新築一戸建てを建てたいけど木造と鉄骨造どっちがいいのかわからない…と悩んでいませんか?
木造住宅と鉄骨造住宅では、間取りの自由度や性能などが異なります。
家の骨組みとなる構造体は、あとから変更できないので慎重に選びたいものですよね。
今回は、家選びで失敗しないために木造住宅と鉄骨造住宅のメリットデメリットをお伝えします。
木造住宅とは?
木造住宅とは、骨組みとなる構造体に木材が使われている住宅のことです。
日本では古くから木造建築が盛んで、一般住宅といえば木造一択でした。
調湿効果のある木を使用した木造の家は、湿気が多く四季のはっきりしている日本において理にかなっているのです。
現在でも、日本の家の半分以上は木造住宅となっており、その需要の高さは後述するメリットからきているものでしょう。
耐用年数
国土交通省によると、木造住宅の平均的な耐用年数は約30年とされています。
これは、リフォームをすればまだ住めるのに早めに建て替えてしまう人が多いためです。
大手ハウスメーカーのメンテナンス保証期間も最長50~60年となっていることから、しっかりとメンテナンスをして建物の劣化を遅らせることで、寿命をのばすことは十分可能といえます。
そもそも木造建築には200~300年を超える古民家もたくさんあるので、設計や工法によって建物の寿命は大きく変わってくるといえるでしょう。
木材の種類
木造住宅に使われている木材にはさまざまな種類があります。
≪構造材に向いている木材の種類≫
- ヒノキ
- ケヤキ
- ヒバ
- 栗[/su_box]
これらの木材は、耐水性や耐久性に優れており、かたくて頑丈、シロアリや害虫に強い特徴があります。
そのため、土台や通し柱などの主要となる構造材に使われています。
ヒノキやケヤキは高級品なので、部分的に使用することが多いですね!
≪構造材に向いていない木材の種類≫
- 杉
- パイン(アカマツ)
杉やパイン材はやわらかい木材のため、骨組みとなる構造材にはあまり向いていません。
木目がとても美しいので、建具やフローリングに使われていることが多いでしょう。
鉄骨造住宅との違い
木造住宅の骨組みが木材でできているのに対し、鉄骨造住宅はその名のとおり鉄骨で骨組みをつくっています。
木材よりも重い素材のため、家全体の重さも鉄骨造の方が重くなり、丈夫な印象を抱きやすいでしょう。
鉄骨は、材料の厚さによって2種類に分けられます。
・厚さ6mm超の鉄骨
(ビル、マンションなど)
・厚さ6mm以下の鉄骨
(住宅、賃貸アパートなど)
このように、丈夫さを必要とされる建物に使われていることがほとんどです。
ちなみに法定耐用年数は、同じ鉄骨造でもさらにこまかく分類されています。
構造 | 法定耐用年数 |
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) | 47年 |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 47年 |
鉄骨造①(厚さ4mm超) | 34年 |
鉄骨造②(厚さ3~4mm) | 27年 |
木造 | 22年 |
鉄骨造③(厚さ3mm以下) | 19年 |
鉄筋コンクリート構造がもっとも頑丈で、耐用年数が一番長いです。
鉄骨造は厚さによって耐久性が異なるため、木造住宅よりも法定耐用年数が短くなることも。
ただし、法定耐用年数はあくまでも減価償却の計算をするための指標です。
資産価値の計算やアパート経営をするときに使う数字なので、実際の寿命とはあまり関係ないといえるでしょう。
★ここからは鉄骨材の厚さついて超マニアックな話になるので、興味のある人だけ読んでみてください。
軽量鉄骨の厚さには、1.6mm、2.3mm、3.2mm、4.5mmがあります。
ハウスメーカーの建てる軽量鉄骨造は、3.2mmの鉄骨材を土台や柱などの主要構造部分に、2.3mmを二階部分や間柱に使い、耐震性やコストを考慮してバランスよく組みあわせています。
ただし、法定耐用年数というのは開口部のまわりに使われている鉄骨の厚さで判断されます。
そのため、大手ハウスメーカーで建てる「軽量鉄骨造の家」は法定耐用年数19年となるケースがほとんどでしょう。
ハウスメーカーに鉄骨材の厚みを確認し、コストがかかっても頑丈な家にしたい人は重量鉄骨を選ぶのがよいかもしれません。
【新築一戸建て】木造住宅のメリット・デメリット
湿気の多い日本では、現在でも木造の家が主流となっています。
新築一戸建てを検討しているのならば、木造住宅のメリットデメリットを理解しておきましょう。
木造住宅のメリット1:建築費用がおさえられる
木造住宅の一番のメリットは、低コストで家を建てられること。
- 材料が安い
- 軽くて扱いやすい
- 各工程にかかるコストが少ない
などの理由から、全体的な建築費用をおさえることが可能になります。
鉄骨造に比べて断熱性、気密性、調湿性も高いので、コストパフォーマンスにも優れているといえるでしょう。
木造住宅のメリット2:設計しやすい・リフォームしやすい
木造住宅は構造がシンプルなため、設計やリフォームをしやすいです。
間取りの自由度も高く、こまかい部分までこだわりたい人に向いているといえるでしょう。
とくに昔ながらの在来軸組工法は、“だれでも施工のやり方がわかる”オープン工法。
たとえば30年後に新築依頼した建築会社以外で柱を1本だけ取りかえてもらう場合であっても構造体のメンテナンスがしやすく、すんなり受け入れてもらえるでしょう。
木造住宅のメリット3:耐火性が優れている
木造住宅は火に弱いイメージがあるかもしれませんが、実は耐火性に優れています。
木材は熱伝導率が低いため、燃えるまでに時間がかかります。
さらに火がついても表面だけが焦げた状態(炭化層)になるので、木材の中心部まで燃えることがありません。
一方、熱に強いイメージの鉄骨は700℃の温度までは耐えられますが、それ以上になると変形してしまいます。
住宅火災は1200℃に達するため、火災発生から短時間で一気に崩れ落ちてしまう可能性も。
木造も鉄骨造も全焼すれば建て替えしなければなりませんが、火災時の倒壊リスクを考えると木造の方が有利といえます。
木造住宅のデメリット1:耐震性がやや劣る
木造住宅は、鉄骨造よりも耐震性がやや劣ります。
とはいえ地震大国の日本では、耐震基準の最低ラインは震度7でも倒壊しないレベル。
さらに耐震性を高めるための技術も、つねに進化しつづけています。
ハウスメーカーもしのぎを削って独自の工法や耐震システムを開発しているので、大手ハウスメーカーで家を建てるのであれば、木造と鉄骨造の耐震性はあまり大差ないといえるでしょう。
ちなみに、二階建て以上の鉄骨構造の建築物は「設計の段階でこまかい構造計算をしなければならない」という建築基準法のルールがあります。
木造二階建ては“4号建築物”といって、この構造計算を省略できることになっています。
こまかい構造計算が省略されてしまうのが一般的なため、実際の耐震性は設計者にしかわからないのが少し怖いところ。
そのため耐震性の高い木造二階建てを建てるなら、費用をかけてきちんと構造計算したうえで、住宅性能表示の「耐震等級3」を取得するのがおすすめです。
注文住宅やマンション購入を検討していると「耐震等級」という言葉を目にすることがあります。 耐震等級とは、耐震性の高さを3つのレベルであらわしたもの。 ただし、巧妙な落とし穴もあるので数字だけに惑わされるのはとても危険です。 […]
木造住宅のデメリット2:防音性がやや低い
音の伝わりにくさは重量に比例します。
家全体が軽い木造住宅は、鉄骨造住宅よりも防音性はやや劣ります。
防音に配慮した木造住宅にするには、
- 窓を小さくする
- 二重サッシを検討する
- ペアガラスを採用する
- 断熱材を厚くする
- 室内壁や床を二重にする
などの対策が有効です。
木造住宅のデメリット3:構造にばらつきがある
木造住宅は、大工さんの腕によって仕上がりに差が出やすいのがデメリット。
建築士がいくら綿密な設計をしても、木材は現場で加工するケースもあり、管理のしかたによって品質が変わることもあります。
大手ハウスメーカーの木造住宅であれば工場でプレカットされたものを使っているため、比較的バラつきは少ないといえるでしょう。
【新築一戸建て】鉄骨造住宅のメリット・デメリット
最近は、鉄骨系の大手ハウスメーカーが増えていますよね。
丈夫なイメージがある鉄骨造ですが、実際はどうなのでしょうか。
鉄骨造住宅のメリットデメリットについてもみていきましょう。
鉄骨造住宅のメリット1:開放感のある間取りにできる
鉄骨造住宅は、広々とした大空間をつくることができます。
鉄骨の枠だけで家を支える「ラーメン構造」であれば、柱を10m以上のスパンにすることも可能に。
『リビングを広くしたい』『大開口のダイナミックな窓をもうけたい』など、開放的な間取りにしたい人は鉄骨造住宅がおすすめです。
木造の家は、構造上どうしても必要な柱や耐力壁が多くなってしまうため、こまかい間取りには対応できても大空間にすることはできません。
※木造ハウスメーカーの住友林業は、柱の太さや接合部分を工夫することでこのデメリットを克服しているようですね!
鉄骨造住宅のメリット2:骨組みが一定の品質
鉄骨造に使われている構造体の部品は、すべて工場で生産されたものです。
現場では規格化された部品を組み立てていくだけなので、骨組みの品質が一定に保たれるのがメリット。
大手ハウスメーカーのセキスイハイムでは、工場で部屋をつくって現場に運ぶ「ユニット工法」がもちいられています。
(出典:セキスイハイム)
職人さんの腕によって品質が大きく変わることがないので安心できますね。
鉄骨造住宅のメリット3:火災保険料がおさえられる
鉄骨造の住宅は、火災保険料が安くなるメリットもあります。
構造材に使われている鉄骨が不燃材なので、保険会社の定めている「T構造」に当てはまるためです。
≪構造区分と建物の種類≫
M構造(マンション構造)
- 鉄筋コンクリート造のマンション
T構造(耐火構造)
- 鉄骨造の建物
- 2×4工法の建物
- プレハブ住宅
- 省令準耐火建築物
H構造(非耐火構造)
- M構造とT構造に当てはまらない建物
- 在来木造建物
木造住宅でも、2×4(ツーバイフォー)工法や、防火地域にも建てられる「省令準耐火構造」の家であれば、火災保険は鉄骨造と同じく安くなります。
鉄骨造住宅のデメリット1:建築費用が高め
鉄骨造住宅の建築費用は、木造住宅より2割ほど高くなります。
地盤改良をしなければならない場合、さらに費用がかかることに。
また、ハウスメーカー独自の工法で建てられた家は“ほかの業者に施工方法がわからない”クローズド工法となるので要注意。
一般的な工務店ではリフォーム対応ができないため、将来のリフォーム代が高くなる可能性があります。
鉄骨造住宅のデメリット2:断熱対策は欠かせない
鉄骨造住宅の一番の弱点は、断熱性が劣ること。
鉄は、木材よりも熱伝導率が600倍も高いとされています。
そのため、外気温が室内にダイレクトに伝わる「ヒートブリッジ」という現象が起こってしまうのです。
鉄骨造住宅にするなら『樹脂窓を採用する』『断熱性を厚くする』など、快適に暮らすための断熱対策をしっかりおこなうのがポイント!
ハウスメーカーと相談しながら費用もあわせて確認し進めていきましょう。
鉄骨造住宅のデメリット3:地盤強化が必要になる場合も
鉄骨造住宅は、木造住宅よりも重量があります。
地盤をしっかりと整えなければならないぶん、大がかりな地盤改良工事が必要になるケースも。
その場合は膨大なコストがかかることになるので、土地選びもポイントになるでしょう。
木造住宅か鉄骨造住宅か悩んだらハウスメーカーに委ねてOK
木造住宅と鉄骨造住宅どちらにするか決められないときは、ハウスメーカーに任せて良いでしょう。
大手ハウスメーカーであれば、ほとんどの商品がデメリットを克服する対策をとっているので問題ありません。
弱点をカバーしたうえで住宅性能表示の最高ランクを取得するなど、かなり高い水準の家を建築されています。
ゆえに、木造であっても鉄骨造であっても大差ない満足度を得られることでしょう。
ただし、寒冷地に進出していない鉄骨系ハウスメーカーは、断熱性の低さを完全にカバーしきれていないので注意が必要です。
まとめ
木造住宅と鉄骨造住宅には、それぞれメリットデメリットがあります。
コスト、性能、間取りなど、あなたとご家族がもっとも重視したい部分を考慮して選ぶのがおすすめです。
≪木造住宅が向いている人≫
- コストをおさえたい
- 寒冷地に家を建てたい
- 二階建て・平屋を建てたい
- 自由度の高い間取りにしたい
◎木質系のハウスメーカー
- 積水ハウス
- 住友林業
- ミサワホーム
- 三井ホーム
≪鉄骨造住宅が向いている人≫
- 開放的な間取りにしたい
- 狭小地に家を建てたい
- 三階建てにしたい
◎鉄骨系のハウスメーカー
- 積水ハウス
- セキスイハイム
- ヘーベルハウス
- パナソニックホームズ
- ダイワハウス
ハウスメーカーを比較するならこちらの記事もぜひ参考にしてみてくださいね!
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