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用途地域「第一種住居地域」とは?住居専用地域との違いやメリットなどを解説

 2021/12/12 新築
 

『第一種居住地域』という地域区分があることをご存じでしょうか。

  • 欲しい土地が”第一種住居地域”にあるけど、どんな地域?
  • 住みやすさは?

こうした疑問を持つ方も少なくないかもしれませんね。

都市計画法で定められた用途地域のひとつである『第一種住居地域』は、住宅地のなかでも利便性の高いエリアです。

この記事では、そんな『第一種住居地域』について、宅建士がわかりやすくお伝えしていきます。

 

第一種住居地域って?

『第一種住居地域』とは、一体どのような地域なのでしょうか?

第一種住居地域の特徴と、周辺環境の特徴をくわしくみていきましょう。

 

用途地域『第一種住居地域』とは

『第一種住居地域』とは、前述したように都市計画法で指定されている用途地域のうちのひとつ。

都市計画区域にある用途地域は、全部で13種類にわかれています。

用途地域
住居系 田園住居地域
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
商業系 近隣商業地域
商業地域
工業系 準工業地域
工業地域
工業専用地域

※自治体のホームページで、用途地域ごとに色分けされた都市計画図を見ることができます。

第一種住居地域は、住みよい居住環境を守るための区分である『住居系』エリアに属しています。

商業系エリアに近い位置付けとなるため、建物の用途制限や規制についてはそれほど厳しくありません。

第一種住居地域の周辺環境としては、一戸建てやマンション、兼用住宅のほか、学校、病院、床面積3,000㎡以下の店舗(コンビニ、飲食店、事務所、ホテル、商業施設、ボーリング場、プール、ゴルフ練習場、バッティングセンター)など、さまざまな建物が建ち並んでいるのが特徴です。

 

ちなみに『第二種住居地域』は、第一種住居地域に建てられるものに加えて、3,000㎡を超えるような大きな店舗や、カラオケ店、パチンコ店、麻雀店なども建設できるという違いがあります。

 

『住居専用地域』との違い

用途地域の中には『住居専用地域』というエリアもあります。

住居専用地域は、居住環境が第一優先のエリアとなっており、それぞれの住戸の日当たりは良く、いわゆる”閑静な住宅街”といわれるような落ち着いた街並みであることが特徴。

しかし、大きなスーパーはもちろん、コンビニですら建てられない地域もあるため、買い物の利便性は低いといえます。

 

一方『住居地域』は、大きなスーパーや事務所、公共施設、小規模自動車修理工場、ガソリンスタンドなど、買い物以外にも生活するのに便利な建物が多くあります。

近くに大きな道路もあることから、夜も比較的にぎやかではありますが、その分、利便性に優れた住宅地といえるでしょう。

 

 

第一種住居地域の制限

建築基準法では、用途地域ごとに建築物の大きさを制限しています。

では第一種住居地域には、どのような用途制限があるのでしょうか。

くわしくみていきましょう。

 

建ぺい率等による制限

第一種住居地域は、建ぺい率や容積率等を以下のように制限しています。

建ぺい率の上限
50%~80%

・容積率の上限
100%~500%

・道路斜線制限
適用距離 20m~35m
勾配 1.25

・隣地斜線制限
立ち上がり 20m~31m
勾配 1.25

・北側斜線制限
なし

第一種住居地域は、最大建ぺい率80%、容積率は500%と大きく、厳しい制限もあまりないため、5階以上の高い建物もたくさん建てることが可能です。

しかし、北側に建てられた住宅の日当たりを配慮するための『北側斜線制限』もないため、もしも家の南側に建物がある場合、日当たりが悪くなってしまうこともあるので注意しましょう。

【関連記事】建ぺい率&容積率とは?違い・計算方法・実例や注意点をわかりやすく解説

 

第一種住居地域に建ててはいけないもの

第一種住居地域の用途規制により、建てられないものは以下のとおりです。

  • 映画館・劇場
  • カラオケボックス
  • パチンコ屋
  • 麻雀店
  • 風俗施設
  • 床面積3,000㎡を超える店舗、事務所等

参考:国土交通省 みらいに向けたまちづくりのために

人が多く集まる建物や、青少年の育成に悪影響のある施設などは、第一種住居地域に建てることはできません。

 

 

第一種住居地域のメリットとデメリット

先にお伝えしたように、第一種住居地域は住居系に区分されるエリアの中でも利便性の高いエリア。

しかし、その高い利便性の裏にはもちろんデメリットもあります。

後悔することがないよう、あらかじめメリットとデメリットをきちんと把握しておくことが大切です。

それでは、第一種住居地域の具体的なメリットとデメリットをチェックしていきましょう。

 

第一種住居地域のメリット1:生活がしやすい

第一種住居地域には、日々の暮らしに必要な施設がひと通りそろっています。

大型のスーパーマーケットやドラッグストア、公共施設といった店舗や施設も充実しているため、会社帰りにサッと買い物や用事をすませられる便利さがあります。

また、第二種居住地域と比べてパチンコ店のような施設が建つこともないので、比較的静かで過ごしやすい傾向にある点も嬉しいポイント。

これらのことからも、第一種住居地域は生活がしやすく、生活面での不便さを感じることは少ないといえるでしょう。

 

第一種住居地域のメリット2:不動産売買がしやすい

第一種住居地域は、不動産売買するうえでは有利なエリアです。

駅から比較的近く、利便性に優れている土地はいわゆる『好立地』のため、将来的にみて不動産の資産価値が高くなる傾向にあるからです。

さらに、ギャンブル性の高い施設や風俗店などが第一種居住地域に作られることはありません。住宅地としての治安の良さが保たれることで、安心感もプラスされますよね。

不動産売買をするときに「売りたいのになかなか売れない…」というケースは、実は意外と多いもの。

治安のいいエリアの人気物件として高く売りやすい点は、第一種住居地域の大きなメリットといえるでしょう。

 

第一種住居地域のメリット3:防犯対策がしやすい

第一種住居地域は、空き巣の侵入防止に加えて、子供の登下校や夜間の帰宅時における防犯対策がしやすいエリアといえます。

商業施設や事務所も多く、街灯も十分の配置されているため、夜でも周辺が真っ暗になってしまうことがありません。

車や人通りも多いため、帰宅が遅くなってしまったときや子供の登下校時にも安心できるでしょう。

 

第一種住居地域のデメリット1:日当たりが悪くなる場合もある

第一種住居地域は、建ぺい率や容積率の上限が大きいため、建物の密集度が高くなります。

つまり、現在は建っていないとしても、今後近くに高いビルや新築マンションなどが建てられる可能性があるということになります。

そのため、「日当たりが極端に悪くなってしまった…」なんてことにもなりかねません。

住宅に採光を重視するのであれば、周辺環境についてはしっかりチェックするようにしましょう。

 

第一種住居地域のデメリット2:騒音や人の目が気になる場合もある

利便性とにぎやかさは、トレードオフな部分があります。

第一種住居地域では、夜遅くまで営業している店舗やホテルなども多いため、外からの人の視線や騒音が気になってしまうこともあるでしょう。

静かに暮らしたい人にとっては、落ち着かない環境になってしまうかもしれません。

 

 

まとめ

第一種住居地域は、住宅環境を守るためのエリアです。

大きな店舗や事務所、商業施設などを建てられるため、利便性が高いエリアといえます。

しかし、周辺に高い建物が建つことで、日当たりの悪さや騒音が気になるというデメリットもあります。

今回の記事でご紹介したメリットとデメリットをしっかりと考慮したうえで、ベストな住環境を選び、快適な暮らしを手に入れましょう!

 

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嵯峨根 拓未

嵯峨根 拓未

所有資格:二級建築士、宅地建物取引士

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