新築一戸建てや中古住宅のリノベーションなどで人気沸騰のシューズクローク。
シューズクロークは、靴はもちろん玄関まわりのモノがすっきり片付く便利な土間収納のことです。
メリットが多いものの、デメリットもあるのでしっかり計画することが必要になります。
今回は、後悔しないシューズクロークのつくり方やシューズクロークのタイプなど事細かにお伝えしていきます。
素敵なシューズクロークづくりの参考にしてください!
玄関収納「シューズクローク」とは?
【引用:ダイワハウス 収納棚実例写真】
シューズクロークとは、玄関土間にもうける半畳~3畳ほどの玄関収納のこと。
「シューズインクローク」「シューズインクローゼット」と呼ばれることもありますが、どれも同じ意味です。
-
- 靴
- ベビーカー
- アウトドア用品
- 掃除機
- レインコート
など、玄関まわりにあるさまざまな荷物の収納場所として活用することができます。
シューズクロークの種類
シューズクロークは大きく2つのタイプに分かれます。
間取りや収納量によって設置タイプを検討してください。
ウォークインタイプ
ウォークインタイプのシューズクロークは、出入り口が1つです。
3つの壁面をフル活用できるため、間取りが狭くても収納スペースをたっぷり確保できるのが魅力!
新築マンションや新築一戸建て(建売住宅)に多いシューズクロークの間取りです。
ウォークスルータイプ
ウォークスルータイプのシューズクロークは、出入り口が2つある回遊型の間取りです。
帰宅後、シューズクロークにコートや靴をしまい、そのまま玄関ホールへ抜けることができます。
収納力はやや落ちますが、家族用とお客様用の動線を分けられるため、来客の多いご家庭にもおすすめ。
注文住宅や中古一戸建てをリノベーションする場合に、よく取り入れられています。
シューズクロークの扉
シューズクロークは、扉の有無によって雰囲気や使い勝手が変わります。
2種類のタイプを紹介します。
クローズタイプ
クローズタイプは、出入り口に扉のあるシューズクロークです。
ドアを閉めることで、玄関全体がすっきり見えるのが最大の魅力。
「扉はほしいけど毎回の開け閉めはめんどくさい…」という人には引き戸がおすすめ。
普段は開けっぱなしにして使いやすく、来客時はサッと閉めて目隠しできるので便利ですよ!
オープンタイプ
オープンタイプは、出入り口に扉のないシューズクロークです。
両手がふさがった状態でも出入りがしやすく、湿気がこもりにくいメリットも。
ただし玄関から中が見えてしまうため、収納方法をうまく工夫する必要があるでしょう。
オープンクローゼットの目隠しとしては、ロールスクリーンを取りつけてゆるやかに仕切る方法もあります。
シューズクロークの配置
シューズクロークに設置する収納棚は4タイプの配置があります。
≪Ⅰ型≫
Ⅰ型は、シューズクロークの収納棚が1列のタイプ。
細長い間取りや、収納量の少ないご家庭におすすめです。
≪Ⅱ型≫
Ⅱ型は、シューズクロークの収納棚が2列になっているタイプ。
汚れた靴や、帽子、コートなど肌に触れるモノをきっちり分けたい方におすすめです。
≪L型≫
L型は、シューズクロークの収納棚をL字型にレイアウトしたタイプ。
効率良く収納スペースを確保できるため、狭い間取りでも取り入れやすいメリットがあります。
≪U型≫
U型は、シューズクロークの収納棚がコの字型のタイプ。
たっぷり収納できるため、家族の人数が多いご家庭におすすめです。
ただし、3面を棚でふさいでしまうためウォークスルータイプのシューズクロークにはできません。
シューズクロークは必要?シューズクロークを設置するメリット
シューズクロークって必要?いらない?と迷っている人も多いのではないでしょうか。
シューズクロークを設置すると、うれしいメリットがたくさんあります。
玄関を綺麗にすっきりさせられる
収納力の高いシューズクロークがあると、下駄箱に入りきらない脱ぎっぱなしの靴で玄関がごちゃごちゃ…なんてことがなくなります。
傘立てやベビーカーなどのかさばるモノもシューズクロークに収納できるので、すっきりした綺麗な玄関にすることができるでしょう。
あまり使わないモノを目隠しできる
広々としたシューズクロークは、収納場所に困ってしまうような出番の少ないモノも収納できます。
- 旅行用のトランク
- ゴルフバッグ
- スノーボード
- 災害時の備蓄品
- 自転車の空気入れ
など、収納ボックスに入らない大きなモノが簡単に目隠しできちゃうのがうれしいポイントですね。
外出時・帰宅時の動線が楽ちん
シューズクロークには玄関にあると便利なモノを置けるため、動線が楽になります。
たとえば、毎日着るお気に入りのコートかけをつくっておけば、帰宅時はシューズクロークでコートを脱ぎ、そのまま洗面所に直行できます。
子どもの遊び道具や部活のラケットなど日常的に使うアイテムを保管しておけば、わざわざ部屋まで取りに行かずスムーズに外出できるので、毎日の生活動線を快適に過ごせるでしょう。
おしゃれな玄関にできる
【引用:セキスイハイム 収納棚実例写真】
収納力抜群のシューズクロークがあると、玄関から余計なモノが見えなくなり生活感を排除できます。
モノがないと洗練された空間になるため、壁に飾った絵画や観葉植物などのおしゃれアイテムもグッと映えます!
モデルルームのようなおしゃれな玄関を演出できるので、急な来客時も慌てて靴を押し込む…なんてことはありませんね♪
シューズクロークを設置するデメリット
シューズクロークならではのデメリットについても知っておきましょう。
玄関が狭くなる場合がある
シューズクロークをもうけるには、ある程度のスペースが必要になります。
間取りに余裕がないのに無理にシューズクロークをつくると、玄関が狭くなってしまい不便に感じることも…。
シューズクロークは、間取りや広さのバランスを考えて計画することが大切です。
いらないモノを収納しすぎる
収納スペースが広いと「とりあえずシューズクロークに…」と、モノを詰め込むことが増えるかもしれません。
いらないモノが散乱したシューズクロークは、必要なモノがすぐに取り出せず、使いづらい空間になってしまうので要注意。
『あらかじめ決めたモノしか置かない』『定期的にいらないモノを処分する』など、使いやすさをキープする必要があるでしょう。
通気性が悪く匂いが気になる
シューズクロークは収納力が高いため、上から下までたくさんの靴や荷物を収納できます。
しかし、すきまなくモノを詰め込むと空気の流れがさえぎられてしまい、通気性が悪くなります。
とくに扉のあるクローズタイプは、密閉空間になりやすいので要注意!
靴の匂いが気になることもあるので、シューズクロークはこまめな換気が必須といえるでしょう。
壁紙が汚れやすい
シューズクロークは、屋外で使ったモノを収納しておくスペースです。
そのため、壁紙(クロス)が汚れやすいデメリットも。
とくに壁にピッタリ取り付けた収納棚に、砂や泥がついたままの靴を置くことで汚れがつきやすくなります。
こまめに掃除するか、壁紙の汚れがなるべく目立たないような対策をすることが大切です。
後悔しないためのシューズクロークをつくるポイント
せっかくシューズクロークをもうけたのに、不便で使いにくかったら後悔してしまいますよね。
そこで、シューズクロークづくりに失敗しない5つのポイントをお伝えします。
壁紙は汚れの目立たないカラーにする
シューズクローク内の壁紙はどうしても汚れてしまいます。
クロス(壁紙)選びの失敗を防ぐには、汚れの目立ちにくい色をチョイスするのがおすすめ。
たとえば、中間色のグレー、ブラウン系のレンガ調クロスなどは汚れが目立ちにくいカラーで人気です。
白いクロスがお好きな方は、汚れ防止の機能性クロス(壁紙)もあるのでぜひ検討してみてくださいね。
窓をつけるなど通気性への配慮
シューズクロークは湿気のこもりやすいエリア。
「お気に入りの靴にカビが生えてしまった…!」なんて失敗を避けるために、窓または換気扇を取りつけることを強くおすすめします。
通気性がよくなることで、カビの生えにくい快適なシューズクロークになり、後悔せずにすむでしょう。
中古一戸建てのリノベーションなどで新しくシューズクロークをもうけるときは、窓や換気扇を設置できるかあらかじめ確認しておきましょう。
消臭効果のあるアイテムを活用
シューズクロークには、汗のしみこんだ靴や雨で濡れた長靴を置くこともあるため、雑菌が繁殖しやすくなります。
雑菌が繁殖すると、匂いの原因になりシューズクロークが悪臭まみれになることも珍しくありません。
湿気対策でおすすめした窓や換気扇の設置は、シューズクロークの匂い対策にも有効な手段です。
そのほかに、
- 壁紙を消臭クロス(壁紙)にする
- 天井埋め込み型のナノイーを設置する
- コンセントを取りつけて脱臭機を置く
などの対策もあわせておこなうと効果的でしょう。
DIYが好きな方は、棚板に脱臭効果のあるシートを敷いたり、重曹やアロマを使ったおしゃれな置物をつくったりするのもいいですね!
間取りから動線を考慮しなくてはダメ
ウォークスルータイプのシューズクロークでは、間取りで失敗して後悔するケースが多いです。
とくに家族用の帰宅動線は、来客用の動線よりも便利にしておくことが重要。
たとえば、下図のシューズクロークは≪玄関→シューズクローク→洗面所→パントリー≫がほぼ一直線になった間取り図の例です。
動線がつながっていることで≪玄関ドアを開けてまっすぐ→シューズクロークで靴を脱ぐ→洗面所で手を洗う→食材をパントリーにしまう→キッチンでお茶を入れる→リビングで休む≫といった流れがスムーズになります。
「来客用玄関を通った方が便利な間取り」にしてしまうと、シューズクロークに入ること自体がめんどうになり、いずれ使わなくなってしまう可能性が高いです。
せっかくのシューズクロークが使われなくなってしまってはもったいないので、ウォークスルータイプのシューズクロークにするときは間取りと動線を考慮してください。
必要な棚計画を立てる
シューズクロークの収納プランでは、ゆとりのある棚計画を立てることが大切。
どこに何があるか一目でわかれば「あの靴どこだっけ!?」とシューズクローク内を探さずにすみます。
≪幅160cmの棚板に置ける靴収納量の目安≫
★男性6足/女性8足
≪平均的な靴の所有数≫
★男性12足/女性15足
シューズクロークに160cm幅の収納棚を設置する場合、棚板は1人2段分(4人家族なら8段分)必要ということですね。
玄関の一般的な天井高は250cmなので、棚板の高さを仮に25cmにすると、最大10段分のスペースを確保できます。
【引用:ダイワハウス 収納棚実例写真】
ロングブーツや高さのある靴も収納できるよう、棚板の高さを自由に変えられる可動棚タイプがおすすめです。
マンションなどすでに収納棚つきのシューズクロークがあるときは、十分な収納量があるかチェックしてくださいね。
また、鍵などの細かいモノを置くスペースもあらかじめつくっておくと、さらに使いやすいシューズクロークになりますよ♪
まとめ
玄関がすっきり片付くシューズクロークは、メリットの多い便利な土間収納です。
ただし、通気性の配慮や間取り、収納棚についてきちんと計画することが大切になります。
この記事があなたのシューズクロークづくりの参考になれば幸いです♪
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