ZEHとは?読み方や注目されている理由をわかりやすく解説!

2016年の5月から、大手ハウスメーカーが一斉にZEH(ゼッチ)仕様の家を発表し、テレビCMや雑誌、ホームページなどで宣伝をし始めました。

あなたも、一度はZEHという言葉を耳にしたことがあると思います。

住宅業界では、これからの家づくりはZEH無しでは考えられないと言われており、これから新築マイホームを購入しようと考えているなら、ZEHについて知っておいて絶対に損はありません

  • ZEHってどういう意味?
  • ZEHはなぜ注目されてるの?
  • ZEHの新築住宅を立てるには何が必要?

そもそもZEHとは何なのかというところから、今これほどまでに注目されるようになっている理由などを詳しく、わかりやすく、徹底的に解説します!

 

ZEHとは

ZEHは「ゼッチ」と読み、Net Zero Energy Houseの略です。

直訳すると、「正味ゼロエネルギー住宅」となります。

ZEHは簡単に言うと2本の柱から成り立っています。

  1. 住宅の高断熱化と、冷暖房設備の高効率化による大幅な省エネルギー性能の向上
  2. 太陽光発電などによってエネルギーを作り出す、創エネルギー設備の導入

一言で表すと、省エネと創エネを行い、年間に消費する正味(ネット)のエネルギー量をゼロ以下にする住宅です。

 

 

これまでも国内のエネルギー不足を解消するため、創エネ設備は、補助金や固定価格買い取り制度などで推奨されてきました。

この創エネ設備の導入に加え、省エネルギー化も導入し、より高い環境性能を備えた住宅として、ZEHが注目されています。

 

なぜ今、ZEHが注目されているの?

 

ZEHが注目される背景には、国内のエネルギー問題があります。

 

日本が抱えているエネルギー問題

2016年の日本のエネルギー自給率は8.3%で、過去最低だった2014年度の6.0%と比較すれば若干上向いてはいるものの、他のOECD諸国と比較すると、かなり低い水準になっています。 – 経済産業省

現在、国内のエネルギー消費量の約15%程度が家庭での消費になります。

この約15%という数字は、石油危機の時の約2倍の消費量です。

さらに、2011年に東日本大震災が起き、その影響で原子力発電所が停止。

その影響で電力需給のバランスの崩れやエネルギー価格の不安定化などが起き、安定していると思われていた国内のエネルギー事情に、問題が発覚しました。

こういった状況を受け、家庭単位での消費エネルギーの見直し、省エネルギー化の重要性が再認識されるようになりました。

ZEHの普及による、家庭におけるエネルギーの需給構造の根本的改善エネルギー消費量の大幅削減が期待されています。

 

ZEH普及の目標

政府は「住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均で年間の一時消費エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロとなる住宅(ZEH(ゼッチ))の実現を目指す」と目標を設定しています。

わかりやすく言い換えると、以下のようになります。

  • 2020年には半数程度の新築住宅がZEHとなること
  • 2030年にはほとんど全ての新築住宅がZEHとなること

 

政府はZEHの普及について、課題と対策を整理した「ZEHロードマップ」を2015年に策定、2017年にロードマップの改定を行い、それに従って取り組みを行っています。

沢山の項目があるロードマップの内容を簡単に整理してみました。

現状では、2020年度までZEH住宅に対して補助金が支給される予定で、2020年以降については、必要によって限定的に延長を行うとのことです。

補助金の額や、申請時期、申請の流れについてはこちらの記事をお読みください。

 

ZEH認定基準

ZEHの認定を受けるためには、大きく3つのポイントがあります。

  • 高断熱化
  • 設備の高効率化
  • 創エネ設備の導入

最終的には、この3つのポイントにより、100%の省エネ(消費エネルギー0)を目指すのですが、3つのポイントそれぞれにも基準が設けられており、例えば凄い発電量をもつ創エネ設備などで100%の省エネが達成できたとしても、3つそれぞれの基準をクリアしていないとZEHとは認められません。

経済産業省のマニュアルでは、かなり細かい数値目標が設定されているのですが、専門的で難しい計算式なので、ここでは細かい数字は省略し、よりわかりやすいように3つのポイントについて解説します。

 

高断熱化

高断熱化することにより、2つの省エネ効果が期待できます。

  • そもそも冷暖房をあまり必要としない
  • 冷暖房の効率を上げ、消費エネルギーを減らす

この2つの効果を一定基準で満たすための基準が設定されており、その基準を上回る断熱性能をもったサッシ(窓)の導入や、外壁や屋根、床などに高機能の断熱材を利用するなど、地域ごとに設定された断熱基準を上回るように断熱計画をしなければなりません。

高断熱化と、このあとにご説明する設備の効率化を合わせ、20%以上の省エネを満たさなければZEHの認定を受けることはできません。

 

設備の高効率化

快適な空間を保ちながらエネルギーを上手に利用するためには、住宅設備の効率化を図らなければいけません。

ZEH認定を受けるためには、一次エネルギーと呼ばれる空調設備・換気設備・照明設備・給湯設備のエネルギー消費量の削減の基準を満たすことが必要です。

 

(出典:経済産業省 ZEHロードマップ)

 

さらにZEHではHEMS(ヘムス)と呼ばれるエネルギー管理システムを導入することで家庭で使うエネルギーを可視化したり、家電を自動制御するなどでエネルギーを節約し、省エネ性能の押し上げを図ります。

HEMSは、「House Energy Management System(ホーム エネルギー マネージメント システム)」の略で、以下が可能です。

  • 家庭で使用エネルギー量がモニターで一目でわかる
  • 遠隔操作でONやOFFにできる
  • 空調の温度や照明の光の強さなどを自動調整
  • 対象設備を指定した時間に利用するための予約できる

前述したように、高断熱化と設備の高効率化により、20%以上の省エネを実現することがZEH認定の条件とされています。

 

創エネ設備の導入

高断熱化と設備の高効率化により、20%以上の省エネを実現した後、創エネ設備によって電気を作り出し、最終的に消費エネルギーを実質0以下にします。

ここで言う創エネ設備とは、再生可能エネルギーのことです。

再生可能エネルギーには、以下のようなものがあります。

  • 太陽光発電
  • 風力発電
  • バイオマス
  • 水力発電
  • 地熱発電
  • 太陽熱利用発電
  • 地熱発電
  • 温度差熱利用発電
  • 雪氷熱利用発電

この中で、価格や発電効率を考えると、今現在の発電設備で一般住宅で最も効率的なものは太陽光発電で、どのハウスメーカーや工務店でも、ZEHをうたう住宅には太陽光発電設備を採用しています。

 

2018年度のZEHの実績

2019年6月6日の住宅産業新聞で、2018年度のZEHの実績率が発表されました。

一般社団法人環境共創イニシアチブおよび各社のホームページを参考に住宅産業新聞がまとめた主要12社の実績率をみると、積水ハウスが8割をうかがう79%でトップと3年連続で首位となり、次いで一条工務店の77%、セキスイハイムの73%との結果だった。
また、主要12社の18年度のZEH実績値と目標値の差に着目すると、実績値が大きく目標値を上回った住宅会社はセキスイハイム(18ポイント増)、一条工務店(14ポイント増)、パナソニックホームズ(7ポイント増)などで、逆に目標値を大きく下回ったのはサンヨーホームズ(37ポイント減)、大和ハウス工業(14ポイント減)などだった。 – 住宅産業新聞

 

上記の目標を達成しているハウスメーカーがZEHの普及に取り組んでいることがわかります。

せっかく家をZEHの家を建てるのであれば、実績が豊富なハウスメーカーにお願いしたいですよね。

 

まとめ

 

今回はZEHについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

  • ZEHは「ゼッチ」と読み、意味は「正味ゼロエネルギー住宅
  • 国内のエネルギー不足の解消のための政策
  • 高断熱化・設備の高効率化・創エネ設備の導入の基準をクリアする必要がある

ZEHについて、少しでもご理解頂けたなら幸いです。

あなたはもしかしたら、今回ご説明した日本のエネルギー事情を知らなかったかもしれません。

でも、よく思い出してみて下さい。

「なんか電気代高くなったな・・・」

「地球温暖化が進んでいてヤバイらしい」

なんてことを思ったことはありませんか?

この記事をここまで読み進めて頂いたあなたは、実は異変に気付いているのではありませんか?

一人ひとりが今できることを考え、子供に、孫に、快適な環境を残すために力を合わせるときです。

そのための一つの方法として、今日本では国を挙げてZEHの普及に取り組んでいます。

是非、あなたもこの流れに乗り、地球環境に目を向けた新築をして下さい。

この記事を読み、あなたが少しでもZEH化する必要性を感じたり、ZEHに興味を持って頂ければ幸いです。

ここまでお読み頂きありがとうございました。

次はこちらの記事で、ZEHのメリットとデメリットについての知識を深めて頂けばと思います。

 

 

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