後追いや不安定なつかまり立ちで危険がいっぱいの9ヶ月
生後9ヶ月の赤ちゃんは、はいはいが上手になり、つかまり立ちをする子もいます。
どんどん行動範囲が広がり、目が離せなくなる時期です。
ママやパパの言葉の意味も、少しずつ理解するようになりますが、赤ちゃんは危ないことはまだわかりません。
まずは整理整頓で、危ないものを常に排除して、事故を予防して下さい。
今回は、生後9ヶ月の赤ちゃんの特徴とかかりやすい病気や注意する症状についてお話します。
体つきが引き締まってきます
生後9ヶ月の赤ちゃんは、はいはいやつかまり立ちなどが出来るようになるため、行動範囲が広がり、体つきが引き締まってきます。
運動量が増え、離乳食を食べる量も増えてきます。
しかし、離乳食を食べる量にも個人差があるため、離乳食を食べなくても、母乳やミルクをしっかりと飲んでいれば気にする必要はありません。
身長や体重にも個人差が大きく現れますが、以下にご紹介する数値から大きく外れるようであれば、一度医師に診察してもらったほうがいいかもしれません。
男の子
- 体重 7.16〜10.37キロ
- 身長 67.4〜76.2センチ
女の子
- 体重 6.71〜9.85キロ
- 身長 65.5〜74.5センチ
生後9ヶ月の赤ちゃんの特徴
離乳食にも少しずつ慣れてくる赤ちゃんも多く、上手にモグモグして飲み込めるようになる時期です。
授乳回数も少なくなりますが、赤ちゃんの離乳食の食べ具合をよく見て、調整してあげてください。
はいはいが上達して後追いをする
はいはいが出来る赤ちゃんが多くなり、つかまり立ちをする子もいます。
また、はいはいでママの後を追い、ママが見えなくなると泣く「後追い」が始まる赤ちゃんもいます。
後追いは、ママという存在を強く認識している証拠で、他の人としっかり区別出来ているということでもあり、成長の証です。
成長は嬉しいことですが、一日中ママの姿を追いかけ、一瞬でもママの姿が見えないと大泣きしてしまう赤ちゃんもいるため、ママはトイレさえも行けなくて大変な時期でもあります。
急にママがいなくなると、赤ちゃんの不安をあおってしまい、悪化することもあるので、赤ちゃんから離れるときは「すぐに戻るから待っててね」と、その都度声をかけてあげて下さい。
後追いは、記憶力も発達する一歳半位までには落ち着いてくる赤ちゃんがほとんどです。
何度も繰り返すことで、「ママは戻ってくる」と理解させる事が大切です。
栄養のメインが離乳食に
そろそろ栄養のメインが母乳やミルクから離乳食に入れ替わります。
離乳食がしっかり食べられるようになると、食後のおっぱいやミルクの量は徐々に減っていきます。
離乳食の回数は、上手に飲み込めるようになってきたら、1日3回にしてください。
バナナくらいの固さのものを口の中で左右に移動させて、歯茎で噛んで食べるのが目標です。
栄養の60〜70パーセントを離乳食からとります。
言葉と意味がつながり始める
食べ物を「マンマ」といったり、身近な言葉が特定の意味を持っていることがわかり始めます。
また、危ない事をした時に、「ダメ」「いけません」と強い口調で言うと、叱られたことがわかり、やってはいけないと理解出来るようになってきます。
病気かも?こんな症状には注意!
ママからもらった免疫も切れて、ウイルス感染にかかりやすくなります。
ウイルス感染の予防は、日頃から手洗いや空気の入れ換え、温度や湿度調整などを行い、赤ちゃんの体調の変化や機嫌をよく観察して下さい。
少しでも様子がいつもと違う場合や、おかしいと感じた場合は無理をさせずに安静にして様子を見てください。
症状が悪化したり、咳や鼻水、高熱や下痢、嘔吐を繰り返す場合は病院に行き医師に診察してもらいましょう。
ロタウイルス胃腸炎
主な症状は嘔吐から始まり、しだいに下痢が見られ、発熱することもあります。
酸っぱい臭いがする白っぽい水状の便が、1日に何回も出るのが特徴で、脱水症状に注意が必要です。
ひどくなるとぐったりして水分を受けつけなくなったり、尿の出が悪くなり、入院して点滴する場合もあります。
下痢によってウイルスが排出されるので、無理に下痢を止めてはいけません。
また、下痢によってお尻がかぶれやすくなるので、座浴やシャワーでお尻を清潔に保ち、保湿クリームを塗ってあげて下さい。
ロタウイルス胃腸炎は生後2ヶ月からの任意ですがワクチンの予防接種がある感染症です。
経口投与によって体内に少量のウイルスを取り入れて抗体を作ります。
任意のワクチンですが、高い確率で発症しない、または重症化を防ぐ事ができます。
RSウイルス
RSウイルスによる呼吸器の感染症です。
2歳までのほぼ100パーセントの子どもがかかると言われているウイルスです。
気管から肺にウイルスが侵入し、肺炎や細気管支炎を発症し、ひどい咳や喘鳴(ぜんめい)、多呼吸などの症状が現れることがあります。
1歳未満の赤ちゃんは、RSウイルスにかかると重症化の恐れがあるため、入院の措置を取られることがあります。
「ゼーゼー」という症状が強く見られる場合や、周囲の感染状況によってRSウイルスの迅速検査が必要になることがあります。
月齢が低ければ低いほど重症化のリスクが高いので、注意が必要です。
生後9ヶ月の赤ちゃんのお世話のポイント
生後9ヶ月になると、離乳食が1日3回になります。
朝起きる時間が遅いと3回目の離乳食をとるのが遅くなり、就寝時間も遅なるという悪循環になってしまうことが多いです。
早寝早起きの生活習慣をしっかりとつけて、1日の過ごし方を見直してください。
手づかみしやすいメニューを加える
この頃から手で持って食べたがる赤ちゃんもいます。
自分で食べたいという意欲の現れなので、お行儀が悪いと思わずに好きなように食べさせてあげてください。
手づかみ食べは、食べ物の大きさや形を目で見て、固さや温度を手で握って確かめながら、ちょうどいい量をかじりとるトレーニングです。
棒状に切った野菜や、軽くトーストした食パンなどから始めてみてください。
また、鉄分が不足しがちになる時期でもあります。
レバーや赤身の肉や魚、卵、青菜や納豆、ひじきなども積極的に取り入れてあげてください。
安定した姿勢で食べさせる
おすわりがすっかり安定するころなので、そろそろ赤ちゃんに合ったいすに座らせます。
あごや舌に力を入れるには、足が床についていることが大切です。
足がつかないときは、踏み台や足のせ板で調整して下さい。
また、いすが大きいときは背あてなどで上体を安定させると食べやすくなり、食事にも集中しやすくなります。
戸棚にロックをつけて安全な環境を
はいはいやつかまり立ちが上手になり、指先も器用になってくるので、家中の安全対策をして下さい。
引き出しや戸棚を開けて中のものを引っ張り出して口に入れることもあります。
キッチンや食器棚、洗面台の棚などには、市販のセーフティグッズなどを活用してロックしてください。
9〜10ヶ月健診
はいはいの様子やつかまり立ちができるかどうかを観察します。
合わせて、指先でものをつまめるか、赤ちゃんの両わきを持って抱き上げ、体を急に前に傾けたとき、両腕を前に出してバランスをとろうとするか(パラシュート反射)などもチェックします。
発育や発達のチェックだけでなく、育児相談や、離乳食のアドバイスなども受けられるので、積極的に受けることをオススメします。
ますます目が離せない時期です
ハイハイをして好きな所に行けるようになり、ママやパパが思いもしないような場所にいて焦ってしまうことも多くなります。
生後9ヶ月の赤ちゃんは、まだつかまり立ちも不安定で、少しの衝撃でバランスを崩して倒れてしまいます。
頭が重く、頭から倒れることも多いため、注意が必要です。
後追いや人見知り、場所見知りなどで疲れてしまっているママやパパも多いと思いますが、赤ちゃんの安全を第一に考え、赤ちゃんの成長を楽しんで下さい。