不動産売却のホームインスペクションとは?義務ではないがメリットがある!
あなたはホームインスペクションという言葉を聞いたことはありますか?
「インスペクション」は検査という意味で、中古住宅の売買やリフォームをする際に建物の劣化状況をチェックするおうちの健康診断のことです。
- どんな検査項目があるの?
- 費用や時間はどのくらいかかる?
- ホームインスペクションをするとどんなメリットがあるの?
ホームインスペクションは建物の知識のない一般の売主や買主にも建物状況が分かるようになるため、不動産売却がスムーズになります。
インスペクションをして付加価値を付ければ、家を早く高く売ることも可能になります。
そこでこの記事では、ホームインスペクションの4つのメリット、インスペクターの選び方についてお伝えします。
不動産売却を成功させたい方はぜひご覧ください!
ホームインスペクションは義務ではない
ホームインスペクションとは、建築の知識を持った専門家が住宅の劣化状況、欠陥の有無を客観的な立場で診断することです。
2018年の宅地建物取引業法改正で、中古住宅を売却するときは仲介業者から売主に対してホームインスペクションの告知をすることが義務化されました。
- インスペクションという建物検査があることを告知
- 売主にインスペクション実施の意向があれば業者を斡旋
- インスペクションを実施した場合、重要事項説明書に記載して買主に説明
義務化されたのは、インスペクションの実施ではなく告知や推奨です。
つまり、実施するかどうかを決めるのは売主または買主ということになります。
ホームインスペクションのメリット
ホームインスペクションは義務ではありませんが、自主的に実施することで4つのメリットがあります。
建物に付加価値がつく
中古住宅を購入する買主が一番心配なのは「欠陥がないか?」という点です。
アメリカでは広く浸透しているホームインスペクションですが、日本では告知が義務化されたばかりなので、自ら実施している売主は少ない状況です。
しかし「ホームインスペクション済」の物件に絞って検索している買主は多いので、逆に付加価値が高まり相場より高く売れるチャンスになります。
買いたい家=安心できる家なので、売主が先手を売ってインスペクション情報を公開することは大きなメリットになります。
ただし、買主側が費用を払ってホームインスペクションを行う場合は、検査結果によってはせっかく決まりかけた契約が流れてしまうこともあるので注意が必要です。
欠陥によるトラブルの防止
不動産売却をする際、売主には瑕疵担保責任があります。
瑕疵担保責任とは、売却後に隠れた欠陥が見つかったときは売主がその責任を負って修繕費用などを負担するというものです。
ホームインスペクションを実施してありのままの建物状況を告知することで、隠れた欠陥自体がなくなり、売却後のトラブルに発展するリスクが減ります。
リフォーム計画が立てやすい
ホームインスペクションを実施した結果、補修が必要な箇所があればオススメの補修時期や費用についてアドバイスをしてもらえます。
つまり、近々補修が必要な部分があらかじめ分かるようになるので、効率的なリフォームをして高く売ることも可能になります。
さらに、買主としても購入前にリフォームすべき箇所が分かるので、購入の検討材料や入居に向けてのリフォーム計画も立てやすくなります。
売却価格を決めやすくなる
中古住宅の価格は、建物の劣化状況に大きく左右されます。
ホームインスペクションを行うと、欠陥も含めた建物状況が分かるため正当な売却価格を決める基準になります。
状態によっては売却価格が下がってしまうリスクはありますが、建築のプロが客観的な第三者目線で検査をすることでその情報は信頼に値し、買主の印象も良くなります。
ホームインスペクションの検査項目
ホームインスペクションは、目視、触診または計測によって行われます。
全体的な検査を一通り行うため、壁を破壊して内部を確認することはありません。
ホームインスペクションの検査項目は以下の通りです。
引用:国土交通省ホームページ 既存住宅インスペクションガイドライン
大事なポイントは3つです。
①構造耐力
人間が安全に住むために必要な構造的な部分に欠陥がないかチェックします。
- 腐朽や腐食
- シロアリ被害
- 床の傾き
- 基礎のひび割れなど
②雨漏り
台風などの際に、雨水が室内に侵入する恐れがないかチェックします。
- 屋根の欠損
- 窓サッシの欠損
- 天井裏の雨漏りなど
③設備配管
安全で快適な生活を送るための配管設備に問題がないかチェックします。
- 給水管の錆び
- 配水管の詰まり
- 換気ダクトの接続など
これらの一次検査で不具合が見つかった場合は、専用の機器を使用して詳しく調べることもあります。
ホームインスペクションの費用と時間
ホームインスペクションにかかる相場は5万円前後です。
点検口から床下に侵入して検査を行うときは、業者によってはプラス料金が発生することもあります。
また、一次検査で不具合が見つかり二次検査を行う場合は追加料金がかかります。
検査にかかる時間は、3時間前後になります。
良いインスペクターの選び方
ホームインスペクションを行う人を「インスペクター」と呼びます。
インスペクターの資格には、大きく分けて公的資格と民間資格があります。
公的資格
- 国土交通省「既存住宅状況調査技術者」
建築士の資格を持った人だけが取得できる資格 - 日本建築士会連合「建築士会インスペクター」
建築士(1級・2級・木造)、建築施工管理技士(1級・2級)の資格を持った人が取得できる資格
元々、建築に深く携わっている建築士や施工管理技士のみが取得できる資格です。
民間資格
- JSHI公認ホームインスペクター
- 既存住宅インスペクター
- 住宅メンテナンス診断士
- 日本ホームインスペクターズ協会
民間資格は建築士でなくても取得できるため、講習さえ受ければ誰でもインスペクターになることができます。
つまり、建築士でもなく現場経験も乏しいインスペクターが検査すると、構造的な理解が浅くきちんとした検査が行われない可能性があります。
そのため、インスペクターを選ぶときは公的資格または建築士の資格を持っている人を選ぶことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
不動産売却時にホームインスペクションをすると4つのメリットがあります。
- 建物に付加価値がつく
- 欠陥によるトラブルの防止
- リフォーム計画が立てやすい
- 売却価格を決めやすくなる
ホームインスペクターを選ぶ際は、国土交通省の講習を受講した建築士で「既存住宅状況調査技術者」に依頼すると安心です。
不動産会社には、ホームインスペクションと瑕疵担保責任の保証をセット提供している業者もあります。
合わせて依頼すると一貫したサービスが受けられるので、売却もスムーズになります。
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