注文住宅で家を建てる流れと入居までの期間は?【新築家づくり入門】
家を建てたいけど、何から始めればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか?
家を建てる流れを知っているのと知らないのでは、動き出しから完成までにかかる期間や手間に大きな差が出ます。
家を建てる流れを知っているとスムーズに家づくりを進められるので、動き出しから入居までの期間を短くすることができます。
入居が早くなると、早くなった分賃貸などに支払うお金が少なくて済むうえに、住宅ローンの払い始めが早くなり、その分完済も早くできます。
家を建てると決めたなら、無駄な遠回りをせずに進められた方がお得です。
また、お金のメリット以外にも、希望する入居日から逆算して計画を立てることもできます。
建築会社や不動産屋に任せっきりにするのではなく、ご自身で流れを把握しておくことはとても大切です。
そこで、この記事では注文住宅を例に、家を建てる流れと各工程の期間について解説します。
規格住宅をお考えの場合は、基本的な流れは同じですので、プランの決定や修正の過程が必要なくなると思って読んで頂ければと思います。
この記事を読み、
「家を建てたいけど何から始めればいいのかわからない」
「〇月までに入居したいけど、契約から入居までの期間はどれくらい?」
といった疑問を解消し、スムーズな家づくりの参考にして頂ければと思います。
注文住宅は住宅会社と一緒に進めていくので、良い住宅会社を見つけなければ失敗してしまいます。
まだ住宅会社と契約をしていない方は、失敗しないためにも、こちらの記事を読んでからこの記事を読み進めて頂ければと思います。
家づくりの流れと各手続のおおよその期間
始めにお伝えしておきますが、土地や建物を契約するまでの流れは何通りもあり、これが正解ということはありません。
この記事では様々なパターンがある中で、私が実際にご提案している、最もスムーズに進められると考えている流れをここではご紹介します。
なぜこの流れが良いのかということも合わせて解説していきますので、考え方の一つとしてご理解頂ければと思います。
私が考える最もスムーズな家づくりの流れは、以下の通りです。
- 予算決定
- 土地の仮決定
- 建物のプランの仮決定
- 住宅ローン事前審査
- 建物のプランを修正
- 土地・建物の契約
- 住宅ローン本審査
- 土地の所有権移転
- 工事開始~完成
- 引き渡し
予算を決めるところから引き渡しまで、10ステップに分けてご説明します。
予算決定
まず、何と言っても予算が大切です。
予算を決めるコツは、住宅ローンを借りられる金額から考えるのではなく、月々の返済額から逆算して予算を決めることです。
現在の生活から、月々どれくらいの返済なら余裕をもって支払っていけるかを考えます。
家を建てると賃貸にはなかった維持費等がかかることを考慮し、少し余裕を持って返済額を設定するようにしてください。
・現在の生活に余裕があるようなら、家賃より少し高い返済額でもOK
・現在の生活と家賃のバランスがちょうどいいなら家賃程度か少し安い返済額
・現在の生活が苦しいようなら、家賃より安い返済額
このようなイメージで設定するのが理想です。
予算のさらに詳しい設定方法や、正確な予算を立てるために知ってきたい家を建てる費用については、詳しくはこちらの記事を参照ください。
【家を建てる前に必ず知っておきたい家づくりに必要な費用まとめ】
土地の仮決定
予算が決まったら、土地探しを始めます。
なぜ、建物のプランより先に土地を探すのかというと、土地の形状や周囲の状況によって、建物のプランが変わってくるからです。
例えば、南側に玄関がある間取りを考えていたとして、気に入った土地が北側に道路があって残り3方が隣家などでで塞がれていた場合、間取りを1から考えなおさなくてはいけません。
このような無駄を無くすため、まずは土地を探します。
気に入った土地が見つかれば、「買付証明書」を不動産会社に提出し、土地を仮抑えします。
買付証明というのは、契約前に土地購入の意思表示をするための手続きです。
法的拘束力はないので、正当な理由があれば、買付証明は撤回することができます。
しかし、あまりにも自分勝手に、いわゆる複数物件のキープといった用途で買付証明を出してしまうと、あなたの信用が無くなり、本当に良い物件が出てきたときに買付証明を受け取ってもらえないこともあります。
あまりにも悪質なケースだと、損害賠償を請求された例もあります。
本気で購入を考えたうえで、買付証明を提出してください。
建物のプランの仮決定
土地を仮決定したら、次に建物のプランを決めます。
予算内で、間取り・外観・住宅設備など、できるだけ詳細に決めてください。
このとき、一見いい提案をしてもらったように思えても、さらにいい提案をしてくれる会社があるかもしれませんので、できれば複数の会社へ行き、会社同士を比較することをオススメします。。
必ず会社によって得意不得意がありますので、複数の会社の提案を受け取り、比較し、あなたに最適な家を提案してくれる会社を探してください。
会社選びの第一歩として、「ハウスメーカーと工務店どっちがいいの?」と悩む方も大変多いのですが、それぞれにメリットもデメリットもあるので、一概にどちらが良いかを決めることはできません。
それぞれのメリットとデメリットを把握したうえで、あなた自身が判断してください。
こちらの記事を判断の参考にして頂ければと思います。
以前私がお客様に聞いた話ですが、
「契約をしなければ詳細な打ち合わせはできません」
などという言うハウスメーカーや工務店があるそうです。
提案した結果契約をもらえなければ時間の無駄になるという考えなのでしょうが、しっかりと打ち合わせもせずに契約なんてできるはずありませんよね。
契約には法的拘束力があり、一度契約をしてしまうと、契約を解除するためには違約金や損害賠償を覚悟しなくてはいけません。
それほど契約は重要な行為であることを知っておいてください。
契約してから後悔することのないよう、契約後に詳細の打ち合わせをするというスタンスで話を進めてくる会社には注意してください。
住宅ローンの事前審査
土地と建物をある程度まで決めたら、住宅ローンの事前審査を受けます。
住宅ローンの審査は、事前審査と本審査の2回あり、事前審査から大きく金額が変更になると、本審査で落とされてしまう可能性があります。
金額が減る分には問題ありませんが、金額が増える変更をする際は注意してください。
本審査で落とされることにならないよう、ある程度プランを固め、事前審査と本審査で大きな変更が出ないようにしてください。
もしできるなら、事前審査のとき、借入可能額の上限を聞いておくと、事前審査の後にちょっとした追加をしたいときも、いくらまでなら追加できるのかという目安にできます。
住宅会社や不動産会社を通してローンの審査を受ける方は、借りられる金額の上限を確認してもらってください。
事前審査は、スムーズにいけば1週間程度で結果が出ます。
1年以内に転職された方や、現在他のローンを利用している方などは、追加で書類を求められたリ、質問されたりします。
そういった場合、不足書類や質問事項への回答が全て終わってから1週間程度で結果が出ますので、書類を用意する期間分審査が伸びることになります。
事前審査に通らないからとマイホームの夢を諦めてしまう方が多くいらっしゃいます。
実は、住宅ローンの審査を簡単に通す方法があるのをご存知ですか?
ご存知でない方は、こちらの記事を是非お読みください。
住宅ローンの審査に通らない?まだ諦めないで!通る方法教えます
建物のプランを修正
事前審査に通過したら、建物のプランの変更をします。
もちろんプランに変更したいところがなければ、しなくても大丈夫です。
この後契約になりますが、契約してしまうと、金額変更を伴う建物のプラン変更ができなくなります。
間取りや外観、住宅設備などを変更できる最後のチャンスですので、もう一度しっかりと考えてください。
土地・建物の契約
プランの修正が終わったら、土地と建物を契約します。
先に土地を契約して、建物の打ち合わせをする方もいますが、これはあまりオススメできません。
土地を先に契約してしまうと、建物に使える金額が限られてくるからです。
土地契約前であれば、建物にもう少しこだわりたいから少し安い土地を探すという選択もできますが、土地を契約してしまうと、限られた予算内でできるプランで我慢をするか、予算を増やすという選択しかできなくなってしまいます。
だから私は、建物の修正が終わってから土地を契約することをオススメしています。
土地と建物を契約する際、通常は住宅ローン特約を設けます。
住宅ローン特約は簡単に言うと、「住宅ローンの本審査に通過できなかったら契約は白紙に戻します」という条件のことです。
この特約を付けることで、土地の手付金を没収されたり、損害賠償請求をされることなく契約を解除することができます。
契約時には必ず住宅ローン特約がついていることを確認してください。
住宅ローン本審査
土地と建物を契約したら、いよいよ住宅ローンの本審査です。
事前審査に出した費用より、本審査で申請した費用が上がっていた場合、本審査で落とされてしまうケースもあります。
事前審査通り、または事前審査よりも安い金額での申請をすると、ほぼ通ります。
しかし、本当に少ないケースではありますが、事前審査と同等か、それよりも安い金額で本審査を出したにもかかわらず落とされてしまうことがあります。
それは事前審査では審査項目に無く、本審査でのみ審査される以下の2項目について、問題が認められた場合です。
1.担保となる建物と土地の評価額が借入金額より明らかに低い
2.団信加入が義務付けられているローンで、健康状態により団信に加入できない
まず一つ目ですが、例えば3000万円住宅ローンを借りるとして、担保となる土地と建物の評価額が2000万円しかないなど、住宅ローンの借入額に対して担保の評価額が明らかに低い場合、本審査で落とされてしまうことがあります。
評価額は床面積を基準にある程度決められるので、こだわり抜いた家で、小さいけれど価格は高いといった家の場合、購入金額よりも低めに評価されてしまうことがあります。
大きさの割に高い家を計画されるときは、注意が必要です。
2つ目は、健康状態に問題があって団信に加入できないケースです。
住宅ローンの中には、団信(団体信用生命保険)への加入を義務としているものが多く、そういったローンの場合、健康状態によって団信に加入できないと判断された場合、本審査で落とされてしまうことがあります。
団信については、こちらをご参照ください。
どうしても健康状態などの理由で団信に加入できず、住宅ローンが借りられない場合、団信への加入義務が無いローンを選択することで、団信に加入できなくても住宅ローンを借りることができる場合があります。
例えば、フラット35などは団信への加入が義務付けられておりません。
フラット35とは?メリットとデメリットを解説【賢い住宅ローン】
本審査にかかる期間は、追加の書類や質問事項などがなく、スムーズに進んだ場合で1~2週間程度です。
審査に出す現場の感覚では、何かしらの追加書類や確認事項を求められることが多く、平均すると2週間~1ヶ月程度かかるイメージです。
土地の所有権移転登記
本審査通過の通知をもって、契約時に付加されていた住宅ローン特約の効力が無くなります。
本審査通過の通知が来たら、土地の所有権移転登記を行います。
【参考記事】
水道加入金など、その他の費用が必要になることもあります。
事前に不動産会社から当日必要なお金の内訳が送られてくると思いますので、そちらにかかれた金額を当日用意できるよう、少し余裕を持って事前にお金の準備をしておいてください。
工事開始~完成
土地の所有権移転が完了すると、いよいよ工事に移ります。
工事は完全に建築会社に一任することになるので、特に流れは知らなくても問題はありませんが、土地の所有権移転からの流れをおおまかにご説明します。
1.土地の所有権移転
2.確認申請(書類作成から認可が下りるまで約1~2週間)
3.地鎮祭(任意)
4.地盤調査・地盤改良(1週間程度)
5.基礎工事(1週間程度)
6.上棟
7.建物工事・付帯工事
8.完成(上棟から45日~90日程度(工法による))
おおまかな流れと期間はこのようになります。
2~4は順不同で、あなたの都合や建築会社の都合によって入れ替わります。
上棟から完成までは、工法によって大きく工期が違うので、契約した建築会社に事前に工期を確認しておいてください。
引き渡し・入居
完成すれば、いよいよ引き渡しです。
引き渡しでは、鍵・住宅設備の説明書・保証書などを受け取ります。
キッチンやユニットバスなどの住宅設備もこれまで使用していた賃貸のものとは大きく違うことも多いので、簡単に説明を受けておきましょう。
現在の扉は、お客様用の鍵を差し込んだ瞬間から工事用の鍵が使えなくなる仕様のものが多いので、鍵を差し込んだ瞬間から家はあなたのものになります。
鍵を受け取り、引っ越しを済ませたら、いよいよマイホームでの生活がスタートします!
まとめ
いかがでしたか?
家を建てる流れを10ステップに分け、それぞれご説明しました。
- 予算決定
- 土地の仮決定
- 建物のプランの仮決定
- 住宅ローン事前審査
- 建物のプランを修正
- 土地・建物の契約
- 住宅ローン本審査
- 土地の所有権移転
- 工事開始~完成
- 引き渡し
家を建てる流れには一つだけの正解はありませんが、私が最もスムーズに進められると考える流れをご紹介しました。
この中で、あなたがコントロールすることのできない工程は、住宅ローンの事前審査・住宅ローンの本審査・工事開始~完成の3つです。
- 事前審査:スムーズにいけば1~2週間
- 本審査:スムーズにいけば1~2週間(2~1ヶ月かかることが多い)
- 工事 確認申請:1週間~2週間
- 地盤改良・地盤調査:1週間程度
- 上棟~完成:45日から90日(工法による)
入居したい日が決まっているなら、そこから逆算し、土地決定にかける時間、住宅会社探しやプラン修正にかける時間などを上記の期間に加え、家づくりをスタートさせてください。
この記事で家づくりの流れは把握して頂きましたが、家づくりに失敗しない方法はご存知ですか?
実は新築一戸建てを建てる時、失敗しないために絶対にやらなければいけないことがあるのですが、知らない人が多いんです。
知らずに家を建ててしまい、家づくりに失敗してしまった話をご紹介します。
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