離乳食開始の注意点!食物アレルギーから赤ちゃんを守る
日々成長する赤ちゃん。
最初は母乳やミルクしか口にしなかった赤ちゃんが、成長するにつれ、徐々に様々なものを食べられるようになります。
また、離乳食と聞くと食物アレルギーが不安になるママやパパも多いです。
実際にママやパパが食物アレルギーの場合や、家族で食物アレルギーを経験した人がいるとより一層不安になります。
この記事ではそんな疑問と不安についてお答えします。
食物アレルギーを軽減する方法や、対処の仕方、食物アレルギーが出てしまった場合に上手に付き合いながら離乳食を進める方法も含めてお話します。
離乳食を始める時期
離乳食を開始する時期は個人差がありますが、基本的には赤ちゃんからの離乳食開始サインを目安とします。
一般的に生後5〜6ヶ月の間に開始するご家庭が多いようです。
健診の際に、医師から「そろそろ離乳食を始めてみましょう」と言われる場合もありますが、赤ちゃんからの離乳食開始サインを見逃さないようにしてください。
離乳食開始のサイン
まだまだ体も未熟で、言葉を話せない赤ちゃんですが、成長過程において、しっかりと赤ちゃんがサインを出してくれます。
赤ちゃんの出すサインの例をご紹介します。
首がしっかり座っている
首がしっかりと座っていることが、離乳食開始の大前提になります。
生後3ヶ月頃から首が座り始めますが、首座りなどの体の成長は個人差が大きくあります。
首がガックンとならないことをしっかりと確認してから離乳食を始めます。
支えるとお座りができる
まだ一人で支えなしでお座りが出来ない場合でも、何か支えていれば安定してお座りができるようになると、離乳食開始サインです。
きちんと安定して座れていない姿勢では、上手に噛んだり、ごっくんしたりすることも難しく、上手く飲み込めず、むせてしまう可能性もあります。
身の回りのものを口に入れる
身の回りのものを口に入れる出すのは離乳食開始サインの一つです。
この頃の赤ちゃんは、手に取り、口に入れて舐めることで、大きさや形などを確認します。
食べ物を見ると口をモグモグさせる
ママやパパがご飯を食べている様子を真似して、赤ちゃんも食べ物を見ると口をモグモグさせるようになります。
離乳食開始前から、ママやパパがご飯を食べている様子を、赤ちゃんにも見せることも、離乳食開始の大切な準備です。
早い時間であれば、赤ちゃんも一緒に食卓に座らせて、様子を見せてあげてください。
哺乳反射と押し出し反射がなくなる
赤ちゃんは生まれてすぐに、さまざまな反射を見せます。
その反射を原始反射と言います。
原始反射とは、赤ちゃんが胎外の環境に適応して生きていくために必要な機能で、感覚器から得たある刺激に対してある反応を示すことです。
原始反射には、哺乳反射と押し出し反射があります。
哺乳反射とは、赤ちゃんが、乳首を見つけて口を開け、乳首に吸い付き、母乳やミルクを飲むための一連の反射です。
押し出し反射とは、口の中にものを入れると、舌で押し出す反射です。
これらの反射があるうちは、離乳食の開始はまだ難しいと判断できます。
よだれの量が増える
大人が食べているものを見ると欲しそうにしたり、もぐもぐ口を動かしたり、よだれを垂らしたりします。
舌やあごがよく動くようになり、唾液量が増えることでよだれを垂らすようになるため、よだれは離乳食開始の一つの目安になります。
歯が生え始める
歯の生えはじめ時期は、早い赤ちゃんで生後3ヶ月頃から始まり、遅くても生後9ヶ月頃までに生え始めます。
しかし、歯の生え始めは個人差が大きくあるため、生えてこなくても心配はありません。
食物アレルギーについて
離乳食が始まると、食べ物によるアレルギーに注意しなければいけません。
食べ物アレルギーは、湿疹や下痢などの他、重度のものではショック症状や痙攣などを発症する場合があります。
月齢が低い赤ちゃんは体の不調を言葉で伝えることが出来ないため、突然症状が現れて驚くことも珍しくありません。
そのため、初めて口にする食べ物は慎重に食べさせてください。
なるべく午前中の早い時間に、1さじから食べさせて、その後に赤ちゃんの様子をしっかりと観察してください。
早いうちにアレルギー検査をして、事前に把握しておくと安心です。
症状
アレルギーの症状は、赤ちゃんによって現れ方が違います。
また、同じ赤ちゃんでもアレルギー物質に対して反応する、IgE抗体の濃度によって現れ方が違うこともあります。
主な症状は以下の通りです。
- 唇・舌・のどなどのかゆみ
- じんましん
- 嘔吐
- 下痢
- 鼻炎
- せき
- ゼーゼーする呼吸音
- 結膜炎
体のさまざまな部位に症状が現れ、血便や痙攣などの症状が起こる場合もあります。
重症のケースでは、気道のむくみによって呼吸困難になったり、血圧が低下してショック状態(アナフィラキシーショック)になり、生命に危険を及ぼすこともあるので、たかがアレルギーとあなどらず、十分に注意してください。
原因となる主な食べ物
原因として最も多いのは、鶏卵、牛乳、小麦です。
「3大アレルゲン」とも呼ばれていて、アレルギー反応が最も起きやすい食べ物として知られています。
この他にも食物アレルギーの原因となる食物には、そば、えび・かになどの甲殻類、バナナやキウイといった果物、大豆、ピーナッツ、くるみ、サバなど幅広くあげられます。
主にアレルギーの原因となる食べ物は年齢によって大きく異なり、乳幼児期の主な原因は鶏卵、牛乳、小麦、学童期以降になると甲殻類や果物類、小麦などが主な原因となります。
ホームケア
食物アレルギーが出てしまった場合、症状によっては迅速に対処しなければならない場合があります。
赤ちゃんの様子をよく観察して、異変があればすぐに病院に行き、医師に診察してもらいましょう。
また、湿疹のみで赤ちゃんの機嫌も悪くなく、すぐに湿疹が治まる場合は、口にした食べ物を把握し、今後口にしないように気を付けてください。
アレルギー症状が現れる時間
食物アレルギーで一番多いのは、即時型タイプです。
原因となる食物を食べて15分~30分以内に症状が出ることが多く、遅くても食後2時間以内には発症します。
また、原因となる食物を食べてから数時間から2日程度経って、症状が現れる非即時型タイプもあります。
非即時型タイプの場合は、時間が経ってから症状が現れるため、どの食物が原因なのか特定することが難しくなります。
治療法
アレルギー反応が現れた場合は、抗ヒスタミン薬の飲み薬や、アナフィラキシーショックに対してアドレナリン自己注射薬が使用されます。
これらの薬により、アレルギー反応を抑え、症状を和らげることができます。
血液検査の結果によっては、除去療法を行うこともあります。
除去療法とは、原因となる食品を少しずつ食べさせて、摂取可能にしていく治療です。
徐々に症状が軽くなることが多く、厳しい食事制限はあまりしません。
ただし、自己判断で食物除去を行うのは厳禁です。
必ず医師の適切な指導のもとで行ってください。
また、乳幼児の食物アレルギーに関しては、成長と共に改善される場合が多く、大半が6歳頃までにはアレルギー反応が現れなくなります。
まとめ
離乳食は、順調に食べてくれる赤ちゃんもいれば、なかなか食べてくれない赤ちゃんもいます。
また、離乳食が順調に進んでいても、便秘や下痢気味になってしまったりと、初めのうちは何かと悩むことが多いと思います。
離乳食の進み具合は個人差が大きいため、周りと比べて進んでいなくても、体重が減り続けていなければあまり心配しなくても大丈夫です。
赤ちゃんのペースに合わせて、ゆっくり楽しく進めてあげてください。
食物アレルギーに対しては、慎重になる必要があります。
まだまだ言葉を話せない赤ちゃんのために、ママやパパがしっかりと観察してあげてください。
少なくとも、離乳食後30分は注意して観察します。
食物アレルギーはときに命にかかわることもあるため、自己判断は危険な場合もあります。
少しでも様子が違う場合は、口にした食品を把握し、医師に診察してもらいましょう。
離乳食は、赤ちゃんにとって食べることの楽しみを知る第一歩です。
好きな食品や、苦手な食品はあると思いますが、食べやすい大きさや形、調理法や味付けを工夫して、バランスよく食べさせてあげてください。