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不動産の売却で贈与税がかかる!?贈与税をかけずに不動産を譲渡する3つの方法

 2019/05/10 不動産
 

家族や親戚に家を譲りたい!

そんなとき、家族の負担を少しでも減らすために「赤の他人に売るより安くしたい」「タダであげたい」と考える人も多いのではないでしょうか?

でも、ちょっと待ってください!

実は、不動産の売却によって高額な贈与税がかかることがあります。

  • 売却したのに贈与税がかかるの!?
  • 相手に負担をかけたくない・・・
  • 税金のことでトラブルになりたくない!

日本の税金のシステムはとても複雑で「こんなところにも税金がかかるの!?」と驚くことも多く、家族や親戚間で不動産売買をするときは特に注意が必要です。

税務署に「見なし贈与」と指摘されてしまうと、贈与税が一気に課税されることになります。

子供の負担にならないようにというあなたの好意が、逆に子供を苦しめる結果になることも・・・。

 

そこでこの記事では、不動産売買で与税がかかるケースと、贈与税をかけずに不動産を譲渡する方法について、わかりやすく説明します。

記事を読んで参考にして頂ければと思います。

 

贈与税とは?

贈与税とは、個人の資産を「あげる」「もらう」というやり取りしたときに、もらった人が支払う税金です。

贈与税には「相続税」の補佐的な役目があります。

例えば、親族が亡くなって遺産を相続すると、受け取った人は相続税を支払うことになります。

「だったら、生きているうちにタダであげれば相続税はかからないよね?」

という抜け穴をふさぐために贈与税が生まれました。

「贈与」というと、親族間での取引が対象になると思われるかもしれませんが、他人であっても贈与税は発生します

ただし、贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、一年間で受け取った金額が110万円までなら贈与税はかかりません

 

贈与税の金額っていくら?

贈与税は、税金の中でも高額なことで知られていますが、どのくらいの税率なのか計算してみましょう。

1.1月1日~12月31日までに受け取った合計金額から、基礎控除110万円を差し引きます。

2.差し引き後の金額を以下の表に当てはめます。

3.課税価格×税率を求めてから、控除額を差し引きます。

4.差し引いた金額が支払う贈与税になります。

 

【一般贈与財産用】

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1000万円以下 40% 125万円
1500万円以下 45% 175万円
3000万円以下 50% 250万円
3000万円超 55% 400万円

 

【特例贈与財産用】

直系尊属(祖父母・父母)から、その年の1月1日時点で20歳以上の者(子・孫)へ贈与した場合は、こちらの税率を使用します。

ただし、義父母からの贈与は対象外です。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1000万円以下 30% 90万円
1500万円以下 40% 190万円
3000万円以下 45% 265万円
4500万円以下 50% 415万円
4500万円超 55% 640万円

親子間で発生した贈与税は、一般の贈与税に比べて優遇されています。

【関連記事】

不動産は生前贈与がお得?相続との違いは?わかりやすく解説します!

 

不動産を譲渡して贈与税がかかるケース

不動産を譲渡したときに贈与税がかかるのは、次の3つのケースです。

  • タダであげる
  • 不動産の名義変更をする
  • 著しく低い価格で売却する

「タダであげると贈与税がかかる」というのはイメージしやすいと思います。

しかし、不動産の名義変更をするだけでも「無償で資産を譲渡した」ことになるので、受け取った側には贈与税が発生します。

他人も巻き込む可能性があるのは、著しく低い価格で不動産を売却した場合です。

 

著しく低い価格で売却すると「みなし贈与」になる

贈与税は、相続税の抜け穴をふさぐために作られたものです。

しかし、そうなるとさらなる抜け穴が出てきます。

先述したように、年間110万円以下の贈与には贈与税はかかりません。

「110万円までは贈与税がかからないなら、100万円で売却すればいいんじゃない?」

このようになりますよね。

そこで、その抜け穴を防ぐために、相続税法第七条では以下のように定められています。

著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合においては、当該財産の譲渡があった時において、当該財産の譲渡を受けた者が、当該対価と当該譲渡があった時における当該財産の時価との差額に相当する金額を、当該財産を譲渡した者から贈与によって取得したものとみなす。

(相続税法第七条)

簡単にいうと

相場より安すぎる価格で売却すると、それは贈与とみなしますよ。

だから、相場と売却価格の差額に贈与税がかかりますよ。

ということです。

例えば、時価1000万円の不動産を100万円で売却したとすると、相場との差額は900万円ですよね。

この900万円に贈与税がかかるということです。

特に、知り合いへの売却には「安くしてあげたい」という好意が金額に反映されやすく、「みなし贈与」になってしまう可能性があります。

税務署に指摘されると、不動産鑑定を行って裁判所に書類を提出しなければならなくなるので面倒です。

 

贈与税をかけずに不動産を譲渡する方法

贈与税をかけずに不動産を売却するためには、3つの方法があります。

  • 共有名義にして持分割合を変更する
  • 適正価格で売却する
  • 借金を返済するために譲渡する

一つずつ詳しく説明します。

 

共有名義にして持分割合を変更する

まず、親の所有する不動産を子供との共有名義にします。

そして、親子の持分割合を毎年変更していくという方法です。

持分割合とは、不動産を共有名義にしたときの権利の割合のことです。

贈与税は年間110万円までは非課税なので、これを利用して子供の持分割合を毎年110万円におさまるように増やしていきます

【例】

時価1000万円の不動産を親から子供に譲りたい場合

【1年目の持分割合】親 10分の9(900万円)/子供 10分の1(100万円)

【2年目の持分割合】親 10分の8(800万円)/子供 10分の2(200万円)

   ↓ 毎年少しずつ割合を変更

【9年目の持分割合】親 10分の1(100万円)/子供 10分の9(900万円)

このように、少しずつ持分割合を変更することで、1000万円の不動産を贈与税をかけることなく子供に譲渡することができます。

ただし、持分割合を変更するために毎年手続きが必要になります。

編集部
「今後10年間に渡り毎年1/10ずつ持分割合を変更する」という契約書を作成した場合は、税務署に「定期贈与」とみなされて全額分の贈与税がかかる可能性があります。持分変更については必ず専門家に相談をして、リスクについて理解した上で慎重に行ってください!

【関連記事】

【共有名義の不動産】トラブルなく売却するための「4つの方法」と6つの注意点

 

適正価格で売却する

税務署は登記簿のデータを把握しています。

特に、親族間の不動産売買には目を光らせていて、売買価格が適正かどうかを厳しくチェックしています。

確実に見なし贈与になるのは、時価の5割以下で売却した場合です。

親族間での取引では、仲介手数料節約のため不動産会社を挟まないことがよくあります。

しかし、不動産会社が仲介することで、税務署は「不動産のプロによる適正な取引である」と判断するため、チェックが入りにくくなるメリットがあります。

【関連記事】

私の土地っていくらで売れるの?売却査定で簡単に相場を調べる

 

借金を返済するために譲渡する

もしも、あなたの家族が借金返済で苦しんでいたら、何とか助けてあげたいですよね。

でも、資産を譲ると贈与税がかかるかもしれない・・・と考えて躊躇してしまうのではないでしょうか?

実は「著しく低い金額で譲渡するとみなし贈与になる」という相続税法第七条には、続きがあります。

但し、当該財産の譲渡が、その譲渡を受ける者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、その者の扶養義務者から当該債務の弁済に充てるためになされたものであるときは、その贈与又は遺贈に因り取得したものとみなされた金額のうち、その債務を弁済することが困難である部分の金額については、この限りでない。

(相続税法第七条)

どういうことかと言うと、不動産を受け取る人に現金や車などの財産がなく、借金を返済するために譲渡するのであれば、贈与税はかかりませんということです。

このようなケースは専門知識が必要になるので、不動産会社または専門家に相談することをおすすめします。

 

まとめ

いかがでしたか?

不動産を譲渡すると、相手に高額な贈与税がかかってしまうことがあります。

贈与税がかかるケースは次の3つです。

  • タダであげる
  • 不動産の名義変更をする
  • 著しく低い金額で売却する

贈与税がかからないケースは次の3つです。

  • 共有名義にして持分割合を変更する
  • 適正価格で売却する
  • 借金を返済するために譲渡する

税務署に「みなし贈与」と指摘されると高額な贈与税が発生しますので、不動産会社とよく相談して一番良い方法を選ぶことをおすすめします。

この記事があなたのお役に立てれば幸いです!

 

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ライター紹介 ライター一覧

嵯峨根 拓未

嵯峨根 拓未

所有資格:宅地建物取引士

初めての不動産購入や売却はわからないことだらけだと思います。
宅建士の立場から、不動産に関する正しい知識と情報をお伝えします!

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