新築やリフォームをするとき、トイレの床選びは意外と迷ってしまうものですよね。
汚れやすいトイレの床は、機能性をふまえたうえで、家族に合った素材を選ぶことが大切です。
今回は、トイレの床材の選び方のコツや注意点をお伝えします。
ポイントをおさえて、おしゃれで快適なトイレ空間にしましょう!
トイレの床を選ぶポイント
まずは、トイレの床材選びのコツをお伝えします。
トイレの床材に求めるポイントは、以下の6つです。
- 掃除しやすく、抗菌効果がある
- 水漏れや洗剤に強い
- 黒ずみなど汚れに強い
- 防臭効果がある
- 傷みにくい
- トイレの雰囲気と合っている
それぞれを詳しく説明していきます。
掃除しやすく、抗菌効果がある
トイレの床はとても汚れやすく、こまめに掃除しなければならない場所です。
そのため、掃除のしやすさは重要なポイント。
トイレの床に目地があると、目地のすきまに汚れが入り込んでしまい、掃除の手間がかかります。
そのため、できるだけフラットな素材や、目地を減らすために大判サイズを選ぶとよいでしょう。
さらに、抗菌効果のある床材を選べばいつもきれいなトイレを保てます。
水漏れや洗剤に強い
トイレの床は、水やアンモニアが飛び散りやすいです。
汚れをしっかり落とすためには、耐水性はもちろん洗剤にも強い素材がベスト。
きれいにするつもりがコーティングがはがれて逆に汚くなってしまった…なんてことにならないために、水漏れや洗剤に強い素材かどうかもチェックしましょう。
黒ずみなど汚れに強い
トイレの床汚れに、ホコリと皮脂が混ざることで発生する”黒ずみ”もあります。
そのため、汚れに強い素材であるかどうかも条件のひとつ。
防汚コーティングされた床材であれば、汚れがつきにくく、こまめに掃除する手間も省けます。
防臭効果がある
いくら見た目がきれいでも、臭いが気になってしまうと快適なトイレとはいえませんよね。
トイレの臭いの主な原因は、アンモニアと雑菌です。
そこで、
- 尿がしみ込みにくい床材
- 光触媒で菌の繁殖をおさえる床材
- アンモニア臭を分解してくれる床材
など、防臭効果のあるものを選ぶのがおすすめです。
傷みにくい
トイレの床は、家の中でもとくに過酷な環境にさらされています。
そのため、耐久性の高い素材であることも大切。
デザイン重視で繊細な床材を選んだら1年で劣化してしまった…というケースもあります。
トイレ用にコーティングされた床材もたくさん出ているので、できるだけ傷みにくいものを選びましょう。
トイレの雰囲気と合っている
トイレの床材は、質感によって雰囲気がガラッと変わります。
壁紙や手洗いボールはナチュラルなのに、床だけ高級感がすごい…など、ちぐはぐな印象になってしまうとおしゃれには見えませんよね。
トイレの床材は、トイレ全体の雰囲気やバランスを見て選ぶとよいでしょう。
トイレの床材の種類
トイレの床材にはざまざまな種類があり、どれを選ぶべきか迷ってしまいますよね。
そこで、トイレの床材の種類を紹介します。
それぞれの特徴を把握し床材を選びましょう。
クッションフロア
トイレの床材の中で、もっとも安く施工できるのがクッションフロアです。
クッションフロアは安いうえ、水やアンモニア、洗剤などを吸収しにくく、目地もないので掃除もラクです。
臭いも吸収しにくいので、トイレの床にかなり向いているといえるでしょう。
デメリットは、経年劣化をしやすく、5~10年で張り替えなければならない点があげられます。
また、汚れを落とそうと力を入れてこすると傷がつき、その傷に汚れが入り込んでしまう場合もあるので注意が必要です。
しかし、シート状の柔らかい素材なので張り替えも容易で、器用な方であればご自身で簡単に張り替えることができます。
耐水性 | 〇 |
アンモニア | 〇 |
洗剤 | 〇 |
臭い | 〇 |
掃除 | ◎ |
フローリング調や、タイル調など、バラエティ豊かな柄があるので、インテリアとしての選択肢も広いのでおすすめです。
フローリング
トイレの床にダントツで使われているのがフローリングです。
多くの方が、他の部屋の床材や廊下をフローリングにしているため、トイレの床も統一してフローリング材という方が多いようです。
フローリングに使われている木材は、安らぎを与えるため、落ち着くことのできる空間づくりという点ではいい効果を期待できます。
しかし、機能面で考えるとフローリングはあまりトイレの床には向いていないと言えます。
水やアンモニア、洗剤などを吸収すると黒ずんでシミになったり、ひどい場合腐ってしまったりします。
フローリングの隙間に水分が入り込むと拭き残しが目立ち、掃除をしにくいのもデメリットになるでしょう。
とくに無垢材のフローリングは、ダメージを受けやすいので床材を選ぶ参考にしてくださいね。
耐水性 | × |
アンモニア | × |
洗剤 | × |
臭い | △ |
掃除 | △ |
どうしても家全体に統一感を出すためフローリングにしたいという方は、少し価格は上がりますが、トイレの床用に開発された水やアンモニアに強いフローリング材がありますので、そちらを検討してみてはいかがでしょうか。
タイル
少し前まではトイレの床といえばタイルでした。
一口にタイルと言ってもさまざまな種類がありますが、トイレの床に使われるのは、「磁器タイル」と呼ばれる吸水性の低いタイルです。
タイルは水にも汚れにも強いので、水回りの床材に適しています。
また、色やデザインがとても豊富で、スタイリッシュな空間に見せることができ、インテリアにこだわる方にとっては大きなメリットです。
しかし、熱伝導性が高いため冬場はかなり冷たくなってしまいます。
そして、他の床材に比べて価格が高いというデメリットも覚えておきましょう。
耐水性 | ◎ |
アンモニア | ◎ |
洗剤 | ◎ |
臭い | ◎ |
掃除 | 〇 |
現在は、磁器タイルよりも汚れに強く、抗菌性能もプラスしたセラミックタイルなどの商品も開発されています。
出典:T0T0 ハイドロセラ・フロア J
磁器タイルよりもさらに高価ですが、性能は間違いないので資金に余裕のある方にはかなりおすすめです。
フロアタイル
フロアタイルは、塩化ビニル樹脂でできたタイル状の床材で、店舗などでも使われている床材です。
価格帯や機能性は、クッションフロアとタイルの中間くらいのイメージです。
フロアタイルは土足OKなほど耐久性が高く、耐水性もあります。
また、木目調や石目調などデザインが豊富で、本物の質感に近い凹凸まで施されているので、かなりおしゃれなトイレに仕上がります。
ただし、目地に水分が入り込んでしまうのがデメリットになるでしょう。
耐水性 | 〇 |
アンモニア | 〇 |
洗剤 | 〇 |
臭い | 〇 |
掃除 | 〇 |
フロアタイルはできるだけ大きいサイズを選び、目地が少なくなるようにするのがおすすめです。
賃貸もおすすめ!おしゃれな張替えトイレ床シート柄
トイレの床材を張り替えるなら、どんな色や柄がいいのでしょうか。
また賃貸であれば、大掛かりなリフォームや工事はNG!というご家庭もあるでしょう。
そこでここでは、賃貸でもマスキングテープや両面テープで貼れるトイレ床シートの柄について紹介します。
デザイン豊富なクッションフロア材の中から、おうちの雰囲気とマッチするものを選びましょう。
ワントーンベージュ
どんな雰囲気のトイレにも合いやすく、明るい空間になるのがワントーンベージュの床です。
トイレの黄ばみやホコリなど、取りきれない汚れが目立ちにくい万能なカラー。
すぐに拭き取ってしまいたい尿ハネなどの汚れはきちんと見えるので、掃除のしやすさも抜群です。
木目調
出典:TOTO 施工例
トイレの床をフローリングにしたいけど、機能面で不安…という人におすすめなのが木目調。
ナチュラルなホワイトから、重厚感のあるダークブラウン、おしゃれなヘリンボーン柄まで、トイレの雰囲気に合ったさまざまな色柄があります。
木目調の床はアクセントクロスが映えやすいので、壁紙とのコーディネートを楽しむのもおすすめです。
タイル・大理石柄
トイレの床をタイルにしたいけど、目地の掃除が大変そう…という人には、タイルや大理石柄のクッションフロアがおすすめです。
高級感のあるトイレを演出でき、ホテルのようなラグジュアリーなインテリアが完成するでしょう。
派手なデザイン
出典:TOTO 施工例
「部屋はシンプルにしたけど、本当は派手好き!」な人は、トイレを派手なデザインにしてみてはいかがでしょうか?
トイレは1畳ほどのプライベート空間。
クッションフロアは張り替え費用が比較的安いので、いつか飽きてしまっても変更することができます。
ただし床だけ浮いてしまうことがないように、壁紙とのバランスを見ながら決めるようにしましょう。
トイレの床を張替えリフォーム・DIYするときの注意点
トイレの床を張り替えるときには、いくつか注意点があります。
リフォームやDIYをする前に注意点をおさえて、スムーズに張り替えましょう。
床の高さは大丈夫?
トイレの床を今までと違う床材に張り替えるとき、メーカーによって床材の厚みが違ったり施工方法によって床の高さが若干変わったりすることがあります。
- ドアの開閉に問題はないか
- 思わぬ段差につまずかないか
など、あらかじめチェックしておきましょう。
排水口の新設には要注意!
トイレの床がタイルの場合、床掃除をした水をそのまま流せる排水口があると便利です。
しかし、掃除の頻度が少ないと排水管内にある封水(ふうすい)が蒸発してしまい、悪臭の原因になってしまいます。
逆に、掃除の頻度が多すぎても髪の毛やゴミでつまりやすくなります。
こうした問題があるので、一般家庭では排水口を安易につくらない方がいいかもしれません。
便器を外さなければならない床材もある
トイレの床材は、クッションフロアのようにDIYで張り替えられるものもあれば、便器ごと外さないと張り替えられないタイルなどもあります。
一度便器を取り外すとなると、リフォーム費用は高額になってしまうので、床材選びの段階でも注意が必要です。
リフォーム費用をおさえるなら壁紙・便器と同時交換
トイレの床を張り替えるとき、壁紙や便器の交換工事もまとめておこなうと、それぞれ依頼するよりも工事価格が割安になるケースが多いです。
近いうちに壁紙を貼り替えたり、便器を交換する予定があれば、床材と合わせてリフォーム会社に相談してみてください。
まとめ
トイレの床材について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
- 家の一体感を出したい、落ち着ける空間にしたいのであればフローリング。
- コストと使い勝手の良さで考えるならばクッションフロア。
- 資金に余裕があり、インテリアにこだわりたいならタイル。
それぞれにメリットがあり、デメリットがあるので、ご家庭に合ったスタイルを見つけることが大切です。
家族の今と将来、掃除の頻度などを一度考えて検討してみてください。
ちなみに私個人としては、メンテナンス・コスト・機能の面から、クッションフロアがおすすめです。
この記事を参考に、最適なトイレの床材を見つけていただければ幸いです。