【徹底解説】「つなぎ融資」ってなに?土地を買う時に使えるローン
新しく家を買おう!と思ったときに、どういった物件が欲しいですか?
マンションや一戸建て、新築か中古・・・選択肢が色々とあって迷ってしまいますよね。
自分の好きな間取りの家が欲しいなら、新築住宅を建てるのがオススメです。
「自分で新築住宅を建てたいなあ」と考えているときに、希望の場所に土地が売られていたらどうしますか?
すぐに現金で買えるのがベストですが、なかなかそうはいかないのでローンを組んで買うことができるのかが重要になります。
- 土地だけを買う時にローンが組めるのか?
- 組めるならどんな形式のローンになるのか?
その概要を1つずつ確認していきます!
土地だけを購入には「つなぎ融資」を利用しよう!
土地だけを購入するときに利用することのできる「つなぎ融資」というローンがあります。
つなぎ融資の特徴や、住宅ローンと異なる部分を見ていきましょう。
つなぎ融資とは?
つなぎ融資とは、住宅建築用地を購入するためのローンのことです。
住宅を建てるまでのつなぎで借りるローンという意味で、一般的な住宅ローンとは異なります。
住宅ローンは、土地と建物を買うときや、元々所有していた土地に家を建てるときに使うローンのため土地だけを買う時には該当しません。
つなぎ融資を使い買うことの出来る土地は、更地となっている土地か取り壊し予定の古家の建っている土地です。
また、自宅建物を建てて最終的に住宅ローンへと切り替えるまでが一連の流れとなりますので、金融機関にチラシが並んでいて商品としてアピールされているものではありません。
窓口で相談をするところから始める必要があります。
つなぎ融資の申し込み手順は?
つなぎ融資の申し込みは、以下の手順になります。
- 土地購入用のつなぎ融資の申し込み
- つなぎ融資を借り入れし、土地代金を支払う
- 建物の打ち合わせを行い、建築請負契約を結ぶ
- 建物の計画を金融機関へ伝え、住宅ローン(土地代金と建物代金の合計分)の申し込み
- 住宅ローンを借り入れし建物代金を支払い、残った土地代金部分でつなぎ融資を返済
- つなぎ融資の支払い完了し、1本の住宅ローンへ
- 翌月から住宅ローンの返済スタート
ただ、最終的な住宅ローンについては、年齢・所得・他の借り入れなどの条件によって、人によっていくらまで借りることが出来るのか変わってきます。
想定よりも住宅ローンで借り入れできる金額が少ない場合、土地代の割合が高くなってしまい、建物に費やせる金額が少なくなる可能性があります。
そういった事態を防ぐために金融機関に事前に相談し、どのくらい借り入れ出来るのかを把握してから、土地探しをすれば計画が立てやすいですね。
金融機関によって算出された金額に幅が出ますので、複数の金融機関に相談して把握しておくことが重要です。
また、ここで注意が必要となるのは土地購入のつなぎ融資の申し込みの際に建物の計画が必要となるのかどうかです。
金融機関によっては、先に土地の購入をする際にその上にどのような物件を建てるのかの計画の提出を求める場合があります。
具体的な間取りや建物の金額まで必要となる場合もあれば、予定の間取り図や見積もりを出せば良いというところもありますので、金融機関に金額の相談をする際に一緒に確認しておくとわかりやすいですね!
つなぎ融資を借り入れてから、自宅建物の着工や完成までの期間は金融機関によって異なってきます。〇ヶ月以内にと言われることもあれば、定期的に状況の報告をしておけば良い場合もあります。
つなぎ融資の返済方法は?
つなぎ融資の返済方法は2パターンあり、これも金融機関によって取り扱いが異なります。
1つ目は毎月決まった日に利息のみを支払うパターン、2つ目は利息のほかに元金の返済もあるパターンです。
それぞれのパターンを1,500万の土地を金利2%で全額借りて支払ったという例でどういった支払いがあるのかを見てみます。
【1パターン目】
- 月々約2.5万円の利息の支払いが発生
- 賃貸物件に住んでいる場合は今住んでいる家の家賃の支払い
【2パターン目】
- 月々2.5万円の利息の支払いが発生
- 月々の元金部分の返済が発生
- 賃貸物件に住んでいる場合は今住んでいる家の家賃の支払い
2パターン目だと、元金返済が加わりますので生活への負担はより大きくなります。
どちらのパターンでも良いですよと言ってくれる金融機関もあれば、月々元金部分も返済してくださいというところもあるので確認が必要です。
つなぎ融資の金利はどうなるの?
つなぎ融資を受けると、もちろん利息がかかってきます。
この利息は、将来的に借りる予定の住宅ローンと同金利にしてもらえる場合もあれば、基準金利での借り入れとなる場合もあります。
基準金利程度での貸し出しとなる金融機関が多いようです。
この点も、金融機関によって取り扱いは様々で、一般的には住宅ローンよりも高く3~4%の金利となることもあります。
つなぎ融資で住宅ローン控除は受けれる?
結論から言うと、つなぎ融資は住宅ローンではないので対象にはなりません。
住宅ローン控除の対象となるのは、「年末時点に住宅ローンの借り入れ残高があり、借り入れで購入した物件に年末時点で住んでいる」という条件を満たしている場合です。
年末時点に土地のみを所有していても、そこに住んでいなければ対象になりません。
住宅ローンを借り、建物を建て、そこに住民票を移し、そこに住んで初めて条件を満たします。
つなぎ融資を受ける際、他に注意点は?
上記の他、注意点は「団体信用生命保険(以下、団信)」が付保されないことです。
団信とは債務者が死亡・高度障害が起こった場合保険金がおりて残高が0になるというもので、一般的な住宅ローンは、大半が団信の加入が借り入れ条件に含まれています。
つなぎ融資の場合はあくまでも住宅ローンまでのつなぎですので、万が一のことは想定していません。
また、当初は家を建てるつもりで買った土地を家が建つまでのあいだ月極め駐車場にして貸すといったようなこともしてはいけません。
事業用途で資金を借りている訳ではないため、資金使途違反に問われローンの組み換えや、最悪の場合一括での返済を求められる可能性があるので注意が必要です!
自分の家の車や来客者が一時的に車を置く程度であれば問題ありません。
つなぎ融資以外の方法は?
ここまで、つなぎ融資がどのようなものなのか見てきました。
利用するための条件もあるうえ、金融機関によって取り扱いも様々です。
そのため「つなぎ融資以外に土地だけを買う方法はあるの?」と思われた方もいるかもしれません。
ややレアなケースではあるものの存在していますので、その方法を見てみましょう!
契約書や条件が整えば、住宅ローン扱いに!
大手ハウスメーカーが手掛ける戸数の多い分譲地(数十戸規模)などでは、金融機関と提携をしていることも多く、そのような場合はつなぎ融資をせずに済むことがあります。
分譲地を購入するときに、土地購入の手続きと並行して建物の打ち合わせをしていくことがあります。
金融機関へ申し込みをする時点で建物の間取り・大きさ・建築費用まで判明していて、土地の売買契約書だけでなく、建物の建築請負契約書まで準備できている場合、金融機関によっては住宅ローンとして対応してくれるケースもあります。
手続き方法、融資実行のタイミングは?
分譲地を購入する際は、多くの場合は不動産業者経由で金融機関へ住宅ローン申込書を提出し、審査が行われます。
その際に、土地と建物の契約書を合わせて提出しますので、ここまでは普通の住宅ローンと大差ありません。
融資が実行されるのは最初に資金が必要となる土地を購入するタイミングです。
つなぎ融資であれば、土地購入に係る費用だけを借り入れしていましたが、この場合は住宅ローンとして必要資金全額を借り入れします。
その中から土地の購入代金を不動産業者へ支払い、残金は金融機関が一時保管することが多いです。
そのまま口座に入れておくと、ついうっかり使ってしまったという事態を防ぐためです。
建築資金の支払いは?
保管した資金は、建物の支払いのタイミングに都度必要分のみを出金し業者へ支払います。
建物代金については、業者によって支払うタイミングが1~4回程度となることが多いです。
4回の場合は以下のようになります。
- 手付(土地購入代金と同時に支払うことが多い)
- 中間金①
- 中間金②
- 完成時
3回だと中間金が1回だけとなります。
業者側には工程ごとに人件費や材料費の支払いが発生し、その都度購入者からの支払いで充当するため複数回での支払いを求められます。
資金が潤沢な業者であれば完成時に一括支払いとなる可能性も。
金融機関によって支払える回数に制限を設けているところもありますが、提携ローンとなることが多いです。
当初より不動産業者と金融機関にて打合せが出来ているはずなので、あまり気にする必要はありません。
また、支払いの度に金融機関の窓口に出向いて手続きをする必要があります。
その他、注意点は?
この場合は住宅ローンとして借り入れをしているので団信の対象となります。
借り入れ時点から保険期間がスタートします。
返済についてはつなぎ融資同様、金融機関ごとで取り扱いに差があり、建物完成時までは利息のみの場合や、元金の返済を必要とする場合も考えられます。
また、利息については業者へ支払った分のみの支払いで済む場合もありますので、金融機関へ尋ねていただければと思います。
住宅ローン控除は、先述したように借りただけで適用となるものではないので、建物完成後住民票を移した年の年末から適用となります。
まとめ
いかがでしたか?
自宅建築用地を先行して購入する際には、「つなぎ融資」を受ければ借り入れにて対応することが出来ます。
つなぎ融資の注意点は以下の通りです。
- 申込時に、今後立てる予定の建物の計画を求められる可能性がある
- 土地代が高すぎると、建物に使えるお金が減ってしまう
- 住宅ローンより金利が高いことが多く、利息は月払いになる
- 家が建った時点で住宅ローン資金の一部で返済
- 住宅ローンのような団信は付保されない
- 住宅ローン控除の対象ではない
また、レアケースではありますが、住宅ローンでの対応が可能な場合もあります。
注意点は以下の通りです。
- 金融機関と提携している不動産業者の取り扱い物件に限られる
- 申し込み方法は通常の住宅ローンと同様
- 借りた資金の未使用分は金融機関が保管し、支払利息も使った分のみになることが多い
- 最初から住宅ローンのため団信の対象となるが、住宅ローン控除は対象外
このように先に土地だけを買う場合、その後の建物の計画の有無・建物を建てる業者によって異なってきますが、対応をしてもらうことは可能です。
金融機関によって条件は変わってきますので、何軒かに相談し自分に合うところを見つけてくださいね!!
この記事が、あなたの家探しのお役に立てることを祈っています。