リビング階段の間取りを紹介!メリット&デメリットと後悔しないためのコツ
近年、注文住宅でリビング階段(リビングイン階段)が人気を集めています。
「リビング階段にしたいけど、どんな間取りにすればいいのかわからない…」と悩んでいませんか?
どんなものにも、メリットだけではなくデメリットもあります。
それはリビング階段も例外ではありません。
とは言え、せっかくリビング階段を取り入れるなら、後悔することなく快適に生活できる住まいにしたいですよね!
この記事では、リビング階段におすすめの間取り、メリット・デメリット、後悔しないコツなどを、インテリアコーディネーターがわかりやすくお伝えしていきます。
ご自宅にリビング階段を採用するかお悩みの方は、参考にしてみてくださいね!
リビング階段を使ったおすすめの間取り
リビング階段は、リビングダイニング、キッチンといった生活空間を経由して2階に上がるのが特徴です。
つまり、階段の位置ひとつで生活動線やコミュニケーションの取りやすさなども変わってしまうことになります。
そこで、リビング階段を採用したおすすめの間取りを3種類ご紹介します。
ご家族のライフスタイルに合ったリビング階段の位置を検討してみてくださいね。
リビングの入り口付近に階段を配置する間取り
リビングの出入り口付近にリビング階段をもうける間取りです。
【デメリット】
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階段部分と部屋とのあいだに適度な距離ができるため、人の出入りが多いご家庭でもリビングで落ち着いて過ごすことができるでしょう。
「ある程度のプライバシーを守りたい」というご要望があるご家庭におすすめの間取りです。
リビング中央に階段を配置する間取り
リビングの中央部分にリビング階段をもうけた間取りです。
【デメリット】
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部屋の中央に階段があるため、家具のレイアウト次第ではリビングダイニングやキッチンが分断されたように感じるかもしれません。
動線確保のために広いスペースも必要なので、リビングの面積を広くとれる場合におすすめの間取りです。
リビングの奥側に階段を配置する間取り
リビングの一番奥側にリビング階段をもうけた間取りです。
【デメリット】
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リビングダイニングとキッチンを横切って2階へと上がる動線なので、もっとも家族とのコミュニケーションがとりやすい間取りだといえるでしょう。
家族との会話や繋がりを重視するご家庭におすすめです。
リビング階段のメリット
リビング階段のある住まいは、玄関ホール階段とは違ったメリットがあります。
次は、リビング階段の具体的なメリットについてみていきましょう。
メリット①部屋が広く見える
リビング階段は、リビングを実際よりも広く見せてくれる効果があります。
階段の上部に抜け感をつくることで目線が上にいくため、広々とした空間に感じるのです。
リビングを吹き抜けにして高窓を設置すれば、より明るく開放的なリビングになりますよ。
メリット②家族との会話や顔を合わせる機会が増える
リビング階段のある家は、自然と家族とのコミュニケーションがとりやすくなります。
子ども部屋が2階にある場合、子どもが帰宅したときや出かけるときには必ず顔を合わせることになるので、親にとっても安心できますよね。
それに加え、リビング階段は1階から呼びかけるだけで、2階にいる家族と簡単に会話ができます。
上下階の声が届きやすいので、声をかけるためにわざわざ廊下に出るという手間がかからないという点も、リビング階段のメリットと言えるでしょう。
メリット③階段がインテリアのアクセントになる
リビング階段は、階段そのものがインテリアのアクセントになります。
よりインテリアにこだわりたい方は、「らせん階段」や「スケルトン階段」のような、デザインに凝った階段を選ぶのもおすすめです。
リビング階段を採用するだけでも、よりラグジュアリーでおしゃれな空間が完成しますよ。
リビング階段のデメリット
おしゃれでコミュニケーションのとりやすいリビング階段ですが、メリットがある反面、デメリットもあります。
「快適な居住空間が最優先!」という方にとっては、気になるデメリットが多いかもしれません。
リビング階段をつくったあとに後悔しないためにも、デメリットについてもみていきましょう。
デメリット①冷暖房効率が低下する
リビング階段があると、上下階の空間に仕切りがなくなります。
そのため、リビングの冷暖房効率が悪くなってしまう点がデメリットといえます。
暖かい空気は上に、冷たい空気は下にこもるという特性があります。
そのため「冬はエアコンを『強』にしてもなかなか暖まらない…」なんてことも。
リビング階段を採用するのであれば、光熱費がはね上がってしまわないよう、できるだけ断熱性・気密性の高い家を目指すことが大切です。
リビング階段に壁をもうける間取りの場合は、階段の一段目にカーテンやロールスクリーン、引き戸などの仕切りを取り付ける対策が有効ですよ。
引き戸のような仕切りは、リフォームして設置することも可能です。
お悩みの場合は、階段リフォームも検討してみましょう。
とはいえ、冬場に玄関ホール階段でありがちな「階段がとても寒い…」ということはなくなるので、考え方によってはメリットともいえますね。
デメリット②プライバシーを守るのが難しい
リビング階段は、リビングを必ず通って2階へ上がる間取りです。
そのため、家族のプライバシーを確保しにくいというデメリットがあります。
2階に子供部屋があるなら、子どもの友達が遊びにきたときには必ずリビングを通過することになりますよね。
そうすると、散らかったままのキッチンやリビングでくつろいでいる家族の姿など、プライベート空間がすべて丸見えになってしまいます。
反対にリビングにお客様がいるときは、「パジャマのままリビングに下りづらい…」と、家族の生活動線が不便になる場面もあるかもしれません。
リビング階段を作るのであれば、家族のプライバシーをどう守っていくかも視野に入れるようにしましょう。
デメリット③生活音やにおいが気になる
リビング階段があると、1階と2階の境目が取り払われることになります。
そのため、生活音やにおいを完全にシャットアウトすることがむずかしくなってしまうのです。
ニンニク料理や魚料理のにおいが2階に漂ったり、話し声やテレビの音が筒抜けになってしまうことも。
音やにおいに敏感な家族がいる場合や、朝晩のライフスタイルが違うご家族がいる場合は、しっかりと対策しておく必要があるでしょう。
【後悔しないために】リビング階段を使った間取り決めのコツ
注文住宅を建てた人の中には、「リビング階段にして後悔している…」「できればリフォームしたい…」という声があるのも事実。
階段の位置は、生活動線に直結します。
住宅展示場や住宅カタログに載っている「おしゃれなリビング階段」への憧れだけで、なんとなく取り入れると後悔してしまうかもしれません。
そこで、リビング階段を取り入れたことで後悔や失敗をしないために、間取り決めをするときのコツをお伝えします。
ポイントをおさえて、後悔しないリビング階段を使った間取りを作りましょう!
換気性能を優先させる
リビング階段をつくる場合、キッチンの換気対策は絶対に外せません。
料理のにおいが2階に充満してしまい、不快な思いをすることがないよう、キッチンの位置は階段からできるだけ離した間取りにするのがポイントです。
また、次のような対策も有効ですよ。
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こうした対策をすることで、料理や油のにおいが2階に流れにくくなり、快適に過ごせるでしょう。
リビングのレイアウトを真四角にしない
リビングの間取りは、シンプルな正方形や長方形の形状にするのが一般的。
しかし、真四角の部屋にリビング階段を設置すると、あまりにもオープンな空間になりすぎてしまうということも。
そこで、リビング階段を取り入れる場合は、あえて『L字型』を採用するのがおすすめです。
とくに女の子がいるご家庭の場合、「階段を上がっているところを下から見られると気になる…」という声もよく聞きます。
リビングをL字型にすることで、視線や動線をゆるやかに区切り、家族同士のプライバシーも保てる居心地のよい空間に仕上げることができます。
間仕切りのできる客間をつくっておく
来客の多いご家庭では、リビングの一角に間仕切りのできる来客用スペースをつくっておくのがおすすめです。
仕切られた空間があることで、家族もお客様も落ちついてくつろぐことができます。
来客がないときは、仕切りをオープンにして広々と使うことができるので、一石二鳥の便利な空間になるでしょう。
プライバシーを守りにくいリビング階段では、「人がいるからリビングを通りにくい…」という状況をできるだけなくす配慮が大切です。
まとめ
リビング階段は、家族とのコミュニケーションをとりやすい人気の間取りです。
しかし、開放感があるゆえ、冷暖房効率の低下やプライバシーを守りにくいなどといったデメリットもあります。
とはいえ、間取りの工夫次第では、十分に快適なリビング空間を実現することが可能です。
展示場やカタログで、おしゃれで機能的なリビング階段を取り入れた家の事例をチェックして、実際に住んだときの生活をイメージしてみるのもよいでしょう。
ご家族にとって最適な間取りになるよう、じっくりと考えて素敵な家づくりをしてくださいね!
マイホームづくりは、くれぐれも慎重に…
この記事の監修:嵯峨根 拓未 所有資格:宅地建物取引士 |