骨盤のゆがみは危険!妊娠中の腰痛は出産時リスクのサインかも?
妊娠中に腰が痛くなって歩けなかったり、歩き方がごこちなくなってしまったりする方が多くいらっしゃいます。
さらにひどくなると、座っていても痛いという状態になってしまう方も。
妊娠中の腰痛の原因の1つは、お腹の重さが腰に負担をかけてしまっていることです。
そしてもう1つは、骨盤が大きな原因となります。
妊娠中は骨盤が変化するのを知っていましたか?
妊娠中は骨盤が広くなりやすい状態になり、出産の準備をします。
このとき、骨盤がゆがんでいると綺麗に広がることができず、強い痛みを発します。
腰が痛いと思っていても、実は骨盤が痛みを出している可能性があるのです。
骨盤が痛みを出すのは、出産のために広がろうとする骨盤に何らかの異常が起きているサインです。
このサインを見逃さないでください。
骨盤のゆがみを放っておくと妊娠中や出産時に様々なリスクとなります。
これから生まれてくる赤ちゃんのために、骨盤のゆがみは、骨盤ケアをして直すことが大切です。
この記事では、骨盤が広がる理由、骨盤のゆがみによる出産のリスク、骨盤ケアの具体的な方法をまとめました。
この記事を参考に、骨盤ケアの大切さを知り、安産で赤ちゃんを迎えてください!
妊娠すると骨盤が広がりやすくなる
実は、骨盤は毎日開閉を繰り返しているのをご存知でしたか?
骨盤の開閉には、朝に閉じて夜に開くという基本的なリズムがあります。
妊娠すると、出産に備えて体が準備をしはじめ、リラキシンというホルモンが分泌されます。
リラキシンが分泌されると、骨盤の周辺の筋肉や靭帯が緩み、妊娠前よりさらに骨盤が広がりやすくなります。
妊娠中の骨盤のようす
骨盤が広がるといっても、骨盤全体が広がるのではなく、恥骨あたりが広がっていきます。
これは、恥骨が産道付近にあるため、出産時に赤ちゃんが通りやすくなるための準備と言われています。
狭い産道を通って出てくる赤ちゃんへの、お母さんのやさしさですね。
なぜ妊娠すると腰が痛くなるの?
お腹が大きくなり始める妊娠中期頃から、骨盤の動きが活発になります。
このとき、骨盤が歪んでしまっていると、骨盤が動く際に痛みをともないます。
妊婦さんで腰が痛くなる方の多くは、骨盤がゆがんでいて、骨盤の活動がうまくできないことが原因の可能性があります。
骨盤の痛みを腰痛として感じているということです。
普段の生活の中で、常に背中が丸まっていたり、足を組んで座っていたり、同じ方向ばかり向いて寝ていたりと、生活習慣の中のちょっとした癖により、骨盤は歪んでしまいます。
現代人のほとんどは、骨盤がゆがんでいるとも言われています。
妊娠をすると、ホルモンの影響で骨盤の動きが激しくなるうえに、お腹の重さによって骨盤に負担をかけてしまうので、強い痛みが出ることがあります。
骨盤の歪みによる妊娠、出産のリスク
骨盤の歪みによる影響は、痛みや日常生活での不便さだけではありません。
重症化すると、妊娠継続や出産、産後にまで危険がおよぶこともあります。
骨盤が強い痛みを発するようであれば、危険のサインかもしれません。
骨盤のゆがみによるリスクをご紹介します。
便秘や頻尿
骨盤の歪みによって、内臓の位置がずれて消化器管の働きが悪くなります。
その為に、何日も便秘が続いて食欲不振になり、赤ちゃんに栄養が行きわたらなくなってしまうことがあります。
突然のめまいによって転倒してしまうケースもあります。
妊婦さんで頻尿や尿漏れに悩んでいる方も多いですが、それも消化器官の働きが悪くなっていることが原因です。
大きいお腹のために、どうしても前かがみな姿勢になりやすいですが、定期的に背中を伸ばしたり、歩く姿勢や座る姿勢を意識してください。
便秘があまりにも辛い場合は、早めに病院かクリニックに相談しましょう。
妊婦さんでも飲める便秘薬を処方してくれます。
早産
骨盤の歪みによって、子宮が予定日より前に下ってくることもあります。
子宮と一緒に赤ちゃんも下がり、子宮と骨盤底筋群の間に子宮頸管が押しつぶされてしまいます。
圧迫による刺激で子宮収縮が起き、子宮頸管が短くなり、切迫早産になってしまうことがあります。
妊娠高血圧症候群
骨盤の歪みによって子宮や他の内臓が下がると、子宮の血液の流れが圧迫され、うっ血してしまいます。
そのため、古い血液がたまりやすくなってしまいます。
さらに、同じことが腎臓でも起きてしまい、腎機能が弱り、タンパク尿が出て、血圧が上がります。
そのため、胎盤に送る血液量が減って胎盤が弱ると、赤ちゃんに充分な栄養が行き渡らなくなってしまいます。
これは、妊娠高血圧症候群と呼ばれる症状で、お腹の赤ちゃんが十分に成長できないとても危険な症状です。
逆子
通常、出産までに赤ちゃんの頭は下を向きます。
しかし、まれに頭が下を向かずに出産を迎えてしまうことがあります。
その状態を逆子(さかご)といいます。
逆子の多くは、骨盤の歪みによって赤ちゃんが下がり、赤ちゃんのおしりがママの骨盤にはまってしまって抜け出せないことが原因です。
出産に時間がかかる
出産の時、赤ちゃんは狭い骨盤輪を顎をひいた体勢でくぐり抜けます。
しかし、骨盤が歪んでしまっていたり、広がりすぎてしまっていると、あごをあげた状態で狭い骨盤輪をくぐろうとします。
そのために、うまく骨盤を通過できず、出産に時間がかかってしまい、帝王切開や吸引分娩になってしまうことがあります。
出産前後の大量出血
出産時、骨盤が歪んでいると赤ちゃんの頭が子宮頸管にひっかかったり、骨盤と赤ちゃんの頭に挟まれて裂傷し大量出血してしまいます。
また、出産後には開いた骨盤がもとにもどり、子宮も元の大きさに戻るために縮もうとします。
しかし、骨盤がゆがんでいると、骨盤が開いたままの状態になってしまうことがあります。
骨盤が開いたままの状態が続くと、靭帯が伸びてしまい、うまく縮まることができずに出血することがあります。
妊娠中の骨盤ケア
お腹の重さを軽くすることはできません。
骨盤の負担を減らすためには、無理のない程度にケアをして骨盤の歪みを抑えておく必要があります。
骨盤を正しい位置に戻すため身体づくりをすることが、骨盤ケアの基本的な考え方になります。
1.下がってきた内臓を上げるために仰向きで寝てお尻を高くする
2.骨盤まわりの筋肉を整えるトレーニング
3.ゆるんだ骨盤を支える、骨盤ベルトを巻く
この3ステップで、骨盤の位置が正常に戻り、ゆがみも解消されます。
少しずつでいいので、毎日行うことが大切です。
産後は早めに骨盤ケアをしましょう
長い妊娠生活で体の重心が傾いてしまっていて、骨盤の痛み、頭痛や吐き気、めまいなどの症状が産後も続くことがあります。
産後の骨盤ケアを怠ると、これらの症状からの回復が遅れてしまいます。
産後のママの体の状態と、赤ちゃんの様子を見ながら、なるべく早くから骨盤ケアをしましょう。
ストレッチや骨盤まわりの筋トレなど、体を整えることが大切です。
整体や骨盤マッサージなども骨盤ケアには効果的です。
第二子以降を考えているママは特に、妊娠中の骨盤の歪みによるリスクを考え、産後の骨盤ケアをしてください。
しかし、産後のママはまだまだホルモンバランスが不安定なため、体調に波があります。
絶対に無理はせず、体調と相談しながらあなたのペースで続けることが大切です。
まとめ
人生で最も大変であり、最も幸せな出産。
この大切な出産を、骨盤のゆがみが脅かすかもしれません。
現代人のほとんどの骨盤がゆがんでいると言われ、その原因は、座るときに足を組んだり、同じ姿勢で寝るなど、ちょっとしたクセの積み重ねであることが多いです。
妊娠すると、出産時に赤ちゃんが通りやすいよう、骨盤が活発に動くようになります。
そのとき、骨盤がゆがんでいると、骨盤が痛むことがありますので、骨盤が痛いときはゆがんでいるサインかもしれません。
骨盤がゆがんでいると、早産や妊娠高血圧症候群、逆子など、お腹の赤ちゃんにとっても、ママにとってもリスクとなってしまうことがあります。
骨盤ケアでゆがみを整えることが大切です。
これから出産を控えているママ。
赤ちゃんに会うまでは不安で仕方ないですよね。
でも大丈夫です。
今出来る限りの事をして、自分の体とお腹の中の赤ちゃんの為に、無理なく、楽しく、妊婦生活を過ごして下さい。
そして、産後は慣れない赤ちゃんのお世話で忙しいと思いますが、ママの体もたくさん労ってあげてください。
あなたが元気な赤ちゃんを産み、新しい家族も加えた幸せな生活をおくるための参考になれば幸いです。