海外で死亡例もあるシックハウス症候群。知っておきたい原因と対策

ずっと夢だった新築マイホームが完成!
これからこの家で新しい生活のスタート!
・・・と思ったら、なんだか体調が悪い。

それ、シックハウス症候群かもしれません。頭が痛くなったり、吐き気がしたり、発疹が出たり
ひどい場合では、重いアレルギー症状で命に関わるケースもあります。

さらに怖いのは、子どもに特に影響が出やすいということです。
あなたの大切なご家族を守れるのは、あなたしかいません。

家を建てたり買ったり、リフォームしたり、その計画の前に、この記事を読んでみてください。
この記事で、シックハウス症候群の原因と対策をお伝えします。

 

シックハウス症候群とは

住宅を原因とする健康被害を総じて“シックハウス症候群”と呼びます。

建物の高気密化が進んだことで、室内の空気の循環が悪くなり、1990年代には社会現象となるほどシックハウス症候群の症状を訴える人が増えました。

そのような状況をうけ、厚生労働省が対策を実施。

1997年 厚生省(現厚生労働省)が事務局となった「快適で健康的な住宅に関する検討会議」で、化学物質の指針値等を策定作業により、問題の深刻さから異例のスピードで1997 年6 月に中間報告としてホルムアルデヒドの室内濃度指針値を公表。


2002年 建築物における衛生的環境の確保に関する法律の改正
特定建築物における新築や大きな模様替等が行われた後、最初に到来する6月 – 9月(気温が高い時期)に、ホルムアルデヒドの測定及び対策が義務づけられた。


2003年 建築基準法の改正

  • 建築材料をホルムアルデヒドの発散速度によって区分し使用を制限
  • 換気設備設置の義務付け
  • 天井裏等の建材の制限
  • クロルピリホス(防蟻剤)使用建材の制限

2008年 厚生労働省が「建築物における維持管理マニュアル」作成

建築物におけるねずみ、害虫等の防除について、人や環境への影響を極力少なくすることを目的とした「総合的有害生物管理(IPM)」の方法について具体的に示される。

(参照:wikipedia

 

現在の建築基準法では、シックハウス症候群の原因となる化学物質の使用制限や、24時間換気の義務化などにより、室内の空気汚染濃度が「人が一生涯さらされ続けても健康被害が出ない」とされる数値以下になるように定められています。

この空気汚染濃度の目標値は入居後しばらくたった状態に対して定められているため、入居直後は基準値を上回っていることもあります。
建築基準法をクリアしていない建物は建てることができませんので、2003年以降の全ての新築住宅は室内の空気汚染濃度は基準値以下になるように設計されています。

つまり、今の住宅はある程度安心しても大丈夫です。

しかし、現在でも入居後にシックハウス症候群の症状を訴えるケースもあるため、入居直後は注意してください。

 

シックハウス症候群の原因と症状

シックハウス症候群の原因は、家を建てるときに使われる接着剤や塗料、防腐剤、防蟻剤などに含まれる揮発性有機化合物です。
揮発性有機化合物とは、常温常圧でも揮発する(気体になる)化学物質のことです。

他にも、カビやダニなどの微生物による空気汚染も原因になると言われています。
現在厚生労働省では、13種類の揮発性有機化合物に対して濃度の基準を設けています。

  • ホルムアルデヒド
  • アセトアルデヒド
  • トルエン
  • キシレン
  • エチルベンゼン
  • スチレン
  • パラジクロロベンゼン
  • クロルピリホス
  • テトラデカン
  • フタル酸ジ-n-ブチル
  • フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
  • ダイアジノン
  • フェノブカルブ

これらの揮発性有機化合物や、カビやダニなどの微生物に汚染された空気により、アレルギー反応を引き起こすのがシックハウス症候群です。

シックハウス症候群は家を原因とする健康障害の総称ですが、代表的な症状には以下のものがあります。

  • 頭痛
  • 吐き気
  • めまい
  • 倦怠感
  • せき
  • くしゃみ
  • 目や皮膚の痛み

外に出てしばらくすると症状がおさまったり、反対に家にいるときに不調になるようであれば、シックハウス症候群の可能性が高いと考えられます。

 

やっておきたい対策

せっかく楽しみにしていた新居での生活を、シックハウス症候群で台無しにされないために、あなたができる対策をお伝えします。
しっかりと対策をして、大切なご家族を守ってあげてください。

 

建てる前にできること

まず、建てる前にシックハウス症候群に対してどのように考えている会社なのかを確認をしておくことが大切です。
使用している建材や過去の健康被害の報告など、必ず確認しておきましょう。
建材の判断の目安として、ホルムアルデヒアド等級を確認しておくといいでしょう。

ホルムアルデヒド等級とは、厚生労働省が定める13種類の揮発性有機化合物の中でも、特にシックハウス症候群の原因として名前があがることの多かった「ホルムアルデヒド」の放散量の表示です。

JIS規格の製品にはこの表示が義務付けられていますので、必ず確認することをオススメします。

等級はF☆☆☆☆(エフフォースター)~F☆(エフスター)まで4つあります。

F☆☆☆☆ ホルムアルデヒドの飛散がゼロまたは限りなくゼロに近い建材
F☆☆☆ 建材に使用することは可能ですが、使用箇所や使用量に制限あり
F☆☆
F☆ 建材として使用することができない

現在ではほとんどの会社がF☆☆☆☆を使用しておりますが、一部でそれ以外を使用している会社もあります。
違法建築でない限り、厚生労働省の基準を満たす量しか使用していないですが、少量とは言えホルムアルデヒドが飛散することには違いありません。

全ての建材でF☆☆☆☆を使っている会社の方が安心できるでしょう。

 

入居後にできる対策

さきほど簡単にご説明した通り、揮発性有機化合物の基準値は、「入居後しばらくしてから」クリアするように定められています。

そのため、入居後まもなくは基準値を超える揮発性有機化合物が検出されることもあります。
入居してしばらくは、1日中換気扇をまわし、こまめに窓を開けるなど、徹底した換気を心がけてください。

お引き渡しから入居まで期間がある場合、室内に化学物質が蓄積している可能性もありますので、入居までの留守の間も必ず換気扇を回し続け、室内の空気を循環させることが大切です。

揮発性有機化合物は、低温でも揮発しますが、室温が高い方がより揮発します。

入居後すぐに締め切った状態で室内を温めると、揮発を促進してしまいますので注意が必要です。

冬場は寒いかもしれませんが、入居して1ヶ月程度は積極的な換気を心がけてください。
さらに、こまめに換気をすることでカビやダニなどへの対策にもなります。
カビやダニ対策について、詳しくはこちらを参照ください。

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見落としがちなのが家具

シックハウスという名前から、ついつい家ばかりに目がいき、見落としてしまう方が多いのが家具です。
家具に使用される接着剤や塗料にも、シックハウス症候群の原因となる揮発性化合物は使用されています。
しかし、家具にはシックハウス対策の表示は義務化されていません。

そのため、家具から揮発した有機化合物が原因で、シックハウス症候群になってしまうケースもあります。
アレルギー体質の方などは特に、家具に使用されている接着剤や塗料への注意が必要です。

 

まとめ

いかがでしたか?

1990年代には社会現象にもなったシックスハウス症候群は、厚生労働省が厳しい基準を設けたことで、現在ではその数はかなり減りました。

しかし、ゼロになったわけではないので、特に入居直後は注意が必要です。
シックハウス症候群の原因は、接着剤や塗料、防腐剤、防蟻剤などに含まれる揮発性有機化合物と、カビやダニなどの微生物による空気汚染です。

シックハウス症候群にならないためには、3つの対策を心がけてください。

  1. 家を検討している段階では、ホルムアルデヒド等級をはじめとする、シックハウス症候群の対策をしているか会社に確認する。
  2. 家が完成して入居する際には、しばらくはこまめに換気をします。換気扇はできるだけ回したままにすると効果的。
  3. アレルギー体質の方などは特に、購入する家具にも注意をしてください。

これで、シックハウス症候群はかなり抑えることができます。
新居で始まる新しい生活を最高のカタチで迎えられるよう、この記事を参考に対策をして、シックハウス症候群からあなたとご家族を守って頂ければ幸いです。

シックハウス対策も含め、いい家を建てるためにはいい会社に出会うことが絶対条件です。
いい会社に出会うためには、複数の会社を比較することが最も効果的ですが、いくつもの会社を訪問するのはとても手間がかかって大変です。

そこで、うまくカタログを活用する方法をオススメします。
いい会社に出会い、いい家を建てたいと考えている方はぜひこちらの記事も参考にしてください。

 

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