注文住宅の相場は?内訳と費用&坪数ごとの家の特徴・資金計画のコツを解説

自分好みの家を建てられるところが魅力的な、注文住宅。

注文住宅は自由に間取りやデザインを決められるぶん、どのくらいの価格でどのような家が建てられるのかを予想しづらいですよね。

また、建物以外にかかる費用のことも把握しておかなければいけません。

この記事では、注文住宅の相場はどのくらいなのか、どの部分に費用がかかるのか、また1000〜4000万円台でどのような注文住宅を建てることができるのかを解説していきます!

 

注文住宅の相場はいくら?

注文住宅の購入予算の相場を、2020年のフラット35利用者調査を参考に、地域ごとに確認していきましょう!

 

土地なしの相場

土地は含まない、建物のみの注文住宅の相場は以下の通りです。

平均床面積とは、住居として使える床の総面積のことです。例えば2階建ての家の場合、1階と2階の床面積を合計した面積を指します。

地域 平均床面積 建設費
全国平均 124.4㎡ 3,532.5万円
首都圏平均 123.9㎡ 3,808.5万円
近畿圏平均 127.4㎡ 3,740.2万円
東海圏平均 126.5㎡ 3,604.3万円
その他地域平均 123.4㎡ 3,354.6万円

 

土地ありの相場

建物と土地を同時に購入した場合の相場は以下の通りです。

地域 平均床面積 購入費(建設費+土地代)
全国平均 111.1㎡ 4,397.3万円(2961.2+1436.1)
首都圏平均 105.8㎡ 5,162万円(2851.8+2310.2)
近畿圏平均 111.2㎡ 4,539.7万円(2884.4+1655.3)
東海圏平均 114.8㎡ 4,412.2万円(3112.2+1300)
その他地域平均 113.1㎡ 3,949.2万円(3016.3+932.9)
おうちの悩み.com 編集部
他の地域に比べると首都圏の費用が高くなっていることがわかりますね。

 

注文住宅にかかる費用の内訳

注文住宅を建てるには、どのようなものにどのくらいの費用がかかるのかを詳しく見ていきます。

 

土地を購入するための費用

土地の購入費用は、全体の予算の中で多くの割合を占めるものです。

前述の土地ありの相場でも確認した通り、首都圏で注文住宅を建てる場合は土地の購入費用が高額になる傾向があります。

相続や同居などですでに所有している土地に注文住宅を建てる場合は、この費用はかかりません。

ただし、古い家が建っている場合は「解体費用」が必要となります。

また、地盤が弱い土地・整備されていない土地の場合は、別途「土地改良費用」がかかることもあります。

おうちの悩み.com 編集部
これらの諸経費により住宅購入費が高額になることもあるので、土地をすでに所有している場合は、この点にも注意するようにしましょう。

住宅建設のための工事費用

建物本体にかかる工事費用は、「建物本体工事費用」や「建築費」という言い方されます。

  • 基礎工事
  • 外装工事
  • 内装工事
  • (付帯工事)

など、建物を建てるために必要な工事が含まれます。

建物本体工事費用の中に、付帯工事費(水道工事、電気工事、廃棄物処理など)を含む会社もあれば、付帯工事費は諸経費や別途工事という扱いにしている建築会社もあります。

付帯工事費の扱いは建築会社によって異なるため、建物本体費用にどこまでの工事を含んでいるのか事前に確認しておきましょう。

 

不動産登記手続きのような手続き費用

土地や建物を取得するときは、所有者を示すために「登記」を必ず行います。

実はこの不動産登記手続きにも、費用がかかることをご存じでしたか?

この他にも、いくつか必要な登記があります。

新築時に行わなければならない登記は以下の3種類です。

  • 建物表題登記
  • 所有権移転登記
  • 所有権保存登記

また、住宅ローンを利用する場合、この3つに加えて抵当権設定登記も必要になります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

注文住宅の費用相場別!建てられる住宅の特徴

実際、「いくらでどのような家を建てることができるのか?」が気になるところ。

ここでは、1,000万台、2,000万台、3,000万台、4,000万台という価格帯で、どのような違いがあるのかを解説していきます。

 

【1000万円台/30坪前後/土地なし】ローコスト住宅

ライフプラスハウス施工事例より

「ローコスト住宅」は、一般的な新築注文住宅より、建築費用を抑えた住宅として使われる言葉です。

明確な定義があるわけではありませんが、一般的には坪単価50万円以下、トータル1000万円台で建てられる家のこと。

ローコスト住宅の特徴は以下の通りです。

  • 外装・内装がシンプル
  • 多くが木造
  • 切妻屋根または片流れ屋根
  • 設備のグレードが高くない
  • 建築基準法をベースにした仕様

家のグレードは、一般的なものより少し下あたりといえますが、決して住み心地が悪いわけではありません。

「家よりも子どもの教育費や、趣味などにお金を使いたい!」という人にとっては最適な選択肢だといえます。

 

【2000万円台/40坪前後/土地なし】工務店施工の住宅

ライフプラスハウス施工事例より

40坪前後の土地で2000万円台で家を建てようと考えるのであれば、地域密着型の工務店を選ぶのが良いでしょう。

40坪前後の広さがあれば、ウォークインクローゼットなどのプラスアルファの収納スペースも確保することができます。

外装や内装に関しても、壁の一部にタイルを採用する、フローリングを無垢材にするなど、こだわりや好みの反映をさせることも可能。

設備に関しても、ミドルクラス以上のものが標準搭載されるケースもあるでしょう。

予算配分によっては、一部にこだわりのある家を建てることができます。

デザイン性が高い、高気密・高断熱が得意、耐震性能が良いなど、会社によって、こだわりや得意分野に個性が出てくるので、自分の希望に合う会社を選ぶことが理想のマイホームを完成させるための鍵となります。

 

【3000万円台/40坪前後/土地なし】大手ハウスメーカー施工の住宅

予算が3000万円以上ある場合、大手ハウスメーカーでマイホームを建てることも可能になります。

大手ハウスメーカーの場合は、建築からメンテナンス、売却まで一貫して関連企業で行ってくれる会社もあり、家に関しては全てを任せられるという安心感があります。

大手ハウスメーカーの場合は、外装・内装や設備が全て高いグレートになり、高気密・高断熱性や耐震性といった住宅性能が高くなるケースがほとんど。

国の省エネ基準である「ZEH(ゼッチ)」仕様のような省エネ対策に力を入れているハウスメーカーも多いです。

とはいえ、注文住宅であることに変わりはないため、高額な設備を導入せずに家を建てることも可能。

会社によって、理念や持つ技術やノウハウに差があるため、こちらも自分の希望するライフスタイルに合う会社を選ぶことが大切です。

 

【4000万円台/40坪前後/土地なし】自由にプランニング可能な住宅

さまざまなプランが実現可能になってくるのが4000万円台の家です。

例えば、デザイン性の高い家を建てる、汚れのつきにくい外壁を使う、リビングや部屋の間取りを特殊なものにする、室内の壁を漆喰などの自然素材にするなど、こだわりを詰め込んだ家づくりをすることが可能です。

また、国から「長期優良住宅」の認定を受けられる住宅性能の高い家を建てることもできるでしょう。

おうちの悩み.com 編集部
建てたい家の仕様によって、建築費に数倍の差が出ることがわかりましたね。「そこそこの家で、他にお金をかけたい」という人はローコスト住宅メーカーを、「特定の部分にこだわりたい」という人は一般的な工務店、「全体的に高品質で省エネな家を建てたい」「こだわりのつまった家を建てたい」という人は大手ハウスメーカーにお願いするとよいでしょう。

 

土地ありの場合は予算が平均800万円増

先ほど説明した通り、すでにある土地の上に建物を建てる場合の全国平均価格は3,532万円。

それに対して、土地+建物の平均価格は4,397万円。

土地も含めて購入する場合、約865万円高くなるという結果になりました。

 

注文住宅の資金計画を立てるコツ

「家は人生最大のお買い物」と言われるように、住宅はとても高額です。

家を買った時から、長い年月をかけて数千万という大きな金額の支払いがスタートします。

そのため、注文住宅を購入する時には、無理のない資金計画を立てることがとても大切

次は、失敗しないための住宅にかける予算組み、資金計画を立てるときの上手な考え方を順番に4つご紹介します。

 

頭金を計算して決める

はじめに、頭金に使うことができる金額を算出します。

最初に支払う頭金が多いほど、ローン借入額を減らすことができ、毎月の返済額は少なくなります。

とはいえ、貯金のすべてを頭金にしてしまうようなことはせず、不足の事態に備えて一部は残しておかなければいけません。

頭金にせずに残しておく費用

  • 諸経費(住宅購入にかかる諸経費や税金費用)
  • 生活費(万が一に備えて、一年分の生活費)
  • 必要経費(教育費など、必ずかかるお金)

貯金と贈与金から、上記の金額を引いて残った金額を、頭金として支払うとよいでしょう。

 

毎月の返済額を決める

現状、支払っている家賃や駐車場代など、今の生活にかかっている住居費から毎月の返済額を計算してみましょう。

現状、住宅にかけている費用

  • 家賃
  • 駐車場代
  • 住宅用の毎月貯金額 

手元に残しておきたい費用

  • 教育費の毎月貯金額
  • 修繕積立費・固定資産税費

 

家賃+駐車場代+住宅用貯金−教育用貯金−修繕積立&固定資産税費

 

となります。

現在の家賃や貯金額から返済額を考えていくと、無理のない返済額が計算しやすくなりますね。

 

住宅ローンの借入金額を決める

毎月返済額を決めることができたら、次に返済期間を何年間にするかを考えます。

SUUMOの購入額可能シミュレーションで算出した借入額×返済期間の目安の表は以下の通り。

返済期間 / 金額(月) 8万円 10万円 12万円 16万円
20年 1,693万円 2,116万円 2,539万円 3,386万円
25年 2,052万円 2,566万円 3,079万円 4,105万円
30年 2,390万円 2,988万円 3,585万円 4,780万円
35年 2,707万円 3,383万円 4,060万円 5,414万円

※2021年9月現在のフラット35(全期間固定金利)1.280%を適用。
※元利均等返済、頭金・ボーナスは含まない

 

家づくりの予算を決める

毎月の返済額×返済期間から住宅ローンの借入額を決めることができたら、頭金の額と足して、家づくり全体の予算を決定しましょう。

家づくりの予算を決めておくことで、ハウスメーカー選びの材料にすることができ、見積もり依頼や相談などをスムーズに進めることができます。

予算は必ず決めておくようにしましょう。

 

まとめ

自由な家づくりができるところが注文住宅の魅力。

注文住宅を建てる前に、費用の相場や、家の特徴を知り、資金計画することはとても大切です。

みなさんが無理のない資金計画で、素敵なマイホームが手に入れられるよう応援しております。

住宅にかかる諸費用や、負担のない住宅ローンの返済額については別の記事でも詳しく解説しているので、ぜひこちらも参考にしてみてください。