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【不動産】マンションを売却したら必要な知識!減価償却費の計算方法

不動産売却後の確定申告では、取得費の金額を確定させるために「減価償却費」の計算が必要になります。

  • 減価償却費?なんだか難しそう・・・
  • 土地だけの売却のときも必要なの?
  • 計算方法がよく分からない・・・
  • 確定申告で損をしたくない!

「減価償却」という言葉は日常では100%使わないので、意味が分からない!という方がほとんどだと思います。

減価償却費とは「建物の資産価値がどのくらい減少したのか?」を金額で表したものです。

減価償却費の計算方法はかなり複雑で、建物の種類や建物を購入した日によっても異なります。

また、減価償却費の計算自体が不要なケースもあるので、確定申告をするためには減価償却費の正しい知識が必要です。

 

そこでこの記事では、減価償却費の計算方法についてわかりやすく説明します。

記事を読んで、確定申告の参考にしていただければと思います。

 

減価償却費とは?

減価償却費とは「モノの資産価値がどのくらい減少したのか?」を金額で表したものです。

資産の取得費用を一定の年数に分割して経費計上する計算方法で、主に企業会計で用いられています。

家の価値は年数が経つほど下がっていくので、譲渡所得の計算は売却時の価値で取得費を計算することになっています。

例えば、子供の頃に1本100円で購入した鉛筆を短くなるまで使い続け、30年後にボロボロの状態で売るとします。

長かった鉛筆をそこまで使えば、「100円の元は取れた」と考えられますよね。

そこで、短くなった鉛筆の価値を「ゼロ」とみなします。

価値のない鉛筆を10円で売却したとしても、「90円損した!」とはならず「10円儲かった」という考え方になります。

売却した時点の価値を表すために必要なのが、減価償却費です。

不動産売却では以下の計算式で取得費を求めます。

取得費の計算式
【取得費】=(購入価格+購入にかかった費用)-減価償却費

取得費は、購入価格と購入にかかった諸経費の合計から、減価償却費を差し引いて計算します。

単純に購入価格=取得費にはならないので注意してください。

 

【関連記事】

【不動産売却】譲渡所得とは?計算方法と知っておくべき税金の知識

【不動産売却】取得費の計算方法と「取得費になるもの」一覧

 

減価償却費の計算式

減価償却費は「実額取得費」を計算するときに必要になります。

実額取得費とは、購入価格や購入にかかった諸経費の資料が残っている場合の、取得費の計算方法です。

減価償却費の計算式は以下のようになります。

減価償却費の計算式
【減価償却費】=建物代金×0.9×償却率×経過年数

注意点は、建物代金のみを基に計算することです。

なぜなら、減価償却費は経年劣化する”モノ”に対して行う計算なので、劣化しない土地には関係ないからです。

償却率は、耐用年数に応じた償却率で計算します。後ほど詳しく説明しますが、耐用年数は木造や鉄筋コンクリートなど建物の構造によって異なります。

経過年数は、取得日から売却日までの端数が6ヵ月以上なら1年とみなし、6ヵ月未満は切り捨てて計算をします。

例えば、購入から20年6ヵ月で売却したときは「21年」となり、20年5ヵ月で売却したときは「20年」として計算します。

 

まずは建物のみの代金を求める

減価償却費を計算するために、まずは建物のみの代金を求めます

建物代金を求める方法は、以下の3つです。 

  • 契約書に記載されている建物代金
  • 契約書に記載されている消費税から建物代金を逆算する
  • 建物の標準的な建築価額から求める

一つずつ説明します。

 

契約書に記載されている建物代金

不動産を購入したときの契約書に

【土地部分○円/建物部分○円】

このようにそれぞれの金額が明記されている場合は、記載されている建物代金をそのまま使います。

この方法が一番簡単です!

 

消費税から建物代金を逆算する

契約書に【土地+建物】の合計金額しか記載されていない場合は、消費税の金額から逆算して建物代金を求めます。

消費税は、消費する”モノ”に課せられているものなので、記載されている消費税は建物分の消費税ということになります。

消費税から逆算して求めるときの計算式は以下の通りです。

消費税から建物代金を求める計算式
【建物代金】=消費税÷5%+消費税

※消費税は不動産の取得年月日によって異なります

  • 平成元年4月1日~平成9年3月31日【3%】
  • 平成9年4月1日~平成26年3月31日【5%】
  • 平成26年4月1日~【8%】

【例】平成10年4月1日取得(5%)

消費税100万円と記載されている場合

まずは、100万円の消費税が課税される場合、元の値段はいくらなのか?を求めます。

100万円÷5%=2000万円【建物代金(税抜)】

建物代金は2000万円ということが判明しました。

この2000万円は税抜き金額なので、消費税を足して税込みにします。

2000万+100万円=2100万円【建物代金(税込)】

【土地+建物】の合計金額しか記載がない場合は、このように消費税から逆算をして建物代金を求めます。

 

建物の標準的な建築価額から求める

契約書に【土地+建物】の合計金額しか記載がなく平成元年4月1日以前に取得した建物の場合、そもそも消費税がないので逆算して計算できませんよね。

その場合は、建物の標準的な建築価額表から建物代金を計算します。

標準建築価額表から建物代金を求める計算式
【建物代金】=単価×床面積(㎡)

建築した年と建物の構造によって、当時の1㎡あたりの標準的な建築費用から建物代金を割り出す方法です。

【建物の標準的な建築価額表】

(単位:千円/㎡)

建築年(昭和/平成) 木造・木骨モルタル 鉄骨鉄筋コンクリート 鉄筋コンクリート 鉄骨
昭和46

昭和47

昭和48

昭和49

昭和50

昭和51

昭和52

昭和53

昭和54

昭和55

昭和56

昭和57

昭和58

昭和59

昭和60

昭和61

昭和62

昭和63

平成1

平成2

平成3

平成4

平成5

平成6

平成7

平成8

平成9

平成10

平成11

平成12

平成13

平成14

平成15

平成16

平成17

平成18

平成19

平成20

平成21

平成22

平成23

平成24

平成25

平成26

平成27

31.2

34.2

45.3

61.8

67.7

70.3

74.1

77.9

82.5

92.5

98.3

101.3

102.2

102.8

104.2

106.2

110.0

116.5

123.1

131.7

137.6

143.5

150.9

156.6

158.3

161.0

160.5

158.6

159.3

159.0

157.2

153.6

152.7

152.1

151.9

152.9

153.6

156.0

156.6

156.5

156.8

157.6

159.9

163.0

165.4

61.2

61.6

77.6

113.0

126.4

114.6

121.8

122.4

128.9

149.4

161.8

170.9

168.0

161.2

172.2

181.9

191.8

203.6

237.3

286.7

329.8

333.7

300.3

262.9

228.8

229.7

223.0

225.6

220.9

204.3

186.1

195.2

187.3

190.1

185.7

170.5

182.5

229.1

265.2

226.4

238.4

223.3

258.5

276.2

262.2

47.2

50.2

64.3

90.1

97.4

98.2

102.0

105.9

114.3

129.7

138.7

143.0

143.8

141.7

144.5

149.5

156.6

175.0

193.3

222.9

246.8

245.6

227.5

212.8

199.0

198.0

201.0

203.8

197.9

182.6

177.8

180.5

179.5

176.1

171.5

178.6

185.8

206.1

219.0

205.9

197.0

193.9

203.8

228.0

240.2

30.3

32.4

42.2

55.7

60.5

62.1

65.3

70.1

75.4

84.1

91.7

93.9

94.3

95.3

96.9

102.6

108.4

117.3

128.4

147.4

158.7

162.4

159.2

148.4

143.2

143.6

141.0

138.7

139.4

132.3

136.4

135.0

131.4

130.6

132.8

133.7

135.6

158.3

169.5

163.0

158.9

155.6

164.3

176.4

197.3

一戸建ての場合は【単価×延べ床面積】

マンションの場合は【単価×専有面積】で計算します。

 

償却率を求める

建物代金が分かったら償却率を求めます。

償却率とは、新品のモノの価値を100%としたときに1年で何%ずつ価値が減るのかを表したものです。

国税庁 減価償却資産の償却率表

それぞれの耐用年数に応じた償却率を求めて、計算式に当てはめます

表は細かくて分かりにくいと思うので、償却率の求め方を簡単に説明します。

 

耐用年数とは?

耐用年数とは、建物がどのくらいの期間使用できるのかを表したものです。

住宅の場合は、木造や鉄筋コンクリート造など建物の種類によって異なります。

それぞれの構造に応じた耐用年数と償却率は、以下のようになります。

※定額法を適用した場合

一般の住宅を売却したときは、居住用の償却率を計算式に当てはめます。

 

建物の売却には定額法を使う

償却率には、定額法と定率法の2種類があります。

  • 定額法・・・毎年一定の金額を減価償却費として計上する方法
  • 定率法・・・最初の数年で一気に減価償却費を計上し、それ以降ゆるやかに計上する方法

建物の売却時には定額法を適用することが法律で定められています。

 

建物取得日によって旧定額法と定額法に分かれる

定額法は、さらに旧定額法と定額法の2種類に分けられます。

どちらを適用するかは建物の取得日によって異なります

旧定額法・・・取得日が平成19年3月31日以前

定額法・・・取得日が平成19年4月1日以降

旧定額法と定額法の違いは小数点以下の端数処理の方法です。

定額法の償却率は【1÷耐用年数】で計算されているため、耐用年数によってはピッタリ割り切れないことがあります。

その場合、旧定額法は切り捨て、定額法は切り上げた償却率になっています。

といっても数字の違いは微々たるものなので、金額に大きな差が出ることはありません。

 

実際に計算してみよう!

建物代金と償却率を求めたら、実際に減価償却費がいくらになるのか計算してみましょう!

減価償却費の計算式
【減価償却費】=建物代金×0.9×償却率×経過年数

【例】

建物代金2000万円/償却率0.031/経過年数15年の場合

2000万円×0.9×0.031×15年=837万円

減価償却費は837万円になります。

取得費は、購入価格と購入にかかった費用の合計から、ここで求めた837万円を差し引いて計算することになります。

 

おまけ:増改築をしているケース

Q.一戸建の場合で、住んでいる間に増改築をしていたら減価償却費はどのように計算すればいいのでしょうか?

A.増改築部分と新築部分に分けて減価償却費を計算します

【例】

新築代金2000万円/償却率0.031/経過年数15年

増改築代金1000万円/償却率0.031/経過年数10年

購入時の諸費用合計200万円

【新築部分】

2000万円×0.9×0.031×15年=837万円

【増改築部分】

1000万円×0.9×0.031×10年=279万円

【減価償却費合計】

837万円+279万円=1116万円

この家全体の取得費は・・・

3000万+200万円)-1116万円=2084万円

2084万円ということになります。

このように、新築部分と増改築部分の減価償却費をそれぞれ計算することで、全体の取得費を求めることができます。

 

まとめ

いかがでしたか?

減価償却費は「実額取得費」を計算するときに必要になります。

減価償却費の計算式は次のとおりです。

【減価償却費】=建物代金×0.9×償却率×経過年数

減価償却費は、土地を除いた建物部分の金額で計算します。

建物代金を求める方法は次の3つです。

  • 契約書に記載されている建物代金
  • 契約書に記載されている消費税から建物代金を逆算する
  • 建物の標準的な建築価額から求める

償却率は、構造と耐用年数に応じた償却率で計算します。

もし増改築をしている場合は、新築部分と増改築部分に分けてそれぞれの減価償却費を計算します。

 

この記事があなたのお役に立てれば幸いです!

 

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嵯峨根 拓未

嵯峨根 拓未

所有資格:宅地建物取引士

初めての不動産購入や売却はわからないことだらけだと思います。
宅建士の立場から、不動産に関する正しい知識と情報をお伝えします!

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