【屋根裏部屋がほしい人必見】費用や制約、部屋作りのポイントなど徹底解説

「屋根裏部屋」という響き…なんだか秘密基地みたいでワクワクしますよね!

最近は、テレワークでもう一部屋必要になったから屋根裏部屋のスペースを有効活用したい!という人も増えています。

 

屋根裏部屋はそもそも「物置き」としてつくられており、広さや高さについて法律で条件が決められています

そのため独自の屋根裏部屋をつくろうと、規定のルールを破ってしまうと固定資産税が上がることもあるので注意が必要です。

 

この記事では、屋根裏部屋をつくる費用や重要なポイントについてインテリアコーディネーターが解説します。

しっかりとポイントをおさえて、あなたにとって最高の屋根裏部屋をつくってください♪

 

目次

そもそも「屋根裏部屋」とは?

屋根裏部屋とは、屋根と天井とのあいだにできる「余剰空間」のことです。

ロフトやグルニエと呼ばれることもあり、建築基準法では「物置き」として定義されています。

屋根裏部屋は家の床面積には含まれず、固定資産税もかかりません

固定資産税が免除されるかわりに、天井高や広さについての厳しいルールがもうけられており、屋根裏部屋をつくるときはそれらのルールを守らなければなりません。

 

屋根裏部屋をつくる費用はどの程度必要?

まずは、気になる費用についてみていきましょう。

屋根裏部屋をつくる費用は、おおよそ30~100万円(6畳)が相場です。

工事の中でも、費用が大きく変わるポイントは『屋根裏部屋に断熱材を入れるかどうか』です。

 

①簡易的な屋根裏部屋をつくる費用

「屋根裏部屋には最低限のものがあればいい」という場合は、工事費用の相場は30万円ほどです。

 

【基本工事:約30万円】

  • 天井開口・はしごの設置:15万円
  • 床工事:1畳2万円(6畳で12万円)

 

断熱材を入れたり、クロスを貼ったりしないのでベニヤ板などがむき出しの状態になります。

見た目は「ザ・収納!」という感じですが、そのぶん費用をおさえられるのが最大の魅力です。

 

②充実した屋根裏部屋をつくる費用

「屋根裏部屋を快適な空間にしたい!」というときは、上記の基本工事30万円にオプションを追加することになり、工事費用は合計で100万円ほどです。

また、自治体によっては追加できるオプション工事もあり、そちらも追加する場合はさらにプラス40万円ほどかかります。

 

【基本工事:約30万円】

  • 天井開口・はしごの設置:15万円
  • 床工事:1畳2万円(6畳で12万円)

【オプション工事:約70万円】

  • 断熱材・ボード:60万円
  • 電気配線・換気扇:6万円
  • クロス:3万円
  • 手すり:3万円

 【※自治体によっては追加できるもの約40万円】

  • 固定式階段:15万円
  • エアコン:10万円
  • 窓:10万円
  • 追加コンセント:3万円

断熱材を入れるための工事費用がもっとも高く、金額は一気にはね上がります。

しかし、断熱材を追加しておくだけで夏の暑さ対策ができるので、屋根裏部屋を一つの部屋として使いたいのであれば断熱工事は外せません

 

③屋根裏部屋の増し床工事の費用

もともと屋根裏部屋があり、すでにはしごなどがあるときは「増し床工事」というリフォーム工事ができます。

「増し床」とは、もともとあった壁を壊したり、壁に穴を開けてドアを設置したりすることで、床を拡張するリフォーム工事のことです。

増し床工事の費用は30万円ほどです。

 

【増し床工事:約30万円】

  • 壁の解体・補強工事:6万円
  • 床工事:1畳2万円(3畳⇒6畳にする場合6万円)
  • 新規壁・ドア設置・クロス:20万円

 

屋根裏部屋をどのように使うかにもよりますが、屋根に断熱材が入っていなければ、断熱工事も追加でおこなうことになります。

 

屋根裏部屋の5つの制約

屋根裏部屋をつくるには、建築基準法や自治体で定められたルールを守らなければなりません。

  1. 天井高・床面積
  2. 階段はしご
  3. 窓・開口部
  4. 外部との出入り
  5. 認められない設備がある

順に解説していくので確認しておきましょう。

また、地域によってルールが異なるものもあるので、市役所やリフォーム会社に相談することをおすすめします。

 

1.天井高・床面積

  • 天井高:1.4m以下
    (吹き抜けにロフトをもうける場合は、ロフト直下の天井高2.1m以上)
  • 床面積:下の階の床面積の1/2未満

屋根裏部屋の大きさがこれらの基準を超えてしまうと「余剰空間」ではなくなり「階」としてみなされます

2階建てであれば、3階建ての家に変わってしまうということですね。

そうすると構造上の問題が出てきたり、固定資産税や保険料が上がるなど、さまざまな影響が出てくるので要注意です。

 

2.階段はしご

昇り降りは可動式のはしご

屋根裏部屋へ昇るための手段は、基本的に取り外しができる可動式のはしご一択になります。

固定式の階段を取りつけられる自治体もあるのですが、その際は『手すりを設置する』『階段を屋根裏部屋の床面積に含める』などの条件クリアも必須です。

また「固定式階段を設置するのであれば、屋根裏部屋の天井高は0.7m以下にする」など、条件がかなり厳しくなる地域もあるのでご注意ください。

 

3.窓・開口部

窓のサイズは屋根裏部屋の床面積の1/20未満

屋根裏部屋に取りつける窓は、あくまでも換気用として認められています。

そのため、採光のための大きな窓を取りつけることはできません

たとえば『0.2㎡~0.3㎡の小窓のみ』『換気ができないFIX窓は禁止』など、窓の大きさについて自治体ごとにルールが決められているので、チェックしておきましょう。

 

4.外部との出入り

屋根裏部屋から直接外に出られるドア・掃き出し窓をもうけることは禁止

屋根裏部屋は「室内から出入りするための」余剰空間です。

そのため、屋根裏部屋への出入り口は、階下からのはしごの1ヵ所のみとなります。

屋上にペントハウス(塔屋)をつくって、そこから屋根裏部屋に出入りできるドアをもうけるのも禁止です。

 

5.認められない設備がある

屋根裏部屋はあくまでも「物置き」という位置づけです。

そのため以下の設備は認められません。

  • 2ヵ所以上のコンセント
  • エアコン設置
  • TV・LAN・電話
  • カーペット・畳仕上げ
  • 造作家具

自治体によって認められている設備もあるのですが、その場合はラッキーということになりますね^ ^

くわしい条件については、お住まいの地域のホームページで【小屋裏物置等の取り扱い】をチェックしてください。

 

 

屋根裏部屋のメリット・デメリット

屋根裏部屋をつくると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

 

メリット1.収納スペースが確保でき部屋を広く見せられる

屋根裏部屋をつくる一番のメリットは、広々とした収納スペースを増やせることです。

屋根裏部屋は天井高こそ低いですが、ふつうのクローゼットよりもたくさん収納できるので、大きなものも余裕で入ります。

デッドスペースになっていた屋根裏部屋を活用することで、部屋がスッキリし、広く見える効果もありますよ!

 

メリット2.ロフトとは違いプライバシーの守られたスペース

屋根裏部屋は、天井に穴をあけて行き来ができるようにした、独立した空間です。

吹き抜けにもうける開放的なロフトと違い、階下からの視線や音をさえぎることができます

「プライベートな空間でホッと一息…」なんて使い方ができるのも大きなメリットですね!

 

デメリット1.外気温の影響をモロに受けてしまう

屋根裏部屋は、屋根のすぐ下にあるスペースです。

そのため、外の気温がダイレクトに伝わってきます

ふつうの部屋は、屋根裏部屋をワンクッション挟んでからのリビング、子供部屋、寝室などの部屋になるので外気温が伝わりにくいです。

しかし屋根裏部屋にはクッションとなってくれる空間がないので、ひとつの部屋として使うのであれば、しっかりとした断熱対策が必要になるでしょう。

 

デメリット2.掃除・収納の出し入れが困難

屋根裏部屋への昇り降りは、一般的にはしごを使っておこなうことになります。

両手がふさがった状態ではしごを昇り降りすることになるので、大きなもの・重いものを収納した場合出し入れが不便になるでしょう。

それでも滅多に使わない重めの荷物を収納したい場合は「ウインチ」という機械で吊りあげる方法もあるので検討してみてくださいね。

また、掃除機やバケツを持っての昇り降りも困難になるため、どのように掃除をするかあらかじめ考えておくことも大切です。

 

 

用途はさまざま屋根裏部屋アイデア4

屋根裏部屋は「物置き」として定義されているものの、アイデア次第でいろいろな活用方法があります。

そこで、屋根裏部屋におすすめのアイデアをご紹介します!

 

収納部屋

屋根裏部屋のもっともスタンダードな活用方法は、収納スペースとして使うことです。

屋根裏部屋の広さは「階下の床面積の1/2」が上限となっているので、たとえば2階全体で30畳あるときは15畳もの収納スペースを確保できることになります!

これは、ウォークインクローゼットよりはるかに広い収納部屋になるので、家族全員の服が収納できたり、趣味の道具が収納できたりと重宝すること間違いなしです。

  • ひな人形、五月人形
  • 海、プールなどのレジャー用品
  • スノーボード、スキー
  • クリスマスツリー
  • 趣味の道具、本など

などが一般的に収納されることが多いですが、断熱対策がされていない屋根裏部屋の場合、高温多湿になるので、その点に配慮した収納しか望めなくなります。

 

子ども部屋

屋根裏部屋は、お子様にとっては秘密基地のようなワクワクする空間にもなります!

屋根裏部屋の天井高は1.4m以下ですが、子どもの身長であれば立った状態でラクに移動することができます。

散らかしっぱなしになっているおもちゃも下からは見えにくいので、お客様がきたときにも焦らずにすみます。

 

なお、子ども部屋にする場合は、安全のために落下防止用の手すりや柵を取りつけておくと安心ですね。

 

寝室

屋根裏部屋は天井が低い空間で、静かなのが特徴です。

このような空間を人間は本能的に好み、落ち着くとされています。

そのため寝室として使うのもおすすめです!

大きなベッドを運び込むことはできませんが、お気に入りの布団やマットレスを敷いてぐっすり眠れる空間作りを楽しみましょう。

 

なお、寝室にする場合はとくに断熱や採光についてしっかり検討してください

真っ暗の中・寝起きでのはしごの昇り降りも危険なので、安全面についても考える必要があります。

 

書斎

屋根裏部屋を書斎として活用する方法もあります。

大人が椅子に座ったときの平均的な高さは130cm前後

天井が低くてもデスクワークは可能となり、座椅子とローテーブルならさらにゆったりと使うことができます。

リモートワークが推奨されている今、書斎を持つことを検討している人も多いのではないでしょうか。

この場合も断熱材・採光についてはしっかりと工夫しておきたいですね。

 

 

屋根裏部屋を検討するなら押さえておきたい注意点

屋根裏部屋をつくるときは、しっかりと計画をたてることが大切です。

そこで、屋根裏部屋をつくるにあたって注意すべき大事なポイントを7つお伝えします。

 

法律で定められた条件をクリアできるか

屋根裏部屋をつくるうえで、まずは法律を守ることが大前提となります。

先ほどお伝えしたように、屋根裏部屋にはさまざまなルールがあります。

屋根裏部屋の制約

  • 天井高:1.4m以下
  • 床面積:下階の床面積の1/2未満
  • 昇降:可動式のはしご
  • 窓サイズ:屋根裏部屋の床面積の1/20未満
  • 外に出られる開口部 NG
  • 2ヵ所以上のコンセント NG
  • エアコン設置 NG
  • TV・LAN・電話 NG
  • カーペット・畳仕上げ NG
  • 造作家具 NG

これらの条件をクリアしたうえで、あなたが思い描く屋根裏部屋をつくれるかが肝心です。

自治体ごとにこまかいルールも異なるので、事前にチェックしておきましょう!

 

なに部屋にするか明確にする

屋根裏部屋は、どのように使うかによってつくり方が変わってきます

たとえば、1年に数回しか出入りしない収納スペースであれば、高い費用をかけて工事する必要はありません。

一方、子ども部屋や寝室にするのであれば、断熱工事をはじめとするオプション工事も必要になるでしょう。

このように同じ屋根裏部屋でも、用途によって工事内容が変わってくるため、何に使いたいのかをあらかじめハッキリさせておくことが大切です。

 

採光の向きや角度について検討

せっかく屋根裏部屋を子ども部屋や寝室にしたのに「いつも真っ暗…」と後悔してしまうのは嫌ですよね。

朝の光が差し込む角度、採光を感じられる向きを加味したうえで、窓の位置や角度を検討しましょう

 

小さな面積でもたっぷり光を取り入れられる「トップライト(天窓)」は人気ですが、夏は直射日光で暑くなってしまうのでブラインドも一緒に取りつけることをおすすめします!

 

換気・断熱について検討

屋根裏部屋をつくるうえで、換気と断熱はもっとも大事な対策といっても過言ではありません。

断熱工事には「屋根断熱」と「天井断熱」の2つがあります。

屋根断熱:屋根に断熱材を入れる

天井断熱:2階の天井に断熱材を入れる

屋根に断熱材が入っていないと夏は50℃を軽く超えてしまうので、屋根裏部屋で長い時間を過ごすことはできないでしょう。

そこでエアコンを取りつけられるかどうかも含めて、しっかりと断熱対策を行ってください。

 

また、屋根裏部屋には湿気がこもりやすいため、換気扇や換気用の窓を取りつけておくことも大切です。

 

階段はしごの設置場所と収納

屋根裏部屋へは、下の部屋から昇り降りすることになります。

そのため、邪魔にならない場所にはしごを設置する必要があります。

階段はしごには3つの種類があります。

 

タラップ式はしご

≪特徴≫

手すりやすべり止めがついた安全性の高い長はしご。吹き抜けのロフトに使われることが多い。
使わないときは壁に引っかけておけるタイプもある。

 

折りたたみ収納式はしご

≪特徴≫

3つ折りにして屋根裏部屋に収納できるはしご。
階下のスペースが狭いときにおすすめ。

 

スライド収納式はしご

≪特徴≫

電動式の折りたたみはしご。
折りたためるため、省スペースなうえ使い勝手がよい。

 

DIYリフォームを素人がするのは危険

屋根裏部屋をDIYリフォームしたいという方もいるのですが、素人が施工するのはおすすめしません

屋根裏部屋には構造上必要な柱や壁があり、床の補強工事についても考慮しながら施工するのは、素人には難しいといえます。

 

さらに、電気工事をおこなうためには資格が必要で、一歩間違えると火災などの大きな事故につながる可能性もあります。

屋根裏部屋をつくるのであれば、費用はかかりますが工務店やリフォーム会社に任せたほうがいいでしょう。

 

増築する場合は規定を確認

屋根裏部屋の増築リフォーム工事をするときは、まず家の構造がどうなっているかを調べたうえで、屋根裏部屋の規定におさまるように増築していきます

屋根の形状によってもどのくらいの天井高になるかが変わりますし、スペースの問題で屋根裏部屋がつくれないこともあります。

また、増築する部分の床面積が10㎡(約6畳)を超えるときは「増築の確認申請」をしなければなりません。

 

いずれにしても、屋根裏部屋をつくったことで固定資産税が上がったりしないように、工務店やリフォーム会社とよく相談しながら決めていく必要があります。

 

 

まとめ

屋根裏部屋は「物置き」として定義されている余剰空間です。

地域によってルールが異なるため、全国どこでも同じ屋根裏部屋がつくれるわけではないので、注意が必要になります。

屋根裏部屋の主な制約

  • 天井高:1.4m以下
  • 床面積:下階の床面積の1/2未満
  • 昇降:可動式のはしご
  • 窓サイズ:屋根裏部屋の床面積の1/20未満
  • 外に出られる開口部 NG
  • 2ヵ所以上のコンセント NG
  • エアコン設置 NG
  • TV・LAN・電話 NG
  • カーペット・畳仕上げ NG
  • 造作家具 NG

屋根裏部屋をつくる費用

  • 30~150万円前後

屋根裏部屋のメリット

  • 収納スペースが確保でき部屋を広く見せられる
  • ロフトとは違いプライバシーの守られたスペース

屋根裏部屋のデメリット

  • 外気温の影響をモロに受けてしまう
  • 掃除・収納の出し入れが困難

屋根裏部屋のアイデア4

  • 収納部屋
  • 子ども部屋
  • 寝室
  • 書斎

屋根裏部屋をつくるときの注意点

  • 法律を確認する
  • 用途を決める
  • 採光・換気・断熱を検討
  • 階段はしごの設置場所を確保
  • DIYリフォームは危険!
  • 増築リフォームは規定を確認

 

自治体ごとの条例があるので、屋根裏部屋をつくるときはハウスメーカーや工務店と相談しながら進めていくのがおすすめです。

あなたにとって理想的な屋根裏部屋をつくり、快適に暮らせることを願っています!

 

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