生後12ヶ月は赤ちゃんから幼児へ!世界が広がります
生後12ヶ月の赤ちゃんの体重は、出生時の約3倍、身長は約1.5倍になります。
成長が早いと歩き始めたり、「ママ」や「ワンワン」など意味のある言葉を話し始める赤ちゃんもいます。
出産から1年が経ち、あんなに小さかった赤ちゃんは、もう自分の足で立って歩こうとするまで大きくなりました。
これから、たくさん歩いて、遊んで、お話しして、色々世界を広げていきます。
この記事では、この時期の赤ちゃんの特徴やかかりやすい病気、注意する症状についてお伝えします。
体重3倍、身長は1.5倍
おなかがぽっこりしていた赤ちゃん体型が、徐々にスマートな幼児体型になっていきます。
また、個人差はありますが、上下の前歯が4本ずつ生える赤ちゃんも多くなります。
離乳食も3回に慣れてきて、離乳食と離乳食の間が空いてくるので、おやつが必要になる時期です。
1歳前後から食べられるおやつもたくさん販売されているので、赤ちゃんの様子を見ながら、食べやすいおやつから選んで与えてあげてください。
この頃の成長曲線の範囲は以下のようになっています。
男の子
- 体重 7.68〜11.04キロ
- 身長 70.3〜79.6センチ
女の子
- 体重 7.16〜10.48キロ
- 身長 68.3〜77.8センチ
この頃の特徴
生後12ヶ月頃には歩き始める赤ちゃんもいます。
また、自己主張も強くなり、要求が通らない場合は激しく泣いたり、怒ったりする赤ちゃんも出てくる時期です。
成長は嬉しい一方、ママやパパは1日が慌ただしくなりますが、無事に1歳を迎えられたことに感謝して、これからどんどん成長する赤ちゃんの世界を一緒に広げてあげてください。
歩き始める時期には個人差がある
約8割の赤ちゃんが1歳3ヶ月までに歩き始めます。
一人立ちをしてからすぐに2〜3歩歩き始めることもありますが、なかなか歩き出さない赤ちゃんもいます。
歩き始める時期は個人差が大きいので、焦らずゆっくり赤ちゃんのペースを待ってあげてください。
意味のある言葉が1、2語出る赤ちゃんも
1歳半位までの間に「マンマ」「ワンワン」「ブーブー」など、意味のある言葉が出始めます。
この時期に言葉が出なくても、あまり心配はいりません。
たくさんの言葉の意味を理解していても、実際に口に出す時期には個人差があります。
自己主張は成長の証
自分と他人の違いを認識するようになり、自己主張が強くなってきます。
要求が受け入れられないと、激しく怒ったり、泣いたりすることもあります。
頭ごなしに叱ったりせず、怒る理由や赤ちゃんなりの主張を受け入れてあげてください。
かかりやすい病気や注意したい症状
生後12ヶ月になると、体も丈夫になり、免疫力もついてきます。
しかし、外出する機会も増えて、たくさんの人と触れ合うようになるため、多くのウイルス感染症にかかりやすくなります。
出生時に比べると丈夫になったとはいえ、まだまだ未熟です。
季節に関係なく、注意してあげてください。
手足口病
ウイルス感染により、手・足・口の中に発疹ができる病気で、感染から発症までは2〜7日程度です。
最初に口の中の粘膜や舌、歯肉、唇の内側などに口内炎ができます。
口の中が痛んで飲み込めないため、食欲が落ちたり、よだれが増える場合も多いです。
また、口の中と同時か少し遅れて、手のひら、足の裏、指の腹にも水疱ができます。
手や足の甲、ひじ、ひざ、お尻に赤みのある盛り上がった発疹が出ることもあります。
熱は出ても37〜38度程度で、1〜2日で下がる場合がほとんどです。
下痢や嘔吐を伴う場合もあります。
1週間から10日ほどで自然に治りますが、まれに髄膜炎や脳炎を起こす場合があるので注意が必要です。
必ず医師に診察してもらってください。
水疱や発疹のあとが残ることはありませんが、痛みから食事がとれなくなることもあるので、食事は酸味や塩分の少ないものにし、食後に湯冷ましを飲ませるなど、口の中を清潔に保ってください。
はしか(麻疹)
感染力が強い麻疹ウイルスが原因で起こる病気です。
潜伏期間は10日程度で、初期症状として発熱、咳、くしゃみ、鼻水など風邪症候群の症状が3〜4日続きます。
その後、一度熱が下がりますが、またすぐに上昇し、口の中の頬の内側に小さな白い発疹が現れます。
これを「コプリック斑」といい、はしか特有の症状で、診断するための重要な手がかりです。
このあとすぐに、赤い小さな発疹が顔や体へと広がっていきます。
発疹は1週間ほどで赤から赤褐色に変わって熱も下がり、急速に回復へと向かいます。
色素沈着を残す場合もありますが、約1ヶ月で消える場合がほとんどです。
特効薬はなく、解熱鎮痛薬や鎮咳薬などの対症療法で体力の消耗を防ぎます。
発疹が出て1週間を過ぎても熱が下がらない場合や、咳がひどい、ぐったりしているなどの症状が見られたら再受診してください。
はしかに感染すると、急性脳炎、肺炎、気管支炎、中耳炎などの合併症を起こす場合もあり、重篤になりやすく危険です。
対症療法以外の治療法がないため、予防接種での予防が唯一の対抗手段となります。
予防接種
生後12ヶ月になると、定期接種のMR(麻疹・風疹)ワクチンや、水痘(水ぼうそう)ワクチンが始まります。
また、任意接種のおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)ワクチンも接種出来るようになります。
ヒブ(インフルエンザ菌b型)ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、四種混合ワクチンも4回目の接種時期です。
ワクチンを接種したからといって、絶対にかからなくなるわけではありませんが、重症化を防げたり、合併症にかかりにくくなります。
赤ちゃんの体調のいい日に、接種しに行ってください。
お世話のポイント
生後12ヶ月を過ぎると、3回の離乳食とおやつで栄養を摂るようになります。
離乳食はそろそろ最終ステップになり、肉団子程度の固さを歯茎で噛んだり、潰したりできるように練習していきます。
卒乳も考えるママも多くなる時期です。
母乳の代わりに、フォローアップミルクに慣らしておくこともおすすめです。
また、おっぱいに代わるスキンシップや、言葉かけをたくさんしてください。
ぐずった時は、外遊びに誘うなど、関心を他へ向けて、自然な形で卒乳できるように工夫してみてください。
生後12ヶ月の赤ちゃんのミルクの量
離乳食をしっかりと食べられるようになると、自然に食後の授乳は減っていきます。
そろそろ卒乳や断乳を考えているママもいると思いますが、無理にやめる必要はありません。
母乳の場合は、2歳頃まで赤ちゃんが欲しがれば与えてあげてください。
しかし、母乳の与えすぎによって離乳食をあまり食べない場合は、授乳回数を減らして離乳食メインに移行してください。
また、フォローアップミルクなども試してみるのもおすすめです。
コップやストローの練習のために、マグに入れて飲ませてあげてください。
おやつからも栄養を摂る
生後12ヶ月の赤ちゃんは、離乳食と離乳食の間が空いてくるので、おやつからも栄養を補う必要があります。
ただし、あげすぎは離乳食を食べなくなってしまう原因になることもあります。
1日100キロカロリー程度を目安に、フォローアップミルクとヨーグルトなどと組み合わせるのもおすすめです。
また、成長に合わせておやつの種類や量を調節して、塩分や糖分の少ないおやつを選んでください。
気持ちを言葉にしてあげる
生後12ヶ月になると「マンマ」「ワンワン」など、意味のある言葉が話せる赤ちゃんもいます。
言葉は出なくても、指さしなどの動作や表情で訴えることもあります。
そんな時は、「クマちゃん欲しいのね」「お外へ行きたいのね」と、赤ちゃんの気持ちを言葉で返してあげてください。
コミュニケーションができた喜びを感じ、言葉を覚えて発していく原動力になります。
危険なことはその場で教える
伝い歩きやあんよが始まり、好奇心いっぱいの赤ちゃんは、どんどん行動範囲を広げていきます。
時として、それが危険な事故につながることもあります。
熱いものに触ったり、道路を一人で歩いたり、危ないことをしたときは、その場で真剣な表情で「ダメ」「危ない」と伝えて教えてあげてください。
根気強く危険を教えていくことが大切です。
1歳健診を受けましょう
1歳健診は実施していない自治体も多く、その場合は自費になってしまいますが、受けておくと安心です。
栄養状態の他、つかまり立ちや伝い歩きの様子、ものをつかむ様子、視覚、聴覚のチェック、歯の生え具合、言葉の理解度などを確認します。
つかまり立ちや伝い歩きは、目でわかりやすい大きな成長なので、他の赤ちゃんと比べてつい不安になってしまいますが、個人差が大きいので比べず見守っていってあげてください。
1年を振り返り、思い出を残そう!
最初は泣くだけだった赤ちゃんも、簡単な言葉の意味がわかるようになり、仕草や声で意思表示もできて、はいはいや伝い歩きでどんどん行動範囲を広げてきました。
1歳の誕生日を機に、出生からの1年を振り返り、記録や写真を整理しておくのもおすすめです。
慌ただしく過ぎていった1年ですが、赤ちゃんはしっかり成長して、たくましくなりました。
また、ママやパパも親になって1歳の記念日です。
赤ちゃんの1歳のお誕生日をお祝いする際には、ママとパパでお互いに感謝し合うことも大切で、素敵なことです。
これからどんどん大きく成長する赤ちゃんが楽しみですね!
大変なことも増えますが、ママとパパで支え合って、赤ちゃんの成長を見守ってあげていってください。