無垢材の種類と特徴は?メリット&デメリットとフローリングのお手入れ方法

無垢材を使った注文住宅を建てようと思っても「どんな種類を選べばいいの?」「お手入れが大変そう…」など、不安や疑問は残るもの。

無垢材(天然木)はデリケートな素材のため、お部屋にあったものを選ぶことが大切です。

この記事では、無垢材の種類やメリットデメリット、フローリングのお手入れ方法など、インテリアコーディネーターがお伝えしていきます。

素敵な住まいづくりの参考にしてくださいね。

無垢材の種類と特徴

ひとくちに『無垢材』といっても、さまざまな種類があります。

まずは、注文住宅のフローリング材で人気のある樹種と、その特徴をお伝えしていきます。

無垢材をどのお部屋に使いたいのか、どんなインテリアに仕上げたいのかなどをイメージしながらチェックしてみてくださいね。

 

パイン(マツ)

出典:小幡建設

パイン材は、海外から輸入されている無垢材のなかでも、ポピュラーな種類です。

≪価格≫
比較的安い

≪色≫
白っぽい⇒あめ色に変化

≪デザイン≫
大きな木目と節が特徴。
ナチュラルインテリアや北欧風など、カフェのような温かみのあるインテリアと相性抜群。

≪素材の特徴≫
柔らかく、衝撃吸収や歩行感に優れているため、小さなお子さまや年配の方がいるご家庭にも◎。
ただし、素材が柔らかいため傷がつきやすい。

≪おすすめの部屋≫
寝室、子供部屋
天井材にもおすすめ

 

パイン材はぬくもりのある素材なので、素足で歩いてもひんやりしません。季節を問わず、スリッパいらずの暮らしができるやさしい無垢材といえるでしょう。

 

スギ

出典:cocochi

スギは、日本で昔からおなじみの国産の樹種です。

≪価格≫
比較的安い

≪色≫
うすピンク⇒あめ色に変化

≪デザイン≫
まっすぐな木目と濃い節が特徴。
和モダンインテリアやシンプル系など、すっきりしたインテリアにおすすめ。

≪素材の特徴≫
柔らかく弾力性があり、肌触りが良いため、赤ちゃんがハイハイしても安心。
ただし、柔らかさゆえに傷つきやすい。

≪おすすめの部屋≫
寝室、子供部屋
天井材としてもおすすめ


スギ材は、断熱性・保温性に優れており、さらっとした足触りがとても気持ちいい無垢材です。スギ材のポイントは、独特の香りを楽しめること。
価格がお手頃なのも嬉しいですね。

 

ヒノキ

出典:西粟倉・森の学校

ヒノキは、昔からひのき風呂や、神社・お寺の建築など和風の建築物にも使用されており、日本を代表する樹種です。

≪価格≫
やや高い

≪色≫
白っぽい⇒あめ色に変化

≪デザイン≫
美しい木目が特徴。
和風インテリアやアジアンテイストなど、高級旅館やリゾート風のインテリアにピッタリ。

≪素材の特徴≫
水分に強く腐りにくいため、水回りのフローリング材としても◎。
ヒノキの香りには殺菌・消臭効果があり、虫がわきにくいメリットも。

≪おすすめの部屋≫
リビング、ダイニング、キッチン、洗面脱衣所
天井材にもおすすめ


ヒノキは柔らかい素材でありながら、強度があるのでとても丈夫です。リビングのフローリング材にも向いているので、リラックス効果のある香りにつつまれながら、家族水入らずでゆったり過ごすこともできるでしょう。

 

オーク(ナラ)

出典:e-KENZAI

オークはウイスキーの樽にも使われている樹種で、フローリングに使用される無垢材の中で主流となっているものです。

≪価格≫
比較的安い

色≫
明るい黄色⇒黒っぽいあめ色に変化

≪デザイン≫
虎斑(とらふ)模様が特徴。
北欧インテリアやナチュラルテイストなど、明るい雰囲気のインテリアにぴったり。

≪素材の特徴≫
耐久性・耐水性に優れているため、リビングや水回りのフローリングに◎。
硬くて傷がつきにくい。

≪おすすめの部屋≫
リビング、ダイニング、キッチン、洗面脱衣所


オークは硬いため、傷つきにくい床にしたい人にもおすすめです。色や木目がどんなデザインにも合わせやすい樹種なので、フローリングの素材選びに悩んだら、候補に入れてみるのもよいでしょう。

 

チェスナット(くり)

出典:ハーバーハウス

チェスナット(くり)は、家の土台や鉄道の枕木などに使われている樹種です。

ナチュラルな色味ですが木目がはっきりしているので、インテリアの玄人好みなフローリング材です。

≪価格≫
やや高い

≪色≫
ライトブラウン⇒ブラウンに変化

≪デザイン≫
はっきりした木目が特徴。
ナチュラルテイストやモダンインテリアなど、シンプルな雰囲気のインテリアと相性◎。

≪素材の特徴≫
硬く、耐久性に優れている。
湿気にも強く、タンニン成分を豊富に含んでいるため腐りにくい。

≪おすすめの部屋≫
リビング、ダイニング、キッチン、洗面脱衣所


チェスナットは、耐水性に優れているため水回りにもおすすめの無垢材です。傷がつきにくくクセのない色味なので、リビングのフローリング材としてもおすすめですよ。

 

 

無垢材のメリットとデメリット

木材をそのまま一枚板にカットした無垢材。

自然素材ゆえに「こんな落とし穴があったのか…」と後悔しないよう、あらかじめメリットとデメリットについても知っておきましょう。

 

無垢材のメリット1 : 木材の風合いを楽しめる

無垢材は、木材本来の風合いをそのまま楽しめるのが大きなメリットです。

接着剤を使っていないので、住宅に使われる素材から発生する化学物質による健康被害、『シックハウス症候群』の心配もありません。

また、木目や節、色合いなども木によって異なるため、世界に一つだけのフローリングになるのも魅力的なポイントですね。

プリント合板や天然木合板などの複合フローリングとは違い、木そのものが放つ香り、足触りの良さ、ぬくもりは上質なリラックス空間にぴったりです。

 

無垢材のメリット2 : 経年劣化を楽しめる

無垢材は、年月とともに独特の味わいが出てきます。

複合フローリングは古くなれば劣化してしまいますが、無垢材は経年変化で色ツヤが増して美しくなり、重厚感も漂ってきます。

小さな傷さえも時の流れとともに味になっていくのは、無垢材ならではのメリットといえるでしょう。

 

無垢材のメリット3 : 夏涼しく冬暖かい

無垢材には調湿効果があります。

家の中に積極的に取り入れることで、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるのがメリット。

湿度の高い夏は、部屋の空気を乾燥させてくれるため、足元までサラッと過ごすことができますよ。

冬場は水分を放出することで部屋の空気を潤してくれます。

断熱性も高く、複合フローリングのようなひんやりとした床にはなりにくいので、夏も冬もスリッパいらずの快適な環境をつくることができるでしょう。

 

無垢材のデメリット1 : ひび割れや反りが起こりやすい

無垢材のフローリングは、『ひび割れ』や『反り』が起こることがあります。

これは、調湿作用によって木材が膨張と収縮を繰り返すことが原因。

ひび割れや反りが起こりにくいとされる無垢材は、目安として含水率が15%以下のものといわれています。

伸縮が気になる人は、含水率もあわせてチェックすることをおすすめします。

また、あらかじめ伸縮を見込んで、ひび割れが起こらないように微調整しておく施工方法もあるので、気になる方は工務店やメーカーに相談するとよいでしょう。

 

無垢材のデメリット2 : 水に弱い

無垢材は水を吸収するため、水分にはとても弱い素材です。

水回りに無垢材フローリングを採用するのであれば、表面をツルツルの塗膜でコーティングするUV・ウレタン塗装がおすすめ。

また、ヒノキやオーク、チェスナットといった、耐水性の高い無垢材を選ぶのもよいでしょう。

 

無垢材のデメリット3 : 傷つきやすい

無垢材はデリケートな素材のため、傷がつきやすいです。

とくに無塗装のままでフローリングに使うときは、硬いものを落とさないように注意するようにしましょう。

オークやチェスナットなど、硬くて傷つきにくい種類の無垢材を選ぶのもおすすめです。

 

しかし、前述したように、無垢材は水分によって膨張する性質も持っています。

水を含んだコットンを傷に乗せれば、へこんでしまった箇所が膨らむので、ある程度の傷は目立たなくすることができます。

さらに、サンドペーパーをかけてオイルを上塗りすることで、さらにきれいに補修をすることも可能。

傷つきやすいものの、傷の目立ちにくさや、補修のしやすさは、複合フローリングを上回るポイントでもあります。

 

 

無垢材フローリングのお手入れ方法

「無垢材はお手入れが大変そう…」というイメージがありますよね。

しかし、普段のお手入れはとっても簡単です。

無垢材はお手入れをすれば長く快適に生活ができるので、しっかりと覚えておきましょう。

 

UV・ウレタン塗装のお手入れ:掃除機や乾いたクロス

UV・ウレタン塗装とは、無垢材の表面を樹脂の膜でしっかりコーティングする塗装です。

UV・ウレタン塗装の無垢材フローリングの普段のお手入れは、乾拭きが基本。

「ホコリが溜まってきたかな?」と感じたら、掃除機で吸い取ってから乾拭きをしてください。

 

UV・ウレタンコーティングすれば水分に強くなるため、ジュースやコーヒーをこぼしても、固く絞った布ですぐに拭きとればシミになりにくく安心です。

ただし、表面のツルツルとした塗膜が重要なので、紙やすりでこするのはNGです。

 

自然塗装(オイル塗装)のお手入れ:風通しを良くする

自然塗装(オイル塗装)とは、無垢材に自然のオイルを染み込ませる塗装です。

オイル塗装の無垢材フローリングのお手入れは、風通しを良くするだけでOK。

オイルを浸透させた自然塗装は、樹脂で覆われたウレタンコーティングとは違い、そもそも静電気によるホコリがつきにくくなっています。

そのため、天気の良い日に窓を開け放しておけば、たまったホコリもある程度取りのぞくことができます。

ゴミや汚れが気になるときは、掃除機がけと、乾拭きをしましょう。

 

オイル塗装は、紙やすりでこすって自分でオイルを上塗りできるので、傷のメンテナンスもしやすいですよ。

 

無垢材を長持ちさせるお手入れのコツ

無垢材のフローリングをできるだけ長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスも必要です。

1~3ヵ月ごとのお手入れ

  • すきまに入ったゴミをつまようじで取る
  • 汚れが気になるときは固く絞った布で水拭き

オイル塗装の場合

  • よく歩く部分、水回りを中心にオイルを再塗装(1年ごと)

UV・ウレタン塗装の場合

  • 基本的にワックスがけ不要
    ※コーティングの上からさらにワックスをかけたいときは、塗装材の種類に合った商品を選ぶ
  • ウレタンコーティングが剥げてきたら、再塗装(ウレタン塗装の寿命は約20~30年)

 


1~3ヵ月ごとのお手入れ

  • すきまに入ったゴミをつまようじで取る
  • 汚れが気になるときは固く絞った布で水拭き

オイル塗装の場合

  • よく歩く部分、水回りを中心にオイルを再塗装(1年ごと)

●UV・ウレタン塗装の場合

  • 基本的にワックスがけ不要
    ※コーティングの上からさらにワックスをかけたいときは、塗装材の種類に合った商品を選ぶ
  • ウレタンコーティングが剥げてきたら、再塗装(ウレタン塗装の寿命は約20~30年)

オイル塗装は、傷の補修や再塗装が比較的かんたんで、DIYでこまめにメンテナンスできます。

一方、UV・ウレタン塗装は、傷補修や再塗装をきれいに仕上げるのがむずかしいため、業者に依頼するのがベストです。

 

まとめ

無垢材は、珪藻土や漆喰などの塗り壁と同じように調湿効果があります。

面積の広いフローリングに無垢材を取り入れることで、一年中快適な住まい環境を整えることができるでしょう。

ただし、無垢材は水分に弱く傷つきやすいというデメリットもあります。

傷が気になる人は、硬めの樹種を選んだり、あらかじめUV・ウレタン塗装でしっかりコーティングしておいたりするのがおすすめです。

自然素材の無垢材の家で、豊かな暮らしを楽しみましょう!

 

くれぐれも、マイホーム作りは慎重に…

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