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欠陥住宅とは?事例と対処法&欠陥住宅をつかまないためのポイントを解説

マイホームを購入するなら、だれだって欠陥住宅をつかみたくないですよね。

意図的に偽装することはもちろん、設計や施工ミスによる欠陥住宅は、わたしたちの安全を脅かす危険な存在です。

この記事では、欠陥住宅をつかまないポイント、欠陥住宅の疑いがあるときの対処法について解説します。

穏やかな暮らしを手に入れるために、ぜひ参考にしてくださいね。

欠陥住宅とは?

欠陥住宅とは、通常であれば備わっているべき安全性や機能性が欠如した住宅のことです。

  • 建築基準法に違反している
  • 請負契約書の内容と異なっている
  • 設計ミス、ずさんな工事

このような理由で、あってはならない危険が生じてしまっている状態を指します。

2021年に、築8年のアパートの階段が崩落し、住民の方が亡くなるという痛ましい事故がありました。

警察が詳しい調査をしたところ、建築業者が設計書どおりに施工せず、ずさんな建築工事をおこなっていたことが判明。

まさに、あってはならない危険な欠陥住宅だったのです。

このように、柱や基礎などの構造体に重大な欠陥がある建築物や、本来あるべき耐震性能・耐火性能・断熱性能が損なわれた家を欠陥住宅といいます。

 

 

欠陥住宅の事例

住宅に重大な欠陥があると、安心して日々の生活を送ることができません。

実際に欠陥住宅にはどのようなものがあるのか、相談事例についてみていきましょう。

 

基礎や天井・壁のひび割れ

住宅のクレーム相談でもっとも多いのは、基礎、外壁、室内天井・壁のひび割れです。

ひと口にひび割れといっても、考えられる原因は多岐にわたります。

  • 木材やコンクリートの伸縮
  • 石こうボード下地の不陸
  • 構造体の施工不良
  • 地盤沈下など

このうち安全性に問題がないのは、湿気や乾燥で材料自体が伸縮したことによるひび割れや、ボード下地のずれによるクロスのひび割れなどです。

 

一方、問題なのは構造体の施工不良によるひび割れ

基礎部分の鉄筋が不足している、建築家の作成した図面どおりに筋交い・耐震金物が入っていないなど、外から見えない部分に原因が隠れていることも。

また、地盤沈下で家が傾き、結果的に外壁や基礎がひび割れてしまう可能性もあります。

 

外壁や窓からの雨漏り

「外壁や窓からの雨漏りがする」というのも、新築の欠陥住宅事例で多い事象のうちの一つです。

雨漏りは、主に以下の原因で起こります。

  • 防水シート・防水テープの施工不良
  • 外壁のシーリング不足
  • 雨どいの不具合
  • バルコニー排水口の施工不良

雨水は、屋根だけでなくありとあらゆるすき間から侵入してくる厄介なもの。

壁の内部に雨が侵入することで構造体の腐食を早めてしまうこともあります。

雨漏りがしていたら、早めに対処してもらうようにしましょう。

 

水回りや床下の水漏れ

お風呂・トイレ・洗面所など、水回り設備の水漏れが起こる事例もあります。

水漏れの原因は、『給水管・排水管のパイプがきちんと接続されていないこと』『地震・凍結で水道管が破裂したこと』などが挙げられます。

水道管のパイプは壁や天井、床下などにあるため、すぐには気付きにくいケースも多いです。

特に1階の床下の水漏れは見落としがちなので、注意するようにしましょう。

水浸しにはならなくても、不自然な染みがあったり、急に水道代が高くなったりしたときは水漏れの可能性があります。

 

建物が斜めになっている

「床が傾いている」という症状も、欠陥住宅の相談事例でよくあることです。

建物が斜めになってしまう主な原因は、地盤のゆるみによる不同沈下。

海・川の近くや、もともと田んぼだったエリアなどは地盤が弱いため、不同沈下が起こりやすくなっています。

しかし、法律の改正や施行により、戸建住宅にも地盤調査が義務付けられたことで、地盤による欠陥住宅の問題は減少傾向にあります。

なお、床の傾きの許容範囲としては、新築物件で3/1000以内、中古物件では6/1000以内が目安です。

 

 

欠陥住宅を購入してしまったときの対処法

購入前に念入りにチェックしていても、万が一、欠陥住宅を購入してしまった場合はどうすればよいのでしょうか?

具体的な対処法をみていきましょう。

 

瑕疵担保責任で補修・損害賠償請求をする

不動産会社が売主の建売住宅やマンションを購入し、欠陥を見つけたときには、「瑕疵担保責任(※契約不適合責任)」において補修や損害賠償請求ができます。

売主(不動産会社)の責任となる期間は、買主が欠陥を知った日から2年間。

その後、

  • 契約解除
  • 損害賠償請求
  • 追完請求(修補請求)
  • 代金減額請求

のいずれかが可能です。

契約不適合責任に問えるのは、建物だけではなく『土地部分の欠陥』『心理的瑕疵』『環境的瑕疵』など、その責任の範囲は幅広くなっています。

※瑕疵担保責任は2020年に廃止され、「契約不適合責任」に変更されました。この法改正により、今までの瑕疵担保責任ではできなかった追完請求(修補請求)、代金減額請求もできるようになりました。

 

品確法に則り修補請求をする

新築物件(注文住宅・建売住宅・マンション)の欠陥は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)」において修補請求ができます。

品確法で保証される期間は、引き渡しから10年間。

品確法において修補請求できる欠陥内容は、次の2つです。

  • 構造耐力上主要な部分…基礎、基礎杭、土台、柱、筋交い、壁、小屋組、床版、屋根版、梁、桁など
  • 雨水の侵入を防止する部分…屋根、外壁、開口部、排水管など

先ほどの「契約不適合責任」と比べると、品確法による補修範囲は非常に限られています。

しかし請求期間が10年と長いので、長期間にわたり建物の安全性が保証されているといえるでしょう。

 

公的機関へ相談する

『ハウスメーカーや工務店に話しても解決しない…』『そもそもこれって欠陥になるの?』こんなときは、公的機関に相談することができます。

  • 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
  • 法テラス
  • 国民生活センター

弁護士、一級建築士などの専門家による、第三者目線でのアドバイスを無料で聞けるため、スムーズなトラブル解決につながります。

少しでも疑問がある場合は、すぐに相談するようにしましょう。

 

 

欠陥住宅をつかまないためのポイント

一生もののマイホームを購入するなら、絶対に欠陥住宅をつかみたくありませんよね。

そこで、事前に欠陥住宅を回避するポイントをお伝えします。

これから住宅を購入する人は、ぜひ参考にしてくださいね。

 

内覧のときに家を入念にチェックする

欠陥住宅を避けるには、内覧のタイミングで家中をくまなくチェックすることが大切です。

住む前であれば、売主の責任としてこまかい不具合もきちんと補修してくれるでしょう。

  • ひび割れ
  • 傾き
  • ドアの開閉具合
  • 設備まわりのすきま
  • 床のきしみ

気になる部分があれば遠慮せず、すべて指摘しておくことをおすすめします。

あらかじめチェックしておくことで、欠陥住宅を購入してしまうリスクを減らし、住んでからのトラブルを避けることもできます。

 

信頼できる工務店やハウスメーカーを探す

ハウスメーカーや工務店を決めるとき、担当者との相性が決め手になるケースは多いです。

『誠実な対応だな』『しっかり話を聞いてくれて安心』など、人それぞれ好感を抱くポイントがあることでしょう。

しかし、実際に家を建てているのはほかでもない現場で働く職人たちです。

そこで、下請け業者はどこなのか会社名を聞き、現場見学会があれば積極的に参加することをおすすめします。

また、アフターサービスをどこまで無償で対応してもらえるのかなどもくわしく聞いておくとよいでしょう。

そのうえで、本当に信頼できる建築会社を探してください。

 

ホームインスペクションを利用する

住宅を購入する前に、ホームインスペクションをおこなうのもおすすめです。

ホームインスペクションとは、住宅における健康診断のようなもの。

  • どこに不具合があるのか
  • 原因は何か
  • どのような対策が必要か

など、住宅の専門家が中立的な立場で現場検査をしてくれます。

ホームインスペクションにかかる費用は5~8万円ほど。

専門家に建物の状態をチェックしてもらうことで、欠陥住宅を購入するリスクを回避できます。

費用はかかってしまいますが、実施することでより安心して住宅を購入することができるでしょう。

 

住宅性能評価書を取得する

「住宅性能評価書」を取得しておくことも、欠陥住宅をつかまないためには有効です。

住宅性能評価書とは、品確法にもとづいて、家の性能にランクをつけた通知表のようなもの。

この評価をするとき、通常はおこなわない現場内立ち入り検査があります。

そのため建築工事途中の現場チェックが、通常より厳しいものになります。

さらに、万が一トラブルが起きたときは、1万円の紛争処理費用を支払うことで迅速なトラブル解決をサポートしてもらえます。

住宅性能評価書の取得費用は10~20万円ほどと高額にはなりますが、交付を受けることにより住宅の価値が上がることもあります。

建売住宅などでは、すでに住宅性能評価書を取得しているケースもあるので、不動産会社に確認してみてくださいね。

 

 

まとめ

欠陥住宅は、本来あるべき安全性が欠如した住宅のことです。

購入者ご自身でこまかくチェックすることはもちろん、専門家による調査をおこなうことも欠陥住宅をつかまないために有効です。

購入後に欠陥を発見したときは、契約不適合責任または品確法で修補請求等が可能です。

スムーズに解決するためにも、専門家のいる公的機関も上手に利用するとよいでしょう。

欠陥住宅をつかむことなく、ご家族が穏やかな生活を送るための参考にしてみてくださいね。

 

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嵯峨根 拓未

嵯峨根 拓未

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