新生児に黄疸や湿疹が出て心配・・・気を付けたい病気や症状
生まれたばかりの赤ちゃんの平均体重は約3キログラム、身長は約50センチです。
生後4週間までの赤ちゃんを「新生児」と呼びます。
この頃は、赤ちゃんにとって外の世界に適応する為の重要な時期です。
生まれたばかりの小さな赤ちゃん。
ママとパパは、少しの変化で不安になってしまいますよね。
特に1人目の赤ちゃんなら、その不安もなおさらだと思います。
「心配しすぎ」と言う人も多いですが、その心配の中に1つでも、本当に気を付けなければいけないことがあったとしたら、後で後悔してもしきれませんよね。
新生児の世話は、心配しすぎくらいがちょうどいいんです。
赤ちゃんが精いっぱい出している小さなSOSを、絶対に見逃してはいけません。
この記事では、生後0ヶ月の新生児の赤ちゃんについて、詳しく説明します。
- 成長の様子や特徴
- 授乳やミルクについて
- 注意するべき病気など
あなたがこの記事を読んで、少しでも新生児の赤ちゃんのお世話に対する不安を拭って頂ければと思います。
新生児の体重
出生時の体重や身長は、男女差や個人差がありますが、平均体重は約3キログラム、平均身長は50センチです。
男の子
・体重 2.10〜3.76キログラム
・身長 44.0〜52.6センチ
女の子
・体重 2.13〜3.67キログラム
・身長 44.0〜52.0センチ
新生児の体重増加の目安は1日20〜30グラム。
1ヶ月検診で出生時の体重より700〜1,000グラム増えていれば、おっぱいやミルクをしっかりと飲めていることになります。
しかし、新生児の赤ちゃんは、おっぱいやミルクを飲む量よりも排泄する量が多いために、生後5日目位に体重が1割ほど減少します。
これは、「生理的体重減少」といわれているもので、自然現象なので心配する必要はなく、生後7〜10日ほどで出生時の体重に戻り、その後は増えていきます。
ただし、体重が1割以上減ってしまっている場合は、脱水や黄疸(おうだん)、低血糖などの場合がありますので、医師や助産師さんにすぐに相談してください。
また、便がうまく排出されずにお腹がはってしまったり、嘔吐するといった症状がみられる場合は、ヒルシュスプリング病や腸の異常が疑われます。
このような場合も、すぐに医師や助産師さんに相談してください。
生後7〜10日過ぎても体重が増えない場合は、おっぱいやミルクをうまく飲めてない場合もあります。
乳腺が詰まっておっぱいの出が悪かったり、乳首が固くてうまく飲めていない可能性もありますので、医師や助産師に相談し、おっぱいを冷やしたり、マッサージするなどの処置をしましょう。
新生児の赤ちゃんの特徴
この頃の赤ちゃんは、1日の大半を寝て過ごします。
まだ昼夜の区別はなく、眠りも浅く2〜3時間おきに目を覚まします。
赤ちゃんは新陳代謝が盛んなため、体温は37度前後と高めです。
呼吸や脈拍も大人の倍以上の速さです。
視力は0.01〜0.05位で目の前から約30センチ先にあるものがぼんやり見える程度です。
耳はよく聞こえていて、においや甘い味、寒い、暑い、痛いなどもわかります。
この時期に、生きていくために必要な五感が急速に発達していきます。
また、生まれてすぐにおっぱいを飲めるのは、口に触れたものを吸う吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)によるものです。
その他にも、手のひらに指が触れるとつかむ把握反射(はあくはんしゃ)や、音に反応して両手を広げるモロー反射などもあります。
これらは原始反射と呼ばれ、意思とは関係なく、生きるための本能的な動作で、生後4〜5ヶ月頃にはなくなっていきます。
新生児のかかりやすい病気や注意したい症状
新生児はお腹の中でママから抗体をもらっていて、さまざまなウイルスや細菌から守られています。
しかし、ママの抗体も万能ではなく、全ての病原体から守ってくれるわけではありません。
そのため、日頃から赤ちゃんの体調をしっかりと観察しておく事が大切です。
新生児がかかりやすい病気や注意するべき症状はいくつかあります。
以下のような症状が見られるときは、すぐに病院を受診してください。
百日咳
百日咳菌に感染すると、1〜2週間咳や鼻水など風邪のような症状が続きます。
その後、息ができないほどの激しい咳が2〜3週間続きます。
生後6ヶ月以下の子供が感染すると、肺炎や脳炎など命に関わる可能性がありますので、百日咳が疑われる場合はすぐに病院を受診してください。
感染性胃腸炎
ウイルスや細菌感染により、胃腸が炎症を起こす病気です。
主な症状は嘔吐や下痢、発熱があります。
新生児は嘔吐しやすいため発覚が遅れがちですが、少しでも不安を感じたら病院に行ってください。
尿路感染症
おしっこの出口である尿道口から、ウイルスや細菌が尿路に侵入して炎症を起こす病気です。
症状は、尿の頻度が増えて排尿時に痛みを感じます。
赤ちゃんの場合は、痛みを言葉では伝えられないため、機嫌が悪くなったり、おっぱいやミルクの飲みが悪くなったりします。
新生児髄膜炎(ずいまくえん)
脳や脊髄(せきずい)を包み込んでいる髄膜(ずいまく)の中に、ウイルスや細菌が入り込んで炎症を起こす病気です。
新生児髄膜炎が起きると、後遺症や命に関わる可能性があるので注意が必要です。
高熱や嘔吐、おっぱいやミルクの飲みが悪い、意識低下、顔色が悪くぐったりしている、痙攣や呼吸困難などの症状が見られます。
黄疸(おうだん)
黄疸は、血液中のビリルビンという物質の濃度が高くなって起こる病気です。
ビリルビンは、黄色い色素を持っているので濃度が高くなると、肌や粘膜が黄色く見えるようになります。
新生児の血液には赤血球・ヘモグロビンがたくさん含まれており、生まれると同時にこれらの大量の赤血球が徐々に分解されるために、ビリルビンが一時的に増加します。
新生児の肌や白眼が黄色くなる黄疸はよく見られ、生後1〜2週間で次第に治まります。
また、母乳で育児をしている場合は生後1ヶ月を過ぎても黄疸の症状が残る場合もあります。
母乳に含まれるホルモンが肝臓の酵素の働きを弱めるために、ビリルビンの処理が遅れてしまい、黄疸症状が続きます。
黄疸は新生児によく見られる症状ですが、長引く場合は注意が必要です。
母乳性黄疸の可能性もありますが、黄疸が濃くなった場合は、新生児溶血性黄疸や先天性胆道閉鎖症といった病気にかかっている可能性があります。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
噴水状の嘔吐
おっぱいやミルクを飲むのに慣れていないので、うまく飲み込めず嘔吐してしまう場合があります。
体重がしっかり増えていれば心配ありませんが、授乳の度に噴水状の嘔吐がある場合は、胃の出口が狭くなっている幽門狭窄症(ゆうもんきょうさくしょう)の可能性があります。
痙攣
新生児が顔色も悪く、手足を小刻みに震わせている場合、痙攣を起こしている場合があります。
頭蓋内出血などの脳の病気や、先天性代謝異常や感染症の可能性があります。
湿疹
新生児は肌のバリア機能が弱く、乳児湿疹が出来やすいです。
自然に治まりますが、肌を清潔にしてしっかり保湿してください。
乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の見分けがつきにくいので、肌を清潔にしてしっかり保湿していても改善されない場合は、一度医師に診察してもらいましょう。
新生児のお世話のポイント
新生児は寝たと思ったら泣いて、おっぱいやミルクを飲んでまた眠り、しばらくしてまた泣いて、おむつを変えたらまた眠るという毎日です。
赤ちゃんは夜も頻繁に目を覚ましますので、ママも寝不足になると思います。
辛いかもしれませんが、赤ちゃんが頼れるのはあなただけです。
しばらくは、赤ちゃんのペースに合わせて過ごしてあげてください。
授乳間隔は不規則で大丈夫
このころの赤ちゃんは、おっぱいやミルクの飲み方が下手で、母乳育児のママもまだ母乳の出が少ないため、授乳間隔は不規則になりがちです。
赤ちゃんが乳首を吸う刺激が母乳の分泌を促すので、泣いたら飲ませてあげてください。
一ヶ月もたつと次第に上手に飲めるようになります。
おむつが汚れたらすぐに取り替える
新生児は、尿がたくさん作られますが、膀胱に長く尿をためられないので、一日に10〜20回おしっこをします。
うんちは黄色かやや緑がかった色で、固さは液体状だったり、泥状だったりします。
赤ちゃんは肌が弱いので、おしっこやうんちで汚れたおむつをつけたままにしておくと、おむつかぶれを起こしてしまいます。
泣いた時はもちろんですが、それ以外のタイミングでも小まめにチェックして、汚れていたらすぐに取り替えましょう。
決まった時間に沐浴
新生児は、大人と一緒にお風呂に入れません。
へその緒が乾いていない時は、大人と一緒にお風呂に入ると、細菌に感染する可能性があるので、1日1回沐浴をさせてあげてください。
沐浴とは、ベビーバスに浸かることをいいます。
お湯の温度は38〜39度位にします。
肌が弱く、やけどしやすいので温度には十分注意してください。
手のひらや首、耳の後ろ、わきの下、股などは汚れがたまりやすいので、石鹸で綺麗に洗います。
洗い終えたらあがり湯をかけて、バスタオルで優しく押さえるように拭きます。
赤ちゃんは肌が弱いので、沐浴後は新生児から使える保湿クリームやワセリンでしっかりと保湿してあげてください。
へその緒の消毒も忘れずにしましょう。
一ヶ月健診で医師から許可が出たら一緒にお風呂に入れるようになります。
室温調整は大切
赤ちゃんは体温調節がまだうまくできないので、一ヶ月健診の頃までは室内で過ごします。
エアコンを上手に利用して、赤ちゃんが過ごしやすい室温を保ちましょう。
室温は外気温との差が5度前後、湿度は50〜60%位が理想です。
湿度が高いときは除湿器を利用したり、湿度が低い場合は加湿器を利用します。
また、時々窓を開けて空気の入れ換えを忘れないように注意してください。
ベッドの周りには気を付ける
やわらかすぎる布団やタオル、ぬいぐるみなどが赤ちゃんの顔にかかると、赤ちゃんは自分で取り除く事が出来ず、窒息してしまうことがあります。
また、壁にかけたカレンダーやベッドメリーが落ちると大けがにつながる恐れもあります。
ベッドの周りには物を置かないようにして、安全な空間で赤ちゃんを寝かせてあげられるよう注意してください。
赤ちゃんを寝かせるときはあおむけに
医師から、うつ伏せ寝を勧められている場合以外は、あおむけにして寝かせましょう。
うつ伏せ寝は、SIDS(乳幼児突然死症候群)の危険性を高めると言われています。
SIDSの原因はまだ解明されていませんが、睡眠中の呼吸機能の低下と関連があると考えられています。
赤ちゃんが寝ているときに一人にしないことも大切です。
出産に伴う手続きは早めに済ませる
出産すると、役所に提出しなければいけない書類があります。
遅れてしまうと、助成金が受けれないこともありますので、早めに手続きをしましょう。
具体的に、以下の書類を役所に提出しなければいけません。
出生届
赤ちゃんが生まれた日から数えて、14日以内に本籍地または居住地、出生地の役所に提出してください。
赤ちゃんの健康保険加入
一ヶ月健診時に赤ちゃんの健康保険証が必要になります。
居住地の役所か勤務先に早めに加入手続きをしてください。
乳幼児医療費助成
赤ちゃんにかかる医療費が控除されます。
申請する際に、赤ちゃんの健康保険証が必要になります。
健康保険証を持って居住地の役所に手続きに行ってください。
児童手当
育児にかかる費用の補助が受けられます。
出生日から15日以内に居住地の役所に申請してください。
出産手当金
働いているママで、産休中に給料が出ない人は、健保組合から手当が支給されます。
産休前に勤務先で申請書をもらい、組合へ提出してください。
育児休業給付金
ママ・パパが育児休暇をとる場合に受け取れる給付金制度です。
育児休暇をとる前に、勤務先に育休期間を申告して用紙をもらい、職場の就業規則で決められた期限までに書類を提出してください。
ママも赤ちゃんのペースで休んでください
新生児期は、おっぱいとおむつ替えの繰り返しで一日が終わってしまうといってもいいほどお世話に忙しい時期です。
睡眠も、まとめてとれない日が続き、ママもぐったりしてしまうことでしょう。
赤ちゃんのお昼寝に合わせ、少しずつでも休んでください。
特に初産の場合、わからないことだらけで神経もすり減ってしまう方も多いと思います。
無理をすると育児ノイローゼになったり、ママ自身に危険が及ぶこともあります。
一人で抱え込まず、ご両親や旦那さんなど、身の周りの人達に助けを求めることが大切です。
新生児期は1ヶ月しかありません。
大変な時期ですが、とても貴重な1ヶ月。
この1ヶ月を楽しく幸せに過ごせますよう、願っております。
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