1. TOP
  2. 新築
  3. 持ち家の固定資産税をシュミレーション!税金を抑える減税制度とは

持ち家の固定資産税をシュミレーション!税金を抑える減税制度とは

 2022/10/10 新築 補助金・節税
 

マイホームを購入後、毎年必ず発生する『固定資産税』。

正確な支払額は家が完成しないと分かりませんが、事前に目安を知ることで備えることができます。

今回は、固定資産税を詳しく説明します。

税金の負担を抑える減税制度の特徴や条件を知り、うまく活用しましょう!

 

固定資産税とは

固定資産税とは、所有する土地や建築物にかかる税金のことです。

課税対象は、住宅などの物件だけでなく畑や納屋、山林なども含まれます。

また、固定資産税は地方税の一種で、納付先は市区町村

毎年1月1日時点で、固定資産課税台帳に記載されている所有者全員に納税義務が課されます。

支払方法は、一括払いまたは2月・6月・9月・12月の計4回に分けて払うことが可能。

4〜6月にかけて納税通知書が届きますので、指示にしたがって各地域の市町村へ支払いを行いましょう。

もし、払い忘れてしまうと延滞料金がかかり余分な金額を支払うハメになることも。

何らかの事情で支払いが苦しい場合は、早めに各役所へ相談することをオススメします。

 

固定資産税の目安額はいくら?

固定資産税と言っても一律で決まっているわけではありません。

具体的には、地域や間取り・設備、それに変動する土地の価格を鑑みて税額が決定されます

また、土地には『定価』がなく、土地を何に利用するかによって基準が異なるため、複数の価格が存在します。

そのため、固定資産税を算出する際には、土地が面している道路の路線価をもとに、土地の評価額を決める固定資産税路線価も土地の価格を決める一つの目安となるのです。

総務省が公開する資料によると、H29年度課税対象となる土地は、1億7,987万筆、建物は5,870万棟と記載されています。
(※参考資料 固定資産税の現状と課題

また、同資料によれば、H28年度の土地の税収入は3兆3,927億円、建物は3兆7,870億円です。

これらは全体のデータであって、一戸建てやマンションなどの区別はありません。

上記のデータを参考に、固定資産税の目安を割り出すと一戸建てあたり約83,375円と推測されます。

ただし、一戸建てに比べマンションは、土地よりも建物の比率が多く、経年による価値の減少が緩やかなため、固定資産税評価額が低くなりにくいといえそうです。

 

固定資産税の計算方法は?

固定資産税は『固定資産税評価額』に『標準税率の1.4%』をかけた額

条件によって軽減措置を受けることができるので、自身の条件がどのようになっているのか理解することも重要です。

また、固定資産税は3年に1度評価替えがあり、固定資産評価額に基づき変動するものともいえます。

 

固定資産税評価額とは?

固定資産税評価額(課税標準額)とは、固定資産税を算出する際に基準となる価格

固定資産税評価額の目安を知りたい場合は、国土交通省が提示している地価公示価格で検索すればすぐに確認することができます。

一般的に土地の時価60〜70%程度、建築物は50〜70%程度が固定資産評価額の目安です。

その他に、固定資産税評価額は、都市計画税や不動産取得税の計算にも使用されています。

 

持ち家が払う税金の種類

固定資産税と都市計画税の2種類です。

固定資産税は、不動産を所有している全ての人に課せられる税

都市計画税は、市街化区域に不動産を所有している人のみに課せられる税です。

市街化区域とは、市街地として栄えている地域や、10年以内に市街化を計画している地域のことを指します。

所有する不動産が都市計画税の対象地域なのかは、各自治体の税課に問い合わせするか、もしくはインターネットでも簡単に確認することが可能です。

都市計画税の計算方法は『固定資産税評価額』×『制限税率0.3%』で算出されます。

 

一戸建てとマンションの維持費の違い

戸建てとマンションでは支払う税金の負担額は大きく違います。

その理由の一つは、土地だけでなく経年劣化により建物の評価額が変わるため。

また、不動産を所有すると税金だけでなく、修繕費などの維持費も全て自分で負担しなければいけません。

ここでは、維持費にはどのようなものが発生するのか、詳しくみてみましょう。

 

一戸建てにかかる年間の維持費は?

先に述べたように、固定資産税と都市計画税は、固定資産税評価額にそれぞれの税率をかけることで算出されます。

また税以外に、もしもに備える保険費用も維持費の一つです。

例えば、火災保険の場合、水災や地震保険などの補償をどこまでつけるかにもより変動しますが年間約5千円~1万円が相場でしょう。

築年数が経つと修繕費用も発生します。

新築の場合、数年間は修繕が発生しないケースが一般的ですが、築10年を過ぎたころから必要になってくることがあります。

特に、雨風にさらされる外壁や、頻繁に使用する水回りは修繕が発生しやすい箇所です。

例えば、30坪の建物で20年後に外壁塗装を行った場合、修繕費用は約100万円前後。

水回りの修繕費用の相場は、約50万~150万前後。

どの程度の修繕を行うかにもよりますが、20年後に250万円の修繕すると想定した場合、月々1万円弱の積み立てが必要となります。

これらに加え、住宅ローンの支払いを月々行っていくようになります。

 

マンションにかかる年間の維持費は?

マンションも税金負担だけでなく、一戸建てとはまた違った維持費が発生します。

管理費用はマンション特有の維持費の一つ

エントランスや廊下、ゴミ捨て場など共有部分の設備管理や清掃は管理会社が行うのが一般的です。

管理費用はマンションにより差はありますが、月々1万円~2万円が相場

ただし、購入費用が1億円を超えるような高級マンションは、管理費も相場より高くなる傾向にあります。

その他にも、自家用車を所有している場合、駐車場代も発生しますね。

例えば、東京23区内だと月極駐車場は3万円~5万円が相場です。

また、戸建て同様、修繕費用の積み立てや保険料も発生します。

一戸建てに比べると、マンションのほうが維持費は高い傾向にありますね。

中古マンションの購入などで、築年数長い住宅の場合、修繕積立費は高額になります。購入を検討する場合は、管理費・修繕積立費を確認しましょう。

 

固定資産税をシミュレーションしょう

前提条件を揃えて、実際のケースを参考に違いをみてみましょう。

対象エリアは東京都、床面積100㎡を想定しています。

 

一戸建て

土地2,200万円、建物800万円で合計3,000万円の新築の木造の場合。

1年目の課税額は約6万円、3年目は約5万円、5年目の約7万円以降は約6万円を推移します。

新築住宅の特例措置が適用され負担額に差がでています。

新築住宅の特例措置とは、新築住宅に対して固定資産税の負担を一定期間減額する特例です。

条件をクリアすれば新築後の3年間は、固定資産税が2分の1に減額されます。

新築住宅の特例措置は、注文住宅であっても、建売住宅であっても、マンションであっても適用可能です。

 

マンション

土地800万円、建物2,200万円で合計3,000万円の新築鉄骨造の場合。

1年目の課税額は約10万円、3年目と5年目は約9万円、10年目は約14万円

戸建ての新築住宅の特例措置が3年に対し、耐火構造住宅の特例期間は新築後の5年間です。

耐火構造住宅とは、壁や床などが一定の耐火性能をもつ住宅のこと。

階数や構造の種類によってその基準は異なりますが、最長で3時間の火災に耐えられるなどの高い性能が求められます。

3階建て以上の耐火構造住宅または、耐火構造に準ずる準耐火構造の建築物は、新築後から5年間にわたって減税対象に。

戸建てと比べると10年後には2倍近く負担額に差があることがわかりますね。

その他、主要構造部分を耐火構造とした建築物や建築基準法第二条に該当する建築物は『3階建て以上の中高層耐火建築物』となり、減額期間は7年間延長されます。

 

固定資産税を安く抑える減税制度とは

購入時だけでなく年間課される税は厄介な存在。

控除を正しく理解し、負担額を軽くしましょう。

また、新築住宅に適用される固定資産税の減税措置は当初2022年3月31日までの予定でしたが、税制改正により延長されました。

よって、2025年12月31日までに入居した住宅に対し適用されます。

 

住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、住宅ローンを活用して家を購入した際、年末時点での住宅ローンの残高1%が入居の1年目〜10年間にわたり所得税などが控除される制度です。

要は「大きな買い物をしたので、毎月の税負担を軽くしますよ」という有難い制度。

活用条件はこちら。

  • 返済期間が10年以上
  • 所得合計が3,000万円以下
  • 購入者自身が住んでいること
  • 専有面積が50㎡以上かつ2分の1以上が自身の居住用であること

条件の範囲が広いこともあり、多くの人が活用でき、人気の高い制度といえますね。

会社員の場合、初年度のみ確定申告での手続きが必要です。

確定申告は、翌年の2月〜3月までに申請しなければならないという期限が決まっています。

以降は、基本的に源泉徴収で手続きを行えばOKです。

 

長期優良住宅

長期優良住宅とは、長期間良好な状態で使用できるよう、構造や設備が整った家屋のことです。

長期優良住宅には認定基準があり、クリアすることで得られるメリットが多くあります。

例えば、住宅ローン控除の拡大。

通常住宅ローン減税の借入限度額が3,000万円であることに対し、長期優良住宅などの場合、最大5,000万円まで引き上げに。

それに伴い、控除額も2倍近く増加します。

その他にも、固定資産税の特例期間が通常3年に対し、5年間対象期間が伸びることも。

ご覧のように多額の費用を用いて長期にわたり住むことを前提にした住まいは、優遇制度が手厚いことがわかりますね。

 

耐震化の改修

中古住宅を購入やリフォームの際に、耐震性強化の改修をすることで固定資産税を最大2分の1まで減額可能

ほかにも、耐震化に関する補助制度は各自治体に多くあります。

お住いの自治体に問い合わせるか、市町村のホームページからでも簡単に確認することができますよ。

まずは、事前にチェックしてみましょう。

 

バリアフリー

バリアフリー化へのリフォームについても減税制度があります。

一定の条件をクリアすれば、リフォームを行った住宅の翌年の固定資産税が3分の1に軽減されます。

耐震化も含め、自身での申告が必要となる制度のため、事前に要件を把握し活用を検討しましょう!

 

省エネ化

省エネ改修工事を行った翌年の固定資産税額が1年間3分の1に減税されます。

例えば、窓や床等の断熱改修や太陽光発電システムの設置などが対象です。

その中でも、窓の断熱改修は必須となっており、断熱性の高いガラスに変えることで省エネ化に繋がります。

また、省エネ化することで日常の電気代などのランニングコストが安くなるうえ、部屋の居心地も良くなるなどQOLが上がる要因も多くあるためオススメの減税制度です。

 

持ち家の税金が高くなる事例

さまざまな理由で持ち家を空き家にすることがあります。

こちらは一例です。

  • 購入後、仕事の都合で住めなくなった
  • 購入後、実家での同居が必要となり住めなくなった

どのような都合でも、固定資産税は不動産を所有している全ての人に課せられる税のため、手放さない限りは支払う義務があります

もしも、空き家を放置して衛生管理が悪いとみなされると『特定空き家』に認定され、減税の対象外となってしまう恐れも

その他にも、建物を取り壊し更地にした場合であっても減税の対象外とみなされるため、取り壊すか、そのままにしておくかはどちらが良いのかしっかりと計画を立ててから実践しましょう。

 

固定資産税を抑える土地活用

空き家や更地を所有している場合は、その土地を活用してお金を稼げるようにすることをオススメします。

不動産は使用していなくても課税されるので、うまく土地活用を行い負担額をプラスに変えていきたいですね。

ここでは、3つのケースを紹介いたします。

 

売却する

土地管理が苦手な人や土地活用を面倒に感じる人は売却してしまうのがオススメ。

手放すことで、まとまった資金が手に入ると同時に、固定資産税の支払いもなくなります。

購入当初より高く販売できなくても、今後の手間を考えると良い案の一つですね。

売却の際は、相見積もりをとることで、より利益の出る業者に依頼しましょう。

インターネットを使用すれば、物件売買の一括サイトで簡単に現在の価値を知ることができるので、売却の有無にかかわらず1度調べてみることもオススメです。

 

賃貸経営する

まとまった土地を所有しているなら、マンションやアパートを経営するのも良い案です。

最初は高額な買い物となりますが、毎月の家賃収入は大きな資産の一つになります。

また固定資産税からみても節税効果は高いといえます。

居住用の区画ごとに200㎡までであれば、小規模住宅用地の特例が適用されるからです。

小規模住宅用地の特例とは、条件をクリアすれば固定資産税は評価額の6分の1かつ、都市計画税は3分の1に軽減されます。

 

駐車場経営

更地を駐車場として活用する方法もあります。

建物がない場合、減税制度は活用できませんが、その代わりに、支払う固定資産税以上の収入が得られる見込みがあればプラスになります。

店舗が多い土地ならコインパーキング。

会社が近いオフィス街や住宅街なら月極駐車場。

所有する土地の周辺環境を見極めることが重要といえるでしょう。

 

まとめ

今回の記事では、持ち家の固定資産税について、詳しく解説しました。

固定資産税は、不動産を所有する全員に課せられる税です。

その算出方法はこちら。

『固定資産評価額×1.4%=固定資産税額』

土地や間取り、築年数などさまざまな条件で変動しますが、戸建ての場合は年間10万円~15万円。

マンションの場合は年間10万円~20万円が目安です。

 

固定資産税を安く抑える減税制度はこちら。

  • 住宅ローン控除
  • 長期優良住宅
  • 耐震改修
  • バリアフリー
  • 省エネ化

などがあり、リフォームする場合も多くの補助金制度があるため事前に自治体へ問い合わせすることをオススメします。

 

もし、空き家になってしまうのであれば土地活用も検討してみましょう。

更地や空き家の放置は税負担だけがのしかかりマイナスとなってしまいます。

思い切って売却する他にも、賃貸や駐車場として活用し副収入をつくることを視野に入れてみてはいかがでしょうか。

この記事を参考に、固定資産税についてや減税制度の知識を深め、適切な判断をし、金銭的な負担を減らしていただけることをお祈りしております!

 

 

くれぐれも、マイホーム作りは慎重に…

 

 

この記事の監修:嵯峨根 拓未

所有資格:二級建築士、宅地建物取引士

 

\ SNSでシェアしよう! /

おうちの悩み.comの注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

おうちの悩み.comの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

和田光代

和田光代

建築マニアなライター。
一眼レフ片手に旅行するのが趣味。

世代を超えて愛され続ける家とは?をテーマに
建築について勉強中です。

一戸建て、マンション、アパート、団地などへの7回の引っ越し経験から、
居心地の良い家づくりを提案します♪

こちらの記事も一緒に読まれています

  • 不動産売却後の固定資産税は誰が支払う?精算方法は?

  • 固定資産税は何坪から上がる?計算例と上がらないための方法

  • 固定資産税は坪数で支払う額が変わるの?高くなる坪数の境目は?税のお悩み解決

  • 土地を活用する方法4選!売る・貸す・運用・共同活用で収益を最大化

  • 一戸建て・マンションの固定資産税はいくらかかる?相場や計算方法を解説