折り上げ天井のメリット&デメリット解説!おしゃれに取り入れるコツとは?
リビングに開放感をもたせる方法のひとつに、『折り上げ天井』があります。
折り上げ天井を採用することで、部屋を広く見せるだけではなく、スタイリッシュでおしゃれな空間を演出することもできるのです。
この記事では、折り上げ天井のメリット・デメリット、おしゃれに魅せるコツなどをインテリアコーディネーターがお伝えしていきます。
吹き抜けよりも比較的手軽に取り入れられるので、「開放的な部屋にしたい!」という方はぜひ参考にしてみてくださいね。
折り上げ天井とは?
折り上げ天井とは、天井の一部を凹ませて一段高くした天井のことです。
天井高を通常よりも10cm~20cmほど高くすることで、部屋全体に立体感が生まれ、おしゃれなインテリア空間を演出することができます。
どのようなタイプの部屋であっても手軽に取り入れやすいので、「おしゃれな雰囲気にしたいけど、吹き抜けはいらないかな…」という場合にもおすすめの方法ですよ。
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折り上げ天井は、低予算で高級感を演出できるため、注文住宅や分譲住宅などの新築一戸建はもちろん、最近では新築マンションやリフォームなどでも採用されています。
関連して、折り上げ天井のほかにも、次のような天井の種類があります。
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下がり天井は、折り上げ天井とは反対に、落ち着いた雰囲気を演出したい場合におすすめ。
また勾配天井は、最上階の部屋の天井として採用されていますよ。
折り上げ天井のメリット
天井の一部を高くした折り上げ天井は、平天井にはない魅力溢れるもの。
次は、そんな折り上げ天井を採用することで、どのようなメリットがあるのかをみていきましょう。
開放的な空間になる
折り上げ天井の魅力は、なんといっても部屋が開放的な空間になることです。
天井を高くすることで目線が上にいき、実際よりも部屋が広く感じられる効果があります。
折り上げ天井がある部屋では、のびのびとくつろげる優雅な時間を過ごせるでしょう。
スタイリッシュで個性的
折り上げ天井は、天井面に意図的に凹凸をつくるため、デザイン性がグッと高まります。
また、天井の中央部分を凹ませた折り上げ天井には、シーリングファンや間接照明といった照明器具もよく映えるので、オシャレな空間に仕上げることも難しくありません。
簡単にスタイリッシュで個性的な空間に仕上げられるのが、折り上げ天井の魅力です。
十分な採光性を確保できる
折り上げ天井は「部屋の中央部分につくる」というイメージが強いかもしれません。
しかし、あえて窓側に取り入れることで、部屋の採光性をアップすることができるのです。
理由はシンプルで、外壁に面する天井高を上げることにより、そのぶん高い位置に窓を取り入れられるようになるからです。
高窓から自然光をたっぷりと確保することでより明るい部屋となり、心と体の健康にも一役買ってくれるでしょう。
ローコストで作れる
折り上げ天井は、実はローコストでつくることができます。
新築住宅で折り上げ天井をつくる場合の費用はなんと約10万円。
こうした費用の安さに加えて、吹き抜けのように上階の部屋数が減ったり、冷暖房効率が下がったりすることもありません。
くつろぎたい部屋やおしゃれに魅せたいスペースに、気軽に取り入れられるのです。
費用をおさえて開放感を出したい場合、折り上げ天井を採用するのは非常におすすめの方法です。
折り上げ天井のデメリット
一見、メリットが大きいように感じる折り上げ天井ですが、もちろんデメリットもあります。
中には、天井が一段高くなっているがゆえにデメリットとなってしまっていることも…。
次に解説する具体的なデメリットも知ったうえで、導入を検討するようにしてくださいね。
メンテナンスが大変
折り上げ天井は、天井面に凹凸があるのが最大の特徴です。
そのため、実は「思ったよりもメンテナンスが大変…」と感じる人も少なくありません。
理由は以下の通りです。
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これらの対策として、一番有効な手段はこまめな掃除です。
忙しい方や、自分が高齢になったときのことを考えると、日々の掃除に加えて天井の掃除をするのは大変ですよね。
加えて、一般的な天井よりも高い位置にあるため、場合によっては業者にお願いしないといけない場合もあります。
日々の掃除の手間が増え、業者に依頼しなければならないケースもあるなど、メンテナンスが大変になってしまうのは、折り上げ天井の欠点といえるでしょう。
バランスをとるのが難しい
折り上げ天井は、部屋の種類や広さ、折り上げ面の大きさ、折り上げる高さなど、部屋によって印象や見え方がガラッと変わります。
単に天井を凹ませればいいというわけではなく、美しく見せる絶妙なバランスがあるのです。
そのバランスをとるのは、プロでもない限りなかなか難しいもの。
アンバランスな仕上がりになってしまい「失敗した…」と後悔しないためにも、設計士さんとよく相談したうえで、部屋に合った折り上げ天井のデザインを決めてくださいね。
上の階の天井が低くなることもある
折り上げ天井は、一階部分にもうけるケースが一般的です。
しかし、一階の天井を高くすることで、家の構造によっては二階の天井高に影響してしまうことがあります。
とくにリフォームで折り上げ天井を新たにつくる場合、二階の床が底上げされた結果、二階の天井高が低くなってしまう可能性があるので注意するようにしましょう。
また住宅の天井高は、建築基準法で定められているルールがあるので、希望の高さの折り上げ天井にできるかどうかは、あらかじめ確認しておく必要があります。
折り上げ天井をおしゃれにつくるコツ
折り上げ天井は、取り入れるだけでスタイリッシュで個性的な空間に仕上げてくれるもの。
それでも、せっかく折り上げ天井をつくるなら、さらにおしゃれで素敵なデザインにしたいですよね。
そこで、最後に折り上げ天井をおしゃれにする3つのコツをお伝えします。
素敵な空間づくりのアイデアのひとつとして、参考にしてみてくださいね!
アクセントクロスを取り入れる
出典:住友林業【天井インテリア実例写真】
折り上げ天井をおしゃれに魅せるなら、アクセントクロスがおすすめです。
アクセントクロスとは、色や柄のある派手なクロスのことで、部屋の一部に取り入れることで空間を引きしめてくれる効果があります。
より高級感のあるおしゃれな仕上がりを目指すのであれば、折り上げ天井の一番凹んだ部分に、ブラウンやグレー、木目調といったアクセントクロスを採用するのがおすすめです。
コーブ照明のような間接照明を使う
折り上げ天井と相性抜群なのが間接照明です。
とくに、折り上げ天井の縁にあらかじめ照明器具を埋め込んだ「コーブ照明」は、天井をやわらかな光で照らし、ホテルライクな空間を演出してくれます。
照明計画を立てるときは「間接照明は照度が低くなる」という点をおさえておくようにしましょう。
こまかい作業をする部屋では、間接照明のみだと手元が暗くなってしまうため、必要に応じて点灯できるダウンライトやフロアライトを併用するのがポイントです。
格子や化粧梁で工夫する
出典:住友林業【天井インテリア実例写真】
インパクトのある折り上げ天井にするなら、格子や化粧梁を用いるのがおすすめです。
折り上げ天井に、日本建築ならではの格子を使うことで、和モダン風のおしゃれな雰囲気に仕上がります。
また、リビングやダイニングなどの広い部屋には「見せる化粧梁」を使ったスタイルで、ダイナミックなおしゃれ空間を演出するのもおすすめですよ。
まとめ
おしゃれな折り上げ天井は、部屋を広く見せ、開放的な空間を演出することができます。
今回ご紹介した間接照明を使ったり、アクセントクロスを採用することで、よりおしゃれで素敵な空間になるでしょう。
また吹き抜けをつくるよりも安価で、手軽に個性や解放感を出せる方法でもあります。
しかし、メンテナンスが大変だったり、上階の天井が低くなるなどデメリットがあるのも事実。
こうしたメリットとデメリットを理解したうえで検討することが大切です。
みなさまが、おしゃれで居心地の良い住まいを手に入れられることを願っています!