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トラブルに注意!共有名義の不動産を売却する方法と6つの注意点

不動産売却には様々なケースがありますが、共有名義の不動産を売却したい時はどうすれば良いのでしょうか?

  • 共有名義の土地は売却できるの?
  • 自分の分だけ売れるの?
  • スムーズに売却をしたい
  • すぐに現金が欲しい
  • 親族とのトラブルを避けたい

共有名義の不動産を売るときは、基本的に名義人全員の同意が必要になります

そのため、相続によって親戚と共有名義になったり、離婚によって売却をしたいときなどは、意見がまとまらずにトラブルに発展してしまう可能性もあります。

そうなれば、あなたが大きなストレスを抱えてしまうかもしれません。

 

この記事では、共有名義の不動産をトラブルなくスムーズに売却する方法をお伝えします。

記事を読んで、不動産売却に役立てて頂ければと思います。

 

共有名義とは?

共有名義とは、不動産の所有権を複数人で所有することです。

不動産が共有名義になる例としては、次のようなものがあります。

  • マイホーム購入時に夫婦で共有名義にする
  • 二世帯住宅購入時に親子で共有名義にする
  • 相続で親族との共有名義にする

家の購入資金を出し合ったり、相続した土地を分配する際に、共有名義の不動産として登記するケースが多いです。

共有名義は、土地面積の一部が自分の敷地になるというわけではなく、「権利の一部を共有している」という意味になります。

 

共有持分権者

共有持分権者とは、不動産を共有している名義人のことです。

共有持分権者には、単独で行える手続きと、共有持分権者全員の同意が必要な手続きがあります。

単独でできること

保存】

  • 不動産維持のために修繕をすること
  • 不法占拠者などを追い出すこと

【使用】

  • 共有している不動産に自分が居住すること

過半数の同意が必要

【利用】

  • 不動産を短期的に賃貸借に出すこと
  • 賃貸借の契約を解除すること

【改良】

  • リフォームやリノベーションを行うこと

全員の同意が必要

【処分】

  • 不動産を売却すること
  • 抵当権を設定すること
  • 借地借家法の適用のある賃貸借契約を締結すること

 

不動産の処分は全員の同意がないと行うことはできず、誰か一人が反対していれば売却できません。

これが原因でトラブルに発展するケースが多くなっています。

 

共有持分割合

共有持分割合とは、共有持分権者の持つ権利の割合のことです。

持分割合は名義人同士の話し合いや、相続割合によって決定し、割合は1/2や1/3などと表記されます。

権利の割合ということは、持分割合が多いほど単独で行える手続きが増えるということです。

例えば、リフォームなどの改良をしたいときは、過半数の同意が必要になりますが、これは同意する人数ではなく持分割合が過半数になればよいという意味です。

【兄2/3、弟1/3】の持分割合のときは、兄の持分割合がすでに過半数になっているので、弟の同意がなくてもリフォームをすることができます。

 

共有名義の不動産を売る方法

共有名義の不動産売却をするためには、全ての手順において、名義人全員の同意、書類、同席が必要になります。

売却の方法は以下の4つです。

  1. 共有名義のまま売却する
  2. 共有者に現金で買い取ってもらう
  3. 自分の持ち分のみを売却する
  4. 分筆してから売却する

共有持分権者が全員一致で売却に同意していればスムーズですが、誰か一人が売却に反対していたり、意見が分かれてしまうこともあります。

それぞれの状況に応じた売却方法を選ぶことが大切です。

 

1.共有名義のまま売却する

全員に売却する意思があれば、共有名義のまま売却をして代金を分ける方法が一番簡単です。

売却の際に必要な書類は、以下の通りです。

  • 全員分の身分証明書
  • 全員分の住民票
  • 全員分の実印
  • 全員分の印鑑証明書
  • 土地測量図
  • 境界確認書
  • 権利書(登記識別情報)

権利書は、平成18年(2006年)以降「登記識別情報通知」と呼ばれています。

登記識別情報は、申請した人にパスワード代わりの12桁の英数字が通知されますので、他人に知られないように厳重に管理してください。

 

委任状による手続き

共有名義の不動産売却は、基本的に共有持分権者全員の同意と立ち会いが必要になります。

しかし、共有者が海外にいたり病気で入院していたりする場合などは、委任状による代行手続きが可能です。

委任状に決まった様式はありませんが、最低限必要な記載事項は次の通りです。

  • 住所
  • 氏名
  • 不動産売却を委任する意思
  • 委任の有効期限
  • 不動産情報
  • 署名
  • 実印
  • 印鑑証明の添付(発行後3ヵ月以内のもの)
  • 戸籍附票の添付

不動産の情報が間違っていると、委任状の効果はなくなってしまいますので、登記簿謄本などを参考に正確に記載してください。

また、登記簿上と住民票の住所が異なる場合は、住所変更登記も委任することになりますので、本籍地の役所で発行した戸籍附票を添付してください。

委任状によって、売却代金の受け取りを代表者が行った場合、後日分配金を他の共有持分権者に渡すことになりますが、委任の場合は現金を渡しても贈与税はかかりません

 

2.共有者に現金で買取ってもらう

売却したい人と、売却したくない人に分かれてしまった場合は、自分の持分割合を共有者に現金換算して買取ってもらう方法があります。

買取った共有者は持分割合が増え、あなたは売却によって現金を得ることができます。

ただし、共有者に買取る意志や支払う現金がなかったり、一人でも買取りに反対している場合には、この方法は使えません。

 

3.自分の持ち分のみを売却する

共有者に買取りをしてもらえないときは、自分の持ち分のみを第三者に売却する方法があります。

自分の持ち分だけであれば、共有者の同意がなくても売却は可能です。

しかし、現実的には、他人と共有名義の不動産を購入したいという買い手はいません。

親族間での共有名義の土地を、一般の第三者が所有するという点でも、トラブルになる可能性があります。

そのため、持ち分のみを買取ってくれる業者に売却を依頼するのがおすすめです。

デメリットとしては、持ち分のみの不動産は価値が低くなるため売却価格が安くなることです。

また、この方法は土地のみの売却に有効なので、建物の売却には使えません。

 

4.分筆してから売却する

分筆とは、共有名義で登記されている一つの土地を物理的に分配して単独名義にすることです。

分筆をすることによって、土地を単独名義でそれぞれ所有している扱いになるため、同意がなくても売却が可能になります。

分筆の流れを詳しく説明します。

1.土地を分ける

分筆登記では、共有持分割合によって分筆の割合を決定し、土地を物理的に分配します。

しかし、境界線の位置によっては土地の価値に差が出ることがあります。

例えば、道路に面している土地と面していない土地に分割した場合、道路に面していない土地の方が価値が低くなります。

土地の価値は売却金額に直結しますので、大きな差が出る場合はトラブルになる可能性があります。

プロの手を借りながら、全員が納得のいく境界線を決める必要があります。

2.土地家屋調査士による測量

分筆の境界線が決定したら、土地家屋調査士による正確な測量を行い、土地面積と境界線をはっきりさせます。

その際、コンクリートやプラスチックなどの境界標を設置して境界線によるトラブルを防止します。

測量の費用は50万円程度です。

3.分筆登記

測量が完了したら分筆登記をします。

分筆登記は、測量をした土地家屋調査士に依頼をするのが一般的で、費用は5万円程度です。

また、土地の数は一つにつき「一筆」といいますが、分筆後の土地一筆につき1000円の登録免許税がかかります。

登録免許税は収入印紙を貼ることによって納めます。

4.所有権移転登記

分筆登記が完了したら、売却をするために所有権移転登記をします。

所有権移転登記は、司法書士に依頼をすることになりますが、報酬として約5万円と登録免許税がかかります。

【登録免許税】=土地の価格(固定資産税評価額)×0.4%

編集部
分筆には費用と時間がかかりますので、最後の手段として考えておく方が良いかもしれません。

 

共有名義の不動産を売却するときの注意点

共有名義の土地を売却するときの注意点は、以下の6つです。

  1. 確定申告はそれぞれの名義で
  2. 持分割合が分からないときは
  3. 換価分割による贈与税
  4. 無償の名義変更は贈与税の対象に
  5. 住宅ローン返済
  6. 離婚の場合の売却時期

それぞれ詳しく説明します。

 

確定申告はそれぞれの名義で

不動産売却で発生した譲渡所得税は、共有者全員が負担することになります。

利益金額やかかった経費をすべて持分割合と同じにして、それぞれの名義で確定申告をします。

ただし、共有名義が夫婦の場合の特例として、売却価格と経費は合計金額で記載し、「妻と共有名義 持分1/2」と明記することで、利益が1/2で計算されます。

 

持分割合が分からないときは

相続などで共有持分権者が複数になるときは、持分割合が分からないこともあります。

その場合、登記簿謄本や登記事項証明書で確認することができます。

登記簿の【権利部(甲区)所有権に関する事項】に、共有者それぞれの氏名と持分割合が記載されています。

【共有者】

  • ●市●町1番地
  • 持分3分の2
  • 山田 一郎
  • ▲市▲町1丁目1番1号
  • 持分3分の1
  • 佐藤 二郎

また、相続をしたばかりで相続登記をしていなければ、登記簿には亡くなった所有者の情報しかありません。

その場合は、法定相続分か遺産分割協議で決定した相続割合が持分割合となります。

 

換価分割による贈与税

換価分割とは、遺産分割協議で売却が決まった場合、代表者の名義で登記して売却後に代金を分配する方法です。

相続人が多いと全員の日程調整が難しくなるため、売却手続きをスムーズに行うために認められています。

ただし、遺産分割協議書に「代表者の名義で相続登記をして、換価分割すること」と明記しなければなりません。

相続時の換価分割に贈与税はかかりませんが、上記の記載がなければ相続に無関係な人に代金を分配したとみなされ、贈与税がかかってしまいますので注意してください。

また、遺産分割協議の割合と異なる割合で代金を分配した場合は、分配金を多く受け取った人が贈与税を支払うことになりますので、割合を変えないように注意してください。

 

無償の名義変更は贈与税の対象に

親子の共有名義を子供の単独名義に変更する場合、持分割合に応じた金額で親子間の売買をしてから名義変更をします。

しかし、子が親に支払いをすることなく単独名義に変更してしまうと「親が持分割合を子に贈与した」とみなされ贈与税の対象になります。

年間で110万円以内なら贈与税はかかりませんが、それを超えると非常に高い贈与税を支払うことになりますので注意してください。

 

住宅ローン返済

売却時にローン残高が残っている場合は、残金を一括返済することになります。

残っているローン残高よりも売却価格が小さければ資金が必要になりますので、トラブルを防ぐためにも、ローン残高は誰が支払うのか決めておいてください。

 

離婚の場合の売却時期

夫婦の共有名義で購入した不動産を売却する場合は、売却時期に注意してください。

売却による譲渡所得税は、不動産の所有期間によって異なります。

もし、購入後5年以内に売却をしようとしていたら、すぐに売らずに5年を超えてから売却した方が節税になります。

 

まとめ

いかがでしたか?

共有名義の不動産を売る方法は以下の4つです。

  1. 共有名義のまま売却する
  2. 共有者に現金で買い取ってもらう
  3. 自分の持ち分のみを売却する
  4. 分筆してから売却する

同意の有無や関係性によって、ベストな方法を選んでください。

また、売却時の注意点は次の6つです。

  1. 確定申告はそれぞれの名義で
  2. 持分割合が分からないときは
  3. 換価分割による贈与税
  4. 無償の名義変更は贈与税の対象に
  5. 住宅ローン返済
  6. 離婚の場合の売却時期

特に、贈与税は高額になりますので、現金のやり取りには注意してください。

 

共有名義の不動産売却では、トラブルを避けるために、まずは共有持分の不動産を買取りしている業者に相談をする方が多いです。

一括査定サイトで、共有名義の不動産を査定してくれる業者のアドバイスをもらうのがおすすめです。

査定依頼の際は「共有名義であること」を記載しておけばやり取りもスムーズになります。

一括査定については、以下の記事を参考にしてみてください。

プロが勧める不動産売却一括査定サイト5選!メリットとデメリットも解説

 

この記事があなたのお役に立てれば幸いです。

 

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おうちの悩み.com 編集部

おうちの悩み.com 編集部

【おうちの悩み.com】所属の一級建築士、一級施工管理技士、宅地建物取引士、木造耐震診断士、適合証明技術者、インテリアコーディネーター、住宅ローンアドバイザー、大工、塗装業者、主婦からなる情報発信チーム。
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