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総二階の住宅とは?メリットやおしゃれな外観にするコツや実例を紹介

 2022/09/09 新築
 

新築一戸建てを購入することは、人生でもとても重要な決断の一つですね。

せっかくなら、納得がいくマイホームを建てたいところ。

しかし、すべての要望を盛り込むとその分費用が膨らんでしまうことも事実で、コスト面を検討することも重要となります。

 そこで今回は、コストを抑えられて、おしゃれな住宅を建てることができる『総二階の住宅』について解説します。

「総二階の住宅ってそもそもなに?」という点から、メリット・デメリット、外観をおしゃれにするポイントまでしっかりお伝えします!

ぜひ、マイホーム選びの参考にしてみてくださいね。

 

総二階の住宅とは?

『総二階』の住宅とは、1階と2階の平面・外周が同じ、つまり1階と2階の床面積が同じ住宅のことを表します。

建物部分に使用可能な床面積をフル活用することができるので、効率的な家づくりが実現可能。

広い土地を確保しにくい都心部などのエリアを中心に普及しています。

また、総二階の他にも、以下のような住宅の構造があります。

 

平屋

平屋とは、1階建て・ワンフロアのみの住宅のことです。

平屋のメリットは、すべての生活がワンフロアで完結していて、階段がないので完全バリアフリーの実現が可能であること。

しかし、その分広い敷地が必要となります。

 

部分二階

部分二階とは、1階よりも2階の方が小さい面積になっている住宅のことです。

リビング・ダイニングなどの主な活動空間は1階に集約させて、2階は寝室やこども部屋など、プライベートな空間にするのが一般的。

日本の住宅ではよく目にする構造です。

 

 

総二階の住宅のメリット・デメリット

では、総二階の住宅を建てる際にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。それぞれ解説していきます。

 

総二階の住宅のメリット

総二階の住宅には多くのメリットがあります。

ぜひ、つくりたい家をイメージしながらチェックしてみてくださいね。

 

建築費用が抑えられる

総二階の住宅は、1階と2階の構造が同じであるため、基礎や屋根の施工面積が少なくなります

つまり、その分の材料や工事手間も減らすことが可能となりコスト削減に繋がります。

 

工期が短縮できる

総二階の住宅は、上記でも記載したとおり、1階と2階面積が同じで、シンプルな形状となっているため、工事もしやすく結果的に工期を短縮することが可能です。

 

耐震性が高くなる

総二階の住宅は、上下階のバランスが良く、構造的に安定しやすいという特徴があります。

建物には、重さの中心となる『重心』と、強さの中心となる『剛心(ごうしん)』があり、耐震性はこの2つの位置が重要となります。

地震の影響で建物の損傷を受ける時は、重心と剛心の位置が離れてしまった時。

しかし総二階の住宅の場合は、建物がシンプルな直方体となっていて、重心と剛心の位置が離れにくくなっています。

その結果、耐震性の高い設計が可能となるのです。

 

断熱性が高くなる

部分二階の住宅と比較すると、総二階の住宅の方が建物の表面積は小さくなります。

そのため、室内から熱が逃げる部分の面積も少なくなるので、断熱性を確保しやすくなるという利点が。

特に、屋根は日差しの影響を受ける部分であるため、断熱性の配慮がことさら重要です。

しかし、屋根の面積が少ない総二階の場合は、日差しの影響を受ける部分が少ないため、断熱性の確保がしやすくなるのです。

また、床、壁、屋根のつながりもシンプルなため、断熱材の施工が比較的容易であることも嬉しいメリットとして挙げられます。

 

総二階の住宅のデメリット

メリットの多い総二階の住宅ですが、もちろんデメリットもあります。

総二階の住宅を検討する際は、デメリットも考慮した上で建てることが大事。

しっかりと確認していきましょう。

 

外観のデザインが単調になる

凹凸が少ない総二階の住宅は、デザインが簡素になってしまいがち

日当たりや周囲の風景など、図面ではわからない要素多い外観は、完成イメージが想像しづらいので、建てた後に「シンプル過ぎて、がっかり…。」ということもあります。

窓の位置や形、外壁の素材など、シンプルさを活かす工夫が必要不可欠となります。

 

土地を選ぶ必要がある

家を建てるにあたり、守るべき規則が多数あります。

その中でも、総二階の住宅は道路に対して2階が奥まっていないため、高さ・幅の規制を受けやすくなる点がデメリットです。

例えば、無条件に高い建物を建築したり、敷地いっぱいに建物を建築したりしてしまうと、全く日が当たらない場所ができる、圧迫感を与えるなど、他の建物へ影響を及ぼしてしまうことがあります。

下記はそのあたりを考慮した規制です。

ぜひ、参考にしてみてくださいね。

  • 北側斜線制限
    敷地の北側にある道路や隣地から発生する架空の斜め線による制限のこと
  • 道路斜線制限
    敷地の周囲にある道路より発生する架空の斜めの線による制限のこと
  • 隣地斜線制限
    隣地側に面している建物の高さについて、20mまたは31mを超える部分を制限すること

 

間取りを考える際に工夫が必要となる

総二階の住宅は、1階と2階の面積が同じであるため、生活の動線にあった間取りをしっかり考える必要があります。

例えば、1階にリビングやダイニング、浴室などの共有空間を設置するなどで1階の床面積が広くなった場合、2階も同じ床面積となります。

そのため、2階に寝室や子供部屋を作っても、ライフスタイルに必要のない余剰面積が発生する可能性がある上、総面積が広くなることで建築コストがあがってしまうことも。

2階の余剰面積の部分は、1階のリビングにつながる吹き抜けにしたり、2階部分にインナーバルコニーを設置したりと、工夫が必要となります。

また、狭い場所でも比較的建てやすい総二階の住宅は、土地が少なく高価格である都心部でも予算に合わせた建築ができます

そのため、先ほどとは反対に、コストを抑えて土地を選んでいる分、当然ながら家全体の面積も圧縮されることに。

その結果、床面積が小さくなってしまい、1階に設置することを希望していたリビングや水回りなどの間取りをすべて1階に配置するのは難しくなってしまうことも十分考えられます。

ライター
間取りに正解はありませんが、建てた後に後悔しないように、生活の導線はしっかり検討しておきましょう。

 

総二階の住宅をモダンでおしゃれにするコツと実例の紹介

総二階の住宅は魅力的なメリットも多いですが、その分デメリットもあることが分かりました。

しかし、工夫をすることでカバーできるデメリットもあります。

特に外観は、少し手を入れることで見違えるほどおしゃれに変わることも!

そこで、総二階の住宅の構造を最大限に活かす5つのコツを実例と一緒にお伝えします。

 

アクセントカラーを取り入れてメリハリをつける

1階と2階の外壁がそろっている総二階の住宅は、色味でアクセントを付けるのが効果的です。

例えば、ツートンカラーにしてみたり、バルコニーや玄関などのポイントとなる部分にアクセントの色味を加えたりすると、一気に個性を演出できます。

色の組み合わせは幅広いうえ、印象を大きく左右するので、今流行りのデザインであるモダンスタイルなど、理想のイメージに近づけやすいのもポイントです!

 

整列した窓をとり入れてシックに魅せる

外観の印象に大きな影響を与えるポイントの一つに『窓』があります。

窓のサイズや配置、種類は、採光や間取りとの合理性を第一に優先して選びますが、水平や垂直で高さや幅が揃っている窓は、センスのよい印象をあたえます

同じ形の窓を等間隔で配置するなどして、外観に統一感をもたせましょう。

ちなみに、日本の住宅でよく使われる『引き違い窓』は少しチープな印象を受けます。

そのため、多くの人がよく目にする玄関側の位置は避け、スリットやスクエアなどのシックな窓を使用すると良いでしょう。

また、窓枠の色に印象的なアクセントを入れて目立たせるのもGood!ちょっとしたことですが、外観のイメージはかなり変わってきます。

逆に、異なる形の窓をランダムに配置したり、様々な色を使用したりすると全体的にまとまりがなくなってしまうので気をつけてくださいね。

ライター
【モダンな印象にするポイント】『スクエア』『スリット』のような、同じ形の窓を等間隔で配置しましょう。

 

外壁に立体感がある素材を選ぶ

総二階の住宅は形がシンプルな分、外壁の素材に特徴をもたせることで、個性を演出することができます。

例えば、窯業系・金属系サイディングは、同じ素材でも色、質感、張り方の種類も豊富にあります。

そのため、家のデザインやイメージに合わせてカスタマイズすることで、独自のセンスを活かした外観に仕上げることが可能ですよ。

サイディングの他にも、モルタルと呼ばれる外壁材も定番です。

モルタル壁は意匠性に優れ、深い味わいのある仕上がりが特徴で、窯業系サイディングのように外壁同士の継ぎ目がなく、漆喰風や土壁風など和をメインにした外観にできるのも魅力的。

また、外壁の素材を複数選択するのもコツの一つです。

外壁の一部や玄関やバルコニーなどのポイント部分に木の外壁材やスチールなど、印象の強い素材を用いることでアクセントとなり、オシャレ度がぐんと高まります。

ライター
【モダンな印象にするポイント】素材は2つ以上組み合わせ、外観にメリハリをつけましょう。

サイディング

外壁に貼る仕上げ用の板材のこと。

デザインが豊富、品質が安定している、建築コストを抑えられるなどが特徴で現在の外壁の7割〜8割を占めます。

窯業系を中心に、金属系、木質系など様々な種類があるのも特徴です。

モルタル

セメント・砂に水を使いして練り込んだ建築材料のこと。

仕上げの種類が豊富で自由にデザインできることが大きな特徴の一つ。

サイディングと比較して継ぎ目がなく、美しく高級感のある仕上がりとなります。

 

玄関ポーチやバルコニーを装飾して奥行きを出す

シンプルな形の総二階の住宅に立体感を出すコツとして、玄関ポーチやバルコニーを活用するのも定番の手法です。

玄関ポーチはシンプルな外観に陰影をつけてくれるので、フラットでさっぱりしすぎる印象を払拭してくれます。

また、ドアの材質を変えるだけでも、ワンポイントアクセントとなり、家全体のイメージに大きな影響を与えるでしょう。

玄関は多くの人の目にとまるところです。

少し意識することで、おしゃれな外観の家に近づくことができますよ。

玄関の他に、バルコニーに工夫を施すのも良いでしょう。

バルコニーは平坦な外壁に大きな立体感をもたせることができる上に、少し工夫を凝らすことで、家のデザイン性もより広がります。

例えば、2階部分をオーバーハングすることで凹凸ができるため、家に陰影をつけることができます。

玄関やバルコニーで立体感を演出することで、外壁の素材や色味が多少シンプルでも、目を引く家になること間違いなしです。

ライター
【モダンな印象にするポイント】玄関・バルコニーに凹凸を出すために、ドアの材質やバルコニーの配置にこだわってみましょう。

 

オーバーハング

下の階よりも上の階が張り出した設計デザインのこと。

狭い土地でも有効活用できる上に、デザイン性が高く、建築費用を抑えられるメリットがあります。

ただし、『建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)』や『容積率(土地の面積に対する延べ床面積の割合)』など、建物を建てる上でのルールを守る必要があるので注意して検討しましょう。

 

屋根の形に個性をもたせる

総二階の住宅はシンプルな構造であることから、屋根の形状によって印象がガラリとかわります。

実例の一つとしては、『片流れ屋根』を使用することが挙げられます。

総二階だとフラットな『陸屋根』が主流ですが、片流れ屋根だとシンプルなシルエットに変化をもたせることができます。

モダンデザインとの相性も抜群で、総二階の外観をスタイリッシュに魅せてくれるためおすすめ。

ちなみに、一般的によく見る家の屋根は『切妻屋根』といいます。

下記の通りにまとめましたので、参考にしてみてくださいね。

 

切妻屋根

同じ長さの2つの面を2方向に勾配を付けて、三角形の形を取った屋根のこと。

妻側(屋根の等に対して垂直の壁)からみると、屋根が三角形となっていることから『三角屋根』とも呼ばれます。

一般的な戸建てにおいては、最も普及している屋根の形状であり、雨漏りのリスクが少ないことが最大のメリットです。

 

陸屋根

屋根に勾配がない平面な屋根のこと。平屋根・フラット屋根とも呼ばれます。

ビルやマンションでは主流の屋根形状でありますが、スタイリッシュなデザインや陸屋根ならではメリットがあり、近年では戸建住宅でも普及しています。

 

片流れ屋根

1つの面を1方向に勾配をつけている形状の屋根のこと。

狭い敷地の住宅でも住居空間を確保しやすく、縦長な敷地の家でもマッチすることから都会を中心に普及しています。

また、見た目もおしゃれであることも人気を集めている要因の一つです。

 

まとめ

今回は総二階の住宅について、メリット・デメリットから外観をおしゃれにするコツまでを解説しました。

シンプルな形状であるがゆえに、アイデア・工夫をとり入れながら建てる必要がありますが、その一方で、総二階の住宅の特徴をよく理解することでモダン、和風、洋風などオリジナリティ溢れる理想的な住まいをつくることができます。

戸建ての注文住宅を検討する際には、ぜひ総二階の住宅にもチャレンジしてみてくださいね。

また、外観デザインは、家主の暮らし方、周辺環境の調和など、様々な要素を考慮して初めて良いデザインとなります。

総二階の住宅に限らず、間取り、外観などは切り離して考えず、相互に影響するという視点をもって考えてみてください。

 

 

くれぐれも、マイホーム作りは慎重に…

 

 

この記事の監修:嵯峨根 拓未

所有資格:二級建築士、宅地建物取引士

 

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ライター紹介 ライター一覧

佃井 心春

佃井 心春

普段は社内SEとして、都内勤務しているOLです。
マイホームの購入一生モノです。
読者様の悩みが解決できるよう、分かりやすく説明していきます。

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