ZEH化する6つのメリットと4つのデメリット!
実は今、日本のエネルギー事情はあまりいい状態とは言えません。
このままいくと、数十年先には日本は大変なことになっているかも・・・
そこで、日本が国を挙げて取り組んでいるのが「ZEH」の普及です。
2020年にはZEHを義務化するという話も出ており、これから新築マイホームの購入を考えるのであれば、ZEHを知っておいて絶対に損はありません。
ZEHって何?という方は、まずはこちらをお読みください。
今、日本が置かれているエネルギー事情を改善するためには、家庭単位でエネルギー事情を見直すことは不可欠で、その救世主とも呼べるのがZEHです。
しかし、いくら日本のためとは言っても、自分にメリットも無いのに検討しようとは思えませんよね。
- ZEHの家にはどんなメリットがあるの?
- 逆に、デメリットは?
- 電気代を節約したいと思っている
- ZEHが気になってはいるけれど、決め手に欠ける
そんなあなたのために、ZEH化するとあなたにどんなメリットがあるのかをまとめました。
合わせてデメリットもまとめましたので、ZEHを検討する際の参考にして頂ければと思います。
ZEHのメリット6選
日本が国を挙げてZEHを普及させようとしているのはコチラの記事で説明している通りですが、ZEH化することであなたにも様々なメリットがあります。
あなたにメリットが無ければ、いくら政府が推し進めているとは言っても、なかなか導入しようとは思えませんよね。
ZEH化によってあなたが得ることのできるメリットを6つご紹介します。
地球環境に優しい
まずは、日本政府がZEHを推し進める最大の要因でもある、地球環境にやさしいというメリットです。
「いやいや、そんな大規模な話をされてもメリットとして実感わかないよ」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、地球環境にやさしい生活をすることは、あなたの子供や、孫、さらに先の世代へと住みやすい環境を残してあげることにつながります。
すぐに目に見えることではないので、なかなかメリットとして感じられないかもしれませんが、これから先の世代への配慮だと思うと、とても大切なことだと思いませんか?
地球温暖化を抑制するためには、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを減らさなければなりません。
「地球温暖化」という言葉を聞くようになってずいぶん経ちますが、温暖化対策はいまだに大きな成果をあげられていません。
日本の温室効果ガス大量発生の大きな要因は、電力供給を火力発電に頼りすぎていることです。
(出典:経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2019」)
日本国内の約8割の電力を担っている火力発電ですが、その仕組みは、石炭や石油、LNG(液化天然ガス)を燃料に火をおこし、その火でお湯を沸かし、沸かしたお湯から発生した蒸気の力でタービンを回して発電しています。
安定した電力が供給できる火力発電ですが、発電すればするほど、大量の温室効果ガスを発生させてしまいます。
電力供給のためには火力発電所をフル稼働するしかない。
でも火力発電は大量の温室効果ガスを生み出してしまう。
この悩みを解決するのが、ZEHです。
ZEH化することで各家庭が発電所となり、電気を生み出すことができれば、その分火力発電所の稼働率は下がり、温室効果ガスの発生を抑えることができるので、ZEHが普及すれば温室効果ガスを大きく削減できるのではないかと、日本政府はZEHの普及に期待を寄せています。
さらに、火力発電所で使われている石油や石炭は近いうちに枯渇すると言われている限りある資源です。
その限りある資源を残すといった意味でも、ZEHの普及は大きく貢献することでしょう。
光熱費を抑えられる
電気料金の値上げの影響で、生活費のうち電気代の占める割合は年々高くなっており、節約志向の家庭では、電気代を抑えることが食費を抑えることと並んで重要なことだと認識されるようになってきました。
ZEH化すれば、自家発電・自家消費の「電力の自給自足」生活ができ、余った電気を売ってその他の必要費用に回すことでランニングコストを抑え、生活費を大幅に下げることができます。
もう一つ嬉しいのは、節電のために我慢をする必要がなくなるという点です。
電気代が高くなり、節電の意識が高まったご家庭も多いかと思います。
「暑いけど扇風機で我慢」
「冬場はいっぱい着れば暖房いらないよね」
こんな我慢の生活をしていませんか?
電力の自給自足が実現すれば、電気代が今の10倍になっても関係ありません。
「電気代がもったないから」という理由で、冷暖房を我慢する必要がなくなります。
これってとても大きなメリットだと思いませんか?
健康に暮らせる
ヒートショックという言葉をご存じですか?
家の中の急な温度変化により、血圧が大きく変動し、その結果失神や心筋梗塞、脳こうそくなどを起こしてしまう現象をヒートショックと言います。
年間のヒートショックによる死亡者数は、交通事故の3倍以上と言われており、大きな問題となっています。
ヒートショック予防にも、ZEH化は有効な手段と言えます。
ZEH化すると、高断熱の仕様によって夏は涼しく冬は暖かいので、一般の住宅に比べて部屋ごとの温度差が小さくなります。
さらに、電気代を今ほど気にせずに生活ができると、他の部屋との温度差でヒートショックの起こりやすい浴室や脱衣室に暖房を導入するご家庭も増えると予想できます。
ヒートショックは、特に高齢者の死亡例が多く報告されていますので、ご高齢の方との居住を計画されている方は、ZEH化を検討することを強くおすすめします。
災害に強い
ZEH化の必須条件ではありませんが、蓄電池にも追加で補助金を出すなど、国はZEH化と同時に蓄電池の導入を勧めています。
昼に発電して使わなかった分を蓄電池に溜め、夜に溜まった電気を使うことで、極力電気を買わない生活ができるようになります。
蓄電池の導入効果はそれだけではなく、災害対策としても大きな効果を発揮します。
電気を溜めておけば、急な停電に対しても瞬時に蓄電池からの供給に切り替わり、停電の影響を受けることなく生活できます。
さらに、地震などで長期間電気の供給がストップしてしまった場合でも、蓄電池さえ稼働していれば数日間は問題なく生活できます。
電気自動車をお持ちなら、蓄電池から電気自動車への充電もできるので、避難する際も安心です。
これまで、オール電化の住宅は停電すると何もできないので、災害時に備えてガスと電気の併用にするという方も多かったのですが、ガス漏れや火災の心配も伴うので、これからは災害対策を考えるのとZEH一択になります。
資産としての価値が高い
2016年4月から、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)という住宅のエネルギー性能を評価する制度が施行されました。
BELSは、住宅を星1つから星5つで評価し、星5つがエネルギー性能で最高評価です。
ZEHの普及とともにBELSも普及していくと考えられ、例えば同じ築年数で、同じ金額で建てられた家であっても、BELSの評価によって売却額が大きく変わるようになります。
ZEHは、BELSで4~5つ星の評価を得ることができ、資産価値がかなり高い住宅です。
逆に言えば、ZEHが当たり前の世の中になってくると、BELS1つ星や2つ星の家では、資産価値がなくなってしまう可能性があります。
子供や孫に残してあげるなら、資産として価値のある住宅を残したいですよね?
資産価値を考えても、これからはZEHが確実に有利です。
補助金が受け取れる
ZEH化すると、補助金を受け取ることができます。
合わせて、蓄電池の設置に対しても追加で補助金を受けることができ、ZEH化にかかるコストアップを補う政策として注目されています。
ZEHの補助金については、こちらの記事をお読みください。
平成28年からZEHを扱っている証として、ZEH認定ビルダー登録制度ができました。
ZEH認定ビルダーはこちらから調べることができます。
SII 環境創生イニシアチブ ZEHビルダー/プランナー 一覧検索
ZEHのデメリット
ここまでZEHのメリットを6つご紹介してきましたが、残念ながらZEHにもデメリットがあります。
2019年時点では、補助金や発電効率の上昇により、デメリットは薄くなりつつありますが、それでもZEHを検討するうえで知っておくべきだと思うので、ここからデメリットをご紹介します。
家にかかるコストが上がる
ZEH化するためには、断熱性能の向上・省エネ性能の高い設備の導入・創エネ設備の設置の3つをクリアしなければなりません。
3つどれをとっても、やはり追加費用は必要になってしまいますし、一般住宅と比べ、建築コストは上がってしまいます。
断熱性能を上げ、省エネ性能の高い設備を導入するための費用は、どの程度の性能を求めるかにもよりますが、ZEH達成下限ラインで約100万~150万円程度です。
あくまで一般的な金額で、家が大きくなれば当然その分高くなります。
しかし、平成31年度は補助金の交付も決まっていますので、今なら補助金で追加費用の大部分が補えます。
昨年のように、需要が多ければ補助金が途中で打ち切られる可能性は高いです。
補助金のあるうちにZEH化を検討してください。
建築コストはあがってしまいますが、光熱費が下がる分で十分補うことは可能です。
窓など開口部のサイズに制限がある
せっかく新築を建てるのだから、開放感があり採光しやすい大きな窓にしたい!と考えられている方も多いと思いますが、住宅において断熱性や気密性に大きく関わるのが、窓やドアなどの開口部です。
窓から出入りする熱量が全体の約50〜80%を占めているため、いくら天井・外壁・ 壁・床に断熱材を入れていても、開口部が大きければそこから熱が出入りしてしまいます。
住宅会社の仕様などにもよりますが、窓の大きさに制限がかかり、大きな窓をにすることができません。
どうしても大きくしたい!という方向けに、断熱性の高い樹脂製の窓なども開発されています。
発電量が不安定
光熱費が抑えられ、売電収入も得られるZEHですが、発電をあてにしすぎるのは危険です。
というのも、太陽光パネルの発電量は、日射量に大きく影響されるからです。
曇りや雨が多ければ発電量は下がりますし、雪が積もってパネルが覆われてしまえば、発電しないことも考えられます。
さらに、天候だけでなく季節によっても発電量は大きく違います。
日本は四季のある国で、夏場は日射量が多く、冬場は日射量が少なくなります。
そのため、夏に比べると冬の発電量は大きく低下し、それに伴って売電収入も大きく減ります。
天候や季節に左右されることを十分に考慮し、臨時収入であることを忘れないでください。
売電価格が下がっている
2014年には37円で買い取られていた売電価格ですが、2019年は余剰売電で24円、全量売電で14円まで買取価格が下がりました。
昔のように、売電収入で住宅ローンを全て打ち消す、「実質0円の家」といった計画はできなくなってしまいました。
メリットとデメリットを考え、結局のところZEHは得なのか、それとも損なのか気になっている方も多いと思います。
2018年度の制度のもと、ZEHが得をするのか損をするのか、こちらの記事にまとめましたので、参考にしてください。
【2018年度(平成30年度)】結局ZEHって得なの?損なの?
まとめ
いかがでしたか?
ZEHのメリットは以下の6つです。
- 地球環境に優しい
- 光熱費を抑えられる
- 健康に暮らせる
- 災害に強い
- 資産としての価値が高い
- 補助金が受け取れる
ZEHのデメリットは以下になります。
- 家にかかるコストが上がる
- 窓など開口部のサイズに制限がある
- 発電量が不安定
- 売電価格が下がっている
ZEHにはあなたにもたくさんのメリットがあり、時代の流れも考えると、是非とも導入したいところです。
しかし、コストが上がってしまうので、資金に余裕の無い場合は導入を敬遠してしまうかもしれません。
20年、30年、40年・・・・と長いスパンで見れば、導入コストを取り戻せる日が来るので、これから長く住むことを考えると、私個人の意見としてはメリットの方が大きいかと思います。
この記事がZEH検討の参考になれば幸いです。
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頭っから温暖化の話が出てきて胡散臭いと思った。
「地球」温暖化なのに、日本の温暖化は火力発電が、、、って。
それから、温暖化の要因は実ははっきりわかってない。二酸化炭素が原因とするのは一見解に過ぎず、実際は様々な要因が考えられるそうだ。
そんな状況で「ゼッチは地球環境に良い」と言われても、「営業手法」にしか聞こえない。
さらに、ソーラーパネルの地球に対する負荷も論じられていない。
私はZEHの家を建てますが、あまり地球環境がどうのこうのって話は論拠にかけると言うか、感覚的な話過ぎて違和感しか感じられない。
例えば電気自動車のようなニセエコ商品と言ってることが同じだと感じる。
ご意見ありがとうございます。
日本の環境改善の延長に、世界の、地球の改善があると考えておりますので、地球温暖化を解決するためには、私はそれぞれの国単位で施策を打ち立てて取り組むしかないと思っています。
そういう私の考えから、この記事は日本でお住まいの方向けに、日本政府が取り組んでいる施策をご紹介しています。
日本という小さなくくりではなく、もっとグローバルな視点を持って地球環境をお考えということでしたら、それは本当に素晴らしいことですね。
温暖化の原因については諸説あるということも理解していますが、諸説あるからといって、原因の一つとして考えられている「温室効果ガス」について無視していいということにはならないと考えております。
ZEHにしたからと言って、今日明日に目に見えて改善するわけではないですし、感覚的な話としか感じられない方がいらっしゃるのも当然だと思います。
しかし、2020年に向けてZEHを義務化する流れにあるなど、日本政府が力を入れているのは事実で、力を入れる要因となっているのが温室効果ガスの削減による地球環境の改善であるという点もまた事実です。
私は環境の専門家ではありませんので詳しいことはわかりませんが、日本が国をあげて頑張ろうとしているのであれば、それをご紹介し、応援しようというスタンスで記事を書かせて頂いております。
質問者様のようにしっかりと考え、ご自分の意見をお持ちなのは本当に素晴らしいことです。
私は私の見解を読者様に押し付けようという気はございません。
数ある意見のうちの一つとしてご理解頂ければ幸いです。