感情が豊かになる生後6ヶ月!風邪をひきやすいので注意
生後6ヶ月の赤ちゃんは、少しの間なら1人でお座りしておもちゃで遊べるようになります。
赤ちゃんの起きている時間が長くなる、可愛い乳歯が生える、手に持ったおもちゃを逆の手に持ち変えるなど、ますます赤ちゃんの成長が楽しくなってきます。
今回は、生後6ヶ月の赤ちゃんの特徴とかかりやすい病気や注意したい症状についてお話します。
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体重や身長の伸びがゆっくりに
生後6ヶ月の赤ちゃんは、寝返りが出来るようになったり、短時間なら1人でお座りが出来るようになります。
体全体をよく動かすので、運動量が増えて身長や体重が生後5ヶ月のころとあまり変わらない赤ちゃんもいます。
生後6ヶ月の赤ちゃんの身長と体重の平均は以下の通りです。
男の子
体重 6.44〜9.57キロ
身長 63.6〜72.1センチ
女の子
体重 6.06〜9.05キロ
身長 61.7〜70.4センチ
厚生労働省が発表しているデータによると、生後6ヶ月以降の体重の成長曲線のカーブがゆるやかになっています。
赤ちゃんの機嫌もよく、食欲もあり、排便回数も変わらないようであれば、体重が増えなくても特に心配ありません。
どうしても不安な場合は、6ヶ月検診の時に医師や保健師に相談してください。
生後6ヶ月の赤ちゃんの特徴
だんだん自己主張が出来るようになってくる生後6ヶ月の赤ちゃんは、ママやパパと他の人をはっきりと区別します。
ますます可愛さも増してくる生後6ヶ月の赤ちゃんの特徴を紹介します。
細やかな感情が芽生えて色々な理由で泣く
喜びや怒り、淋しさや悲しさなどの感情表現が豊かになります。
嬉しいときは、手足をバタバタさせて笑い声をあげ、自分の要求が満たされないと怒って大泣きします。
知らない人を怖がって泣いたり、大きな物音を怖がったりし始めるのもこの時期からです。
手の使い方が上達
両手におもちゃを持ったり、右から左に持ち替えたりする子が増えてきます。
ハンカチやタオルが顔にかかると自分で取ることもできます。
このころの赤ちゃんは「いないいないばー」が大好きです。
いっぱい遊んであげてください。
短時間なら一人でおすわりができる
少しの間なら、一人でおすわりができるようになります。
しかし、最初のうちは背中を丸めて前に両手をつく不安定な姿勢なので、倒れて頭をぶつけないように注意してください。
寝返りが上達して、脚で勢いをつけなくても腰をひねってくるりと回転できるようにもなります。
歯が生えてくる
歯が生えてくる時期は赤ちゃんによって差があり、かなり早い赤ちゃんで生後4〜5ヶ月に生えてきます。
平均的には、生後6ヶ月ごろに生え始めることが多いです。
上の歯と下の歯がペアで生えてくることが多いですが、通常は上の歯よりも前に下の歯が現れます。
女の子の方が、男の子よりも少し早く生えてくる傾向があるようです。
風邪をひきやすい
生後6ヶ月ごろから、ママからもらった免疫が切れてくるので、病気になりやすくなります。
また、外出する機会も増えるため、風邪をもらいやすくなります。
赤ちゃんの場合は、突然高熱が出てしまうことも多いです。
機嫌や食欲、便の様子などをしっかりと観察して、いつもと違う場合は早めに医師に診察してもらいましょう。
授乳間隔や回数
生後6ヶ月の赤ちゃんに授乳する回数は、1日5〜6回が目安になります。
ミルクの場合は、1日880〜1000ミリ程度与えましょう。
また、離乳食をお腹いっぱい食べることができないことが多いので、食後でも赤ちゃんが欲しがるだけ母乳をあげたり、必要な分だけミルクを飲ませてあげることが大切です。
離乳食はまだ完全な栄養源ではなく、母乳やミルクで赤ちゃんは栄養を摂取しています。
かかりやすい病気や注意したい症状
生後6ヶ月になると、ウイルスに感染しやすくなり、風邪をひくことが多くなります。
また、3種混合ワクチンの接種が済んでいない赤ちゃんは、百日咳(ひゃくにちぜき)に注意が必要です。
生後6ヶ月以降に、突然高熱や発疹が現れる突発性発疹にも注意してください。
この他にも、気を付けたい症状や病気を紹介します。
百日咳(ひゃくにちぜき)
百日咳の人からうつります。
鼻水や軽い咳で始まり、熱はほとんど出ないのが特徴です。
咳が出始めてから3週間ほどすると、しつこく連続して出る特徴的な咳が出始めます。
細菌感染なので、抗生物質で治療しますが、月齢が低い赤ちゃんは命に関わることもあります。
百日咳は3種混合ワクチンで予防できる病気です。
早めにスケジュールをたてて、予防接種を受けてください。
しつこい咳が出ている場合は早めに医師に診察してもらいましょう。
急性中耳炎
風邪をひいた時に一緒になってしまうことの多い病気です。
Hibや肺炎球菌が原因で中耳炎になることも多く、鼻や喉についた細菌が中耳に入り込んで炎症を起こします。
耳が痛いので赤ちゃんは手で耳を触ったり、激しく泣いたりします。
熱が出ることもあり、抗生物質による治療が基本です。
中で膿んでいる場合、中耳に穴をあけて膿を出すこともあります。
突発性発疹
突発性発疹は、発熱と発疹をともなう感染症です。
いつも通り元気にしていた赤ちゃんが、急に38〜39度、時には40度近い高熱を3〜4日間出します。
高熱のわりには赤ちゃんは元気にしている場合が多いのが特徴です。
熱が下がると同時に、おなかや背中に赤い発疹が出始め、半日位で全身に発疹が広がります。
発疹にあまりかゆみはありませんが、中にはかゆがる様子を見せることもあります。
突発性発疹は、別名「不機嫌病」とも呼ばれていて、赤ちゃんによっては発疹が薄くなるまで機嫌が悪いこともある大変な病気です。
季節性はなく、1年を通してかかる可能性があります。
生後6〜12ヶ月の赤ちゃんに多く、乳幼児期に90%の赤ちゃんが感染します。
感染した赤ちゃんのうち、約20〜40%は症状が現れません。
これを、「不顕性感染」と呼びます。
突発性発疹は、命に関わったり、後遺症を残したりすることは基本的にはありませんが、合併症を引き起こすこともあります。
合併症には、「脳炎」「脳症」といった脳の病気や、肝炎により肝臓が機能しなくなってしまう「劇症肝炎」、血小板の減少により出血しやすい状態が起こる「血小板減少性紫斑病」があります。
激しい嘔吐や、痙攣、黄疸症状、多数の内出血が見られる場合はすぐに病院に行き、医師に診察してもらいましょう。
高熱でつらそうなときは解熱剤を使い、水分補給をして安静に過ごしてください。
熱が下がるとウイルス感染力は弱くなりますので、発疹が残っていても、解熱して1日程度経過すれば、人にうつす心配はほとんどありません。
お世話のポイント
赤ちゃんが成長し、コミュニケーションが少しずつできるようになったり、新しい発見が毎日あって楽しい時期です。
しかし、生後6ヶ月の赤ちゃんは、少しずつ無意識のうちに移動していたりするので、ますます目が離せなくなる時期でもあります。
ケガや事故にもくれぐれも注意して、危ないものはすぐに片付けましょう。
寝る前のお風呂
早寝早起きの生活リズムを定着させたい時期です。
昼間はお散歩や体を使った遊びで活動的に過ごし、夜はお風呂で体をよく温め、湯冷めしないように早めに寝かせてください。
このころになると、夜中の授乳は自然に減っていきます。
赤ちゃんの要求を理解する
これまでは、主に不快なことを訴えるために泣いていましたが、さまざまな理由や目的があって泣くようになります。
「もっと離乳食を食べたい」「お気に入りのおもちゃをとって欲しい」などの要求を訴えるために泣くようになります。
赤ちゃんのしぐさや普段の様子から要求を理解して、解決してあげるようにしましょう。
歯のケアを始める準備
歯が生えてくる前に、離乳食の後は湯冷ましや麦茶を飲ませて口の中を清潔にすることを習慣づけてください。
歯が生えてきたら、湿らせたガーゼで歯を拭きます。
急にやると嫌がるので、授乳の後などに抱っこでスキンシップをしながら、口の周りや口の中を拭いて、口に触れられることに慣らしておきましょう。
様子を見ながら離乳食を1日2回に増やす
離乳食開始から1ヶ月ほどたち、ポタージュ状の離乳食を飲み込めるようになったら、1日2回に増やします。
2回目の離乳食は1回目から3〜4時間あけてあげてください。
離乳食は、少しずつ水分を減らしていきます。
茹でてすりつぶした白身魚や、しらす干しなども少しずつ加えていってください。
しかし、まだ1日に摂る栄養の8〜9割は母乳やミルクから摂ります。
欲しがるだけ飲ませてあげてください。
寝返りを始めたら家中の安全対策を
寝返りをはじめたら、家中の安全対策を始めてください。
階段の上と下やキッチンの入り口には柵を取り付けます。
お風呂の浴槽に落ちて溺れることもあるので、浴槽のドアに鍵をかけ、お湯を抜くことを忘れないようにしてください。
バケツや洗面器に水を張ったままにしておくのも危険です。
ベランダに1人で出られないように、鍵をかける習慣もつけてください。
6〜7ヶ月検診
おすわりや寝返りなどの様子をチェックします。
個人差が出始める時期で、寝返りはしなくても心配はありません。
手の機能、人見知りやおもちゃへの興味なども診ます。
なにか心配ごとや気になることがあれば、相談してください。
6〜7ヶ月検診を実施していない自治体では、自費になりますが、医療機関で個別に受けられます。
ハーフバースデーをお祝い!
生まれてから半年が経ちました。
長かったですか?あっというまでしたか?
誕生からの半年を振り返るとともに、これからの健やかな成長を願ってお祝いをしてあげてください!
部屋を飾り、おめかしして記念撮影をしたり、手形や足形をとったりして思い出を作りましょう。
つぶしたお粥に、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など、いつもの野菜の裏ごしをカラフルに飾れば、楽しい赤ちゃんのお祝いメニューになります。
親戚を呼んでみんなでお祝いしても素敵ですね。
生後6ヶ月は、人見知りが始まったり、感情豊かになる時期なので、赤ちゃんの機嫌を損ねないようにママやパパも一生懸命になってしまうかもしれません。
そんな時期も、今だけです。
赤ちゃんの成長の証だと思って、存分に赤ちゃんとの毎日を楽しみましょう。