容積率と建ぺい率って知ってる?知らなきゃ怖い土地購入のお話
希望エリアにめっちゃいい土地見っけ!!
古家付きだけど、解体費用を考えても他の土地より格段に安いし。
こんないい場所でこんな安い土地があるなんて・・・ほかの人に知られる前に契約しないと!!
意気揚々と土地を契約し、念願のマイホームを計画スタート!
あなたが見つけた土地は40坪で、現在30坪の家が建っています。
妻と子供二人の4人で新居に住むつもりのあなたは、30坪なら理想の大きさだし、この古い家を解体して30坪の家を建てようと考えました。
すぐに土地を契約し、住宅会社を決め、ワクワクしながら「古家つきの土地を購入したので、古家を解体して30坪くらいの新しい家を計画してください」と伝えます。
しばらくして住宅会社から連絡があり、提案されたプランは24坪でした。
住宅会社の話では、「この土地にはこれ以上大きなプランはできません」とのこと。
しかし、もう土地は契約してしまって解約できないので、仕方なく24坪の家を建てることに・・・
こんな事例をよく耳にします。
今ある建物を解体して新しく建てる場合、同じ大きさの建物を建てられないことがあるんです。
なぜそんなことが起こるかというと、土地には建蔽率(けんぺいりつ)と容積率という制限が設けられているからです。
特に土地が高い都会で、誰もが失敗してしまう可能性のある土地購入の落とし穴、建蔽率と容積率について詳しく解説します。
あなたの要望を叶えられない土地を購入してしまうことがないように、この記事を参考に建蔽率と容積率についてご理解して頂ければと思います。
建蔽率と容積率の説明にあたり、建築面積や延べ面積といった建築用語が出てきます。
これらの用語をまったく知らずに建蔽率と容積率を理解することはできません。
それぞれの面積についてはこちらで詳しく解説しておりますので、まずはこちらからお読み頂くとスムーズに建蔽率と容積率を理解して頂けます。
【施工床面積、建築面積、延べ面積(延床面積)とは?違いを解説!】
前に建っていた家と同じ大きさの家が建たない?
冒頭でご紹介したように、現在30坪の家が建っているのに、解体して新しい家を建てようと思うと24坪になってしまう。
どうしてこんなことが起こってしまうのでしょうか?
それは、土地には建蔽率(けんぺいりつ)と容積率の上限が設定されているからです。
あとで詳しく説明しますが、建蔽率と容積率が設定されていることにより、これから建てられる建物には面積の制限がかかります。
古家の中には、建築基準法や審査がゆるい時代に法をうまくかいくぐって建てたものも多く残っているため、建蔽率を超えて建っているケースをよく見かけます。
現在は建築基準法に関する審査がとても厳しくなっているため、法の抜け道を探して建てられる時代ではなくなりました。
(引用:アットホーム)
(引用;goo不動産)
上の2つの画像は、大手土地検索サイトのアットホームとgoo不動産の物件詳細の一部抜粋です。
表記の仕方に違いはありますが、物件詳細に建蔽率と容積率が書かれています。
同様に、不動産会社や住宅会社のホームページやチラシにも、必ず建蔽率と容積率が書かれています。
古家つきの土地の場合、今ある建物と同じくらいの大きさの家を建てようとする方も多いです。
しかし、建蔽率と容積率の上限が設定されているので、今ある古家とは同じ大きさの家を新築できないケースもあります。
契約してしまう前に必ず建蔽率と容積率をチェックし、その土地はあなたの理想の家を建てることができる土地なのか確認することがとても大切です。
建蔽率(けんぺいりつ)
建蔽率の上限は、土地によって最小30%から最大80%までで定められています。
定められた建蔽率を超える建築面積の建物は、その土地に建てることができません。
先ほどの40坪の土地を例に考えると、建蔽率30%なら建築面積12坪以下、建蔽率80%なら建築面積32坪以下の建物しか建てられません。
建蔽率は30%~80%で、100%の土地というのはありません。
古家が敷地いっぱいに建っている場合、その時点で同じ大きさの家は建てられないということを覚えておいてください。
ただし、容積率の制限を受けないまたは緩和される例外もあります。
例外1:容積率が80%の土地が防火地域内にあるとき、その土地に耐火建築物を建てる場合には建蔽率の制限を受けない
例外2:土地が角地の場合、または土地が防火地域内でその土地に耐火建築物を建てる場合は、建蔽率が10%緩和される(両方に該当する場合20%緩和される)
例外まで考えるととても難しいので、契約する前にどの程度の大きさの家を建てられる土地なのか、住宅会社や不動産会社に確認してください。
容積率
下の図のように、40坪の土地に延べ面積32坪の家を建てると、容積率は80%になります。
土地の容積率には2種類あり、「指定容積率」か「前面道路による容積率」の2つのうち、どちらか低い方が設定されます。
指定容積率:地域ごとに50%~1300%の範囲で設定された容積率
前面道路による容積率:前面道路(土地に接している道路)の幅が12m以下の場合、道路幅に0.4(住宅用途の地域)または0.6(その他の地域)をかけて求めた容積率
上の図のような、指定容積率80%の住宅用地があるとします。
前面道路の幅は5mですので、前面道路による容積率は200%(5m×0.4)になります。
指定容積率80%<前面道路による容積率200%
→土地の容積率の上限80%
以上の結果から、図の土地の容積率の上限は80%となります。
前面道路の幅があまりに狭い場合、住宅を建てることができないため、住宅用地の前面道路による容積率は比較的高くなる傾向にあります。多くの場合、指定容積率がその土地の容積率の上限となることが多いです。
建蔽率同様、詳しく覚える必要はありませんが容積率にも緩和措置が設けられています。
・地階の床面積はその建物全体の床面積の合計の1/3まで除外できる
・建物に付属する車庫はその建物の床面積の合計の1/5まで除外できる
・前面道路の幅が6m以上で、その前面道路が70m以内で幅15m以上の道路に接続している場合は前面道路の幅を広くして計算できる
・マンション用の緩和規定、大規模な土地用の緩和規定もある
大幅に容積率をオーバーする計画は厳しいですが、容積率の上限より少しだけ大きくな家を建てたい場合、この緩和措置を使えばご要望を満たせるかもしれません。
しかし、仮に地階を計画するとなると、それなりに費用は必要になります。
予算に余裕がある場合は住宅会社に相談してみてください。
まとめ
いかがでしたか?
建蔽率と容積率を知らずに土地を検討するのはとても危険です。
建蔽率・・・土地面積に対する建築面積の割合
容積率・・・土地面積に対する延べ面積の割合
それぞれに緩和措置がありますが、少しややこしいので詳しく覚える必要はありません。
ある程度だけ把握し、細かいところは不動産会社や住宅会社に相談してみてください。
土地をある程度決めたら、次は住宅会社に行き、土地にあった間取り図を考えるステップになりますが、間取り図をに失敗しないためにはいくつか抑えなければいけないポイントがあります。
こちらの記事を参考に失敗しない間取り図計画を進めてください。
【間取り図で失敗して後悔しないために覚えておきたいポイント】
この記事が、あなたが土地購入に失敗しないための参考になれば幸いです。