妊娠中に足がつる?こむら返りの4つの原因と簡単な予防10選
妊娠をきっかけに、様々なからだの変化が起きます。
その一つに、足がつる(こむら返り)があります。
妊娠前は足をつった事がない人でも足をつりやすくなります。
「寝ていると足をつってしまって何度も目が覚めてしまう」
とお悩みの方もとても多いと思います。
なぜ妊婦さんは足がつりやすくなってしまうのでしょうか。
原因と対策、すぐにできる簡単な予防法についてまとめました。
妊娠中はつわり、腰痛、便秘、ホルモンバランスの崩れによる睡眠障害など、本当につらく大変な時期です。
この記事を参考に足がつる原因を知って対策をし、少しでも妊娠中の生活を楽にして頂ければと思います。
妊娠中に足がつる原因
一般的に「足がつる」と言われる状態は、筋肉が異常に収縮した状態で固まってしまう状態です。
「こむら返り」とも言われます。
足がつると、おさまるまでしばらく歩けなくなるほどの強い痛みをともないます。
妊娠中に足がつる原因は様々ですが、そのうち代表的なものは4つあります。
- 血行不良
- 栄養不足
- 骨盤のゆがみ
- 足への負担
それぞれについて、詳しく説明します。
血行不良
妊娠中は運動などが制限され、安静を余儀なくされてしまいます。
そのために運動不足になりやすく、血行が悪くなります。
また、お腹が大きくなるにつれて、大きくなったお腹に下半身の血管が圧迫されて負荷がかかることで、さらに血行が悪くなる要因となります。
体が冷えると筋肉が固くなり、収縮しやすくなるため、足がつりやすくなります。
栄養不足
妊娠中は、赤ちゃんへの栄養を優先するために、血液中のカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分が不足しがちになります。
ミネラルが不足すると神経や筋肉が興奮し、異常収縮を起こしやすくなり、足がつってしまいます。
ミネラルの他にも、ビタミンB1や鉄分なども不足しやすく、足がつる原因になります。
骨盤のゆがみ
妊娠すると、無意識にお腹を守るような姿勢になりやすくなります。
また、お腹が大きくなるにつれて歩き方や座る姿勢も変わり、骨盤がゆがむことがあります。
腹筋や背筋などの筋肉にも負担がかかります。
骨盤のゆがみや腹筋などの筋肉へ負担がかかことで、それらと繋がっている足の筋肉にも負担がかかり、足がつりやすくなります。
足への負担
妊娠中はお腹の中にいる赤ちゃんと、赤ちゃんを守る羊水の分お腹が重くなります。
常に重りを付けて生活しているような状態です。
そのうえ、運動量が減るために足の筋力が低下します。
重りを付けたからだを弱った足で支えている状態が続くため、日常生活を送るだけでも足に大きな負担がかかり、足がつってしまいます。
足をつりやすい時期
妊娠後期になると、お腹も大きく動くのも一苦労になります。
運動もしにくくなり、血行が悪くなりやすくなります。
個人差はありますが、妊娠7~8ヶ月頃から足をつりやすくなる方が多いようです。
足がつってしまった時の対処法
妊娠中は朝昼晩関係なく足がつりやすい状態にあります。
就寝中の夜中や朝方に足をつると、あまりの激痛に驚いて起きてしまう事もよくあります。
そのような時は、無理に足を動かしたりせずに痛みが落ち着くまで待ちましょう。
しばらくして、足が少し動かせるようになってきたら、優しくなでて摩擦で温めてからストレッチをするのが効果的です。
お腹が大きくて難しい場合は、足の指を上げ下げするだけでも痛みは和らぎます。
また、旦那さんにストレッチを手伝ってもらうのもいいですね。
よく、足をつるとすぐに伸ばそうとする方を見かけます。
収縮した筋肉を早く伸ばしたい気持ちはわかりますが、筋肉を傷める原因になりますので、収縮が落ち着いて痛みが和らぐまで無理なストレッチはやめてください。
足をつらないための予防法
妊娠中に足がつる原因は先ほどお伝えした通りですが、それらの原因を改善していくことが大切です。
- 血行不良
- 栄養不足
- 骨盤のゆがみ
- 足への負担
運動や食べものでこれらの原因を一つ一つ改善し、つりにくい体を作りましょう。
栄養をしっかりとる
つわりなどが落ち着いてきたら栄養バランスの整った食事を心がけましょう。
特に接種した栄養素は次の6つです。
ミネラル
骨をつくり、からだの調子を整えてくれます。
カルシウム、マグネシウム、カリウムなどバランスよく摂取しましょう。
カルシウム
小魚や豆腐、豚肉、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどに多く含まれています。
妊婦さんはカルシウム不足が原因で、虫歯にもなりやすくもなってしまうので積極的に摂取しましょう。
マグネシウム
味噌や納豆、豆類、ひじきやカボチャ、わかめといった海藻類に多く含まれています。
カリウム
バナナ、柿、キウイやメロンといった果物類に多く含まれています。
果物類には果糖も多く含まれているために、摂りすぎには注意しましょう。
ビタミンB1
玄米、豚肉、うなぎ、のり、ゴマなどに多く含まれています。
ビタミンB1は、エネルギーとなってからだの活動を助けてくれます。
葉酸
枝豆、うなぎの肝、焼きのり、レバーなどに多く含まれています。
妊婦さんは、より多くの葉酸が必要とされています。
特に、妊娠初期は積極的に摂るようにしましょう。
胎児は母体の葉酸を利用して臓器を作るので、大量の葉酸を必要とします。
葉酸不足になると、胎児の場合は臓器形成障害や、神経管閉鎖障害といった先天性異常が発生する可能性があります。
しかし、栄養バランスばかり考えてしまっていては疲れてしまうので、サプリメントなどにも頼りながら、楽しく食事を摂ることが大切です。
葉酸について、さらに詳しくはこちらを参照ください。
【関連記事】
妊娠中にはなぜ葉酸が必要なの?胎児のために栄養素を知ろう
適度に体を動かす
体調もよく天気が良い日などは、散歩に出かけたりお茶をしに行ったりと、無理のない程度に体を動かしましょう。
歩き過ぎてしまったり、無理しすぎると逆に疲れて足がむくんでしまう事もあるので注意が必要です。
マタニティーヨガなどもオススメです。
また、家で自分のペースでストレッチをするだけでも血行が良くなり、体も暖まりリラックス効果もあります。
弾性/着厚ストッキングをはく
むくみ予防や血栓予防などにもなる弾性ストッキングを着用するのも効果的です。
しかし、過度な締め付けは良くないので、クリニックや病院で相談してから使用しましょう。
ドラッグストアに売っているメディキュットなどの着厚ストッキングでも負担を軽減する事ができます。
湿布を貼る
足をつった次の日になっても、つってしまった部位が痛い場合があります。
また、同じ部位を何度も繰り返しつってしまう事もあります。
そんな時は、妊婦さんでも使用する事が出来る湿布があるので、クリニックや病院で相談してみましょう。
体を温める
運動不足などによって血行が悪くなると、筋肉が硬直して足がつりやすくなります。
日頃から靴下、気温によりレッグウォーマーなどを履いて足元を冷やさないようにしましょう。
足の裏に貼るカイロなども販売されているので、長時間の外出時には活用しましょう。
大きなお腹になると、腰が痛くなる事もあります。
腰もカイロで温めたり、腹巻きや毛糸のパンツを着ると冷えが改善されて痛みが楽になる事もあります。
最近は夏場でもクーラーなどによって冷えてしまうことがあるので、露出を控えた服装で過ごしましょう。
足湯なども効果的です。
のんびりリラックスして足湯に浸かるのもいいでしょう。
水分補給をしっかりする
妊婦中は頻尿になるために水分を控えたりしてしまいがちですが、水分を控えるのはよくありません。
妊娠中は普段より多く汗をかくために、水分不足になりやすいのです。
血液中の水分量が減ると、筋肉の動きが鈍くなり足がつりやすい状態になります。
その為に、常に水分補給は怠らないようにしましょう。
足を少し高くして休む
むくみ予防の為にも、普段から就寝中に足元にクッションや枕を置いて、足を高くして寝たりしますが、妊婦中も効果的です。
しかし、お腹の大きな妊婦さんが仰向けになるのは苦しいし大変です。
そこで、抱き枕を足と足の間に挟んで休むと楽な姿勢になります。
抱き枕がなくても、布団や枕、クッションでも代用出来ます。
ツボ押しやマッサージ
お風呂の後などの体が温まった状態で、ふくらはぎやひざの裏を優しく押したり、撫でて血流を良くします。
強く押しすぎない力加減で行いましょう。
骨盤ケア
マタニティーマッサージなどで、骨盤の歪みを整えたりもできますが、わざわざお店に足を運ぶのは大変でリスクもあります。
腹帯やマタニティーガードルで体を支えてあげましょう。
シムスの体位
シムスの体位というのをご存知ですか?
シムスの体位とは、体の左側を下にして横向きになる体勢です。
体の右側にある静脈への圧迫を軽くする効果があるために、血流が改善されます。
妊婦中は、お腹が大きくてどんな体勢でも寝苦しく、なかなか熟睡出来ない日が続きますが、そんな妊婦さんにもシムスの体位は体にとっても楽な体位として推奨されています。
まとめ
妊娠7ヶ月~8か月頃になると、足がつってしまうこともあると思います。
その代表的な原因は4つあります。
- 血行不良
- 栄養不足
- 骨盤の歪み
- 足への負担
日常生活を見直し、これらを改善することで足がつりやすい体質を改善することができます。
妊娠中はどんな些細な事でも心配や不安になってしまうものです。
体調が毎日変わったり、お腹が大きくなるにつれて生活の一つ一つの行動が辛く、苦しくもなります。
しかし、これといって何か特別な事をして過ごす必要はなく、日頃からバランスの良い食生活を送り、適度に運動をして、体を冷やさないように気を付けることが大切です。
毎日足がつってしまって辛い妊婦さんもいると思いますが、今の生活を少し見直し、赤ちゃんだけでなく、自分自身も労って下さい。
今は毎日が辛く大変ですが、後で振り返れば10ヶ月しかない貴重な期間です。
この記事を参考に、足がつる体質を改善し、10ヶ月しかない妊婦生活を素敵な思い出にして頂ければ幸いです。