住宅展示場やテレビなどで、1階と2階の間にスペースのある間取りを見たことはありませんか?
- 収納スペースを多くとりたい
- 立体的に空間を利用したい
- 家を広く見せたい
このようなご要望を実現できる間取りが「スキップフロア」です!
スキップフロアを採用すると、まるで小さい頃に憧れた秘密基地のような、ワクワクする空間を演出することができます。
ほかにも収納が多くなる、おしゃれで開放的、広々空間の実現など様々なメリットを持つスキップフロアですが、知っておかなければならないデメリットもあるのが現実。
そこでこの記事ではスキップフロアのメリットとデメリット、さらに覚えておきたい注意点について解説するので、スキップフロアを採用して失敗してしまわないために知識の幅を広げておきましょう。
スキップフロアとは
スキップフロアとは、壁やドアといった仕切りのない中階層のフロアを作る間取りのことをいいます。
一般的に同じ階にもう1部屋作る場合は壁を区切りますが、スキップフロアは床の一部に高低差を設けることで壁を区切ることなくもう1部屋作ることができるのです。
スキップフロアには様々な手法があり、中階層のフロアを作るというと中2階(1.5階)や床から数十センチの高さの小上がり、階段の数段分を下げるなどもスキップフロアに含まれます。
勾配のある土地に建てた住宅や、狭小住宅であっても延床面積を広く確保しデザイン性の高い住宅を実現できるのがスキップフロアの特徴です。
スキップフロアは平屋でも可能?
平家であっても、スキップフロアを取り入れることはもちろん可能です。
横に広がる平屋のなかにスキップフロアを採用してあえて高低差を作ったり、ちょっとした仕切り壁を作ったりすることで、立体感が生まれ、動きのあるおしゃれな空間が出来上がります。
スキップフロアで小上がりを作れば、その下の空いたスペースを新たな空間として有効活用することができます。
二階建てに比べて少なくなりがちな収納スペースを増やすことができるのが嬉しいですね。
スキップフロアとロフトの違いは?
スキップフロアとロフトの違いについて明確な定義はされていませんが、スペースの使われ方に違いがあることが多いです。
ロフトは、物置スペースとして使われることが多く、はしごや簡易的な階段で上り下りします。
生活動線の一部というよりは、不要なものを片付ける場所として使われることが一般的でしょう。
それに比べてスキップフロアは階段が設置され、簡単な和室やリモートワークスペース、書斎など、より生活に密接した居住スペースとして使われることが多いです。
おしゃれなスキップフロアにおすすめの間取り
スキップフロアの取り入れ方は様々。
おすすめの間取りを紹介します!
フロアに段差をつける
段差をつけることで目線の高さが変わり、同じ空間でありながらスペースを区切ることができます。
子どもや家族の気配を感じながら仕事できたり、読書や勉強をしたりとそれぞれが自分の時間とパーソナルスペースを確保でき、干渉しすぎない良い距離感を保つことができるでしょう。
また、リビングに畳スペースの小上がりを作って和の雰囲気を楽しんだり、寝室スペースを作って広々ワンフロアにしたりするのもおすすめです。
階段の途中で作る
踊り場を有効活用したスキップフロアを作り、収納を充実させたり、リモートワークスペースとして使ったりすることができます。
階段の途中にスキップフロアを作ることで中2階のようになり、1階と2階のつながりがゆるやかになります。
階段を通りかかったときに声をかけあうことで家族とのコミュニケーションも図れますよ。
吹き抜けと合わす
間仕切りのないスキップフロアと吹き抜けを組み合わせることで、太陽光を取り入れる開口部を大きくとることができます。
日当たりが良く気持ちの良い空間になるでしょう。
絶対に知っておきたい吹き抜けのメリットとデメリット、気をつけたいポイントを解説!
子ども部屋にする
敷地面積の都合で、子どもの個室を作ることができなかった場合でも、パーソナルスペースの確保されたスキップフロアを作れば、部屋のひとつとして利用することができます。
お互いに存在のわかる空間ではあるものの、自分の時間を設けることができるので快適に過ごせることでしょう。
まだ子どもが小さい時期には、キッチンやリビングから目の届く場所に子ども部屋スペースとしてスキップフロアを作れば、家事をしながら安心して遊ばせることができます。
エントランスに作る
玄関を入ってすぐにスキップフロアを作ることで、高さと奥行きが出て広く感じます。
間仕切りのないスキップフロアは風と光の通り道となり、開放感のあるエントランスを演出することができます。
スキップフロアのメリット
スキップフロアは、空間を縦に利用することで多くのメリットがあります。
まずは、メリットをご説明します。
空間の有効活用
通常の仕切り方だとデッドスペースが出来てしまう場合も、高低差をつけることでデッドスペースになるはずの空間を有効に使うことができます。
廊下を使わず階段で部屋をつなげることで、無駄なスペースが生まれにくく、階段下にできるスペースは収納などにつかうことができます。
壁や扉を使わずに部屋をわけるので、小さくても圧迫感のない広い空間に見せることが可能。
空間をうまく活用できることから、特に狭い土地に家を建てるケースでよく採用されています。
高低差がある土地に有効
スキップフロアは、高低差がある土地に家を建てる時に有効です。
土地の高低差をうまく活用して部屋を配置することで、その土地に最適な間取りを計画することができます。
高低差がある土地に家を建てる場合、家の形がいびつになってデッドスペースが生まれやすいです。
しかしこのデッドスペースをスキップフロアとして活用することで高低差を無駄にすることはありません。
家族との繋がりを感じることができる
通常の壁で仕切ってしまう間取りの場合、違う部屋にいる家族の姿は見えません。
声も届きにくいため、呼びかけにも気付かず、わざわざ部屋まで呼びに行くこともあるでしょう。
しかし、スキップフロアの間取りには壁や仕切りがないため、常に家族の気配を感じることができます。
スキップフロアのデメリット
スキップフロアにはメリットがたくさんあることをお伝えしました。
しかし、反対に通常の間取りにはないデメリットもあります。
スキップフロアを間取りの一部として採用するためにも、デメリットについても把握しておきましょう。
知識を持った設計者でなければいけない
高さの違うフロアをいくつも組み合わせる複雑な構造のため、設計がかなり難しくなります。
スキップフロアの間取りを設計するには豊富な知識と技術が必要です。
知識のない設計者にスキップフロアの設計をお願いした場合、使い勝手の悪い生活導線になる、風や光が通らないなど、スキップフロアのメリットが活かせなくなってしまう恐れがあります。
スキップフロアは設計者の腕にかかっている!大きく左右される!と言えます。
知識を持った施行会社でなければいけない
高さが違うフロアをいくつも作るため、構造が複雑になります。
設計同様、複雑な構造の家を施工するには大工の経験や腕も重要なポイントです。
これは通常の家にも言えることですが、スキップフロアの家は特に大工の腕に家の質が大きく左右されます。
建築費用が上がる
スキップフロアの家づくりの良し悪しは、担当する設計士の知識や経験に左右されます。
失敗しないためにも、スキップフロア設計の実績や知識の豊富な設計士に設計を依頼するのがおすすめ。
また設計の段階で模型や3Dイメージを作成する必要もあり、一般的な住宅を設計するよりも設計料が高くつくと想定しておきましょう。
建築費用に関しても、構造が複雑になる分工期も長くなり、職人さんに支払う費用も多くかかるため、必然的に建築コストも上がります。
家づくりはこだわればこだわるほどコストは上がっていき、スキップフロアもこだわりの一つに当たるためコスト面は仕方がないこと、と受け止めるしかありません。
時間をかけて計画を進めた結果、とんでもない費用に愕然としてしまわないためにも、事前に価格について施工会社と話し合うことをオススメします。
老後段差がしんどくなる
住宅展示場やテレビなどで見かける段差を上手に使った遊び心あふれる空間は、とても魅力的です。
しかし、毎日生活することをしっかりと想像できていますか?
例えば、キッチンとダイニングに高低差があれば、料理を作った時に毎回段差を乗り越えて料理を運ぶことになります。
もちろん片付けも同じです。
また、間取りによっては洗濯機から段差を越えて干場までいかなければいけません。
最大の問題は老後です。
これから何十年と暮らすうちに、足腰が弱くなり、段差を苦痛に感じる日が来るかもしれません。
そんな中、毎日段差がある生活はつらく感じてしまうことでしょう。
必ず段差があるということのデメリットを理解してスキップフロアを検討してください。
プライバシーの確保と遮音性の問題
壁や仕切りがないことがスキップフロアの最大のメリットですが、子どもの成長とともに、それがデメリットになることもあります。
壁が無く常に姿が見られているというのは、年頃の子、特に女の子はストレスに感じるかもしれません。
また、音を遮るものも少ないため、勉強など集中したい時にはテレビの音や話し声も気になるでしょう。
家族で生活のリズムが違う場合も注意が必要です。
冷房・暖房の効率が悪い
壁や仕切りがなく、家全体が一つの大きな空間になるため、冷暖房がききにくいです。
暖かい空気は上に登るため、夏は上の階に行くほど暑く、冬は下の階ほど寒くなります。
室内の空気や冷暖房の風をどのように循環させるかが、スキップフロアの大きな課題です。
断熱材を工夫したり、風の通りを良したりするなどの対策を考えてください。
固定資産税にも注意!
スキップフロアは床面積が広くなるので、固定資産税が上がる可能性が高いです。
しかし、床面積の低減措置があるため、うまく計画すればスキップフロア部分を面積としてカウントされない方法もあるので、税金対策にも精髄した施工会社に依頼するようにしましょう。
- 設計や施工の知識が豊富
- 腕が確か(実績が豊富)
- 節税面に詳しい
たくさんある施工会社から見積もりをとったり、公式サイトからリサーチしたりして見極めましょう!
まとめ
空間をうまく使ったスキップフロアは、おしゃれで魅力的です。
スキップフロアの間取りを考える際は、動線や風の通り、光の差し込み方などをトータルで考えなければならないので、簡単ではありません。
また、施工も難しいため、信頼できる会社に設計と施工を依頼することが成功の第一歩です。
この記事を参考に、メリットとデメリットを踏まえて、理想のスキップフロアを取り入れたおしゃれな家を建てて頂ければ幸いです。
いい施工会社を見つけるためには、まずはできるだけ多くの住宅会社を比較することが重要!
住宅会社を最も簡単に比較する方法は、ハウスメーカーや工務店が発行しているカタログをうまく活用することです。
会社を比較する以外にも、カタログを活用するメリットは多いので、家を建てるなら必ずカタログ比較をすることをオススメします。
カタログ比較について、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
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