プロが教える外壁塗装・張り替えリフォーム費用の相場と失敗しない業者選びの3つのポイント
新築当時はピカピカだったきれいな外壁。
でも、年数が経つにつれて、汚れたり、ひび割れたり・・・
ふと気づくと結構汚れや傷が目立っていて「うちも、そろそろリフォームの時期かしら・・・」と考え始める方も多いのではないでしょうか。
ところが、いざリフォームをしようと思っても、
- どんなリフォームが必要なの?
- 相場はどのくらい?
- どこに頼めばいいの?
など、分からないことも多く、一歩踏み出すのはなかなか難しいものです。。
特に、塗装や外壁は専門性が高いので、難しい建築用語で説明されていて理解しにくいんですよね。
そこで、この記事では外壁の基本を分かりやすく解説し、安心してリフォームするための知識をお伝えします。
せっかくリフォームするなら絶対に失敗したくないですよね。
この記事を参考に、新築のようなきれいな外壁を取り戻しましょう!
外壁リフォームの失敗例
外壁リフォームの失敗で多いのは次の2つです。
- 安い方を選んだら結果的に損をした
- 悪質業者に騙された
外壁のリフォームは大がかりな工事ですので、費用も日数もかかります。
どの業者がいいのかもわからず、「とりあえず安い方で・・・」と、安くて簡単なリフォームを選ぶ方も多いです。
しかし、安易に選ぶのは絶対にやめてください。
そもそも外壁のリフォームには、見た目をきれいにする以外に大事な目的があります。
それは、建物の寿命を延ばすことです。
私たちの住む日本は、四季がはっきりしています。灼熱の太陽、嵐のような雨風、凍えるような寒さ・・・
気候の変化が建物に与える影響は想像以上に大きく、外壁はそんな過酷な環境から不眠不休で建物を守り続けています。
建物を長持ちさせるためにも、外壁の定期的なメンテナンスは必要不可欠です。
安いだけのリフォームではなく、将来を見据えた計画的なリフォームが結果として無駄を省くことになります。
また、悪徳業者の質の低い工事によって、結局もう一度工事をしなくてはいけなくなった・・・なんてことにならないために、業者の見極めも重要です。
外壁のタイプ
外壁と一言で言っても、様々な種類があります。
種類によって、リフォームの内容も変わってきます。
現在お住まいの家の外壁がどれなのか、下記を参考にチェックしてみてください。
モルタル
モルタルとは、セメント・砂・水を混ぜ合わせたもので、コンクリートのような重量があるのが特徴です。
職人さんが現場で材料を調合して、コテを使って塗り固めていく、従来のタイプの外壁です。
モルタルの仕上げには様々なものがありますが、外壁に繋ぎ目がない場合はモルタルの外壁と言えます。
また、モルタルの表面に仕上げとして塗られている塗料には、外壁をコーティングする目的があり、人間で言うと、紫外線のダメージから肌を守る日焼け止めのような役割をしています。
サイディングとシーリング材
サイディングとは、パネル式の外壁のことで、工場で塗装された完成品を釘などで打ち付けて張っていくタイプの外壁です。
現場での塗装が不要なため、現在は新築・リフォーム共に外壁の主流となっています。
サイディングは、パネル式の壁を何枚も組み合わせて張っていくため、パネル同士の繋ぎ目に1cm程度のわずかな隙間ができます。
これを目地(めじ)と言います。
目地から雨水などが侵入すると、壁内部を腐食させたり雨漏れの原因になります。
そこで、「シーリング材」というゴムのような充填剤を使い、目地を埋める工事が必要になります。
したがって、サイディングの外壁にはシーリング材が必ずセットになっており、外壁に一定間隔でシーリングが打たれていればサイディングの外壁と言えます。
一般的なサイディングには次の種類があります。
◆窯業(ようぎょう)系サイディング
色・柄が豊富で、現在のサイディングの主流。
材料はセメントで重量がある。
◆金属系サイディング
窯業系サイディングの1/10の軽さ。
水に強くスタイリッシュな雰囲気だが、デザインが少ない。
劣化状態と対策
建物の経年劣化は避けることができないものであり、外壁も例外ではありません。
築年数と、劣化の程度に応じたメンテナンス方法を知ることはリフォームをする上で大切になります。
そこで、外壁の状態ごとにどのようなリフォームや対策が必要なのか、対策を見ていきましょう。
かっこ内の年数は、対策をする目安の期間です。
汚れ(5年)
表面についた汚れであれば、ブラシや高圧洗浄機などで落とします。
ただし、サイディングに高圧洗浄機を使用する場合は、柔らかいシーリングの部分は避けます。
コケ(5年)
日が当たらない北側の面など、表面にコケや藻が生えている場合は、ブラシでこするか高圧洗浄機などで落とします。
この場合も、高圧洗浄機は柔らかいシーリング部分は避けます。
シーリング材の劣化(5~10年)
サイディングの目地を埋めているシーリング材が、凹んだりひび割れていたらシーリングの打ち直しが必要です。
放置すると、壁内部に雨水が侵入する原因になります。
色褪せ(5~10年)
塗料が色褪せている場合は、再塗装が必要です。
塗料のコーティング効果が薄れている状態なので、外壁が傷みやすくなります。
チョーキング現象(5~10年)
外壁を触ってみて、手にチョークの粉のようなものが付いたら再塗装が必要です。
塗料が寿命を迎えたサインなので、放置すると外壁の傷みが急激に進んでしまいます。
ひび割れ(10~20年)
外壁にひびが入っている場合は、ひびの補修と再塗装が必要です。
放置すると、ひびの隙間から壁内部に雨水が侵入する原因になります。
ひびが大きく補修箇所が多い場合は、モルタルやサイディング自体を張り替える方法もあります。
歪み(20~30年)
外壁に歪みがある場合は、モルタルやサイディング自体を張り替える必要があります。
放置したひびの隙間から壁内部に雨水が入り込み、内側が湿気を含んだ状態になっているので、下地の腐食や雨漏りなどの恐れがあります。
一般的なリフォーム時期
お住まいの立地や気候、条件によって耐用年数や劣化の程度は異なりますが、一般的なリフォーム時期の目安をまとめると次のようになります。
- 10年目 塗り直し、シーリング(塗料、シーリング材の寿命)
- 20年目 塗り直し、シーリング(塗料、シーリング材の寿命)
- 30年目 張り替え(モルタル、サイディングの寿命)
家を建ててから、最低でも3回はリフォームが必要になります。
リフォーム時期の大まかなイメージがつかめたら、実際に計画をしてみましょう!
比較的軽い補修→塗装をする
築年数が10~20年前後で外壁の傷みが少ない状態なら、塗装とシーリング打ち直しのリフォームがおすすめです。
塗り直しの場合は、塗料の種類と耐用年数に注目してください。
外壁用の塗料は大きく分けて次の4つです。
- アクリル系
- ウレタン系
- シリコン系
- フッ素系
現在使用している外壁の種類や、次回のメンテナンスをどれくらいのスパンでするかによって、使用する塗料を決めます。
アクリル系塗料
耐用年数5~7年
アクリル系の塗料は、現在はほとんど使われていません。
稀に、数年後に建て替える予定があり「耐用年数が長いともったいない」という場合に、安価なアクリル系塗料を選ぶこともあります。
ウレタン系塗料
耐用年数8~10年
ウレタン系塗料は、以前は外壁塗料の主流でしたが、現在では雨どいや屋根の一部など付帯部分にのみ使われることが多いです。
自宅に店舗を構えていて、こまめに塗り直してイメージチェンジをしたいという場合などは、ある程度の耐用年数がありコストを抑えられるウレタン系塗料がおすすめです。
シリコン系塗料
耐用年数10~15年
シリコン系の塗料は、現在の外壁塗料の主流になっています。
値段と耐用年数のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れているのが特徴です。
フッ素系塗料
耐用年数15~20年
フッ素系の塗料は、耐用年数の長さが魅力です。
リフォーム回数を極力減らしたい場合は、耐用年数の長いフッ素系塗料を選ぶと良いでしょう。
他の塗料に比べて高価ですが、リフォームの回数が減ることにより長期的なランニングコストを抑えることができます。
塗装の相場
業者や家の大きさ、選択する塗料などによって価格は変わりますが、塗装する場合の相場は80万円~140万円です。
塗装の場合の工事期間は、約2週間です。
塗装代よりも、足場や下地処理に費用がかかることにビックリするかもしれませんが、安全な作業ときれいな仕上がりのためには必要なものであると理解してください。
【費用の内訳】
- アクリル系塗料 ¥1,000~¥1,200/㎡
- ウレタン系塗料 ¥1,500~¥2,000/㎡
- シリコン系塗料 ¥2,500~¥3,500/㎡
- フッ素系塗料 ¥3,800~¥5,000/㎡
- 足場代 ¥500~¥1,000/㎡
- 飛散防止ネット ¥100~¥200/㎡
- 養生 ¥200~¥500/㎡
- 高圧洗浄(汚れ落とし)¥200~¥500/㎡
- ケレン(サビ取り) ¥500~¥2,000/㎡
- 下地補修(ひび補修) ¥1,500~¥2,500/㎡
- シーラー(下塗り) ¥600~¥1,000/㎡
- シーリング(サイディング目地、窓周り)¥500~¥1,200/㎡
- ゴミ処理代 ¥10,000~¥30,000
【費用計算の例:30坪=外壁面積120㎡ シリコン系塗料を使用した場合】
塗装 ¥2,500×120㎡=¥300,000
その他 ¥4,100×120㎡=¥492,000+ゴミ処理代¥10,000=¥502.000
合計 ¥802,000
外壁を新品にする
外壁の傷みが激しい場合は、新しい外壁に張り替えるリフォームがおすすめです。
また、コストを抑える方法として、外壁の重ね張りというリフォーム方法もあります。
サイディングの寿命は約30年です。
将来のビジョンを踏まえたリフォーム計画を立てることが大切です。
サイディング張り替え
現在のモルタルやサイディングを剥がして、新しいサイディングに張り替えるリフォーム方法です。
築年数が経過した建物は、外壁内部の下地が腐食している可能性があります。
張り替えのリフォームは、全ての外壁を剥がすことで外から見えない傷んだ下地まで補修できるという大きなメリットがあります。
建物の内部がしっかりしていれば、老朽化を遅らせ建物をの寿命を伸ばすことができます。
既存の外壁を剥がす手間がある分、日数とコストはかかりますが「将来子供や孫に家を譲りたい」など、長く住み続けることが前提であれば張り替えるのがベストです。
サイディング張り替えの相場
現在のモルタルやサイディングを撤去し、新しいサイディングに張り替える場合の相場は、180万円~250万円です。
【費用の内訳】
- 金属系サイディング ¥8,000~¥9,000/㎡
- 窯業系サイディング ¥7,000~¥10,000/㎡
- 既存壁撤去 ¥1,300~¥2,500/㎡
- 補強金物等 ¥35,000~¥55,000
- 足場代 ¥500~¥1,000/㎡
- 飛散防止ネット ¥100~¥200/㎡
- 養生 ¥200~¥500/㎡
- 内部補修 ¥2,500~¥5,000/㎡
- 胴縁補強 ¥600~¥800/㎡
- 防水シート ¥300~¥500/㎡
- 土台水切り ¥1,100~¥2,000/㎡
- シーリング(サイディング目地、窓周り)¥500~¥1,200/㎡
- 廃材処分費 ¥100,000~¥200,000
【費用計算の例:30坪=外壁面積120㎡ 窯業系サイディングを使用した場合】
既存壁撤去 ¥1,300×120㎡=¥156,000+廃材処分費¥100,000=¥256,000
窯業系サイディング ¥7,000×120㎡=¥840,000+補強金物等¥35,000=¥875,000
その他 ¥5,800×120㎡=¥696,000
合計 ¥1,827,000
サイディング重ね張り
現在の外壁の上に新しいサイディングを張るリフォーム方法です。
モルタルやサイディングを剥がす必要がないので、日数とコストを抑えることができます。
ただし、現在の外壁を剥がさないので、下地の補修が必要ないことが前提条件となります。
そのため、すでに雨漏れをしていたり内部が傷んでいると診断された場合には、重ね張りはおすすめできません。
また、サイディングを重ねて張るということはその分建物が重くなります。
建物が重くなると地震などの揺れに弱くなりますので、耐震性に問題のない軽い種類のサイディングを選ぶ必要があります。
そのため、重ね張りのリフォームでは軽量な金属系サイディングしか選択肢がないことになります。
見栄えはよくなりますが根本的な改善ではありませんので、将来家を手放すかもしれない、サイディングの種類には特にこだわらないといった場合には重ね張りがおすすめです。
コスト面の他に、外壁が二重になることで断熱効果や防音効果がアップするというメリットもあります。
サイディング重ね張りの相場
現在のモルタルやサイディングの上から、新しいサイディングを重ね張りする場合の相場は、120万円〜200万円です。
現在の外壁をそのまま残すため、張り替えに比べて費用と工期は抑えられます。
サイディング重ね張りの場合の工事期間は、約1週間です。
【費用の内訳】
金属系サイディング ¥8,000~¥9,000/㎡
補強金物等 ¥35,000~¥55,000
足場代 ¥500~¥1,000/㎡
飛散防止ネット ¥100~¥200/㎡
養生 ¥200~¥500/㎡
胴縁取付 ¥600~¥800/㎡
シーリング(サイディング目地、窓周り)¥500~¥1,200/㎡
ゴミ処理代 ¥10,000~¥30,000
【費用計算の例:30坪=外壁面積120㎡ 金属系サイディングを使用した場合】
金属系サイディング ¥8,000×120㎡=¥960,000+補強金物等¥35,000=¥995,000
その他 ¥1,900×120㎡=¥228,000+ゴミ処理代¥10,000=¥238,000
合計 ¥1,233,000
失敗しない業者選びの方法
大まかな相場が分かったら、いよいよ業者選びです。
ハウスメーカー、地元の工務店、塗装業者、サイディング業者など、様々なリフォーム業者があるので迷ってしまうと思いますが、リフォームに失敗しないためには優良業者を見極めることが一番大切です
ここからは、いい業者を見極める方法をお伝えします。
見積書は細かい方が良い
優良業者は、正確な見積書を作成するために現場調査に時間をかけます。
1~2時間ほどかけて外壁の状況をしっかりとチェックした上で、㎡数を細かく割り出し、それに基づいた計算、塗料の種類や補修箇所など、細かく記載された見積書を出してくれます。
不明点に対しても、納得できるような誠実な返答が得られるようであれば、優良業者だと思って良いでしょう。
反対に、見積書の項目が「一式」「パック料金」などでまとめられていて、詳細が記載されていない見積書は要注意です。
外壁の面積は、建物の形状や開口部の大きさによって変わります。
分譲住宅の隣同士の家であっても、日当たりなどによって金額が異なるのが普通です。
その違いを記載するオーダーメイドの書類が見積書なので、大雑把なものは信用してはいけません。
不明点に対して、曖昧な返答をしたり強引に言いくるめるような業者は絶対にやめましょう!
安すぎる(高すぎる)金額を提示しない
相場を大幅に下回るような、安すぎる金額を提示する業者にも注意が必要です。
「安い方が良いんじゃないの?」と思うかもしれませんが、工事費用は材料代や足場代、職人さんの人件費など、あまり大きく削ることのできないものがほとんどです。
大幅に値引くということは、本来必要な工程を省いたり、経験の浅いアルバイトを使ったり、どこかで調整をしなければなりません。
特に塗装は、下塗り(シーラー)、中塗り、上塗り、の三度塗りが基本なのですが、上塗りだけでも塗装直後はきれいに見えるため、本当に三度塗りをしたかは見た目では分かりづらく、ごまかす業者が多いのが現状です。
ひどい場合は、見積書と違う塗料を使用する、塗料を薄めるなど、悪質極まりない業者もいます。
安さのしわ寄せがどこにあるのかを見極め、怪しい部分はしっかりと確認することが大切です。
反対に、相場がわかりにくい業界なのを良いことに、相場より高い金額を提示している業者もあるので注意が必要です。
訪問販売はトラブルの元
自宅に突然リフォーム業者が訪ねてきた経験はありませんか?
「只今この地域限定のキャンペーン中で、今なら安く塗装できます」
「近くで工事をしているので、すぐに契約すれば足場代をサービスします」
など、契約を急かしてくる訪問販売は要注意です。
迷惑メールであれば引っかかる方は少ないですが、目の前に口の上手い営業マンがいたら、つい話を聞いてしまう方も多いと思います。
実は消費者センターに寄せられたリフォーム業者の相談で圧倒的に多いのが、訪問販売による契約のトラブルです。
また、築10年程の家に訪問し、
「このままでは外壁が崩れてしまうので、今すぐ張り替えないと危険です!」
などと言って、高額なリフォームをすすめる業者もいます。
この記事内で説明した通り、築10年の建物の場合、よほど特殊な環境でもない限り外壁の張り替えまでする必要はない可能性が高いです。
業者に言われるがまま契約して後悔することのないように、冷静に対応しましょう。
良い業者選びは相見積もりがおすすめ
先ほどお伝えした通り、良い業者選びのポイントは3つあります。
- 細かい見積書を提出
- 金額が安すぎたり高すぎたりしない
- 訪問販売は避ける
この3つのポイントを一発でクリアできる方法として、無料で使えるリフォーム業者一括比較サイトを利用するのが便利でおすすめです。
複数の業者に相見積もりを依頼して見積書を比較することで、細かく丁寧に作られた見積もりかどうか、おおまかな相場はどれくらいなのか一発でわかります。
私が知る限りでは、良い業者を見つけるためには「相見積もりをとって比較する」以上の方法はありません!
無料で利用できるので、もしピンとくる良い業者が見つからなくてもリスクは一切ありません。
リフォーム業者に一括見積もりできるサイトはいくつかありますが、外壁に特化した業者に依頼できるのでタウンライフがオススメです。
本気でいい外壁リフォームの業者に出会いたいと思っている人は、ぜひチェックしてみてくださいね!

まとめ
いかがでしたか?
外壁のリフォームで大切なのは、長期的なリフォーム計画を立て、次回のメンテナンス時期を視野に入れたリフォーム方法を選択することです。
また、トラブルを避けるためには信頼できる業者を選ぶことが重要です。
見積書が大雑把な業者や、安すぎる金額を提示する業者には十分注意し、訪問販売の口車には乗らないように気を付けてください。
相場を把握できているかどうかも、失敗しないためにはとても大切なポイントだと言えます。
この記事が、あなたの家の外壁を良くする参考になれば幸いです。
リフォームに興味をお持ちのあなたには、こちらの記事もオススメです!