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宅建士が教える不動産売買契約書7つの注意点!重要事項説明書はここをチェック!

 2019/01/19 売却
 

不動産売却で買主と交わす売買契約書について、こんな疑問はありませんか?

  • 専門用語が多くて分かりにくい
  • 何が重要か分からない
  • そもそも契約書のどこを見ればいいの?
  • 売買契約書を交わすときの流れを知りたい
  • 契約時の注意点は?

売買契約書には、法律や不動産の専門用語がたくさんあって難しいですよね。

しかし、意味がよく分からないままサインをしたり大事な条件を見落としたりすると、売却後にトラブルになって後悔してしまうかもしれません

売買契約書は、重要なことだけがギュッと凝縮されています。

そこで今回は、不動産売却時の契約書の注意点についてお伝えします。

契約書への理解を深めて、売却に役立てていただければと思います。

 

不動産の売買契約の流れ

【売買契約の流れ】

  1. 不動産会社と媒介契約
  2. 売却活動開始
  3. 内覧
  4. 購入の意思決定【重要事項説明書】
  5. 本契約【売買契約書】
  6. 手付金の支払い
  7. 引き渡し

売買契約書は、買主が購入を決めたあとに交わすもので「重要事項説明書」と「売買契約書」の2つあります。

書類自体は仲介をする不動産会社が作成しますが、支払い条件や損害賠償に関わる重要な内容が記載されているので、ご自身でもしっかりと確認してください。

 

重要事項説明書と売買契約書の違い

不動産売却時に交わす「重要事項説明書」と「売買契約書」、内容はよく似ていますが、署名・捺印をする意味としてまったくの別物です。

 

重要事項説明書は買主に事前説明するための書類

重要事項説明書とは、「こんな条件だと知ってたら購入しなかったのに!」といったトラブルを防ぐため、契約前にあらかじめ物件詳細を買主へ説明しておくための書類です。

主に、物件の状態や建築制限などについて記載されています。

ただ複雑な法律や専門用語が多く記載されているため、一般の買主がすべての意味を理解することは難しいものがあります。

そこで、「宅地建物取引士の資格を持つ者が、買主に口頭説明を行うこと」と法律で義務付けられています。

買主が重要事項説明書に署名・捺印をすると、間違いなく口頭でも説明を受けました」という証明の意味をもちます。

 

売買契約書は本契約

売買契約書は、不動産売買における本契約の書類です。

重要事項説明書の内容に買主が納得をしたら、売主・買主・不動産会社の三者が集まり、契約内容を読み上げながら最終確認をします。

売主と買主がそれぞれ署名・捺印をした時点で正式に売買契約が成立し、それ以降のキャンセルは違約金が発生します。

嵯峨根
実際の売買契約の場では、重要事項説明書と売買契約書の読み上げは同日に行われることがほとんどです。
不動産会社によって、同席した売主側にも重要事項説明書に署名と捺印を求められることもあります。

 

売買契約書の内容


重要事項説明書と売買契約書は、同じ内容でも異なる言葉で記載されています。

聞き慣れない用語も多くややこしいので、わかりやすく解説します。

 

重要事項説明書の記載事項

重要事項説明書の内容は、大きく3つに分かれています。

  • 対象物件について 6項目
  • 取引条件について 7項目
  • その他 2項目

それぞれ説明します。

 

【対象物件に関するもの】

1.登記記録に記録された事項
  • ローン抵当権は決済・引き渡し時までに抹消することを約束する旨
  • 登記記録に記録されていない権利も明記
2.法令に基づく制限、概要
  • 用途地域、建ぺい率・容積率、敷地と道路の関係など、住宅の建築や増改築に大きく影響する規制
3.私道と負担に関する事項
  • 敷地が私道に面している場合の、位置・面積・権利・利用負担金の有無
4.飲用水・電気・ガスの供給施設および排水施設の整備状況に関する事項
  • 飲用水・電気・ガスの供給形態、排水管・ガス管の埋設位置
  • 未整備の場合の予定時期・負担金の有無・金額
5.宅地造成または建物建築の工事完了時における形状・構造等に関する事項
  • 建築工事が未完成の場合、工事完了時の構造・間取りなどの平面図
6.区分所有建物の場合の敷地に関する権利、共用部分に関する規約等の定めなどに関する事項
  • マンションの場合、管理規約・使用細則、駐車場使用料、管理費・修繕積立金額、管理会社の名称など
  • 売主が管理費や修繕積立金を滞納している場合、買主が購入後に滞納額を負担すること
  • 共用部の修繕に必要な値上げや一時負担金が予定されている場合、その旨を明記

 

【取引条件に関するもの】

1.代金、交換差金および借賃以外に授受される金銭に関する事項
  • 手付金・固定資産税・管理費・賃料の精算金額、時期
2.契約の解除に関する事項
  • どのような場合に契約解除できるのか
  • どのような手続きが必要になるのか
  • 契約解除によってどのような効果が発生するのか
3.損害賠償額の予定または違約金に関する事項
  • 損害賠償額や違約金額とその内容。定めがない場合もその旨を明記
4.手付金等の保全措置の概要(不動産会社が売主の場合)
  • 不動産会社が売主の売買で、一定額を超える手付金を受け取った場合の保全措置の概要(義務)
5.支払金または預り金の保全措置の概要
  • 不動産会社が買主から50万円以上の金銭を受領する場合、保全措置の有無とその概要(任意)

※保全措置とは…不動産会社の倒産で物件引き渡しが不能になった場合に、手付金を返金する保証

6.金銭の貸借のあっせんに関する事項
  • 不動産会社が買主にローンあっせんを行う場合の融資条件、融資が受けられなかった場合の措置
7.瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要
  • 保証保険契約の締結の有無と内容

 

【その他】

1.国土交通省令・内閣府令で定める事項
  • 物件が土砂災害警戒区域内にある、耐震診断を受けた旨、心理的に告知すべき事項などを明記
2.割賦販売に係る事項
  • 不動産会社が割賦販売をする場合の金額とその内容

 

売買契約書の記載事項

では上記の重要事項説明書の内容が、契約書ではどの項目に該当するのか見ていきます。

1.登記記録に記録された事項
◆契約書ではこの言葉◆

契約の当事者の特定

  • 売主と買主の住所・氏名

売買の目的物の表示

  • 登記記録に記録されている内容

所有権の移転・引き渡し・登記

  • 所有権の移転・引き渡し・登記は、売買代金支払いと同時に行う

抵当権などの抹消

  • 抵当権が設定されている場合、引き渡しまでに抹消すること

 

1.代金、交換差金および借賃以外に授受される金銭に関する事項
◆契約書ではこの言葉◆

売買の対象面積と売買代金の決定方法

  • 売買代金の計算方法
  • 【土地】登記記録上の公簿面積での計算か、実測面積での計算か。実測面積の場合は、契約前の確定か、契約後に実測して精算かを明記
  • 【建物】登記記録上の公簿面積での計算が一般的

境界の明示

  • 隣地との境界。不明な場合、土地家屋調査士や測量士により境界を確定
  • 越境物がある場合、買主が承継するか、売主が解消するかを明示

代金の支払い方法

  • 契約締結時に買主が手付金を支払い、引き渡し時に残代金を支払う
  • 中間金を支払う場合もある
  • 実測売買による引き渡し時に精算する場合、その方法を明記

公租公課などの精算

  • 固定資産税や都市計画税などの精算方法

 

2.契約の解除に関する事項
◆契約書ではこの言葉◆

手付金・手付解除

  • 手付金は最終決済で売買代金に充当する
  • 当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付金を放棄、売主は倍返しで契約を解除できる

 

3.損害賠償額の予定または違約金に関する事項
◆契約書ではこの言葉◆

契約違反による解除

  • 契約上の重大な違反があったときは、契約を解除できる
  • 履行遅滞の場合、相当の期間を定め、配達証明付き内容証明郵便で催告し、それでも履行されない場合に解除できる

 

6.金銭の貸借のあっせんに関する事項
◆契約書ではこの言葉◆

ローン特約

  • 融資を受けられなかった場合、手付金は買主に無利息で返還する
  • 契約が解除された場合、不動産会社は仲介手数料を請求できない。すでに受け取っている場合は返還する

 

7.瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要
◆契約書ではこの言葉◆

瑕疵担保責任

  • 「引き渡し後○カ月」など、売主が瑕疵担保責任を負う期間
  • 期間内に瑕疵が発見された場合、売主に損害賠償または契約解除を請求できる

上記以外に、売買契約書にしか記載されていない項目もあります。

設備・備品等

  • 設備等の引き継ぎ、故障の有無について「設備表」を作成する
  • 特に、瞬間湯沸器や給湯器など、経年劣化により生命や身体に重大な危害を及ぼす恐れがある「特定保守製品9品」は明記

危険負担

  • 災害で建物に損害を受けた場合、どちらが修繕費を負担するか
  • 物件修復が困難な場合は、売主または買主が契約を解除できる

反社会的勢力排除条項

  • 双方が反社会的勢力ではないことの確認

 

売買契約書の7つの注意点


売買契約時は、契約内容を口頭で読み上げながら確認していきますが、自分のペースで理解したりゆっくり調べる時間はほとんどありません。

そこで、注意点は事前にしっかりと整理しておくことが大切です。

確認不足や勘違いで買主とトラブルにならないために、確認するべき7つの注意点をお伝えします。

 

引き渡し猶予の特約はついているか

引き渡し猶予とは、契約書で決められた引き渡し日に間に合わない事情があるときに、買主に引き渡しを待ってもらう特約です。

通常、引き渡しと決済は同日に行うのが原則です。

しかし、あなたが買い替えをする場合は、決済時にローンを完済して、そのあと新たに新居のローンを組むことになりますよね。

そうなると、銀行の手続き上タイムラグが必ず発生し、引き渡し前に自分が新居に引っ越すことはできません。

そこで買主の了承を得て、引き渡し猶予の特約をつける必要があります。

引き渡しの猶予期間は一般的に1週間くらいですが、できる限り買主の都合を優先するように配慮してください。 

 

売買代金の計算方法は公簿面積か実測面積か

売却価格は【坪単価×面積】で計算しす。

その際に、登記記録上の公簿面積で計算するのか、測量をした実測面積で計算するのかを確認しておきましょう。

条件が「公簿計算」になっていれば、あとで実測面積とのズレが発覚しても差額分は請求できません。

 

手付解除の期限はいつか

売買契約が成立すると、買主から手付金が支払われます。

手付解除の期限内なら、買主は手付金を放棄することで、売主は手付金の倍返しをすることで契約を解除することができます。

この手付期限を過ぎてしまうと上記の手付金に加えて売却金額の10~20%の違約金が発生します。

万が一のために、手付解除の期限をチェックしておきましょう。

【関連記事】
不動産売買契約時の手付金「相場はいくら?」上限と入金タイミングを徹底解説

 

ローン特約のリスクを理解する

ローン特約とは、買主がローン審査に通らなかった場合に、違約金なしで一方的に契約解除できるというものです。

一般的には、ローン特約のない契約はほとんどありません。

売主にとっては契約解除のリスクがあるので、契約前に本当にこの買主は大丈夫かなどを不動産会社に相談しながら相手を見極めておくことも大切です。

【関連記事】
住宅ローン特約とは?デメリットや注意点を知って、有利な契約を!

 

瑕疵担保責任の期間はいつまでか

瑕疵担保責任とは、売却後にシロアリ被害や雨漏りなどの隠れた欠陥が見つかった場合に、その責任を売主が負うというものです。

瑕疵担保責任の期間は、引き渡しから3~6か月が一般的です。

この期間が記載されていないと、民法によって「買主が瑕疵を発見してから1年以内」が売主の責任となりますので注意してください。

【関連記事】
不動産売却のトラブルを防ぐ!「瑕疵担保責任」の基礎知識

 

設備の引き継ぎは明確になっているか

給湯器、エアコン、照明などの設備はどのようにするかを明確にしておきます。

  1. 処分
  2. 新居へ移動
  3. 買主へ引き継ぎ

買主がそのまま引き継ぐ設備については、故障や不具合の有無がきちんと記載されているかもチェックしてください。

なにも記載がなく設備が故障していた場合は、売主が修理代金を支払うことになります。

 

震災で損壊したら売主が修繕する

万が一、引き渡し前に地震や火事などで建物が損壊した場合は、売主の負担で修繕してから引き渡すことを頭に入れておきましょう。

ただし、被害があまりにも大きく修復不可能な場合は、売主・買主どちらも違約金なしで契約解除ができます。

 

まとめ

いかがでしたか?

不動産売却の流れと、契約書を交わすタイミングは次の通りです。

  1. 不動産会社と媒介契約
  2. 売却活動開始
  3. 内覧
  4. 購入の意思決定【重要事項説明書】
  5. 本契約【売買契約書】
  6. 手付金の支払い
  7. 引き渡し

重要事項説明書と売買契約書には、以下の違いがあります。

  • 重要事項説明書…契約前に買主に詳細を説明するための書類
  • 売買契約書…本契約の書類
     

契約書でチェックするべき注意点は7つです。

  1. 引き渡し猶予の特約はついているか
  2. 売買代金の計算は公簿面積か実測面積か
  3. 手付解除の期限はいつか
  4. ローン特約のリスクを理解する
  5. 瑕疵担保責任の期間はいつまでか
  6. 設備の引き継ぎは明確になっているか
  7. 震災で損壊したら売主が修繕する

不動産の売買契約書や重要事項説明書には、重要なことしか記載されていません

契約後のトラブルを防ぐためにも内容をよく理解して、署名・捺印をしてください。

 

最後になりますが、ご成約おめでとうございます!

この記事が、トラブルの無いスムーズな売買契約のお役に立てれば幸いです!

 

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嵯峨根 拓未

嵯峨根 拓未

所有資格:宅地建物取引士

初めての不動産購入や売却はわからないことだらけだと思います。
宅建士の立場から、不動産に関する正しい知識と情報をお伝えします!



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