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【不動産売却】譲渡所得とは?計算方法と知っておくべき税金の知識

不動産売却が無事に終わったら、最後の仕上げとして確定申告が必要になります。

確定申告は、譲渡所得を申告して所得税を納めるために行います。

  • 譲渡所得って何?
  • 計算方法が分からない・・・
  • どのくらい税金を支払うことになるの!?
  • 所得税について知りたい
  • 確定申告で損をしたくない!

年末調整のある会社に勤めていれば、確定申告をする機会はなかなかないですよね。

譲渡所得とは、不動産売却によって出た利益のことです。

確定申告では、申告ミスなどで税金を多く徴収しても、自動的に還付されることはほぼありません。

もし、譲渡所得について詳しく知らずに確定申告をすれば、あなたが損をしてしまうかもしれません。

この記事では、譲渡所得の計算方法や税金についての知識をお伝えします。

記事を読んで、確定申告の参考にして頂ければと思います。

 

譲渡所得とは?

確定申告では、不動産などを売却することを「譲渡」といい、譲渡によって出た利益のことを「譲渡所得」と呼んでいます。

譲渡所得の金額が課税対象となり、その金額を元に税率を計算し、所得税を支払うことになります。

売却で利益が出なかった場合は、確定申告の義務はありませんが、自ら確定申告を行うことで節税になる場合もあります。

【関連記事】

3000万円特別控除とは?知って得する!不動産売却後の特例6つ

 

譲渡所得の計算方法

不動産を売却した時の譲渡所得の計算方法は、次のようになります。

譲渡所得の計算式
【譲渡所得】=譲渡収入金額(売却価格)-譲渡費用(売却費用)-取得費(購入価格)

ポイントは、譲渡収入金額(売却した価格)がそのまま所得金額になるわけではないということです。

譲渡費用(売却にかかった費用)と、取得費(不動産の購入価格)を差し引いた金額が、最終的な課税対象になります。

 

譲渡費用になるものならないもの

譲渡費用は、不動産を売却するために直接かかった費用のことです。

「直接」というのがポイントで、売却直前のリフォームや「ここを修繕してくれるなら購入します!」という買い手の要望で行った修繕については、譲渡費用になります。

しかし、売却時期より前に「いずれ売却をする予定だから、今のうちにリフォームをしておこう」といった理由での修繕費は、売り主が住んでいる間の維持・補修という意味合いになるため、譲渡費用にはなりません。

譲渡費用になるもの、ならないものを一覧にしました。

【譲渡費用になるもの】

  • 仲介手数料
  • 売買契約書の収入印紙税
  • 修繕費(買い手の要望や売却直前に行った場合)
  • 測量費(買い手の要望や売却直前に行った場合)
  • 解体費(買い手の要望や売却直前に行った場合)
  • 鑑定料(買い手の要望や売却直前に行った場合)
  • 広告費(自己負担分のみ)
  • 滅失登記の司法書士報酬
  • 契約の違約金(売買契約の締結後に、更に有利な条件で売るため、旧契約者に支払った違約金)
  • 曳屋(ひきや)費用(広い敷地の別の場所に、建物ごと移動させること)
  • 賃貸アパートなどの立退料(身内への支払いは除く)
  • 名義書換料(借地権を売るときに地主の承諾をもらうための費用)
  • トラブル時の弁護士費用(売買交渉に関する内容のみ)

【譲渡費用にならないもの】

  • 引越代金
  • ゴミ処理代
  • 抵当権抹消の登記費用
  • 住所変更の登記費用
  • 相続登記の登記費用(譲渡費用にはなりませんが、取得費として認められます)
  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • ローンの繰り上げ返済事務手数料
  • 売却代金の取り立て費用
  • 税理士費用(譲渡所得に関する確定申告の依頼)

抵当権抹消の登記費用や、自分が住んでいる間の修繕費、維持・管理のためにかかった費用は、譲渡費用として認められないので注意してください。

【関連記事】

家を売る手数料はどのくらい?不動産売却にかかる諸費用【まとめ】

 

取得費

取得費は、土地・建物の代金や建築費用など、不動産を購入するときにかかった費用のことです。

取得費の計算には、2通りの方法があります。

①概算取得費

購入してから何十年も経過している建物や、相続した先祖代々の土地の売却など、購入費が分からない場合は概算で取得費を計算します。

計算式は以下の通りです。

概算取得費の計算式
【概算取得費】=売却価格×5%

売却価格が3000万円の場合、概算取得費は3000万×5%=150万円になります。

②実額取得費

購入時の資料が保管されていて、細かい金額が分かる場合は、土地・建物に分けてそれぞれの取得費を計算します。

【土地】・・・土地の購入代金・手数料の合計

【建物】・・・建物の購入代金・手数料の合計から、減価償却費を差し引いた金額

実額取得費の計算式
【実額取得費】=購入価格-減価償却費

建物は年数が経つほど劣化するため、その資産価値はどんどん減っていきます。

不動産売却では、売却した時点での建物の価値を取得費として計算します。

建物の価値がどのくらい減少したのか計算することを減価償却といい、減少分の金額を減価償却費といいます。

減価償却費の計算式は以下のようになります。

減価償却費の計算式
【減価償却費】=建物の購入代金×0.9×償却率×経過年数

償却率は、建物の種類や法定耐用年数によって異なります。

3000万円で購入した建物で、減価償却費が1000万円の場合は、売却時点での資産価値は2000万円です。この2000万円が取得費になります。

築年数が経過するほど資産価値の減少分は大きくなるため、築5年の建物を売却するよりも、築30年の建物を売却した方が減価償却費は多くなります。

 

【関連記事】

【不動産売却】取得費の計算方法と「取得費になるもの」一覧

【不動産】マンションを売却したら必要な知識!減価償却費の計算方法

 

所得の種類

所得の種類は、譲渡所得を含めて10種類に分類されています。

  1. 給与所得(賃金、賞与)
  2. 雑所得(公的年金)
  3. 一時所得(生命保険の一時金)
  4. 事業所得(自営業から生ずる所得)
  5. 不動産所得(土地・建物の貸付けから生じる所得)
  6. 利子所得(預貯金の利子)
  7. 配当所得(株式の配当金)
  8. 譲渡所得(土地・建物、借地権、株式、ゴルフ会員権、機械の譲渡による所得)
  9. 山林所得(山林の譲渡による所得)
  10. 退職所得(退職金)

確定申告では、これらの所得をそれぞれ申告して、所得税の金額を計算していきます。

譲渡所得と混同しやすいものに不動産所得がありますが、これは不動産の売却ではなく、賃貸による家賃収入で得た所得のことですので、申告の際は間違えないようにしてください。

 

所得の課税方法

所得に対する課税方法は、所得内容の性質によって次の3つに分けられます。

  • 総合課税
  • 申告分離課税
  • 源泉分離課税

課税方法にどのような違いがあるのか、それぞれ説明します。

 

総合課税

総合課税とは、他の所得と合算して税金を計算する課税方法です。

総合課税には累進税率が採用されていて、所得の多い人には納税額を高く、少ない人は安くなるように調整されています。

主に、給与所得や年金など、定期的に受け取る所得が総合課税として計算されます。

譲渡所得の中では、ゴルフ会員権や機械の譲渡による所得が、総合課税になります。

 

申告分離課税

申告分離課税とは、他の所得と分離して税金を計算する課税方法です。

不動産売却のような一時的な所得を、総所得に含めてしまうと、累進税率によって納税額が高額になってしまいます。

そのような負担を避けるための特別措置として、申告分離課税があります。

譲渡所得の中では、土地・建物、借地権、株式の譲渡による所得が、申告分離課税になります。

 

源泉分離課税

源泉分離課税とは、他の所得と分離して源泉徴収され、それで全ての納税が完結する制度です。

課税金額をあらかじめ差し引いたものを受け取るため、それ以上の納税は必要ありません。

預貯金の利子などが、源泉分離課税になります。

 

譲渡所得の税率

不動産の譲渡所得の税率は、不動産を所有していた期間が5年を超えるかどうかがポイントになります。

5年以下だと短期譲渡所得になり税率は約40%ですが、5年を超えれば長期譲渡所得になるため、税率は一気に20%に下がります。

それぞれの税率は以下のとおりです。

※平成49年までは復興特別所得税2.1%が別途かかります。

 

所有期間によって税率は異なりますが、譲渡所得20%~40%が不動産売却時の納税額になります。

 

まとめ

いかがでしたか?

譲渡所得の計算式は次のようになります。

【譲渡所得】=譲渡収入金額(売却価格)-譲渡費用(売却費用)-取得費(購入価格)

譲渡費用の計算では、費用になるものとならないものがありますので注意してください。

また、取得費の計算には次の2通りの方法があります。

①【概算取得費】=売却価格×5%

②【実額取得費】=購入価格-減価償却費

実測取得費の場合は、減価償却費を差し引いて計算します。

【減価償却費】=建物の購入代金×0.9×償却率×経過年数

譲渡所得の税率は20%~約40%になります。

 

これらの知識を確定申告に役立て頂ければ幸いです。

また、確定申告や節税対策について、こちらの記事も是非参考にしてみてください。

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嵯峨根 拓未

嵯峨根 拓未

所有資格:宅地建物取引士

初めての不動産購入や売却はわからないことだらけだと思います。
宅建士の立場から、不動産に関する正しい知識と情報をお伝えします!

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