm以上突き出していない
  • 見付け面積の1/2以上が窓である

すべてを満たしている出窓であれば、建築面積には含まれません。

また、”収納充実の家”にしようと出窓の下部に収納スペースを設けると、出窓が建築面積に含まれることになるので要注意。

出窓のこまかい条件は複雑なので、あらかじめ設計士とよく相談して決めてくださいね。

 

吹き抜け

吹き抜けには『屋根と壁がある』ので、建築面積に含まれます。

ただし吹き抜けに『床はない』ため、各階の合計床面積をあらわす「延床面積(建物面積)」には吹き抜けは含まれません。

同じ「〇〇面積」のつく用語と間違えやすいので、注意しましょう。

 

カーポート

カーポートは『屋根と柱がある』ため、建築面積に含まれます。

ただし例外として、以下の条件をすべて満たしているときのみ「高い開放性のある建築物の建築面積不算入措置」という緩和措置を使うことができます。

  • 柱と柱の間隔が2m以上ある
  • 屋根の高さが2.1m以上ある
  • 外壁のない部分が連続して4m以上ある
  • 地階をのぞく階数が1である

これらの条件をクリアしていれば、カーポートの先端から1m後退させた部分は建築面積には含まれません。

高い開放性のある建築物の建築面積不算入措置を適用できるカーポートの算入方法

これにより、建ぺい率の緩和につながります。

 

なお、『周囲を壁に囲まれている』ビルトインガレージはこの緩和対象にはならないので、すべての範囲が建築面積に含まれることになります。

 

中庭

中庭には『屋根がない』ため、建築面積に含まれません。

日本建築行政会議によると、簡易的なオーニング(可動式テント)なども「軽微なテント工作物」に該当するため建築面積には含まないとされています。

 

 

建坪はどのくらいあればいいの?間取りプラン実例

注文住宅を建てるとき、どのくらいの坪数にするかはどこのご家庭でも悩むポイントですよね。

平均的な住宅の坪数は、3~4人家族で30~40坪(建坪15~20坪の二階建て)程度となっています。

「家族構成夫婦2人」というご家庭であれば、30坪未満でも十分快適に暮らせるでしょう。

狭すぎても広すぎても家事動線が不便になってしまうので、家族の人数やライフスタイルに合った坪数にすることが大切です。

そこで坪数ごとの間取りプラン実例を紹介するので、ぜひ家づくりの参考にしてください。

 

35坪(建坪17.5坪)

35坪二階建ての間取り建築実例出典:ライフプラスハウス 建築実例

35坪、4LDKの間取りです。

1階には来客対応がしやすい和室、2階には家族それぞれの個室があります。

『4部屋もいらないかな』というご家族は、リビングを広くして3LDKにするとゆとりのあるくつろぎ空間が確保できますよ。

 

40坪(建坪20坪)

40坪二階建ての間取り建築実例出典:ライフプラスハウス 建築実例

40坪、5LDKの間取りです。

1階の和室、2階の洋室はそれぞれ1つの大部屋として使えるようになっています。

ご両親や友人を招いてにぎやかに過ごしたり、そのまま宿泊することになったときもプライバシーをしっかりと確保できます。

必要に応じて部屋を区切ることができるので、将来的なライフスタイルの変化にも対応できる万能な間取りですね。

 

 

まとめ

「建坪」は、建物を真上から見たときの大きさです。

建築面積または一階床面積のどちらかを坪換算しており『おおよその家の大きさ』を表現するときに使われます。

家づくりでは、ほかにも建築用語がたくさん出てきます。

建築用語まとめ

「意味を勘違いしていて、イメージしていたより家が狭かった…」なんてことにならないように、ぜひ覚えておきましょう!

 

【関連記事】

坪単価で新築注文住宅の費用を比較してはいけない4つの理由

 

 

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嵯峨根 拓未

嵯峨根 拓未

所有資格:二級建築士、宅地建物取引士

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