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【不動産売却】取得費の計算方法と「取得費になるもの」一覧

 2019/02/16 不動産
 

年度末の確定申告に向けて、不動産売却の所得計算をしている方も多いと思います。

不動産売却をしたとき、確定申告が必要なのは譲渡所得が発生した場合です。

正確な譲渡所得を知るためには、取得費などの細かい計算も必要になります。

取得費は、不動産の購入価格の他に、諸費用や減価償却費などの要素も含めた計算をします。

  • 計算方法が分からない
  • 取得費になるものとならないものは?
  • 減価償却って何?
  • 確定申告の金額を間違えたらどうしよう…

確定申告では聞き慣れない言葉や、ややこしい計算などが出てきますよね。

正しく確定申告をするためには、所得の計算についての理解が大切になります。

 

この記事では、不動産売却後の所得計算における「取得費」について解説します。

記事を読んで、確定申告に役立てて頂ければと思います。

 

譲渡所得の計算式

不動産売却後の、譲渡所得を求める計算式は次のようになります。

譲渡所得の計算式
【譲渡所得】=売却価格-(取得費+譲渡費用)

取得費は、売却した不動産の購入代金と、購入するときにかかった諸経費の合計になります。

譲渡費用は、売却するためにかかった諸費用の合計です。

【関連記事】

【不動産売却】譲渡所得とは?計算方法と所得税の金額をチェック!

 

取得費になるもの一覧

購入時の諸費用には、取得費になるものとならないものがあります。

それぞれ一覧を参考にしてください。

【取得費になるもの】

  • 土地・建物の購入代金
  • 建築代金
  • 設計費
  • 建築確認申請費
  • 仲介手数料
  • 設備費
  • リフォーム費
  • 測量費
  • 土地の造成・下水道工事費用
  • 取壊し費用(購入後1年以内)
  • 登録免許税(登記費用を含む)
  • 印紙税
  • 不動産取得税
  • 特別土地保有税(取得分)
  • 固定資産税の精算金
  • 相続登記費用
  • 司法書士報酬
  • 新築マンションの修繕積立基金
  • 賃貸アパートなどの立退料(身内への支払いは除く)
  • 住宅ローン事務手数料
  • 住宅ローン保証料(借入から使用開始まで)
  • 住宅ローン利子(借入から使用開始まで)
  • 団体信用生命保険(借入から使用開始まで)
  • 契約の違約金(売買契約の締結後に、更に有利な条件で購入するため、旧契約者に支払った違約金)
  • 所有権確保のための訴訟費用

【取得費にならないもの】

  • 引越費用
  • 管理準備金
  • 管理費(マンション)
  • 修繕積立金(マンション)
  • 住宅ローン保証料(使用開始日以降)
  • 住宅ローン金利(使用開始日以降)
  • 団体信用生命保険料(使用開始日以降)
  • つなぎローン事務手数料
  • つなぎローン利子
  • 火災保険料
  • 相続した土地の遺産分割のための訴訟費用

 

取得費の計算方法

取得費の計算方法は、次の2種類です。

  1. 概算取得費
  2. 実額取得費

この2つの方法で計算をして、金額の高い方を取得費にすることができます。

取得費は経費と同じ扱いなので、金額が高くなるほど利益は減りますよね?

つまり、支払う税金が安くなるということです。

良心的ですね!

 

1.概算取得費

購入してから何十年も経過していて書類が残っていない建物、相続した土地など、購入価格や諸経費の詳細が分からない場合は、概算取得費で計算します。

概算取得費の計算式
【概算取得費】=売却価格×5%

【例】売却価格6000万円の場合

6000万円×5%=300万円

取得費は300万円になります。

 

2.実額取得費

購入時の資料が保管されていて細かい金額が分かる場合は、購入価格・諸経費の合計から、減価償却費を差し引いて計算します。

実額取得費の計算式
【実額取得費】=購入価格-減価償却費

【例】購入価格3000万円、減価償却費2000万円の場合

3000万円-2000万円=1000万円

取得費は1000万円になります。

 

上の2つの例では、実額取得費で計算した金額の方が高いため、取得費を1000万円として計算することができます。

 

減価償却費とは?

減価償却とは、資産を取得したときに、取得費用を一定の年数に分割して経費計上する計算方法で、主に企業会計で用いられています。

不動産売却では、建物の資産価値がどのくらい減少したのかを計算して、その減少分が減価償却費になります。

例えば、子供の頃に1本100円で購入した鉛筆を短くなるまで使い続け、30年後にボロボロの状態で売るとします。

長かった鉛筆をそこまで使えば、「100円の元は取れた」と考えられますよね。

そこで、短くなった鉛筆の価値を「ゼロ」とみなします。

価値のない鉛筆を10円で売却したとしても、「90円損した!」とはならず「10円儲かった」という考え方になります。

不動産売却でも、この考え方が採用されています。

建物は築年数が経つほど劣化し、新築と比べて価値が下がっていきますので、売却した時点での資産価値を計算することになります。

これが、購入価格から減価償却費を差し引く理由です。

 

減価償却費の計算方法

減価償却費の計算式は以下のようになります。

減価償却費の計算式
【減価償却費】=建物の購入代金×0.9×償却率×経過年数

※定額法適用の場合

償却率は、建物の構造、法定耐用年数、取得日によってそれぞれ異なります。

減価償却資産の償却率表【国税庁ホームページ】

細かい数字が並んでいて分かりにくいかと思いますが、減価償却費の金額は築年数が経過するほど大きくなっていきます。

購入して5年後に売却するよりも、30年後に売却した方が「元を取った」状態に近づくため、取得費は安くなります。

 

減価償却のイメージ

ここで、減価償却のイメージを例をもとに比較してみます。

【例】

購入価格3000万円(諸経費含む)、売却価格6000万円、減価償却費が1年で100万円ずつ増えると仮定した場合

 

①築5

減価償却費100万円×5年=500万円

②築30

減価償却費100万円×30年=3000万円

③築40

減価償却費100万円×40年=4000万円

 

【概算取得費】

6000万円×5%=300万円

 

1年で100万円ずつ資産価値が減っていく計算なので、それにともなって取得費の金額も減っていきます。

実際の確定申告では、実額取得費と概算取得費を比べて金額の高い方を適用するため、取得費が0円やマイナスになることはありませんが、説明を分かりやすくするために載せています。

また、土地は”モノ”には含まれず、経年劣化することもありませんよね。

そのため、土地のみの売却のときは減価償却費の計算をする必要はありません

【関連記事】

【不動産】マンションを売却したら必要な知識!減価償却費の計算方法

 

まとめ

いかがでしたか?

不動産売却した時の、譲渡所得、取得費、減価償却費の計算式は以下のようになります。

【譲渡所得】=売却価格-(取得費+譲渡費用)

【概算取得費】=売却価格×5%

【実額取得費】=購入価格-減価償却費

【減価償却費】=建物の購入代金×0.9×償却率×経過年数

実額取得費と概算取得費の両方を計算して、金額の高い方を取得費にすることができます。

また、土地は経年劣化することはないので、減価償却費の計算をする必要はありません。

 

この記事を参考にして、確定申告に役立てて頂ければ幸いです!

 

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ライター紹介 ライター一覧

嵯峨根 拓未

嵯峨根 拓未

所有資格:宅地建物取引士

初めての不動産購入や売却はわからないことだらけだと思います。
宅建士の立場から、不動産に関する正しい知識と情報をお伝えします!

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