ハウスメーカー&工務店の選び方は?おさえるべきポイントや注意点を解説!
「注文住宅を建てたい!さてどこで建てよう?」理想の家づくりを共に進めていく、大切なパートナーである住宅メーカー。
そんな住宅メーカーを、どのように選べば良いのかを迷ったことがある人も多いのではないでしょうか。
家は、多くの人にとって人生で最も大きな買い物。
住宅ローンで沢山のお金を借りて購入するのですから、誰もが後悔したくありませんよね。
今回は後悔しない住宅メーカー選びについて、知っておきたいポイントや注意点を詳しくご紹介していきます。
このページの目次
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ハウスメーカーや工務店を選ぶ前にすること
「ハウスメーカーと工務店、どっちがいいの?」
住宅メーカー選びで、まず思い浮かぶのはこの疑問ではないでしょうか。
ここでは、その事前準備にどんなことをしておくと安心かを解説していきます。
1-1.住宅への条件を決めておく
まずは『予算』『どんな家を建てたいか』というイメージの2点を、シミュレーションしておくことが大切です。
予算:家づくりにかけられる総予算はどのくらいでしょうか。
- 住宅づくりの土台となる土地
- 建物の階数
- 性能・設備にかけられる費用
これらを決めていく上で、全てに関わる重要な条件です。
家のイメージ:こちらは自由にイメージしてみましょう。
- テイストやデザイン
- 間取り
- キッチン浴室などの設備
- 住宅性能
- 外観
など、家族で意見を出し合って楽しみながら理想を整理しておきます。住宅カタログやSNSなどの画像をまとめておくのもいいですね。
もちろん予算には限りがありますので、全てを叶えるのは難しいかもしれませんが、理想に少しでも近づけるよう、頼れる住宅メーカーを見つけにいきましょう。
ハウスメーカーと工務店の違いを理解する
ハウスメーカーと工務店の大まかな違いは、会社の規模と対応エリアです。
ハウスメーカーは全国展開をしている会社が多く、知名度の高さとブランド力、施工事例の豊富さが魅力。
基本的には、既存のプランから好みのものを選ぶ工法となるため、家の完成までのスピードが速く、高い品質が保証されていることが強みだといえます。
一方、工務店は地域密着型のところが多く、地域の実情や気候など、土地勘を活かした家づくりが強み。
また、施主と職人の距離が近いぶん、要望に合わせて工法や建材を選択できることが多く、自由度の高さが魅力です。
ハウスメーカーの選び方でおさえるべきポイント
理想の家づくりの成功を左右する、住宅メーカー選び。
選択を失敗しないためにも、会社ごとの違いや家づくりの重要なポイントを7つの項目に分けてご紹介していきます。
建築費用
建築費用は、住宅会社によって大きく異なります。
例えば、30坪前後の家を
- 1000万円台で建てられる家を専門に扱う会社
- 2000万円台で建てられる工務店
- 3000万円台で請け負う大手メーカー
このように、一見同じような家に見えても金額は大きく違う場合があります。
住宅性能の等級、設備のスペックや内外装のランク、サービスなど、どのような違いで価格に差があるのかを見極めることが大切。
坪単価などの相場だけで判断せず、自分に合った住宅づくりができるようしっかり考えていきましょう。
住宅性能
キッチンや浴室などの住宅設備、内装、外壁など目に見えるものに意識が向きがちですが、実は注文住宅でまず押さえておきたいのは、目に見えない「性能」の部分。
この「性能」とは、耐震性、断熱・気密性を指します。
例えば、耐震性は耐震等級の1と3では大きな違いがあります。
断熱・気密性は、住む人の快適性や健康に関わるだけでなく、省エネルギーの面で生涯住宅にかかるコストにも大きな影響を及ぼします。
限られた予算のなかで、何を優先し、何にお金をかけるべきかを明確にして、大切な家づくりを進めていく必要があるでしょう。
各ハウスメーカーの得意分野
あなたの理想の家のイメージに、一番寄り添ってくれそうな住宅メーカーを見極めることが大切です。
例えば、住宅メーカーによって得意分野はさまざまです。
- シンプルモダンなデザインが得意
- 和の雰囲気を感じる設計が得意
- 南欧風の外観が得意
- 高気密・高断熱の家づくりが得意
- 床暖房などの設備系が得意
構造・工法をとっても
- 木造
- 鉄骨造
- 鉄筋コンクリート(RC造)
- 2✕4(ツーバイフォー)
など、何に力を入れているかは住宅メーカーによって違うのです。
まずはハウスメーカーや工務店の得意や特色を確認するために、ウェブサイトのチェックや、カタログ資料を請求してみるのがおすすめです。
設備や材料のグレード
キッチンや浴室などの住宅設備にはグレードが低いものから高いものまで準備されています。
例えばシステムキッチンは、デザイン性の高い天板や質の良い扉になるほどグレードが上がり、食器洗い乾燥機などが備え付けられていることも。
また、高いグレードの床材であれば、天然木を使用していたり、同じフローリングでもより天然木に近い質感で作られていたりします。
デザイン性を重視するのか、使い勝手を重視するのかなど、設備や材料のグレードのバランスを見ながら価格を調整していきましょう。
保証やアフターサービス
新築住宅の場合『住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)』によって、以下の部分は10年間の保証が定められています。
- 基礎・柱などの構造の主要な部分
- 屋根や外壁などの雨漏りに関して
大手ハウスメーカーと呼ばれる会社では、このような独自のアフターサービスを提供していることも。
- 最長30年の長期保証
- 24時間対応可能なコールセンター
- 定期メンテナンス制度
また『住宅完成保証制度』という、住宅メーカーが加入する制度もあります。
事業者の倒産などで工事継続できなくなった場合、発注者が最小限の追加負担で住宅を完成できるようサポートするという、施主が安心できる仕組みです。
こういった制度に加入しているかなど、自分たちにとって安心できる体制が整っている住宅メーカーかどうかを確認しておきましょう。
メンテナンス費用
屋根や外壁、シロアリ防除など、住宅のメンテナンスにはさまざまな費用がかかります。
例えば、外壁塗装の相場が1回あたり100万円とすると、外壁の寿命が延びればそれだけメンテナンス費用が削減できることになります。
各住宅メーカーの営業担当者に、長期スパンでのメンテナンス費用などを算出してもらい、メンテナンス費用を含めて比較検討してみましょう。
間取り決めの自由度
住宅メーカーによっては、柱や階段など構造材の規格が決まっており「この階段の角度をもう少し緩やかに」「ここの天井をあと3cm高く」「この窓は大きく」といった細かい間取りの注文に対応できないケースもあります。
生活の快適さを左右する大切な間取りの自由度についてはきちんと確認し、同じ間取りで数社の住宅メーカーに相見積もりをとってみることをおすすめします。
ハウスメーカー・工務店を選ぶときの注意点
自分たちに寄り添ってくれそうな住宅メーカーが絞れたら、いよいよどこで建てるかを決めるため、より厳しい目で見なければなりません。
住宅メーカー選びで外してはいけない注意点をさらに5つご紹介します。
住宅展示場や知名度だけで決めない
住宅メーカーの展示場やモデルルームを見学して、実際の部材や内装設備に触れるのもいいですよね。
ただし、注意点もあります。
それは、「モデルハウスと実際の住宅のサイズは違う」ということ。
一般的なモデルハウスは60〜80坪と、平均的な注文住宅のサイズである30〜40坪に比べて2倍ほどの大きさで造られているなんていうことも。
モデルハウスで広いリビングに魅力を感じて住宅メーカーを決めたけれど、代わりにほかの部屋が狭く不便になってがっかり…とならないよう気をつけなければいけません。
このようなことを防ぐために、実際にその住宅メーカーで建てたオーナー宅や完成現場などを必ず見学させてもらいましょう。
- より具体的な生活がイメージできる
- オーナーに直接に経験談を聞くことができる
- 理想と違うかも…などイメージ違いがあっても、事前に気付くことができる
など、カタログやモデルルームだけでは気付くことのできない情報をたくさん得ることができ、後悔するリスクをぐんと減らすことができますよ!
着工後の変更について確認する
例えば、窓の位置・大きさ、壁紙、コンセントの配置など、内容によっては着工後の変更が可能ですが「着工後の変更は一切受け付けない」という住宅メーカーもあります。
また、着工後の変更が可能であっても、追加請求や工期の変更がある場合も。
「費用が変わる」「対応できない」という食い違いによるトラブルを避けるためにも、住宅メーカーを選ぶ際には、事前にしっかりと担当者に確認しておきましょう。
施工する会社や大工の質を見る
良い家を建てるためには、実際に施工する大工さんや、指揮を取る施工会社の「質」がとても重要です!
大工さんは建築現場見学、施工会社はメーカー独自の指定工事店制度で確認することができますよ。
そのときにチェックする項目は以下の通り。
大工のチェック項目
- 現場が乱雑に散らかっていないか、整理整頓されているか
- ヘルメット着用などの安全対策が行き届いているか
- 現場の大工さんから挨拶があるか、活発な雰囲気かどうか
- 建築内部など、細かな部分も見学可能か
現場に自信がある大工さん、建築現場であれば、自信をもって見学に対応してもらえるでしょう。
施工会社のチェック項目
- メーカーが委託する施工会社に選定基準や指定工事店制度などを設けているか
- 選定基準を満たす施工会社のみの契約としているか
指定工事店制度を設けていない住宅メーカーの依頼先は、実績やスキルが不明の施工業者であることもことも。
建築スキルが不明の施工を避けるためにも、契約前に確認しておきましょう!
担当者の人柄や相性をチェックする
営業担当者の人柄や相性も、住宅メーカーを選ぶ際には重要な要素のひとつ。
設備や費用に満足して契約したはずなのに、相談しづらい、要望を汲み取ってもらえない、不安が消えない、などの理由で満足のいく家づくりができなくなってしまう可能性があります。
身だしなみが綺麗・話しやすいだけでなく、以下の項目に当てはまるかどうかも確認してみましょう。
ヒアリング能力が高い
お客様の要望や心配事などをしっかり聞き取り、質問に対して明確な答えが返ってくるような担当者だと、安心して家づくりを進めていくことができます。
自社や商品のアピールばかりではなく、施主の話を聞く姿勢を持っている人かどうかをチェックしましょう。
提案力があり、過去の提案実績も豊富
過去の提案実績が豊富であるほど、成功事例に沿った提案や代替案を出し、こちらの気付かない点に対しても確認をとってくれます。
きめ細やかなフォローが期待できる担当者だと、注文住宅の成功確率が格段に上がります。
デメリットも誠実に説明してくれる
自社の商品や特徴に対して、客観的な評価やデメリットも含めて誠実に説明してくれる担当者であれば、住宅メーカーの選択の際に何を優先したら良いか迷った場合でも、お客様の立場での提案を期待できます。
自分の家を購入したことがある
実際に自分の家を購入したことがある担当者であれば、その経験を活かし顧客の気持ちに寄り添った満足度の高い提案も期待できるでしょう。
1社だけの見積もりで判断しない
候補の住宅メーカーのなかから、最終的に1社を決める前に、必ず数社の住宅メーカーから見積もりを取るようにしましょう。
上手な見積もり依頼のポイントは、「これは外せない!」といういくつかの条件を出し、あとはお任せで提案してもらうこと。
自分では思いつかないようなプランを提案してくれる可能性もあって、おすすめですよ!
例えば
- 木の温もりを感じられる木造住宅
- こんな家事動線を重視
- この設備を取り入れたい
- 予算は3,000万円以内
といった条件を伝えて、実現可能なプランを提案してもらいましょう。
そのプランを見比べ、価格の妥当性やパートナーとしてお付き合いしたい業者かどうか、冷静に検討してみてくださいね。
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まとめ
住宅メーカーの選び方について、知っておきたいポイントや注意点をお伝えしてきました。
簡単におさらいしてみましょう!
【ハウスメーカー・工務店を選ぶ前にすること】
- 「予算」と「建てたい家のイメージ」をシュミレーションしておく
- ハウスメーカーと工務店の違いを理解する
【ハウスメーカー・工務店を選ぶ際の7つのポイント】
住宅メーカーによって、以下の項目に違いがあることを理解する
- 建築費用
- 住宅性能(耐震性、断熱・気密性)
- 得意分野
- キッチンや浴室など住宅設備のグレード
- 保障制度やアフターサービス
- メンテナンス費用
- 間取りの自由度
【ハウスメーカー・工務店を選ぶ時の注意点5つ】
- 住宅展示場や知名度だけで決めない
- 着工後の変更について確認
- 施工する会社や大工の質を確認
- 担当者の人柄や相性をチェック
- 1社だけの見積もりで判断しない
いかがでしたか?
家づくりの成功を左右する重要なポイントとなる住宅メーカー。
その選び方を失敗しないために、あなたの理想の家づくりを叶えられるよう、ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。
くれぐれも、マイホーム作りは慎重に…。
この記事の監修:嵯峨根 拓未
所有資格:二級建築士、宅地建物取引士 |