【専任媒介契約の解除方法】解約すると違約金がかかる3つのケース
不動産会社と仲介の契約をして、ただいま絶賛売却活動中!
でも・・・
- 不動産会社に不信感があるから他社に変えたい!
- 事情があってやっぱり売るのをやめたい
- 専任媒介契約だと簡単には解除できないよね・・・
- 違約金ってかかかるのかな?
こんなふうに悩んでいませんか?
一度結んでしまった契約を解除するのは、だれでも気が引けますよね。
専任媒介契約は、簡単な手続きをするだけで途中解除できます!
もし、あなたが不動産会社の対応に悩んでいるのなら、思いきって契約を解除した方がいいかもしれません。
ただし、いきなり解除すると高額な費用を請求されることもあるので注意が必要です。
そこでこの記事では、あなたに不利益のないように専任媒介契約を解除する方法を解説します。
媒介契約をスムーズに解除して、新たな一歩を踏み出してください!
専任媒介契約は途中で解除できる
専任媒介契約は、契約期間が残っていても違約金を支払わずに解除できます。
国土交通省では「売主に違約金を請求できる場合」について、次のように定めています。
第 11条
甲(売主)は、専任媒介契約の有効期間内に、乙(不動産会社)以外の宅地建物取引業者に目的物件の売買又は交換の媒介又は代理を依頼することはできません。
甲がこれに違反し、売買又は交換の契約を成立させたときは、乙は、甲に対して、約定報酬額に相当する金額の違約金の支払を請求することができます。
引用:宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款
簡単にいうと「売主が契約違反をしたときは、仲介手数料と同額の違約金を請求できる」と記載されています。
つまり、売主が契約違反さえしなければ違約金は請求できないという意味になります。
専任媒介契約の解除で違約金を請求されるケース
では、売主が違約金を支払わなければならないのはどんなケースでしょうか?
専任媒介契約の2つの禁止行為をしたとき
不動産会社と結ぶ媒介契約は、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介の3種類に分かれています。
専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 | |
他社との同時契約 | 禁止! | 禁止! | OK |
自分で買主を見つける | 禁止! | OK | OK |
契約期間 | 3ヵ月 |
3ヵ月 |
3ヵ月以内 |
専任媒介契約を結んでいるとき、売主は他の不動産会社に重ねて売却の依頼をすることができません。
さらに、専属専任媒介契約であれば、自分で買主を見つけることも禁止されています。
つまり、売主がこの2つの禁止事項を破ったときに「契約違反」となり、違約金が発生します。
悪質な契約違反とみなされるケース
不動産会社に違約金を請求される主なケースは、以下の3つです。
①同時契約
別の不動産会社と契約を結び、売買契約を成立させたとき
②自己発見
売主が自分で見つけた買主と、不動産会社を介さずに個人的に売買契約をしたとき(専属の場合)
③2年以内の取引
不動産会社が見つけた買主と、不動産会社を介さずに2年以内に個人的に売買契約をしたとき(一般の場合)
「最初に媒介契約をした不動産会社に支払うべきはずの仲介手数料を、支払わなかった」
このような状況になったときに違約金を請求されるということです。
専属専任媒介契約で「自己発見」となりやすいパターン
たとえば、あなたが不動産会社と専属専任媒介契約を結んで、家を売り出しているとします。
親戚にその話をしたところ、「じゃあその家わたしが買うよ!」と言ってくれたとしますよね。
そこで「親戚同士だし個人的にやりとりした方が早いから、不動産会社との契約は解除しちゃおう!」と解約すると・・・
仲介手数料の支払いを避けるためにわざと契約解除したとして、違約金が発生してしまいます。
たとえ悪気はなくても、悪質な違反行為とみなされてしまうので注意してください。
売主都合で解除すると実費請求される
売却するつもりでいたけれど、やむを得ない事情ですぐに売却自体を中止したいということもあるかもしれません。
- 急に転勤がなくなった
- 病気やケガで引っ越しができない
このような場合も、専任媒介契約は解除できます。
ただし不動産会社に落ち度はないので、それまでにかかった広告費や交通費などの実費を請求される可能性があります。
なんと、違約金と同じ金額なんです。
売却活動の状況によっては高額になるので、明細書をよく確認し、不要な支払いまでしないように気をつけてください!
専任媒介契約を問題なく解除できるケース
違約金を支払うことなく専任媒介契約を解除できる、2つのケースをご紹介します。
3ヵ月経てば自動解除される
専任媒介契約の有効期限は、どんなに長くても3ヵ月です。
契約を更新するときは、売主の方から申し出て、もう一度不動産会社と書面を交わさなければなりません。
つまり、3ヵ月後にあなたが何もしなければ媒介契約は自動的に解除されるということ。
- 面倒な手続きやトラブルを避けたい!
- 売却を急いでいない
このような方は、契約期間満了のタイミングで解除するのがベストです!
不動産会社に非があれば解除できる
3ヵ月で自動解除されるとはいえ、不動産会社に問題があればすぐにでも契約を解除したいですよね。
不動産会社が、以下の義務を怠ったときは違約金なしで契約解除できます。
・レインズに物件登録をし、売主に登録証を交付すること
・売主に対して、定期的に活動状況の報告をすること
・買主から購入申込みがあったときは、速やかに売主に報告すること
参照:国土交通省「標準専任媒介契約約款」
- 少しでも早く売りたい!
- 他に信頼できる不動産会社を見つけた
このような場合は、新たな不動産会社に依頼しなおした方がいいかもしれません。
専任媒介契約の解除方法
専任媒介契約の解除は、以下の方法で行います。
手順を把握してスムーズに契約解除しましょう。
①電話で解除する旨を伝える
まずは不動産会社に電話し、媒介契約を解除したい意思を伝えます。
②猶予期間を設定する
・不動産会社が売却活動の義務を怠っているとき
改善するための猶予期間(3~7日程度)を設定します。(標準専任媒介契約約款 第15条により)
・囲い込みなどの悪質行為をされたとき
即解除できます。(標準専任媒介契約約款 第16条により)
③書面を郵送する
猶予期間中に改善されなければ、売主が書面を作成して解除通知を提出します。
解除通知書の書式サンプル
解除通知書の書式は自由です。
ただし、以下の6項目は必ず記載してください。
- 書類作成日
- 不動産会社名
- あなたの住所・氏名
- 「専任媒介契約解除通知書」
- 媒介契約を解除する旨
- 媒介契約日・契約内容
これらを盛り込んでいれば手書きでもパソコンでも構いません。
以下のサンプルを参考にしてください。
【書式サンプル】
①令和○年○月○日
②○○不動産株式会社
代表取締役社長 ○○○○様
③東京都○市○町1-1-1
○○○○
④専任媒介契約解除通知書
⑤私は、本書面をもって貴社との下記契約を解除いたします。
記
⑥媒介契約日:令和○年○月○日
契約内容:~専任媒介契約の詳細~
○月○日までに契約書通りの報告がなかった為。
以上
専任媒介契約を解除するときの注意点
専任媒介契約を途中で解除すると、少なからずトラブルになる可能性があります。
トラブルを回避するための注意点をお伝えします。
次の不動産会社を見つけてから解除する
契約解除したあとも引き続き売却活動をするのであれば、あらかじめ次の不動産会社を決めておきましょう。
あなたの悩みを他の不動産会社に早めに相談することで、客観的なアドバイスをもらえたり、場合によっては協力してもらえたりするなど、現不動産会社とのトラブルを回避し、かつスムーズな契約解除につながります。
相談は1社だけにするのではなく、複数社を比較するのがベスト!
良い不動産会社かどうかを見極めて、冷静に判断してください。
高額な違約金を請求されたら宅建協会等に相談を
先ほどお伝えしたように、媒介契約において、違約金が発生するのは売主が契約違反をしたときだけです。
そもそも媒介契約書は、冒頭でご紹介した、国土交通省の定める標準専任媒介契約約款に沿って作成しなければなりません。
そのため、たとえ契約書に「契約解除したら売主が違約金を支払う」という特約があっても、その契約は無効になる可能性が高いです。
あなたに非がないのに高額な違約金を請求されたら、絶対に泣き寝入りをせず、宅建協会、法テラス、消費者センターなどに速やかに相談してください。
まとめ
専任媒介契約は、契約期間の途中でも解除できます。
ただし、不動産会社に非がないときは実費請求されることがあります。
売主が契約違反をした場合は、仲介手数料と同額の違約金を支払うことになるので注意してください。
不動産会社もなるべく穏便にすませたいと思っているので、契約解除したからといってあなたの今後の売却活動が不利になることはありません。
正当な理由があるなら、安心して解除手続きをしてくださいね!
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