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耐震等級の基礎知識と危険な落とし穴【本当に安心できる家に住むために】

 2019/01/25 おうち作り
 

住宅展示場などで「耐震等級」という言葉を聞いたことはありませんか?

耐震等級とは、建物の耐震性を3段階レベルで表したものです。

  • それぞれどのくらいの耐震性があるの?
  • 耐震基準と何が違うの?
  • 耐震等級2の家は本当に安全?
  • 地震に強い家づくりをしたい
  • 住宅の購入に失敗したくない

近年、大地震が頻発している日本において、このように考えている方も多いのではないでしょうか。

建物の耐震等級は、家を建てる上でとても重要なポイントです。

「耐震等級についてよく知らずに家を購入して後悔した」なんて失敗は避けたいですよね。

 

この記事では、耐震等級の基礎知識と耐震性についての重要な注意点をお伝えします。

耐震等級について理解して、安心できる家づくりに役立てて頂ければと思います。

 

耐震等級とは?

耐震等級とは、耐震性のレベルを3段階で表示したものです。

消費者により良い品質の住宅を提供するために、2000年に住宅品質確保促進法(品確法)で導入された住宅性能表示制度の一つです。

住宅性能表示とは、耐震性、耐火性、防犯などの10分野をそれぞれ細かくランク表示した総称で、住宅性能表示を取得するためには専門の評価機関による現場検査が必要になります。

耐震等級を含む住宅性能表示は、ハウスメーカーや施主が任意で取得するもので費用は15万円前後です。

 

耐震等級と似ている言葉に「耐震基準」がありますが、この2つには明確な違いがあります。

  • 耐震基準=震度7レベルの地震で倒壊しない最低ライン(建築基準法)
  • 耐震等級=耐震基準以上の耐震性を3段階で表示したもの(品確法)

耐震基準は建築基準法で定められている最低限のラインなので、施主がノータッチでも一定の水準は満たしています。

しかし、耐震等級は施主であるあなたが決めるものになります。

【耐震基準の関連記事】

地震大国ニッポン!日本で暮らすなら知っておきたい耐震基準の3つのポイント

 

耐震等級1・2・3の違い

耐震等級は1~3までの3段階で表示され、数字が大きくなるほど耐震性は高くなります。

耐震等級の基準は次の通りです。

耐震等級1 耐震基準と同等の耐震性
耐震等級2 耐震基準の1.25倍の耐震性
耐震等級3 耐震基準の1.5倍の耐震性

では、具体的にどのような違いがあるのか説明していきます。

 

耐震等級1

耐震等級1は、建築基準法の耐震基準と同等の耐震性です。

同等レベルなら「耐震等級1」と表示する必要はないと思われるかもしれませんが、耐震等級を取得するためには通常は行わない専門機関による現場の立ち入り検査などがあります。

したがって、住宅性能表示を取得していない家より、耐震等級1であっても住宅性能表示を取得している家の方が安心できると言えます。

 

耐震等級2

耐震等級2は、耐震基準の1.25倍の耐震レベルです。

これは、学校や病院など避難場所に指定されている建物と同等の耐震性です。

ハウスメーカーが掲げる「長期優良住宅」の認定を受けるためには耐震等級2以上の取得が条件になります

長期優良住宅に認定されると、次のようなメリットがあります。

  • 住宅ローン控除や固定資産税の減税
  • 新築、リフォーム時の補助金制度
  • 地震保険の割引き

主に、減税や補助金など住宅の維持にかかる資金が優遇されます。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”hensyubu.png” name=”編集部”]耐震性を上げるデメリットとしては、壁や柱が増えるため間取りと窓の大きさが制限されることです。耐震性と住みやすさのバランスを考えながら、建築士と相談しながら決めてください。[/speech_bubble]

 

 

耐震等級3

耐震等級3は、耐震基準の1.5倍の耐震性レベルです。

これは、警察署や消防署など防災の拠点となる建物と同等の耐震性です。

建築基準法の耐震基準は「震度7の地震で倒壊しないこと」となっていますが、これは建物が無傷で済むというわけではありません。

倒壊しなかったとしても、損壊が大きければ修繕しないと住むことができないので、震災後、すぐに通常の生活に戻れない場合もあります。

また、一度の大地震に耐えられたとしても、熊本地震の時のように震度7の地震が連続で起これば、倒壊してしまう可能性もあります。

このような地震による被害を重く受け止めて、耐震等級3を標準にするハウスメーカーや工務店が増えてきています。

地震後の生活まで守ることを考えるなら耐震等級3の家が安心だと言えます。

 

木造二階建ての落とし穴

あなたの建てたい家が木造二階建てなら、注意するべき重要なポイントが3つあります。

  • 構造計算の種類
  • 4号特例
  • 耐震等級3「相当」

これらは、耐震等級の数字だけに惑わされないようにするための大事な注意点になります。

それぞれ詳しく説明します。

 

構造計算の種類

建物の正確な耐震性を知る方法として、構造計算というものがあります。

構造計算の種類は次の2種類です。

  • 許容応力度計算による構造計算
  • 壁量計算による構造計算

この2つがどのように違うのか説明します。

 

許容応力度計算による構造計算

まずは、許容応力度計算による構造計算についてです。

構造計算とは、建築構造物・土木構造物などが、固定荷重・積載荷重・積雪荷重・風荷重・地震荷重などに対して、構造物がどのように変形し、構造物にどのような応力が発生するのかを計算することである。また、構造物がそのような変形や応力に耐えられるのかを判定することも含まれる。構造物の安全性や使用性を確認するのが目的である。最終的には、構造計算書として、A4の紙で100~5000枚程度にまとめられるwikipedia

簡単に言うと、「屋根に6tの積雪がある状態で地震が起きた場合の耐震力」など、ありとあらゆるケースを想定した上で耐震性を厳密に計算する計算方法です。

許容応力度計算による構造計算は、建築士が業務の片手間で簡単にできるようなものではなく、専門家が時間をかけて複雑かつ緻密な計算を行います。

算出された計算書はA4用紙100~5000枚と膨大な量になり、費用も20~30万円程度かかります。

しかし、建物の耐震性を正確に表した信頼性の高いものになりますので、三階建てやRC造の家を建てる時は、建築確認申請時に構造計算書の提出を義務付けています。

建築業界では、単に「構造計算」という場合は許容応力度計算による構造計算のことを指します。

 

壁量計算による構造計算

壁量計算による構造計算とは、主に耐力壁の量だけに注目した簡易な計算方法のことです。

「壁の枚数は何枚か?」「屋根は重いか?軽いか?」など非常に簡単なもので、計算書はA3用紙1枚にまとめられる程度です。また費用もかかりません。

一般的に木造二階建ての住宅は、壁量計算による構造計算がほとんどです。

しかし、建物の形状などを踏まえた細かい計算はされていないため、正確な耐震性を表しているとは言えません。

 

住宅販売の現場では、営業マンが「この建物はきちんと構造計算しているので安心です!」という言い方をする場合があります。

許容応力度計算と壁量計算のどちらも構造計算に間違いはないのですが、重要なのは許容応力度計算による構造計算の方です。

そのような話をされたら「それはどちらの構造計算ですか?」と確認してください。

 

4号特例

建築基準法では、木造二階建て以下の建物を「4号建築物」と呼んでいます。

そして、家を建てる時の建築確認申請時に「4号特例」という以下のような特例があります。

  • 4号建築物は、許容応力度計算による構造計算をしなくてもよい
  • 4号建築物は、壁量計算による構造計算書の提出を省略してもよい

 

この記事内で、許容応力度計算による構造計算が重要であることを述べましたが、木造二階建ての家はその構造計算をしなくてよいというものです。

しかも、簡易な壁量計算でさえ提出を省略できるという特例になっています。

この特例は、住宅のほとんどが木造二階建てであるため、建築確認申請に時間がかかり過ぎないように、審査内容を簡略化して手間を省くという理由があります。

壁量計算による構造計算は、建築士の裁量で行うことを義務付けてはいますが、提出しなければチェックはできませんので、確認申請の審査で実際の耐震性を知ることはできません。

過去に大地震が起きた際、耐震等級2の長期優良住宅が倒壊した例がありました。

原因を探るために、改めて許容応力度計算による構造計算をしたところ、その建物は建築基準法の耐震基準すら満たしていませんでした。

壁量計算が簡易な計算である上、4号特例によって提出が義務化されていないため壁量計算をしていたかどうかも不明です。

4号特例は、このような事態を起こす危険な落とし穴です。あなたの家や大切な家族を守るために、自主的に許容応力度計算による構造計算を行うことが有効です。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”hensyubu.png” name=”編集部”]

許容応力度計算による構造計算は費用と時間がかかるため、「4号建築物に構造計算までする必要はない」と言う建築士もいます。しかし、大地震がいつ起きてもおかしくない日本では、いざという時のためにできる限りの対策をしておくことが大切です![/speech_bubble]

 

耐震等級3「相当」

ハウスメーカーが、耐震等級3「相当」と表示しているのを目にすることがあります。

これは、耐震等級3の建物と同じ間取り設計・同じ部材を使用して建築はするけれども、あえて耐震等級を取得せず、取得にかかる費用を建物価格に還元するという目的があります。

施主からしてみれば「同じくらいの耐震性なら安い方がいい」と思いますよね。

しかし、耐震等級を取得していないため、法律上では耐震基準のみクリアした建物になります。

そのため、長期優良住宅のローン減税や補助金の優遇も対象外になり、将来売却をする場合には「耐震等級3」という付加価値をつけることができず、売却価格が下がる可能性もあります。

さらに、費用を抑えるために構造計算は行っていないので、本当の耐震性を証明する書類はありません。

自主的に許容応力度計算による構造計算を行うことは、この場合にも有効な方法だと言えます。

住宅は決して安い買い物ではありません。建物の価格を抑えるために、耐震等級3「相当」の家にする選択肢もあります。

しかし、高い買い物だからこそ本当に安心できる家づくりを考えていくことが大切です。

 

まとめ

いかがでしたか?

耐震等級の基準は以下のとおりです。

  • 耐震等級1 耐震基準と同等の耐震性
  • 耐震等級2 耐震基準の1.25倍の耐震性
  • 耐震等級3 耐震基準の1.5倍の耐震性

 

また、木造二階建ての場合の注意点は次の3つです。

  • 構造計算の種類
  • 4号特例
  • 耐震等級3「相当」

 

いざという時、あなたの家や大切な家族を守るために住宅の耐震性はとても重要です。

耐震等級の数字だけに惑わされず、本当の耐震性をしっかり確認して、安心できる家づくりをしてください。

 

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この記事が、あなたのお役に立てれば幸いです。

 

 

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嵯峨根 和正

嵯峨根 和正

おうちの悩み.com 編集長
株式会社ライフプラスハウス 代表取締役
株式会社ドレメ 取締役

生活が豊かになる家づくりをテーマに、新築住宅のご提案をしています。
おうちの悩み.comでは、住宅会社しかしらない情報や現場の生の声なども含め、おうちに関するお悩みを解決して頂くきっかけとなる記事をお届けします!


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