住宅ローンで失敗して後悔しないためにやってはいけないこと6選
住宅金融支援機構が発表したフラット35利用者調査によると、家を購入するときに支払った金額の全国平均は3,898万円というデータがあります。(土地から購入する場合)
新築一戸建てを土地から購入する場合、平均で約4,000万円ものお金が必要だということです。
約4,000万円にもなる家や土地の代金は、住宅ローンを利用して支払う方がほとんどだと思います。
住宅ローンを利用して家を建てる場合、恐らくあなたの人生において最も大きな借入れになることでしょう。
そんな住宅ローンですが、勉強せずに、不動産会社や建築会社に勧められるがままに借りてしまう方がとても多い現状があります。
「勧められるがままに住宅ローンを借りた結果、待っていたのはとても苦しい生活で、家なんて建てなければよかった・・・」
という方も少なくありません。
絶対にそんなことにはなりたくないですよね?
住宅ローンに失敗しないためには、住宅ローンで失敗しないための知識を身に着ける必要があります。
この記事では、住宅ローンに失敗して後悔しないために絶対に知っておきたい事をまとめました。
正しい住宅ローンの知識を身に着け、住宅ローンで失敗せずに幸せな家づくりをして頂ければと思います。
はじめに
はじめに知っておいて欲しいことがあります。
それは、自己破産をした人の約2割は住宅ローンが原因だということです。
一般的にサラリーマンの生涯賃金は2億円~3億円と言われています。
生涯で稼ぐお金が2~3億円なのに対し、数千万円もの借り入れをするのですから、住宅ローンが人生においていかに大きな存在かわかって頂けると思います。
実際に住宅ローンに失敗して自己破産をされている方がいることを考えると、住宅ローンに失敗すると人生計画が狂うと言っても言い過ぎではないと思います。
住宅ローンはそれほど重要で、しっかりと考えなければいけないということを念頭に置いてください。
住宅ローンで絶対にやってはいけないこと6選
住宅ローンを借りる際、絶対にやってはいけないことが6つあります。
例えば、無理な返済計画を立てること。
無理な返済計画を立てれば、後で苦しくなるのは当然ですよね。
でも、普通に考えれば誰でもわかるようなことでさえ、ついついやってしまう方が多いんです。
そして当然のように失敗します。
ここからご説明する中には、一見当たり前だと思うこともあるかもしれませんが、もう一度意識しなおしてみてください。
無理な返済計画
冒頭でもお伝えしたように、無理な返済計画を立ててしまう方が本当に多いです。
「家を建てたら今までより頑張って稼ごう!」
「これまで貯金できなかったけど、これを機会に貯金をして・・・」
私のお客様にも、実際にこんな感じの方はたくさんいらっしゃいます。
家を建てたらまったく新しい生活が始まるイメージをされているのだと思いますが、このイメージはとても危険です。
- 収入
- 家族構成
- 生活習慣
家を建てたからと言って、これらは急に変わりませんよね?
収入が変わることが無い以上、これまでできなかった貯金をしたり、ましてや急に稼ぐなんてことはできません。
現在の生活をベースに資金計画を考えることが大切です。
住宅会社の中には、「住宅ローン控除が出るから借りられるだけ借りた方が得です」などという最低な営業をしている会社もあるそうです。
住宅ローン控除は年末時の住宅ローン残債の1%が所得税と住民税から控除される制度なので、確かに残債が多ければ控除額も大きくなります。
しかし、住宅ローン控除は当初10年間だけですし、上限額も決まっています。
何より、税金の控除があったとしても、毎月の返済が苦しくなってはなんの意味も無いですよね。
このような最低な会社に騙されることのないよう、注意してください。
【参考記事】
家を建てるとき住宅ローンの相談は銀行や住宅会社にしても意味がない!?
住宅会社や不動産会社に勧められるがままに決める
住宅会社や不動産会社に勧められるがままに住宅ローンを決める方が大変多いのですが、これも失敗のもとです。
現在住宅ローンは全国に5,000種類以上あると言われており、金利が低かったり、手数料が無料だったり、それぞれに特色があります。
それぞれの住宅ローンを比べ、あなたに最適な住宅ローンを見つけることができれば、総額で数百万円も得をする可能性があります。
住宅会社や不動産会社が勧める住宅ローンは、その会社が提携していたり、昔から利用しているという理由から勧められている可能性が高いです。
会社の都合で選ばれただけで、あなたのために選ばれた住宅ローンでは無いかもしれません。
住宅会社や不動産会社に勧められるがままに決めてしまわず、必ずご自分で他のローンも検討し、比べてから決めるようにしてください。
住宅会社や不動産会社は、都市銀行や地方銀行の住宅ローンを勧めることが多いと思います。
都市銀行や地方銀行が悪いというわけではないですが、もし私が住宅ローンを借りるなら、ネット銀行の住宅ローンを検討します。
これから住宅ローンを検討されるなら、ネット銀行の住宅ローンについて知っておいた方がいいですよ!
詳しくはコチラの記事にまとめましたので、参考にして頂ければと思います。
現在付き合いのある銀行を選ぶ
会社にお勤めの場合、勤め先の会社が付き合いをしている銀行があると思います。
ほとんどの場合、あなたの給料が振込まれる銀行が会社のメインバンクだと思います。
都市銀行や地方銀行の場合、金利の優遇を受けるために条件が設けられています。
口座を開設したり、給与振込先に指定すれば金利が下がります。
金利が下がるからと、現在給料の振込み先になっている銀行で住宅ローンを借りるケースも多いのですが、これも失敗につながる可能性があります。
少し前までなら、この方法はかなり有効でした。
しかし現在では、給料の振込先に指定しなくても最優遇金利を受けられる住宅ローンも登場しています。
そのため、現在付き合いのある銀行よりも、さらにいい条件で借りられる住宅ローンが見つかることも多くなっています。
金利引き下げという言葉はとても魅力的ですが、引き下げた結果、他よりも安いとは限りません。
あなたに最適な住宅ローンを見つけるために、現在付き合いがあって優遇を受けられる銀行だけでなく、必ず他の銀行の住宅ローンも検討してください。
知人と同じ住宅ローンにする
先に家を建てた知人と同じ銀行の住宅ローンにするケースもよく見かけます。
例えば、家を建てるときに先に建てた知人に相談し、知人が勧めてくれた会社で建てることもあると思います。
これは、良い建築会社を見つけるためにとても有効な手段です。
しかし、住宅ローンに関しては、この方法はあまり有効とは言えません。
住宅ローンを最もいい条件で借りるためには、様々な条件が設定されています。
・その銀行で口座を開設する
・給与の振込先に指定する
・特定のサービスに申し込んでいる
・特定の方法で審査依頼を出す
銀行や住宅ローンによって違いますが、このような条件が必ず設定されています。
知人が条件を満たしているからといって、あなたも満たしているとは限りません。
そのため、金利や手数料、その他特典が知人とあなたでは違う可能性があるのです。
知人の住宅ローンを参考にするのは悪いことではありませんが、必ず他の住宅ローンと比べてから決めるようにしてください。
金利だけを見て選ぶ
住宅ローンを借りる際、金利はとても気になりますよね。
金利0.5%の住宅ローンと、金利1%の住宅ローンがあったとすると、0.5%の方が得なように見えます。
しかし実際は、一概にそうとも言えません。
極端な例を出してみます。
金利は0.5%で、融資手数料が1,000万円の住宅ローンA
金利は1%で、融資手数料無料の住宅ローンB
さて、この二つの住宅ローンはどちらが得でしょうか?
これはとても極端な例ですが、見た目の金利が安くても、各種手数料や保証料が高かったり、団信に加入する費用が高かったりする住宅ローンもあります。
金利だけで住宅ローンの良し悪しを判断することはできません。
さらに、同じ銀行の住宅ローンでも、変動金利と固定金利では金利が違います。
変動金利は借り始めの金利は安いですが、今後上がるリスクがあります。
固定金利は借り始めの金利は高いですが、今後上がる心配はありません。
変動金利と固定金利も、どちらがいいのか簡単には判断できません。
住宅ローンを借りる際はどうしても金利に目がいってしまうものですが、その他の条件もしっかりと把握し、トータルで判断することが大切です。
変動金利のリスクも伝えず、見かけの金利が安い変動金利で返済額のシュミレーションをして、少しでも多く借りさせる悪徳な住宅会社もあります。
そういった会社に騙されないよう、変動金利のリスクについて理解し、見かけの金利に惑わされないことが大切です。
変動金利のリスクについては、こちらの記事をお読みください。
変動金利は危険?仕組みを知ってリスクを回避!【賢い住宅ローン】
退職金をあてにする
最後に、これも本当に多いのですが、退職金をあてにした返済計画を立てるのもとても危険です。
その理由は2つあります。
1つは、企業が倒産する可能性があるということです。
これまで、超優良企業として日本のトップに君臨していた企業が赤字を出すなど、大手企業だから安心とは言えない時代になっています。
そんな安心できない時代にあって、数十年後に”入るであろう”お金をあてにするのはとても危険です。
倒産しなかったとしても、企業の業績次第では、思っていたほど退職金が支払われない可能性もあります。
そういったリスクを考えると、退職金をあてにした資金計画はとても危険です。
もう1つは、いつどこでどのような出費があるかわからないということです。
退職をするということは、生活体系が大きく変わるということを意味しています。
ある意味、これまでとはまったく違う新しい人生のスタートです。
退職は人生の転換期ですので、いつどこでどのような出費が発生するか予想がつきません。
退職金は、もしもの備えとして残しておくのが現実的です。
さらに、団信に加入している場合、このタイミングで残債を返済するのが本当に良い選択なのか疑問です。
少し大げさな言い方をすると、繰り上げ返済は団信の保証を捨てることになりますので、しっかりと考える必要があります。
詳しくはこちらにまとめました。
実は住宅ローンの繰上げ返済にはリスクもあるって知ってました?
最初から退職金をあてにしていると、もし退職金が思っていたようにもらえなかった場合、どうすることもできません。
できる限り退職金はあてにせず返済するプランを立てることが大切です。
まとめ
いかがでしたか?
この記事では、住宅ローンで失敗して後悔しないための方法をお伝えしました。
- 無理な返済計画を立てる
- 住宅会社や不動産会社に勧められるがままに決める
- 現在付き合いのある銀行を選ぶ
- 知人と同じ住宅ローンにする
- 金利だけを見て選ぶ
- 退職金をあてにする
住宅ローンを借りる際は、この6つに気を付けてください。
住宅ローンは種類が多く、調べるのは大変です。
しかし、上手に借りることができれば、総額で数百万円も差が出ることもあるのが住宅ローンです。
時間をかけてでも、しっかりと考えて住宅ローンは決めてください。
もし、ご自身で最適な住宅ローンを探し出すのが大変だと思われるなら、プロに相談してみてはいかがでしょうか?
私の言うプロというのは、住宅会社や銀行ではなく、家づくりのプロです。
住宅会社や銀行に住宅ローンの相談をするのは意味がない可能性が高いので、あまりオススメはできません。
詳しくはこちらの記事にまとめましたので、次はこちらをお読みください。