空間を有効活用できる「リビングクローク」はとても便利なもので取り入れたい人も多いですよね。
リビングにあるモノが一気に片付く”超優秀”な収納スペースではありますが、「どこに取り入れたらいいのか分からない」のがどこの家庭でも実情です。
テレビで紹介されたことでも注目を集め、新たな収納空間として提案するハウスメーカーも増えてきているので、まずは相談してみるのも良いでしょう。
とはいえ、なかなか分からないものを相談するのも勇気がいるものですよね。
そこで、この記事では「リビングクローク」について徹底解説していきます!
リビングクロークを用いるメリットデメリットや、賃貸でも取り入れやすいDIY法を紹介しているので新築・賃貸・マンションの家づくりの参考にしてくださいね。

嵯峨根 拓未(株式会社ドレメ 取締役(現場責任者))
資格:一級建築士、宅地建物取引士
戸建て住宅、ヴィラ、グランピング等幅広い物件の現場を経験。
実際の経験を基に、あなたのおうちの悩みを解決します
リビングクローク(クローゼット)とは?
リビングクローク(クローゼット)とは、その名の通りリビング内に設ける収納空間のことです。
リビングで使うモノはもちろん、リビングに置きっぱなしにしておきたくないモノ、別の部屋まで取りに行くのが面倒なモノもまとめて収納できます。
リビングクロークは一般的に、テレビ台の裏に1~3畳くらいの空間を作り、ウォークイン(ウォークスルー)タイプの収納スペースにすることが多いです。
とはいえ、リビングクロークは絶対にこの形じゃなきゃダメ!というルールはありません。
出入り口にドアをつけたり、テレビの裏側以外の場所に作ったりと、それぞれのご家庭にあった使いやすいリビングクロークを自由に取り入れることができます。
リビングクロークのある暮らしメリット・デメリット
家族が集まるリビングには、たくさんのモノが集まります。
たっぷり収納できるリビングクロークがあると、特別な収納術がなくてもおうちをいつも綺麗に保つことができるでしょう。
そうなると毎日の暮らしに大きな変化をもたらすことができます。
リビングクロークには、どんなメリットデメリットがあるのか具体的にみていきましょう。
リビングクロークメリット1.生活感を感じさせない
リビングクロークがあると、モデルルームのような洗練された空間にすることができます。
収納力のあるリビングクロークは、リビングに溢れているモノをまとめて隠せるお助けスペースです。
- テーブルの上の郵便物、雑誌
- ソファに置かれたままのコート、バッグ、帽子
- 置き場所に困る掃除機、ミシン、アイロン
- お子さまのおもちゃ、ランドセル
- 配線がむき出しのパソコン、プリンター、モデム
大きなリビングクロークは、これらを収納して、いつもスッキリした状態にできます。
生活感の出やすいモノが視界に入らないので、インテリアが映えるおしゃれなリビングになりますよ。
リビングクロークメリット2.家事がしやすくなる
リビングクロークを作ると、毎日の家事が楽になります。
既成の収納棚やラックを床に置かなくていいので、動線がスムーズになり、掃除の負担もグッと軽くなるでしょう。
『掃除機をサッとかけられる』『リビングが散らかりにくいから片付けが楽』など、家事の負担を少なくしたい共働き家族にとっても、メリットが大きいですね。
リビングクロークメリット3.生活に合わせてつくれる
リビングクロークは、家族の生活に合わせた最適な形に作り上げることができます。
リビングクロークには「必ずこうするべき」という強い決まりはないので、柔軟に変えていくことが可能です。
- 広さ
- 場所
- 棚の数
- ハンガーパイプの有無
- ドアの有無
など、それぞれのご家庭にとって一番使いやすい形のリビングクロークにできるのがメリットです。
オーダーメイドの造り付けクロークなら、一切無駄がなく、ライフスタイルに合った使い勝手の良い収納スペースになりますよ!
リビングクロークデメリット1.リビングの広さが狭くなる
リビングクロークを作ると、そのぶんリビングのスペースが狭くなります。
収納はたっぷりあるけど、リビングが狭くて窮屈…なんてことになっては本末転倒です。
しかしその一方で、ごちゃごちゃした12畳のリビングより、スッキリ片付いた10畳の方が広く見えることも。
普段リビングにあるモノをリストアップして、居住スペースと収納スペースのベストな割合を考えておくとよいでしょう。
リビングクロークデメリット2.生活の変化に対応しにくい
造り付けのリビングクロークは、ライフスタイルの変化に対応しにくいデメリットがあります。
一旦、壁やドアを作ってしまうと、解体工事などの大きなリフォームをしなければ間取りを変えることはできません。
子どもの成長にともなって、収納したいモノがおもちゃから部活道具に変わったり、新しい趣味ができたりと、これから生活スタイルがどんどん変わっていく可能性はあります。
棚の位置を自由に変えられる可動式レールの採用や、全面下地にしてフックや棚を増やせるようにしておけば、生活スタイルが変わっても柔軟に対応することができますよ。
リビングクロークの間取り実例
リビングクロークは、絶対にコレ!と決まりをつくらずに、家族の動線やライフスタイルに合ったものを柔軟に取り入れるのがおすすめです。
そこで、リビングクロークの実例と間取りを紹介します。
あなたのご家庭に最適なタイプはどれか、チェックしてみてくださいね。
テレビの裏側
(出典:ダイワハウス 建築事例写真)
テレビ台の裏側にリビングクロークを設けた間取りです。
左右どちらからも通れるウォークスルータイプで、テレビを見ている家族の視線をさえぎることがありません。
引き戸タイプのドアは、普段は開けっぱなしにして使いやすく、お客様がきたときはサッと閉めて目隠しできるなど使い勝手も抜群です!
リビングクローク内にカウンターを作っておけば、ちょっとしたミシンがけやパソコン作業もできて便利ですよ。
玄関
(出典:積水ハウス 建築事例写真)
玄関とリビングダイニングのあいだに造り付けのリビングクロークを設けた間取りです。
両面収納タイプなので、帰宅後は≪玄関側にコートや靴をしまい→リビング側にバッグや荷物をしまう≫など、帰宅動線もスムーズになりますね。
リビング
(出典:コーワの家 建築事例写真)
リビング階段の横にリビングクロークを設けた間取りです。
リビングでくつろいでいるときに、必要なモノがサッと取り出せる距離感が絶妙です!
お子さまの手の届く高さにハンガーパイプがあるので、帰ってきたら自分でモノをしまう習慣も身に付けられて一石二鳥ですね。
キッチンカウンター
(出典:Vigore 建築事例写真)
キッチンカウンターの下に造り付けのリビングクロークを設置した間取りです。
リビングクロークというには高さこそありませんが、デッドスペースをおしゃれな収納空間に変えてしまう素敵なアイデアです。
こまかいモノがいつもテーブルに置きっぱなし…というご家庭は、こんな収納スペースがあると暮らしやすさが格段にアップするでしょう。
賃貸マンションでもできるリビングクロークDIYの作り方
リビングクロークは、実はDIYで作ることもできます。
そこで賃貸物件でもできる、テレビ裏のリビングクロークの作り方を紹介します。
リビングに家具を置かずに広い収納スペースを確保できるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
DIYのポイント
テレビ台の裏にリビングクロークを作るときのポイントは、次の3つです。
- オープンタイプにする
- 通路幅は60~70cm
- 何を置くか決めておく
賃貸DIYでドアを取り付けるのは、施工会社に頼んでも大ががりになってしまうので、DIYではとくに施工が簡単なオープンタイプにしましょう。
また、棚が壊れてしまうことがないように、どのくらいの重さのモノを置くのかあらかじめ決めておくことをおすすめします。
本格的DIYの手順
3つのポイントをおさえたら、実際にリビングクロークをDIYで作っていきましょう。
DIYの手順は以下の通りです。
- 2×4(ツーバイフォー)材と『ディアウォール』などの器具を組み合わせ、床と天井のあいだに木材を突っ張らせる。
柱は45cmごとに立てる。
- 柱にベニヤ合板(12mm以上)を打ち付け、さらに棚板を取り付ける。
- ベニヤ合板を好みの壁紙や塗装で仕上げる。[/su_note]
最近はホームセンターで工具を貸してもらえたり、カットしてくれたりするサービスも充実しているので、相談してみましょう。
ぜひ、お部屋に合ったリビングクロークを作ってみてくださいね!
まとめ
リビングクロークは、リビングをスッキリさせ快適に暮らすための収納空間です。
リビングがやや狭くなるデメリットはあるものの、生活感を感じさせるモノが目に入らなくなるため、洗練されたおしゃれなリビングにすることができます。
注文住宅サイトでリビングクロークの写真ギャラリーや、全体の室内写真をチェックしてご自身の住まいに合うイメージを膨らませてみるのもおすすめです。
ぜひ、ご家族にとって使いやすいリビングクロークを検討し、快適な暮らしを送ってくださいね!
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