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【農地売却】これだけは覚えておきたい「基本ルール」と2つの売却方法

 2019/06/06 売却
 

日本の農家の人口は年々減少しています。

「年齢や体力を考えて農家を引退したい」「親から農地を相続したけれど活用できないので売却したい」といったケースが増えています。

  • 農地はどうやって売却すればいいの?
  • 家よりも売りにくいって本当!?
  • 農地を売るときのルールを知りたい!

食料を作るための貴重な農地は、農地法によって守られています。

農地の売却には特別なルールがあり、自分の土地であっても自由に売ることはできません

ルールを知らずに売却してしまうと厳しい罰則がありますので、売却方法とルールについて知っておくことが大切です。

 

この記事では、農地を売却するための方法と基本ルールをわかりやすく説明します。

記事を読んで、農地売却の参考にして頂ければと思います。

 

どうして農地は売りにくいの?

農地は“売りにくい”と言われていますが、その理由は2つあります。

1つは、農地法による厳しすぎる規制です。

農地法には「農家を守る」という大前提があります。

農家が減ると日本の食料自給率は下がり、食料を輸入に頼ることになってしまいます。

貴重な農地を減らさないようにするために、「農地を購入できるのは農家だけ」と限定し、「売却するときは許可を得ること」と定められています

さらに、駐車場や宅地に転用するためには、国が定めた厳しい条件をクリアしなければなりません。

もう1つの理由は、農地の需要が少ないことです。

農業を営む人の高齢化や後継者不足によって、農家の人口はどんどん減っています

今の時代は「農地を増やしたい!」という農家はほとんどいないため、需要自体が少なくなっています。

農地以外として売却するにしても、地盤改良に膨大な費用がかかることや、インフラ整備が十分ではない地域も多いため、宅地としての売却も難しいケースが多くなっています。

このように、農地法の厳しさと需要の少なさが、農地が売れにくい原因になっています。

 

農地売却の基本ルール

農地を売却するためには、特別なルールがあります。

  • 農業委員会または都道府県知事の許可を得ること
  • 農地を購入できるのは農家のみ
  • 農地以外にするためには、国の提示した条件をクリアすること

農地は国で守られています。

農業経験のない相手に売却したり、農地以外の目的で利用してしまうと農地として機能しなくなり、食料自給率が下がってしまいます。

そのため、農地は「買いたい人がいても勝手に売却してはいけない」ルールになっています。

もし、農業委員会の許可を取らずに農地を売却すると厳しい罰則があります。

 

農地を売る2つの方法

農地を売る方法は2つあります。

  1. 農地のまま売る
  2. 農地以外にして売る

農地のまま売る場合、購入できるのは農家か農業を行う事業者だけです。

農地として売ると売却価格は安くなりますが、手続きは簡単で費用もほとんどかかりません。

近隣に農地を購入してくれる農家がない場合は、宅地や駐車場などに転用して売却する方法があります。

買い手の幅が広がり売却価格も高くなりますが、転用するためには農地法による厳しい条件をクリアする必要があります。

 

1.農地のまま売る方法

農地のまま売るときは、農業委員会の売買許可(所有権移転許可)が必要です。【農地法第3条許可】

買い手に必要な条件は、次のように定められています。

  • すでに農業をしている
  • 農業に必要な適正人数が揃っている
  • 農業に必要な機械を持っている
  • 所有する全ての農地で継続して農業をしている
  • 耕作地の面積が50a以上である

つまり、農地としてきちんと活用できる農業のプロに売却してくださいということです。

したがって、「これから農業を始めたい人」は農地を手に入れることができません。

農地のまま売却するには、近隣の農家に声をかけて個人売買をするか、地域の農業関連機関にあっせんしてもらう方法が一般的です。

売却にかかる費用は、所有権移転登記の登録免許税と司法書士報酬のみです。

嵯峨根
農地法は農地の活用を目的としていますので、「農地が欲しい!」という買い手さえ見つかれば農地のまま売るのがシンプルで簡単です!

 

2.農地以外にして売る方法

農地を、農地以外に利用することを「転用」と言います。

転用するときは、都道府県知事の転用許可が必要になります。(申請の窓口は農業委員会です)【農地法第5条許可】

ただし、転用するためには農地法で定められた「立地基準」と「一般基準」の両方をクリアする必要があります。

 

立地基準

立地基準とは、場所や生産性によって農地を5つの区分に分けたものです。

まずは、あなたが所有している農地がどの区分に該当するのか、市役所の農業政策課に問い合わせて確認してみてください。

農用地区域内農地(青地)→不許可

  • 農業利用として確保しておくべき農地

甲種農地→不許可

  • 市街化調整区域内にある良好な条件の農地

第1種農地→原則不許可

  • 生産性の高い集団農地区域内の農地
  • 農業公共投資(国の補助金を使って農地を整備すること)の対象となっている

第2種農地→周囲の農地に影響を与えなければ原則許可

  • 将来的に市街化が見込まれている区域の農地
  • 農業公共投資の対象となっていない
  • 駅から500m以内にある

第3種農地→許可

  • 市街化が進行している区域(市街化区域)の農地
  • 駅から300m以内にある

農地として優良な条件を備えている土地ほど転用許可はおりず、市街地に近くなるほど許可がおりやすくなります。

区分が「第2種農地」か「第3種農地」であれば原則として転用許可がおります

さらに、農地のある場所が市街化区域内なら届出のみでOKです。

市街化区域とは「市街地として優先的に都市開発を行う地域」のことで、市街地に囲まれた農地は「むしろ宅地に転用してください」ということです。

所有している農地が、市街化区域に該当するかどうかは市役所で調べることができますので、立地基準と合わせて確認してください。

 

一般基準

一般基準とは、農地を別の用途として転用する目的や、転用後のプランが適切かどうかを判断するための基準です。

一般基準は以下のような条件になっています。

  • 申請の目的を実現できる資金力と信用がある
  • 転用する農地の関係者から同意を得ている
  • 転用許可後、速やかに目的のために利用する見込みがある
  • 許認可が必要な事業を行う場合、必要な許認可を受けられる見込みがある
  • 事業のために協議が必要な場合、すでに行政と協議を行っている
  • 転用する農地と一緒に使用すべき土地がある場合、その土地を利用できる見込みがある
  • 農地の広さは、事業目的として適正な広さである
  • 周囲の農地等に影響が出ないように、適切な措置を講じる見込みがある
  • 一時的な転用であれば確実に農地に戻せる見込みがある

転用目的や具体的なプラン、資金力、周囲への影響などをチェックされます。

つまり、「具体的なプランは決まっていないけれど、売却したいからとりあえず転用する」というのは認められないということです。

転用して売却するには、不動産会社に買い手を探してもらうか、農業委員会にあっせんしてもらうのが一般的です。

嵯峨根
国としてはできるだけ農地のまま残しておきたいので、転用するにはそれなりの理由と具体的なプランの提出が必要になります!

 

 

農地を売却する流れ

農地を売却するときは、農業委員会または都道府県知事の許可が必要なので、通常の売買契約とは流れが異なります。

農地を売却するときの流れは以下のようになります。

まずは、買い手を見つけて“許可がおりることを条件にした”売買契約を結びます。

売買契約を締結したら、農業委員会(または都道府県知事)に許可申請をします。(申請窓口はどちらも農業委員会になります)

許可がおりるまでは、申請してから1ヵ月半~3ヵ月くらいかかります。

その間に、仮登記をして買主がその土地を予約します。

許可がおりたら、売却代金の支払いと所有権移転の本登記を行います。

嵯峨根
許可がおりなかった場合、契約は白紙になります。許可がおりることを条件にした売買契約なので、その際の違約金は一切発生しません。

 

まとめ

いかがでしたか?

農地は、農地法によって守られているため自由に売買することはできません。

農地売却の基本ルールは次のとおりです。

  • 農業委員会(または都道府県知事)の許可を得ること
  • 農地を購入できるのは農家のみ
  • 農地以外にするためには、国の提示した条件をクリアすること

農地を売却するためには2つの方法があります。

  • 農地のまま売る
  • 農地以外にして売る

農地は農家にしか売却できず、転用するためのハードルも高いです。

そのため、仲介を依頼するなら農地売却に慣れている実績豊富な不動産会社に依頼するのが安心です!

農地の売却に強い不動産会社を探すには、無料の一括査定サイトが便利です。

こちらの記事を参考に是非チェックしてみてください!

あなたの家は高く売れる!【不動産売却は準備とスピードが命】

この記事があなたのお役に立てれば幸いです!

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ライター紹介 ライター一覧

嵯峨根 拓未

嵯峨根 拓未

所有資格:宅地建物取引士

初めての不動産購入や売却はわからないことだらけだと思います。
宅建士の立場から、不動産に関する正しい知識と情報をお伝えします!

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