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ローコスト住宅で後悔しない!知っておきたい安さの理由と失敗例&注意点

 2022/05/15 新築
 

住宅購入をご検討の方なら、『ローコスト住宅』という言葉を耳にしたことがあるでしょう。

ローコスト住宅とは、その名の通り一般的な相場より安価で建てることができる住宅です。

しかし、一生モノの家づくりに、価格が安いのは少し不安ですよね。

本記事では、ローコスト住宅のメリット・デメリットや、よくある失敗例をご紹介します。

ローコスト住宅について理解し、後悔しない賢い家づくりのヒントにしてみてください。

 

ローコスト住宅とは?

冒頭にも記載の通り、ローコスト住宅とは、一般的な相場より安価で建てることができる住宅を指します。

一般的な注文住宅の場合、坪単価(1坪あたりの建築費用)が約60万〜90万円程度であるのに対して、ローコスト住宅は30万円〜60万円ほどの価格で購入できます。

全体の費用だと、およそ1000万円台に収まる価格帯で家を建てることが可能

価格が安いのは嬉しい反面、「住宅として本当に大丈夫?」と不安に思ってしまうかもしれませんね。

しかし、住宅はそもそも建築基準法を満たしていないと建てることができません。

もちろんローコスト住宅も例に漏れずその対象です。

『ローコスト』だからという理由で、品質が極度に劣ることはないので、その点は問題ありません。

 

メリット

ローコスト住宅のメリットはなんといってもその『安さ』にあります。

しかし、安いというメリットは、費用を抑えられるだけではなく下記のようなメリットにもつながります。

  • シンプルなつくりのため完成までの期間が短い
  • 住宅ローンが組みやすく、その支払い負担も軽減される
  • 自己資金(頭金)が少なくても家が購入できる
  • 建築費以外の設備にお金をかけることができる

後述しますが、ローコスト住宅は費用を抑えるための様々な工夫が施されています。

その工夫の一つに、間取りがシンプルであったり、使用する建材に決まりがあったりと、建築するにあたってある程度規格化されているプランが多いことが挙げられます。

使用する建材が決まっている分、容易に建てることができるため、完成までの期間が短くなります。

また、資金が少なくても住宅ローンが組みやすく、建材費を抑えた分、インテリアなど、他のこだわりポイントにもお金をかけることができるというメリットもあります。

 

デメリット

ローコスト住宅を検討するならメリットだけではなく、下記のようなデメリットも理解しておく必要があります。

  • 設計する際の自由度が低い
  • 住宅性能が物足りない可能性あり
  • 設備のグレードが低い

メリットでも記載した通り、ローコスト住宅は費用を抑えるための工夫がされています。

まず、プランが規格化されているため、こだわりがある家つくりを検討している方は理想が叶わない可能性があります。

また、安価な材料や設備を使用するため、耐久性や耐震性などは必要最低限のレベルで高性能ではないこともしばしば。

人や土地によって性能へのこだわりポイントは変わってくるため、建築前に必要な性能項目をクリアにし、要望と予算のバランスを確認することが大切になります。

 

ローコスト住宅が費用を抑えられる理由

ローコスト住宅の概要について理解できてきましたか?

では次に、実際どのようにして『価格を抑える』ことを実現しているのかを説明します。

ローコスト住宅は、費用を抑える様々な企業努力がされているので、それらを理解することで、自身の住宅に対しての求める条件や、優先順位をつけやすくなりますよ!

低価格を実現できている理由は大きく下記の3点です。

 

安い材料を使っている

理由の1つ目として、住宅に使用する材料が安い、もしくは安く仕入れていることが挙げられます。

木材や鉄筋などのサイズ・量を調整したり、安価な断熱材を使用したりして価格を抑えることを実現。

また、間取りや設計の規格が決まっているため、同じ材料を大量に発注することができ、仕入れ値を安く抑えています。

 

広告費・人件費を大幅に抑えている

理由の2つ目は、人件費を大幅に抑えていること。

一般的に家を建てる際には、『営業・設計・施工』の各段階のプロフェッショナルが担当となり、お客様の家づくりをお手伝いします。

そのため、各工程それぞれに人件費がかかるのです。

しかし、ローコスト住宅では、各段階の人員を減らすことで、人件費の削減を実現しています。

例えば、『営業』であればテレビCMをうち出さない、展示場を準備しないことで、広告費・人件費を抑えています。

『設計』であれば規格化された設計書を使用することで、顧客ごとに設計書を作成する工程を省き、人件費カットを実現。

また、シンプルで規格化されているローコスト住宅は、現場での作業する期間が短くなりやすいため、『施工』の段階でも、人件費の削減を叶えています。

 

設備のランクダウン

最後に、設備をランクダウンさせてコストを抑えているという理由です。

設備とは、キッチンやトイレ、洗面台、浴槽などの、家に住む上で必要不可欠な器具や装置を指します。

こちらも規格化されているため、大量に発注することで1つあたりの単価を下げ、大幅な費用の削減を実現。

また、ドアや窓といった建具についても同様で、種類を限定して発注したり、シンプルな間取りであることから、それらを設置する数を少なくしたりすることで、コストの削減を叶えています。

しかし一方で、こだわりがあり規格外の設備に変更すると、オプション追加の扱いとなり、価格が一気に上がってしまうことも。

契約をする前に規格の設備で満足できるのか、自分や家族がこだわりたいポイントはどこかをはっきりさせて、担当営業に十分に確認することが大切です。

「予算以上の値段となってローコスト住宅を選んだ意味がない!」とガックリしないように注意してくださいね。

 

ローコスト住宅でありがちな失敗例

ローコスト住宅で家を建てる際、価格のみで判断すると思わぬ失敗を招いてしまい、とても残念な思いをすることも少なくありません。

実際に住み始めてから後悔しないように、ローコスト住宅で失敗した例をいくつかご紹介していきます。

 

家がチープに見える

費用を抑えるためのシンプルな間取りや、統一されたカラーバリエーションは、ローコスト住宅の特徴の一つです。

そのため、人によっては想像している以上に「チープに見える」と感じることも。

また、内装設備もグレードが抑えられるため、こだわりがある人にとっては物足りないと感じるかもしれません。

マイホームの外観・内装、設備に対して、明確なイメージや理想がある方は、ローコスト住宅は向いていないと考えておいたほうがよいでしょう。

 

メンテナンス費用が高額になった

快適な住環境を保つために住宅の定期的なメンテナンスは必要不可欠ですが、メンテナンス費用は決して安くはありません。

また、ローコスト住宅で使用する建材は、比較的低価格なものが多いため、そのぶんどうしても高価格帯の建材よりも性能が劣ってしまいます。

一般的な注文住宅と比べて設備が早く故障してしまうことも多く、短期スパンでメンテナンスを行う必要があるため、結果として割高な費用が発生してしまう可能性も…。

建築時のコストは抑えることができても、メンテナンスで思わぬ出費が重なると家計の負担1も大きくなり、後悔が残るマイホームとなります。

住宅を購入する際は、住み始めてから長期でかかる費用も加味して予算を検討することが大切です。

 

断熱性が低く外気の影響を受けやすい

ローコスト住宅は、気密性や断熱性に関わる建材を、低価格帯のグレードの低いものを使用するケースがあります。

そのため、性能に関して「建築基準法は最低限クリアしている」というレベル感の建物が多く、人や地域によっては性能が不十分だと感じることも。

外気の温度に大きな影響を受けるグレードの低い建材だと、寒暖差の激しい地域ではとても住みにくい家となってしまいます。

また、外気温の影響を受けるということは、その分エアコンやストーブなどで部屋の温度を調整する必要が出てくるため、光熱費の負担が大きくなる点も理解しておかなければいけません。

初期費用の面では優秀なローコスト住宅ですが、安さを追求するがゆえに、生活の質が落ちてしまったり、日々の生活費の負担が大きくなったりする恐れもありますので、十分に注意しましょう。

『建築時のコスト(イニシャルコスト)+メンテナンスコスト』を検討する必要があると前述しましたが、合わせて『ランニングコスト』も検討することが大切ですね。

 

自然災害に対して心配

建築基準法をクリアしているローコスト住宅ですが、それは法に定められた必要最低限なレベルであるものがほとんど。

最低限の耐震性しかないという場合が多く、大規模な地震が起きた際には、甚大な被害が出てしまう恐れもあります。

日本は、世界でも有数の地震大国であり、また台風や津波などの自然災害も多い国。

地震の起きる頻度や地盤の硬さなど土地の条件にもよりますが、地震対策も考慮にしておかないと安心して暮らしていくことができません

安全な住宅は、災害から私達を守ってくれるだけではなく、住む人の心の平穏も守ってくれます。

費用は上乗せされるかもしれませんが、結果として、かけがえのない家族の安全が守れるとなると、検討の余地は十二分にあるでしょう。

 

ローコスト住宅で失敗や後悔しないための注意点

最後に、ローコスト住宅についてのメリット・デメリットなどを理解した上で、購入を検討している人のために注意点をお伝えしていきます。

 

標準仕様やオプションを確認する

前述した通り、ローコスト住宅は、価格が低いゆえに標準の仕様が必要最低限というケースがあります。

一般的な注文住宅であれば標準仕様となっているものでも、ローコスト住宅では規格外扱いとなり、オプションを追加して別途料金を支払わないといけないといったことも。

その結果、「トータルでのコストが高くなってしまった…」と後悔する可能性もあるため、十分に注意する必要があります。

ローコスト住宅の価格に含まれるもので、標準仕様以上のものがどれだけあるのか、どこからオプション扱いになるのかを担当営業に必ず確認しましょう。

 

ライフスタイルに合ったプランを選ぶ

ローコスト住宅は、シンプルなプランが多いため、自身の生活スタイルに合っているかを見定めることはとても重要です。

深く考えずに契約してしまい、「人数に対して居室の数が少ない」「生活動線が不便」といったことに住んでから気が付くといった状況になると、せっかくの新築マイホームにも関わらず、家族の不満が蓄積される家になってしまう恐れも。

また、長く住み続けるとなると、家族構成も変化するため将来のことも見据えたプランを考えておくことも重要。

全て納得いく選択をするのは難しいかもしれませんが、家族と相談しながら、優先すべき項目を決めておくことで、ライフスタイルに合ったプランを見つけやすくなるでしょう。

 

定期的に現場へ足を運ぶ

『ローコスト住宅が費用を抑えられる理由』の章で説明したとおり、ローコスト住宅は人件費を抑えて低価格を実現しています。

そのため、建築の知識や技術が乏しい職人や、作業員を雇って家を建てることも少なくありません。

そこで直接現場へ足を運び、雑な作業が行われていないか実際に確認することが大切です。

  • 粗悪な建材が使われていないか
  • 工事現場が整理整頓されているか
  • 工事現場の雰囲気が良いか

などをチェックしてみてください。

また、着工前に、担当営業へ作業を担当する職人や工務店へは何度も依頼したことがあるか」を確認するのも良いでしょう。

信頼できる職人であれば、ハウスメーカーから何度も依頼をしているはずです。

「しっかりとした管理下で建てられている」と盲信せずに、自分の目で確認し、少しでも不安があれば、ハウスメーカーに連絡してくださいね。

 

アフターサービスの内容を確認する

ローコスト住宅を建てる場合、アフターサービスについては必ず確認するようにしてください。

一般的な注文住宅に比べて、ローコスト住宅はアフターサービスの保証期間が短い、保証内容が十分でないといったケースもあります。

『ローコスト住宅でありがちな失敗例』でもお伝えしましたが、ローコスト住宅は建てた後に様々な問題が生じる可能性があります。

何かトラブルが起きた時にアフターサービスがないとトラブルの対応に時間を要したり、費用が高額になったりと、予想以上に苦労する恐れも。

契約前にアフターサービスについても納得いくまでしっかりと確認してくださいね。

 

妥協をしない

ローコスト住宅は規格化されたシンプルなプランが多いため、標準仕様のままだと物足りなさを感じる人も少なくありません。

そのため、費用だけ注目して家を建ててしまうと、満足度の低いマイホームとなってしまいます。

ここで重要なのは、譲れないところにはしっかりお金を使うこと。

価格を重視することももちろん大切ですが、せっかく建てた家に対して「あの時こうしていれば…」と後悔の残る結果となっては、快適な生活とはほど遠くなってしまいます。

お金をかける、かけないのメリハリをきっちりつけて、納得のいく家づくりを目指しましょう!

 

まとめ

ローコスト住宅は、単に「価格が安い」というメリットだけではなく、思わぬ落とし穴も沢山あることがわかりました。

だからこそ、施主の求める条件や質と、予算のバランスを考えることが非常に重要となってきます。

ローコスト住宅だけではなく、全ての家づくりに共通することですが、住宅に求める優先順位が明確であると、プランや建築会社の選択がしやすく、結果的に失敗や後悔を回避しやすくなります。

一生に一度の大きな買い物ですので、家族にとって長く愛されるマイホームとなるとなるよう、しっかりと吟味してくださいね!

 

 

マイホームづくりは、くれぐれも慎重に…

 

 

この記事の監修:嵯峨根 拓未
所有資格:宅地建物取引士

 

 

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ライター紹介 ライター一覧

佃井 心春

佃井 心春

普段は社内SEとして、都内勤務しているOLです。
マイホームの購入一生モノです。
読者様の悩みが解決できるよう、分かりやすく説明していきます。

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