注文住宅の失敗例を解説!後悔しない家づくりのためのチェックリストまで
将来のことを考えて、そろそろ一戸建てに住むのもいいかもしれない。
結婚生活に慣れてきて、子どものことや老後を考えると、まだまだ働ける若い時に家の購入を検討する人は多くいます。
私も結婚3年目にして、夫と話し合い住宅展示場をまわった経験があります。
住宅に関するチラシには「賃貸とさほど変わらない毎月の支払いで一軒家に住める」と謳っているのをよく見かけます。
ただ、大金のローンを組む、一生に一度の買い物には違いありません。
住んだ後に、「やっぱりこうしておけばよかった…」なんて後悔は避けたいところ。
そこで、この記事では特に注文住宅に関する家づくりの失敗例をまとめました。
よくある失敗を事前に知ることで、快適な家づくりの参考になればと思います。
この記事を参考に、後悔しない家づくりのお手伝いができれば幸いです。
注文住宅とは?
一括りに建築といってもさまざまな種類があります。
その中でも、注文住宅は土地を購入し1から建てる家のことを指します。
しかし、全てを自分たちで決める『世界で一つだけの家』ばかりではありません。
家を建てるにしても
- 設計事務所に依頼する
- ハウスメーカーや工務店に依頼する
この2つでは自由に決められる範囲が大きく違ってくるのです。
設計事務所では、設備から部屋の数や希望の資材など、細かく伝え、フルオーダーに近い状態での依頼が可能です。
しかし、ハウスメーカーや工務店での注文住宅はオリジナルというよりも、ある程度決まったパターンから選択するセミオーダーのパターンが多いです。
その範囲や種類は会社によってさまざま。
例えば、キッチンでもメーカー指定があったり、施工方法にも得意分野があったりします。
一定の金額の中から選ぶ以外に、オプション追加での変更が可能だから注文住宅と表現しているメーカーもあり、セミオーダーの範囲も会社によって三者三様です。
0から選べるこだわりの家づくりをするか、ある程度決まった中で自分らしい家づくりをするのかでどこに依頼をするかが大きく変わってくるからこそ、ある程度先に知っておくことはすごく重要なことですね。
失敗から学ぼう!注文住宅のよくある失敗例
前もって失敗例を知ることで、そのポイントにさえ気をつけて注文すれば住みやすい家ができるはず!
ここでは失敗事例としてよく聞く、収納スペース・活動線・音やニオイ・窓の位置・メンテナンスなど5つのポイントについて詳しく解説いたします。
収納の使い勝手が悪い
意外なことに、収納場所が多ければ多いほどいいと言うことではありません。
例えば、このような悩みを聞きます。
- 奥行きを広く設置したため、奥のものが取り出しにくい
- パントリーに棚を設置したが、高さが合わず使いにくい
- ウォークインクローゼットが思ってたより狭くて服が溢れてしまう
- 倉庫を設置したが、予定していた家具が入らず使いにくい
収納スペースに失敗してしまうと、家が散らかったり余計な収納棚が必要なったりと場所を狭めてしまいます。
その他に、家族の成長と共に収納するものが増えて、結局足りなくなってしまったという失敗事例を聞くことも。
こだわった家づくりだからこそ、散らからない住み心地のいい家づくりを目指したいものですね。
生活動線が不便
デザインや間取りにこだわるばかりで、動線について考えないで建ててしまった方もいます。
生活動線とは、住む人の動きや流れのこと。例えば、洗濯・干す・収納は一連の流れです。
洗濯機と物干し、収納場所がそれぞれが離れた場所にあると、余計な手間や時間がかかってしまう原因になります。
他にも、洗面台と脱衣所が近いことで、歯磨きをしたい人とお風呂に入りたい人の動線がかぶってしまい、時間帯によっては混みあう可能性が高くなることも。
また、コミュニケーションがしっかりと取れるよう、子どもが孤立しない設計も必要です。
来客についても動線を考慮する必要があります。
特に脱衣所やトイレなどあまり人目に触れたくない場所は、来客動線と離して設計しないと顔を合わせてしまって気まずくなったという例もあります。
このように、住む人の流れをさえぎらないように設計する必要がありますが、初めての家づくりでここまで考えて設計するのは難しいかもしれません。
家族とよく相談し、どのような人が住むのか、今後の未来設計についても話し合う必要がありそうですね。
思ったよりも騒音やニオイが気になる
図面だけでは、騒音やニオイについては把握しにくいかもしれません。
実際に騒音やニオイについて後悔している人は、このような悩みがあります。
- 寝室と階段が近いため、遅い時間に帰宅する家族の足音が気になる
- 開放感のあるキッチンにしたところ、ニオイが部屋中に広がりやすい
- 来客用の部屋の横にトイレがあるため、水洗の音が気になりリラックスできない
デザイン性に特化すると、実際に生活をはじめるた時「あれ?」ということがあります。
生活をするうえで、音やニオイを0にすることは不可能ですよね。
想像しにくいことは、経験豊富な専門家に相談してみましょう。
採光や風通しが悪い
家づくりでは、窓の位置もかなり重要です。
日のはいり方で部屋全体の明るさはかなり変わってきます。
例えば、朝日や風が通り抜けるリビングは居心地がよく爽やかなイメージです。
反対に、窓のないリビングは暗くどんよりしたイメージですよね。
窓の大きさ・位置・高さなど使い勝手が適した場所に設置しないと、住んでみて電気代で泣くことになるかもしれません。
窓からの太陽光と風通しをうまく配置できれば、湿気やカビ対策にも繋がりますね。
メンテナンスが大変
家を購入するときに決めることがたくさんありますが、購入後のメンテナンスまで考えずに決め後悔している人もいます。
例えば、
- 汚れが目立ちやすい外壁にしてしまった
- 庭に芝生を生やしたところ手入れが大変
- 玄関の近くに木を植えたら、虫が多く手入れに苦労した
- ペットを飼うのに、傷がつきやすいフローリング材を選んでしまった
- 開放感のある家にしたくて、大きな窓を設置したら掃除が大変だった
このように一生住む家だからこそ、メンテナンスまで考えずに決めてしまうと後に高額な費用がかかってしまう可能性が高くなります。
なるべく、メンテナンスが楽で簡単な家づくりを目指したいですね。
これで失敗知らず!注文住宅を建てる前のチェックリスト
同じ失敗を避けるため、「これさえ押さえておけば大丈夫!」なチェックリストをまとめました。
今回は注文住宅に特化した記事ですが、家づくり全体の参考にできるリストだと思います!
ぜひ、参考にしていただけると嬉しいです。
収納
収納場所を使いやすく設置することで、散らからない家や無駄に収納棚を買い足す必要が無くなりますよ。
- 収納場所は動線を遮らないか?
- キッチンなどのよく使う収納棚は手の届く高さに設定されているか?
- 床面積や坪数だけでなく、高さ・奥行き・幅が使用用途に合っているか?
- 玄関など出入りの多い場所の収納は、家族が使いやすいように設置できているか?
- ウォークインクローゼットなど広い収納場所には、電気やコンセントを設置しているか?
家族の収納する物や量を把握することで、収納スペースの広さは変わってきます。
子どもがいる家庭では、成長に合わせて物や量も変化するので、少し広めに設計するのがオススメ。
私は見せる収納棚を設置したところ、ちょっとした物を置く為の便利な物置になってしまいました。
家族の動線を考えて、設置すれば良かったと後悔しています。
生活動線
家族の活動線や家事動線を考えることで、日々の混雑や家事の時間短縮に繋がります。
- 1日の流れを想定して、混みあう場所はないか?
- 洗濯やキッチンでの動線に不便な点はないか?
- プライベートスペースが確保されているか?
- 活動線から離れた、使いにくい部屋はないか?
- リビングなど人の集まる場所を中心に、他の部屋への行き来はスムーズか?
特に、浴室やトイレは来客者から見えない位置や向きに設計することをオススメします。
生活動線を考えることで、日々の小さなストレスが解消されることは間違いありません。
些細なことかと思いますが、長く住む家だからこそ家族が快適に過ごせるのが1番ですね。
騒音やニオイ
生活音やニオイは、図面を見るだけでは想定しにくいもの。
音やニオイに気を使わない設計を、イメージを膨らませて考えてみましょう。
- 設計図の1階と2階を重ねて、立体的な流れをチェックしたか?
- 開放感のある間取りは、ニオイも開放的になっていないか?
- リビングなど人の集まる周囲に、ニオイの元となる場所はないか?
- 来客用の部屋の上に、にぎやかな子ども部屋が配置されていないか?
- キッチンや浴室など生活音が出やすい位置と寝室が隣接していないか?
キッチンで揚げ物やニンニクなどニオイの原因となるような料理をする時は、窓や換気口の配置がかなり重要になります。
広く見せるために区切りを減らす間取りもありますが、音やニオイの流れを事前に把握することで快適な生活を作ることができます。
採光
季節によって日光の入り方は変わります。
それ以外にも、外に高い建物があれば光の入り具合も変わってきますね。
明るさは気分などメンタルにも直結するので、明るい家づくりが理想的です。
- 設計図の間取りと合わせて日の入り方を想定できているか?
- 外に面した部屋は、視線を遮り光を取り込む工夫がされているか?
- テレビなどが逆光にならないための配置ができているか?
- 通りに面していない部屋にも、光が入る工夫があるか?
- 物干しスペースにしっかりと日が差し込むか?
自然光をうまく取り入れられる、日中は照明がなくても明るい部屋が理想的。
家族のライフスタイルに合わせつつ、設計士に相談することをオススメします。
注文住宅で失敗しないためのコツ
専門家のアドバイスや先に家を購入した友人の意見を参考に、家族にあった世界に一つだけの家づくりを目指しましょう。
家づくりに関するポイントを事前に知ることで、ハウスメーカーともスムーズにやりとりできる可能性がグッと広がりますよ。
ゾーニングとプランニングをしっかり行う
『ゾーニング』という言葉を知っていますか?
専門家に教わったのですが、ゾーニングとは、ある空間を使用用途によって区分けすることを指すそうです。
家族や人が集まる場所は『パブリックゾーン』。主にリビングやダイニングが当てはまります。
次に、個々が利用する、『プライベートゾーン』。仕事部屋や子ども部屋が当てはまります。
他に、共有して使う『サービスゾーン』。キッチンやトイレ・浴室が当てはまります。
最後に、各部屋を繋ぐ『移動ゾーン』。廊下や玄関が当てはまりますね。
これら4つのゾーンを決まった敷地内に配置する必要があります。
家族の活動線を考慮しながら、ストレスなく過ごせる家をプランニングしましょう。
ですが、いきなりそんなことを言われても難しいですよね。
私はこの時点で心が折れそうです。
だからこそ、一緒に考え理想の家づくりを手伝ってくれるパートナーは重要です。
知識があるのとないのでは、完成結果に大きく影響するのは間違いありません。
コツをしっかり押さえて、家づくりを楽しみましょう。
ローンの返済シミュレーションをしておく
家は、ほとんどの方が一生に一度の大きな買い物です。
ですが、「買って終わり」ではありません。
その後、ローンを払い続ける必要があります。
住宅チラシには月々○○円など魅力的な表記も見かけますが、目先の費用ばかりを見て決めるのは危険なこと。
頭金にいくらいれるのか、何年ローンを組むかで、払い続ける費用がまったく変わってきます。
また、今は働いて生活に不便はないかもしれませんが、何十年も先となると家族の状況や社会の状況も変わる可能性は大きくあります。
現に、消費税も25年前は5%でしたが、2022年の今、ほとんどのものが10%。
文字でみると小さな変化かもしれませんが、家など大きな買い物となると数百万単位で変わってきます。
だからこそ、厳しい目でローンのシミュレーションを組む必要があります。
その他にも、利息やメンテナンスなども考慮してシミュレーションすることをオススメします。
銀行やハウスメーカーの意見を聞くだけでなく、これから一緒に払い続ける夫婦の価値観も十分に話し合って擦り合わせ、あらゆる可能性を想定しシミュレーションすることをオススメします。
土地の下見は入念に
家を建てるにあたり、土地選びはかなり重要。
必ず押さえておきたいポイントを4つにまとめました。
- 坪数…十分な広さがあるか、また場合によっては、庭や駐車場も考慮しましょう
- 土地…台風などで浸水しやすいか?地盤はしっかりしているか確認しましょう
- 治安…近隣の様子、また昼間だけでなく夜間の様子も事前にチェックしましょう
- 利便性…徒歩圏内にお店があるか、学校、病院や職場からかけ離れていないか確認しましょう
さらに、もし将来的に家を売ることになったとき、高く売れるような駅近や都心部はかなり魅力的です。
土地選びだけに1年以上かかった人もいるくらい、土地選びは長く根気のいる作業です。
念入りに探した土地だからこそ、愛着もあり家づくりもより精力的に行えるようになりますよ。
大変な作業ですが、腰を据えて取り組んでくださいね。
必ず自分だけの理想の土地は見つかります。
まとめ
注文住宅について失敗例をたくさん紹介いたしました。
陥りやすい失敗を事前に知ることで、住み心地のよい家づくりの参考になれば幸いです。
よくある失敗は5つ。
- 収納の使い勝手が悪い
- 生活動線が不便
- 騒音やニオイが気になる
- 採光や風通しが気になる
- メンテナンスが大変
間取りなどのゾーニングを把握し、家族にあったプランニングを組む。
夫婦でしっかりとお金や将来に関する価値観を話し合い、無理のない返済シュミレーションを行う。
土地選びは、妥協せず長い目で探す。
一長一短で家づくりは終わりません。
だからこそ、しっかりと調べて知り、大好きな空間を作れる参考になれば幸いです。
この記事を読んだあなたと家族が幸せな家づくりができることを応援いたします。