10坪って何平米?家は建てられる?どんな間取り?疑問を解決!
「10坪ってどれくらいの広さなの?」
「家族で住む家は建てられる?」
「限られた土地で、快適な家を建てるにはどうすればいい?」
このような悩みをお持ちの方もいるかと思います。
明確な定義はありませんが、15坪以下の土地に建てられた家を『狭小住宅』と呼び、特に土地の価格が高い都心部に多くみられます。
今回は、“わずか10坪の限られた土地で住宅を建てられるのか?”という疑問に答えたいと思います。
この記事を読むことで、10坪を有効活用できるコツが分かり、快適な住宅を建てることが叶いますよ。
10坪はどのくらいの広さ?
10坪は、20畳くらいの広さです。
部屋で例えると1LDKくらいの広さで、駐車場にした場合は乗用車4台分くらいを停められる広さともいえますね。
「希望通りの土地が見つかったけど、わずか10坪しか空き地がない…。」
このような場合でも、結論、家を建てることはできます。
ただし、10坪の限られた土地に住宅を建てるためには、さまざまな工夫を凝らす必要がありそうです。
10坪って何平米?
『平米』とは、『平方メートル(㎡)』のことで、面積を表すための単位です。
1平米=1㎡と表記できます。
つまり、10坪は約33平米ですね。
平米は主に、不動産関連で使用されることが多く、賃貸マンションやホテル・ホールなどの床面積を表す際に使われる単位の1つ。
例えば、縦3メートル横2メートルだと床面積は、3(縦)×2(横)=6㎡となり“6平米”と表記できるのです。
余談ですが、なぜ平方メートルが平米と表記されるかというと、昔の日本はメートルを『米』と書いていました。
『平方米』を略して『平米』と表記するようになったということですね。
10坪って何畳?
前述したように、10坪は約20畳です。
畳とは、平米や坪と同じく、不動産関連の広さを表す単位の1つ。
ただし、坪と平米については全国で変わらない基準として使用できますが、畳については地域によって広さが異なっています。
例えば、同じ1畳でも、関東は『江戸間』で寸法2尺9寸×5尺8寸(880㎜×1,760㎜)で面積は1.5488平米です。
関西は『京間』といい、寸法3尺1寸5分×6尺3寸(955㎜×1,910㎜)で面積は1,82405平米です。
他にも、中京地方で使用される『中京間』やマンションなどの賃貸で使用される『団地間』もあります。
それぞれ広さが異なっていることから、広さを細かく知りたい場合は、どの間で表記しているのか確認しましょう。
しかし、1.8平方メートルでも1畳と表記していいことにルール上はなりますが、どの不動産情報を見ても一般的に1.62平方メートルと表記されている場合がほとんどです。
昔と違って全国で人の往来が多い現在は、このような地域独自の寸法ですと使い勝手が悪いため、統一した寸法を使用するべく、不動産公正取引協議会によって、1畳は1.62平米以上と定めたことにより、一昔前より分かりやすくなりました。
10坪の広さを例えると?
10坪とは、約33平方メートル。
この広さを分かりやすく例えてみましょう。
例えば、7人乗りのファミリーカーの車体面積は約7.2平方メートル。
約4台弱収まる大きさが33平方メートルの10坪となります。
他にも、ビジネスホテルならツインルーム相当の広さですね。
狭く感じる方もいるかもしれませんが、2階建てや3階建てにすることで、10坪でも子育て世帯が住む家を建てることは可能です。
10坪のマンション・アパートの間取りとは
10坪のマンションやアパートの間取りは、1DK~1LDKくらいの広さが一般的。
例えば、LD10畳と寝室6畳とその他を4畳。
一人暮らしならゆったりと過ごせる空間を造ることができるでしょう。
LDが10畳あることで、ソファやダイニングテーブルを置くことも可能になります。
※間取り例は(https://aflat.asia/coordinate/guide/single-life/1ldk/index.html)よりお借りしました。
10坪のお店の席数は?
小さなカフェを開業する場合、10坪のお店の席数は、約13~15席くらいでしょう。
厨房の広さが全体の2.5割になると仮定すると、33平方メートルのうち約8平方メートルを使用します。
残りの12平方メートルが客席と通路に。
1客席あたり約1.3~1.5平方メートルなので、ゆとりをもたすなら13席くらいが妥当。
1人で営業するなら全体に目が届く広さといえますね。
10坪の庭ってどのくらい?
10坪の庭の活用方法を知ることで、広さのイメージをお伝えします。
10坪の庭の活用方法はこちら。
- ガーデニングや家庭菜園ができる
- 子どもの遊び場やバーベキューができる
- 駐車場や駐輪スペースにできる
10坪と聞くと狭く感じてしまう方もいるかと思いますが、庭の場合は十分な広さといえますね。
天然芝や砂砂利で自然な雰囲気をつくるもよし、高級感漂うレンガやタイルを敷くのもおすすめです。
10坪の土地にも家は建てられる?
結論、10坪の土地に家は建てられます。
ただし、建てるには注意すべき点がいくつかあります。
例えば、10坪の土地いっぱいに住宅を建てることはできません。
地域によって、建築面積に制限があるからです。
その中でも特に注意したいのが『建ぺい率』と『容積率』。
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合をさします。
住宅の密集を防ぎ、健全な住環境を保つための制限です。
また容積率は、敷地面積に対する住宅の延べ床面積の割合のこと。
用途地域や前面道路の幅によって、建築の制限がかかるものです。
(用途地域とは、都市計画法に基づき、住居・商業・工業などの用途に応じてエリア分けされたものをさします。)
建ぺい率と容積率について、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
このように、建ぺい率と容積率によって建てられる住宅は大きく違ってくるのです。
土地10坪に建てる狭小住宅ハウスのメリット・デメリット
10坪の広さの具体的なイメージができたら、実際に注文住宅を建てた場合のメリットデメリットを見てみましょう。
メリット
特に挙げられるメリットがこちら。
- 利便性がよい
- 掃除がラク
- 税金面など金銭的な負担が軽い
狭小住宅は、便利ではあるものの土地の値段が高い都市部に多くあります。
そのため、駅や商業施設など栄えている土地柄、通勤や買い物には不便しないでしょう。
その他、土地の面積が狭いので固定資産税が安価になりやすいです。
生活面でも、限られたスペースだからこそ、余分な物は待たないことから、掃除もしやすくなりそうですね。
デメリット
特に挙げられるデメリットがこちら。
- 建築費が高くなる傾向
- 近隣の家との距離が近い
- 生活動線が悪くなりがち
狭い土地で快適な暮らしを確保するとなると、高さを活かした住宅になります。
そのため、材料費や建設費用が高くなりがちに。
また、2階建て、3階建てと階数が上がるにつれ、上下移動が増え、ストレスに感じる人もいます。
特に、小さな子どもがいる家族や、足の不自由な家族がいる場合は、大きな負担となってしまうでしょう。
その他、都心部に多い狭小住宅は、近隣との間に十分なスペースを作ることが難しいです。
例えば、洗濯機の音や笑い声が近隣に聞こえてしまい騒音問題に発展したり、下の階に十分な採光が届かなかったりすることも予想されます。
土地10坪に二階建てを建てた場合の費用と間取りは?
建ぺい率や容積率によって、同じ土地でも建てられる家の広さは異なります。
また、土地の価格も関東と関西では値段が異なるのです。
住宅価格は、ハウスメーカーや建築内容によって異なりますが、狭小住宅の坪単価は、一般的に50~70万程度が多いようです。
(坪単価とは、建物本体価格÷延床面積(坪)=坪単価。1坪当たり約3.3平方メートルで算出。)
例えば、18坪の住宅を建てた時の、本体価格は900万円~1,260万円程度になることが多いでしょう。
狭小住宅の間取りの一例はこちら。
- LDKを中心に小回りがきく動線がまとまった平屋
- 吹き抜けを作り、採光や風通しが抜群な2階建ての家
- 1階をガレージにし、上に居住空間を配置した3階建ての家
限られたスペースだからこそ、工夫を凝らした家にすることで、快適な空間を作り上げることができますね。
土地10坪に建てる狭小住宅の間取りとは
実際の間取り例を見ながら、家を建てるイメージをしてみましょう。
余計なものを持たず、ミニマムだがプライベート空間も確保できる10坪以下の間取り。
廊下を無くすことで、一部屋あたりのスペースを十分に確保した間取り。
コンパクトだが、水回りをまとめることで生活動線がスムーズな平屋の間取り。
さまざまな間取りのパターンがありますね。
※間取り例は(https://ieny.jp/post/1221)からお借りしました
土地10坪に建てる狭小住宅で快適に暮らす方法
デメリットを払拭し、快適に暮らすためのコツをご紹介します。
生活動線を意識したアイデアはこちら。
- 水回りを一箇所にまとめる
- 人が集まるLDKの動線をスムーズにする
- 造作家具を活用し、空間を有効活用する(造作家具とは、造り付けの家具のこと)
狭い空間だからこそ、家事動線を遮らない工夫が必須となります。
例えば、ダイニングテーブルをキッチンカウンターの下に設置すれば、料理を運ぶ手間を省くこともできます。
リビングの奥に、トイレやバスルームを設置することで、掃除もしやすく、配管などの設備を別途設置する必要がなく、設置費削減にも繋がりますね。
他にも、快適な空間をつくるアイデアはこちら。
- 階段下に収納を作る
- 壁や扉部分をガラス素材にし、屋内を広く見せる
- 中庭や吹き抜けを活用し、採光と風通しを良くする
物が増えることで、居住空間が圧迫されては快適な空間とはいえませんよね。
デッドスペースを活用して収納棚を設置し、見せる収納を作るのも1つのアイディア。
また、近隣との距離が近いことから、採光や風通しをよくする工夫は必須といえるでしょう。
このように、限られた空間だからこそ、広く見える間取りや設備が重要になります。
まとめ
10坪とは、約20畳で33平米程度の広さです。
この限られた土地でも、家を建てることができることをお伝えしました。
狭小住宅は、一般住宅よりも税金面などの金銭的な負担が軽いだけでなく、利便性が高いことが魅力です。
その反面、間取りに失敗すると生活動線が悪く暮らしにくい家になることも。
そのため、さまざまな工夫が必要となります。
狭小住宅で快適に暮らすための方法がこちら。
- 吹き抜けを作り、採光や風通しを良くする
- 壁や扉などの一部をガラス素材にし、圧迫感を無くす
- デッドスペースを有効活用し、収納や造作家具を設置する
- LDKや水回りなど人が集まる箇所の動線設計をしっかりと行う
その他、限られたスペースだからこそ、物を減らし大切なものに囲まれた生活も叶うでしょう。
理想の土地が10坪しかなくても、暮らしやすい住宅はアイデア次第で造ることができますね。
この記事が、家づくりの参考書の1つになれば幸いです。
どのような広さのお家であっても、マイホーム作りは慎重に…
この記事の監修:嵯峨根 拓未
所有資格:二級建築士、宅地建物取引士 |