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【注文住宅の土地選び】重要な擁壁の役割と費用やトラブル例を解説!

「借り物の住まいじゃなくて、歳をとっても長く安心して住める一軒家が欲しい。」

そう考える人は多くいます。

憧れのマイホームを実現のためには、適切な土地選びが何よりも大切。

もし気に入った土地が高台や丘に面していた時、『擁壁』という言葉を耳にすることがあります。

専門的な用語かもしれませんが、この『擁壁』を理解することで、安全で快適な理想のマイホームが手に入る一歩に繋がるかもしれません。

擁壁の種類やコスト、法律や規制、そしてそれに関連するトラブルまで、本記事では詳しく解説していきます。

この記事を読むことで、擁壁を必要とする土地選びの失敗を防ぐことができますよ。

ぜひ、この情報を活用し、あなたの大切な一歩をしっかりと踏み出す準備をしてくださいね。

 

擁壁とは

擁壁とは、土砂の崩れを防ぐ構造物のこと。

坂道や高台、高低差のある土地で目にすることが多いと思います。

土地の形状を保つため、もしくは斜面を利用して建物を建てるために必要な工作物で、一見ただの壁に見えますが、その役割は絶大です。

擁壁の種類は、コンクリート製のものから石積みのものまでさまざま。

用途や地形、予算に合わせて選ぶことができますよ。

 

擁壁の役目

 

擁壁の主な役目は、土砂崩れや土地の陥落を防ぐこと。

つまり、擁壁がなければ斜面は自然と崩れてしまう可能性があり、家を建てるための土地としては適していません。

 

また、強い雨や地震などの自然災害が発生した場合でも、擁壁があることで安全を確保することができます。

しかし、ただ壁を作ればいいというわけではありません。

 

擁壁は地盤の種類や土の重さ、圧力など様々な要素を考慮して設計・建設され、定期的なメンテナンスも必要です。

もしメンテナンスを怠ると、擁壁はその役割を果たせず、土地や家屋に損害を与える可能性が高くなります。

 

擁壁工の種類

擁壁にはさまざまな種類があり、適用される土地や目的、予算により、最適なものが選ばれます。

数ある擁壁の種類から今回はメジャーな3つの擁壁、間知ブロック擁壁、石積み擁壁、コンクリート擁壁についてお伝えします。

間知ブロック擁壁

引用元:赤城商会

間知(けんち)ブロック擁壁は、ブロックを積み重ねて作られたものを指します。

比較的価格も安く、土量も少なくて済むのでよく選ばれる傾向。

しかし、構造上擁壁を斜めに作るためどうしても上の土地が狭くなってしまうというデメリットもあります。

広い土地に適した擁壁といえるでしょう。

大谷石積み擁壁

引用元:OWNER’S AGENT

大谷石積み擁壁は、自然石を使用した擁壁で、その風合いから景観を重視する人に好まれ、古くから全国各地で採用されてきました。

しかし、大谷石は風化が激しく老朽化しやすいため、崩れてしまうという事例も多数。

既にある擁壁でも現在の建築基準法を満たしていないものが多く、改修や修繕を行う必要がある擁壁です。

コンクリート擁壁

引用元:FRONTIER HOME⁺

コンクリート擁壁、特に鉄筋コンクリート製のものは、RC擁壁と言われ、その強度と耐久性で大きな荷重を支えることが可能。

その他に、工程や工法によって、「もたれ式」や「L型」をはじめとしたさまざまな種類に分けられます。

 

もたれ式

 

もたれ式の擁壁は地面に対して斜めに立てられ、地面の押し付ける力を下方向に逃がします。

一般的によく使われる工法であり、その経済性と施工の容易さから人気の施工方法の一つでもありますね。

片持ちばり式擁壁

 

土台となる部分に鉄筋コンクリートで留め具を作り、その上にある土の重さで固定する擁壁をさします。

約10mくらいの高さの擁壁に採用されることが多く、高さに比例して積み上げた土の重さが増すことを知っておきましょう。

 

L型

 

L型擁壁は基礎の土台部分がL字形の留め具になっており、地面の力を直接受け止める形状をしています。

鉄筋コンクリートを使用することで、その強度と耐久性を高めることが可能。

L型のほか、逆T字や逆L型もあります。

 

擁壁工事にかかる費用

擁壁工事にかかる費用は、種類や材料、施工面積、そして施工の難易度が主な要素ですが、それに加えて地盤調査も重要なポイント。

地盤の状態は擁壁の耐久性に大きく関わりますので、地盤調査によってその費用が左右されることも。

 

具体的な費用は数十万円から数百万円の範囲で、大規模なものだとそれ以上になることもあります。

最適な擁壁を選ぶためにも、事前に複数の業者から相見積もりを取るようにしましょう。

補助金・助成金

 

擁壁工事には、自治体や国からの補助金・助成金を利用できる場合があります。

 

例えば、災害からの復旧・防災対策など、公益性の高い工事には補助をだす自治体が多くあるので、各地区のHPや専門機関へ電話で問い合わせてみるのもおすすめです。

 

ただし、利用するためには一定の条件を満たし、申請や審査を通る必要があるので注意が必要。

地盤調査を含む全体の工事計画を作り、補助金・助成金の対象となるか自治体やハウスメーカーに相談してみてもいいですね。

 

条件をクリアし、支援を活用できれば擁壁工事の負担を軽減することに繋がります。

補助金や助成金の適用条件は、その制度を設けている公共機関や自治体によって異なりますが、一般的に以下のような条件が求められることが多いです。

  • 住所
  • 使用目的
  • 工事規模
  • 施工業者
  • 所得制限

具体的な条件や手続きは各自治体の窓口等に問い合わせてみましょう。

メンテナンス費用

 

擁壁のメンテナンス費用もまた、家計に影響を与える重要なポイントです。

擁壁は定期的に点検・補修が必要で、住宅管理費の一つとしてメンテナンス費用も必須コストに含めましょう。

 

例えば、ひび割れや崩れ、土砂の流出などの異常を早期に発見し、必要に応じて補修を行うことが求められます。

これらの問題を放置すると、擁壁の崩れや陥落に繋がる場合も。

 

これらの作業は専門的な知識と技術を必要とするため、プロの業者に依頼するのが一般的。

メンテナンスの頻度や費用は擁壁の種類や規模、地域の気候などによって変わりますが、大まかには数年に一度、数万円から数十万円程度を見込むことが一般的です。

初めての家づくりにとっては想定外の出費となることもあるため、事前に想定して貯蓄しておくことが重要ですね。

 

擁壁の耐用年数

擁壁は長期間にわたり安定した土地を保つための重要な役割を果たしますが、その寿命や耐用年数は、擁壁の種類や素材、設計、施工の質、そして環境条件によって大きく左右されます。

 

例えば、コンクリート製の擁壁の場合、良好な状態を保つための適切な設計と施工がなされ、定期的な点検やメンテナンスが行われていれば、その耐用年数は数十年から100年以上ともされます。

 

しかし、地震や豪雨といった自然災害、地盤の状態の変化などにより、予期せぬ損傷や劣化が生じることもあります。

これらのリスクを最小限に抑えるためには、適切な設計と施工、そして定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。

新たに家を建てる際や土地を購入する際には、その土地の地盤状況や周囲の環境を考慮し、専門家の意見を取り入れて耐用年数の目安を把握しておきましょう。

 

買ってはいけない土地とは?

前述したように理想の家を手に入れるためには、土地選びが重要。

急斜面や擁壁が必要な斜面地、自然災害リスクが高い崖下や川辺、地盤が弱い場所や地滑りの歴史がある土地など、これらは特に注意が必要なケースです。

 

また、適切な宅地造成と擁壁の設置・改修の費用も見逃せません。

これら全てを考慮し、総合的な視点から土地の購入を決定することが、安心して快適な生活を送るための重要なステップとなります。

法律・規制

 

土地を購入する際には、関連する法律や規制にも注意が必要です。

 

例えば、建築基準法では、擁壁を含む土地改良に対して一定の規制が設けられています。

 

また、都市計画法に基づく用途地域の制限など、特別な規制がある地域では、新たに擁壁を建設することが難しくなる場合も。

 

その他、既存の擁壁が設置されている場合でも、その所有者や維持管理の責任者が明確でない場合、後のトラブルの元となることもあります。

これらの法律や規制は地域や時期によって変わることもあるため、不動産業者や法律の専門家と相談しながら、事前に詳細な調査を行うようにしましょう。

 

擁壁のある住宅トラブル例

擁壁から起こりうるトラブルは想像以上に多岐に渡ります。

ここでは、隣人間で起こり得る問題、擁壁の構造から生じるトラブル、そして自然災害によるリスクについて、具体的な例を挙げながら解説しました。

どんなに魅力的な土地でも、潜在的な問題を把握し、対策を考えることで、快適な生活を維持することに繋がりますよ。

隣人トラブル

 

擁壁が境界線上に建っている場合、その所有権やメンテナンス費用の負担などが明確でなければ、隣人間でトラブルが発生する場合があります。

また、擁壁の建設や修理により、隣地に影響が出る場合も。

これらの問題を避けるためには、事前に擁壁の所有者や維持管理責任者が誰であるかを確認し、必要であれば第三者など専門家に相談することも視野に入れましょう。

構造トラブル

 

擁壁は地盤を支える重要な役割を果たすため、設計や施工が不適切な場合、重大な問題を引き起こす可能性があります。

擁壁が崩壊したり、地盤が沈下したりすると、家全体が危険にさらされるのです。

定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、これらのトラブルを防ぎましょう。

自然災害トラブル

 

自然災害は、擁壁にとって大きな敵です。

 

特に、地震や豪雨は、擁壁を破壊する力となり得ます。

また、擁壁があることで、土砂災害のリスクも高まる場合もあり、リスクを最小限に抑えるためには、自然災害に対する適切な対策と、定期的な擁壁の点検・メンテナンスが重要でしょう。

 

まとめ

 

擁壁は斜面地を安定させるための重要な構造物で、土地を安全に利用するためには欠かせません。

その役割や種類、施工にかかる費用や耐用年数を理解することで、適切な土地選びや家づくりを進めることが可能になります。

 

しかし、擁壁がある土地を購入する際には、そのリスクも十分に考慮しましょう。

法律や規制、地盤の状態、自然災害のリスク、そして隣人間でのトラブルなど、様々な視点から擁壁を考えることで、より安全で快適な住環境を築くことができます。

憧れのマイホームを手に入れ、生活をより豊かにするために、これからも一緒に学んでいきましょう。

 

 

くれぐれも、マイホーム作りは慎重に…

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ライター紹介 ライター一覧

和田光代

和田光代

建築マニアなライター。
一眼レフ片手に旅行するのが趣味。

世代を超えて愛され続ける家とは?をテーマに
建築について勉強中です。

一戸建て、マンション、アパート、団地などへの7回の引っ越し経験から、
居心地の良い家づくりを提案します♪

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