【永久保存版】建築面積・延べ面積・施工床面積の違いを図でわかりやすく解説!
住宅会社探しや土地探しをするとき、チラシやWEBサイトで情報を集める方がほとんどだと思います。
チラシやWEBサイトを見ていると、「○○面積」と書かれているのを目にしたことはありませんか?
建築でよく使う面積には3種類あります。
- 建築面積
- 延べ面積(延床面積)
- 施工床面積
住宅会社・土地販売などのチラシやWEBサイトの情報を正しく理解するためには、それぞれの面積について知っておく必要がありますが、あなたは違いをご存知ですか?
これらの違いを把握できていないと、チラシやホームページを正しく見ることができず、思わぬ失敗をしてしまう可能性があります。
建築業界に居てもちゃんと説明できない人がいるほどややこしく、Wikipediaや建築用語の解説を見てもよくわからなかったという方も多いのではないかと思います。
- 3つの面積はどう違うの?
- 説明を読んでもわからなかった
- 土地の購入や家づくりで絶対失敗したくない!
そんなあなたのために、この記事では建築面積・施工床面積・延べ面積の違いを、図を見ながらわかりやすく解説します。
この記事を参考に3つの面積それぞれについて理解を深め、チラシやホームページを正確に見るチカラを付け、失敗しない家づくり計画を進めて頂ければと思います。
このページの目次
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建築面積とは
建築面積は建築基準法によると、「建築物の外壁またはこれに代る柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積」とされています。
2階以上の階のせり出した部分を1階の面積に加えた面積というのが定義ですが、少し難しいと感じる方は、建物の屋根を取って真上から見た面積と覚えて頂いても大丈夫です。
まずは、最もわかりやすい平屋を例に建築面積を求めます。
上の図のように、外壁とそれに付する柱の中心線を基準線とし、基準線に囲まれた部分が建築面積になります。
2階建ての場合は、2階部分が1階と同じ大きさ(総二階)、または1階より小さく2階が1階の範囲内に全て納まっている場合、平屋と同じ求め方方で建築面積を求めることができます。
では次に、2階が1階よりせり出している場合を考えていきましょう。
下の図のように横にせり出した2階がある場合の建築面積を求めます。
ここまで変わった形の建物は少ないと思いますが、例題としてあえて変わった形にしていると思ってください。
このような建物の場合、建築面積は下の図のようになります。
3階以上の階数の建物でも考え方は同じで、1階よりせり出した部分がある場合、真上から見たときの面積が建築面積です。
覚えておいて欲しい建築面積の求め方は以上ですが、厳密に言うと3つの細かい規定があります。
特に覚える必要は無いですが、一応紹介しておきます。
- 高い開放性を有する所は建築面積に算入されない(バルコニー、ポーチなど)。
ただし、柱が建てられている場合や、3方を壁に囲まれている場合は算入される。 - 1メートル以上のバルコニーは、1メートルを超える部分が建築面積に算入される(1m50cmの場合、【50cm×横幅】分)
- 床から30cm以上かつ壁から50cm以内の出窓は算入されないが、それ以外の出窓は算入される
建築面積は、土地情報を見る際に必要となる建蔽率(けんぺいりつ)の計算に使用します。
延べ面積(延床面積)
調べる先によっては、延べ面積と延床面積は厳密に言うと少し違うと書かれていることもありますが、とくに使い分けを意識する必要はありません。
どちらも各階の床面積の合計のことで、その家で実際に使うことのできる面積の大きさを表しています。(各階の床面積とは柱の中心線で囲まれた壁芯面積のことを指します。)
上の図のような建物の場合、それぞれの階を合計した110㎡(40㎡+40㎡+30㎡)が延べ面積です。
階段は上下階とも面積に含まれ、吹き抜けなどの床のない部分、玄関ポーチとバルコニーの先端から2mまでの部分、小屋裏収納やロフトなどは面積には含まれません。
厳密に言うと、以下の6つの場所は延べ面積には含まれませんが、チラシやホームページを見るうえでは、そこまで気にする必要はないと思います。
- 自動車車庫・自転車置場の床面積(床面積の合計の5分の1までは不算入)
- 地下室(天井が地盤面より1m以下にあるものに限る)の床面積(床面積の合計の3分の1までは不算入)
- 防災のために設ける備蓄倉庫(床面積の合計の50分の1までは不算入)
- 蓄電池(床に据え付けるもの)を設ける部分(床面積の合計の50分の1まで不算入)
- 自家発電設備、貯水槽を設ける部分(床面積の合計の100分の1まで不算入)
- 共同住宅の共用廊下・共用階段・エントランスの部分の床面積(全て不算入)
ちなみに、この建物の建築面積は、真上から見た面積の40㎡です。
延べ面積は、土地の容積率の計算に使用します。
建築面積と延べ面積は、建蔽率(けんぺいりつ)と容積率を求めるときに使用します。
建蔽率と容積率はその土地にこれから建てられる建物に対して面積の制限を設ける規定です。
知らずに土地を契約してしまうと、契約した土地にあなたが思い描く家が建てられないこともあります。
これから家づくりの計画を進められるのであれば、こちらの記事を読み、建蔽率と容積率についても知っておくことをオススメします。
【容積率と建蔽率って知ってる?知らなきゃ怖い土地購入のお話】
施工床面積
施工床面積は、さきほど説明した延べ面積に、除外した部分(玄関ポーチとバルコニーの先端から2mまでの部分、小屋裏収納やロフトなど)も全て含めた面積です。
施工床面積は工事費の見積りの際に使われます。
チラシやWEBサイトにのっている建物の坪単価は、建築基準法などで定められていないので、延べ面積で計算されている場合と施工床面積で計算されてい2つのパターンがあります。
家によっては、延べ床面積と施工床面積で大きく面積が変わることもあり、どちらの面積で計算しているかによって見た目の坪単価が大きく変わってきます。
そのため、単純に坪単価だけで会社を評価してしまうのはとても危険です。
その他にも、坪単価を信用してはいけない理由はいくつかあって、多くの人が坪単価に騙されてしまっています。
参照:坪単価で新築注文住宅の費用を比較してはいけない4つの理由
まとめ
いかがでしたか?
建築面積・延べ面積(延床面積)・施工床面積は家づくりを考え始めてチラシやホームページを見るようになると、必ず目にすることになる面積です。
詳しく細かいところまで理解する必要はありませんが、ある程度は理解しておかないと、提案された家が思っていたより小さかったり、購入した土地に思い通りの家を建てられないなどのトラブルになってしまうかもしれません。
建築面積
建物の屋根を除いて上から見た面積で建蔽率の計算に使用する
延べ面積(延床面積)
建物の各階の面積の合計からポーチやバルコニーを除いた面積で、容積率や建物の坪単価の計算に使用する
施工床面積
延べ面積で除外した部分も含んだ面積で坪単価の計算に使用する
この程度は覚えておいて頂ければと思います。
建築用語は少しややこしいうえに、日常生活では耳にしないものがほとんどなので、理解せずに家づくりの計画を進めてしまう方がたくさんいます。
しかし、ある程度理解していないと思い通りの家を建てられないこともありますので、良い家づくりをしたいなら、少しだけ建築用語について勉強してみてください。
こちらの記事でも、間取り図で失敗しないためのポイントとともに、間取り図で使用される用語について解説しておりますので、次はこちらの記事で建築用語についてさらに理解を深めてください。
この記事があなたの家づくりの参考になれば幸いです。
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