安い家は買っても平気?5つの後悔事例と失敗しないための対策
近年、マイホームを安く買えるローコスト住宅や建売住宅などの人気が高まっています。
「でも安い家って大丈夫なのかな…」と心配になる人も多いのではないでしょうか?
たしかに安さにつられて飛びついてしまうと、結局は高くついたり穏やかな生活が送れなくなったりする可能性もあります。
安い家を買って後悔しないためには、安さの理由と正しい知識を身につけることが大切です。
この記事では、安い家を買って後悔した事例、失敗しないための対策をお伝えします。
ポイントをおさえて、良い家を安く手に入れてください!
安い家には理由がある
そもそもローコスト住宅などの安い家は、なぜ低価格にできるのでしょうか?
大きな理由は3つあります。
- 建材の一括仕入れによるコストダウン
- テレビCMなど広告宣伝費のカット
- 住宅展示場にかかる人件費のカット
「すべての人にマイホームをあきらめてほしくない!」という想いを込め、目に見えないものをカットした企業努力の賜物でもあります。
しかし、“圧倒的に安い家”にするにはそれだけでは足りません。
たとえば次のようなコストダウンもしています。
- 設備のグレードを下げる
- 住宅性能は最低限のライン
- 設計・建築の手間を省く
安い家を買うときに注意したいのはこの部分です。
これらを理解せずに買ってしまうと、後悔してしまうかもしれません。
安い家を買って後悔した5つの事例
コストダウンの仕組みを知らずに、安い家を買って後悔した失敗例をみていきましょう。
【後悔事例1】安い建売住宅を買ったけど見た目が無難すぎる
土地と建物がセットになっている安い建売住宅を購入しました。
数年後に友人が、無垢のフローリングやおしゃれな外壁の注文住宅を建てたのを見て、無難すぎるうちの家と比べてしまいました…。
一生暮らすマイホームだから、もっと遊び心のあるこだわりの家にすれば良かったです。
【後悔事例2】安い建売住宅を買ったら断熱性が低かった
建売住宅のおしゃれなモデル棟にテンションが上がり、注文住宅より安かったので購入しました。
いざ住んでみると、夏は暑いし冬は寒い…。
とくに断熱性が高い家ではなかったので、思ったより電気代が高くついて後悔しています。
【後悔事例3】安い中古住宅を買ったら耐震性が低かった
中古の安い家を買ったのですが、大きな地震があったときに建物が一部損壊してしまいました。
そのときの住宅診断で、耐震性が極端に低いことが判明…。
数百万円もかけて耐震リフォームすることになり、かえって高くついてしまいました。
【後悔事例4】ローコスト住宅を建てたらオプションが高くついた
「1000万円台の家」にひかれて、ローコスト住宅のハウスメーカーと契約しました。
打ち合わせが進むにつれて、注文住宅なのに間取りはほぼ決まってるし、設備も決められた中からしか選べないことにがっかり…。
オプション追加をしたら金額がどんどんはね上がり、結局「ローコストじゃない住宅」になりました。
【後悔事例5】安い建売住宅を買ったら日当たりが悪かった
「そろそろマイホームがほしい」と思っていた矢先に転勤が決まり、即入居できる建売住宅を購入しました。
ただ、お隣さんとの距離がものすごく近いので日当たりが悪いです。
リビングは昼間でもうす暗く「せっかくの新築マイホームなのに…」と後悔ばかりで気分が落ち込んでしまいます。
安い家を買って失敗しない3つの対策
安い家には落とし穴がたくさんあります。
後悔しないためには3つの対策が必要です。
- 標準仕様をこまかくチェック
- 住宅性能に注意
- 間取りや設備にこだわりすぎない
それぞれくわしく説明します。
安い家を買うなら標準仕様をチェック
建売住宅やローコスト住宅などの安い家は、設備等のグレードを下げることで低価格を実現しています。
たとえば、フローリングやクロス(壁紙)は量産品を1種類のみ使い、キッチンなどの水回りも低いグレードになっています。
安い家を買って後悔しないためには、標準仕様をこまかくチェックすることが大切です。
とはいえ賃貸住宅と比べるとグレードは高いので、「ふつうに暮らせればいい」という人にとっては十分快適といえるでしょう。
安い家を買うなら住宅性能に注意して
建売住宅などの安い家は、住宅性能を最低限のラインにすることでコストダウンをはかっています。
住宅建材はピンからキリまでありますが、建売住宅などでは断熱材や窓サッシは安価なタイプを採用することがほどんどです。
建築基準法はクリアしているので十分ではありますが、高い住宅性能を求める人にとっては物足りないかもしれません。
そこで安い家を購入するときは、住宅性能がわかる2種類の「住宅性能評価書」をチェックしてください。
1.設計住宅性能評価書
設計段階で、理論的に性能がどのくらいか?をあらわしたもの。
耐震性・耐火性などの10項目があり、等級でランク付けされている。
2.建設住宅性能評価書
上記の「設計住宅性能評価書」の設計どおりに、きちんと施工されているか?を第三者機関が現場確認したもの。
この建設住宅性能評価書を取得していない建物は、ずさんな施工がおこなわれていても見落とされてしまい、設計どおりの性能になっていない可能性がある。
このほかに、
- 長期優良住宅
- フラット35適合
などが高性能住宅の目印です。
住宅性能はむずしいことがたくさん書いてあるので思わずスルーしたくなりますが、これらの認定を受けていれば税金やローンの優遇が受けられるなどのおトクなこともあるのでぜひチェックしてください!
1つ注意していただきたいのは、中古住宅を安く買うケース。
1981年と2000年は、それぞれ建築基準法の耐震基準が大きく変更された年です。
つまり、それ以前に建てられた古い家は、極端に耐震性が低い可能性があります。
中古住宅には住宅性能表示のない家がほとんどなので、購入前にホームインスペクション(住宅診断)をおこなうことをおすすめします!
安い家を買うならこだわりすぎないことが大事
家は、こだわればこだわるほどいくらでも高くなっていきます。
ローコスト住宅や建売住宅は、家を規格化し、設計・施工の手間を省くことで安い家をつくっています。
そのため、間取りや設備にこだわった「規格外の家」にしようとすると、一気に金額がはね上がってしまうことも。
建売住宅は万人受けするそれなりの仕様になっているので、こだわりすぎなければ安くて住みやすい家といえるでしょう。
ただし建売住宅の場合、日当たりについては考慮されていないので要注意。
1区画のゆとりはほとんどなく、境界線から数十センチのところに隣の家が建っていることも…。
太陽光はお金で買えないので、朝・昼・夕と時間をずらして現地確認することをおすすめします。
まとめ
最近のローコスト住宅や建売住宅は、価格は安くても昔と比べて格段に性能が上がっています。
とはいえ、住宅性能をしっかり知っておかないと後悔してしまいます。
安い家を建てられる理由
- 一括仕入れによるコストダウン
- 広告宣伝費や人件費のカット
- 設備のグレードを下げる
- 設計の手間を省く
- 住宅性能は最低限のライン
安い家を買って失敗しない3つの対策
- 標準仕様をこまかくチェック
- 住宅性能に注意する
- 間取りや設備にこだわりすぎない
一生に一度の買い物で後悔しないためにも、ぜひ3つの対策をしていただければと思います。
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面倒だからと比較せずに決めてしまうと、こんな末路が待っているかもしれません。