妊娠中の海外旅行はリスクだらけ?!飛行機での注意点と事前準備
妊娠がわかり、幸せで嬉しい気持ちと同時に様々なことが制限されてしまいます。
そのうちの一つが、海外旅行です。
- 赤ちゃんが産まれたらなかなか旅行に行けない
- 妊娠中に海外でベビー用品を買い物したい
- のんびり海外で妊婦生活を過ごしたい
- マタニティーフォトを撮りたい
このように、妊娠中でも海外旅行に行きたいと考える妊婦さんは少なくないと思います。
また、親族や親しい友人の結婚式など、やむを得ず海外旅行に出掛けなくてはならない場合もあります。
しかし、妊娠中は私生活の中でも常に危険やリスクと隣り合わせで、いつ何が起こるかわからない状態です。
そんな状態で、かかりつけ医の側を離れて海外に行くのは不安ですよね。
「妊娠中でも海外旅行に行きたい!でもリスクも高いし不安・・・」
そんな悩みを抱える妊婦さんは、とても多いものです。
そこで、妊娠中の海外旅行のリスクや、後悔しないための事前準備、妊娠中でも比較的不安の少ない国と過ごし方についてまとめました。
先に言っておくと、できれば妊娠中の海外旅行は、避けられるなら避けたほうがいいです。
半年前から予約していたり、行かなければいけない事情があるなど、どうしても避けられないときの参考に読んで頂ければと思います。
国内旅行に変更できるなら、その方が安心して旅行ができますので、その際はこちらの記事を参考にしてください。
妊娠中の国内旅行で注意したいこと!万全の準備で素敵なマタ旅を
妊婦が海外旅行に行ける時期は?
妊娠中はお腹の赤ちゃんの成長具合や母体の状態により、海外旅行へ行く際、比較的リスクの低い時期と絶対に行ってはいけない時期があります。
妊娠中を初期、中期、後期の3つの時期に分け、それぞれの時期に考えられるリスクについてご説明します。
妊娠初期は大事な時期、危険もいっぱい
人により妊娠症状はさまざまですが、妊娠初期には激しいつわりや眠気、頭痛や腹痛といった症状が出始めます。
流産してしまった方のうち、8割以上が妊娠初期の12週までにしてしまうと言われているほど、不安定で危険な時期です。
妊娠初期は胎盤が安定していないため、海外旅行のみならず長距離移動の国内旅行も避けた方が安心です。
流産とは妊娠22週より前に妊娠が終わってしまうことを言います。
また、妊娠12週までの流産を「初期流産」「早期流産」と呼びます。
妊娠初期の流産の場合、胎児の染色体異常や胎児の臓器未熟など、ほとんどが胎児側の異常が原因です。
流産の兆候として、不正出血やお腹の張り、腹痛などの症状が現れます。
しかし、流産してしまった方の多くは、不正出血が少量の為に気付くことができず、妊婦健診の際に、すでに心拍を確認することが出来なかったと言うケースです。
少量の出血であっても楽観視せず、すぐにかかりつけ医に見てもらってください。
不正出血や腹痛、お腹の張りが万が一起こってしまった場合に備えて、妊娠初期はなるべくかかりつけ医の近くで過ごしていた方が安心です。
妊娠初期の流産は、残念ながら絶対に予防できるという方法はありません。
原因が胎児側の成長異常にあるためですが、妊婦さん側もなるべく流産のリスクを減らすために、海外旅行のみならず長距離移動はあまり適しません。
赤ちゃんのためにもあなたのためにも、妊娠初期はできる限り安静に過ごすようにしてください。
妊娠中期(安定期)は一安心?!成長を感じる時期
妊娠16週から27週は安定期とも呼ばれる時期です。
流産の確率も一気に下がり、つわりなども落ち着いてきてアクティブに動ける妊婦さんが増えてきます。
もし、海外旅行に行くのであれば妊娠中期がいいでしょう。
ただし、かかりつけ医にしっかり相談をして事前準備を万全にしてください。
しかし、安定期と言っても、妊婦中は普段の体とは大きく違います。
個人差もありますが、妊婦期間は常に慎重に過ごさなければならないことを忘れてはいけません。
妊娠後期、お腹の張りに注意
お腹の膨らみも目立つようになり、胎動も感じ、いよいよ出産を目前に感じる時期です。
お腹が頻繁に張るようになり、お腹が大きくなるにつれて体重も増え、動くのが一苦労になってきます。
足元も見づらくなるので、つまずいたり、よろけてしまったり、転んでしまう危険性が高い時期です。
この時期に無理をしてしまうと、予定日より前に破水や激しい腹痛などが起こり、早産してしまう事もあります。
早産で生まれてしまうと、身体機能が未熟で、心拍機能は整っておらず、体温調節機能や免疫機能も出来上がってないため、呼吸器系の病気や感染症にかかりやすくなってしまいます。
この時期は妊娠健診も間隔が短くなるため、より慎重に、無理はせず安静に過ごして、出産に備えた方がいいでしょう。
妊娠中は予期せぬ事態がいつ起こってもおかしくありません。
海外旅行に行く事が必ずしも早産などのリスクに繋がるとは限りませんが、医師と相談し、常に万が一の事態に備えて渡航する事が大切です。
妊娠中の旅行の事前準備と確認事項
妊娠中の海外旅行は普通の旅行とは違い、旅行先での予期せぬ事態にも備えて準備しなくてはいけません。
妊娠中の海外旅行で妊婦さんの一番の心配事は、「もし旅行中に何かあったらどうしよう」と言う事だと思います。
万が一に備えて海外旅行保険に早めに加入しましょう。
海外旅行保険に加入しないで、旅行中に他国の医療機関で治療を受けた際に、多額の金額を請求された例もあります。
そのような事にならない為にも、旅行先を決めたらまずは海外旅行保険も調べて、しっかり保険内容を選びましょう。
妊婦の海外旅行保険選び
海外旅行保険にも色々種類があり、よく確認しなければ大きな落とし穴があったりします。
例えば、せっかく加入したのに妊娠が原因の治療や、出産は保険対象外だったなんて事がよくあります。
また、AIU保険会社は妊娠22週未満に妊娠が原因で治療を受ける時の医療費が補償されますが、22週以上の場合は保険対象外なので注意が必要です。
保険会社によりプランも様々ですが、補償内容をしっかりと確認しましょう。
また、海外旅行保険は出国後には加入出来ないので早めに加入しましょう。
空港の海外旅行保険カウンターでも加入出来ます。
知って得する妊婦の飛行機搭乗情報
妊娠中の飛行機搭乗には、様々な不安要素があります。
- 気圧による浮腫やシートベルトの締め付け
- 長時間飛行によるエコノミー症候群
- トイレが少ない
- クーラーが強めにかかっている為に寒くて体が冷える
- 空気が乾燥する
- 感染症が心配
- 狭い座席の圧迫感
妊娠中は通常の6倍もエコノミークラス症候群になりやすいとも言われています。
このような不安を持つ妊婦さんのために、航空会社それぞれマタニティーサービスを実施しています。
航空券を予約する際に妊娠中であることを伝えると、比較的広めで足が伸ばせる前方の座席や、トイレの近くの座席や、出入りしやすいように通路側の座席を優先的に確保してくれます。
搭乗優先サービスもあります。
航空会社によっては出産予定日を含めて14〜28日以内の飛行機搭乗の場合は、診断書が必要になることもあります。
事前に旅行会社に問い合わせて確認してください。
持ち物リスト
必要最低限下記のものは持参してください。
- 母子手帳(母子手帳には緊急連絡先を必ず記載しておきます。)
- 健康保険証
- かかりつけの病院の診察券
- 生理ナプキン
- 防寒着
- 気圧ソックス
- マスク
- 飲み物
- お菓子、あめやガムなど
- 消毒ハンドジェル
- ウェットティッシュ
- フェイスタオル
- 虫よけ用品
- 腹帯
- 常備薬(葉酸などのサプリメント)
- カメラ
妊娠中でも不安の少ない国と滞在中の過ごし方
妊娠中の海外旅行先を選ぶにあたって注意したいのが、渡航時間や医療環境のグレード、治安と衛生面です。
妊婦のフライトは長くても5時間以内、時差も5時間以内の国がベストです。
さらに、日本語がある程度通じる国や、片言の英語でも通じる国が安心です。
日本人観光客が多い国もおすすめです。
- サイパン
- グアム
- 韓国
- パラオ
どこの国でも、余裕のある観光プランを立てましょう。
温度差が激しい場所や、標高差がある場所は避け、のんびりリラックス出来るようなプランを考えましょう。
同時に、医療機関や休憩出来るような場所なども事前に調べて、把握しておきましょう。
人気のお店などの待ち時間を減らすために事前予約出来るか調べておくと便利です。
素敵なマタニティー旅行を
人生に何度も経験することができない妊娠中の海外旅行ですが、リスクも沢山あります。
基本的には妊娠中の海外旅行はオススメできるものではありませんが、やむおえず行かなければいけない場合もあると思います。
しかし、たった1度の判断ミスで、あなたの体や赤ちゃんに何か万が一のことがあっては、後悔してもしきれません。
妊娠中に海外旅行をすることになったら、しっかりと事前準備をしてください。
「準備しすぎかな?」と思うくらいでちょうどいいと思います。
必ずかかりつけの産婦人科医に相談をし、あなたの身体と赤ちゃんの状態をみて、無理の無い旅行プランを立てて下さい。
素敵なマタニティー旅行になりますよう、お祈りしています。